英語学習において、「〜に」や「〜のために」という目的や方向を表す表現は非常に重要です。
この記事では、for、to、in order to、so that、for the sake of、towards、with the aim ofなど、目的や方向性を示す多様な英単語や表現の違いと適切な使い方を詳しく解説します。
それぞれの表現の微妙なニュアンスの違いを理解することで、より自然で正確な英語表現が可能になります。例文を通して実践的な使い方も学びましょう。
「〜に・〜のために」を表す英単語

「〜に」や「〜のために」という意味を表す英語表現には様々なものがあります。それぞれニュアンスや使用場面が異なるので、適切に使い分けることが大切です。
「〜に・〜のために」を表す英単語
- for:〜のために、〜向けに(人・目的・期間を表す)
- to:〜へ、〜に(方向・目的を表す)
- in order to:〜するために(明確な目的を表す)
- so that:〜できるように(結果や成果を表す)
- for the sake of:〜のために(利益や福利を表す)
- towards/toward:〜に向かって(方向・目標を表す)
- with the aim of:〜を目指して(目標を表す)
- for the purpose of:〜の目的で(明確な意図を表す)
- on behalf of:〜のために、〜の代わりに(代理を表す)
- in the interests of:〜の利益のために(便益を表す)
- with a view to:〜を目指して(将来の行動や結果を見据えて)
これらの表現はそれぞれ微妙に意味やニュアンスが異なります。使い方を誤ると、伝えたい内容が正確に伝わらないことがあるので、しっかりと使い分けを理解しましょう。
「〜に・〜のために」を表す英単語の発音・意味・特徴と使い分け【例文あり】
それでは、上記で挙げた表現について、一つずつ詳しく解説していきます。発音、意味、特徴、そして使い分けのポイントをしっかりと把握して、自分の英語表現の幅を広げましょう。
for(フォー)
意味と特徴
forは「〜のために」という目的や受益者、「〜の間」という期間、「〜向けの」という対象を表す基本的な前置詞です。非常に汎用性が高く、日常会話でも頻繁に使われます。人の利益のため、何かの目的、交換や代価、期間などを表現できる万能な前置詞です。
使い分けのポイント
- 人の利益や恩恵を表す場合に使います
- 物事の目的や理由を表す場合に使います
- 時間や期間を表す場合にも使います
- 比較的カジュアルな場面でも自然に使えます
例文
- I bought this present for my mother.(私は母のためにこのプレゼントを買いました。)
- We study English for our future.(私たちは将来のために英語を勉強します。)
- He waited for three hours.(彼は3時間待ちました。)
to(トゥー)
意味と特徴
toは「〜へ」という方向や「〜に」という到達点、「〜するために」という目的を表します。動詞の不定詞を作る際にも使われる重要な語です。場所や人への方向性、行動の目的、時間の範囲などを示すことができます。
使い分けのポイント
- 物理的な方向や目的地を表す場合に使います
- 不定詞(to + 動詞の原形)で目的を表す場合に使います
- 受取人や対象を表す場合に使います
- forより少しフォーマルな印象があります
例文
- I went to school this morning.(私は今朝学校に行きました。)
- She came to see you yesterday.(彼女は昨日あなたに会いに来ました。)
- Please give this book to your brother.(この本をあなたの兄に渡してください。)
in order to(イン オーダー トゥー)
意味と特徴
in order toは「〜するために」という明確な目的を表す表現です。単なるtoよりも目的を強調したい場合に使われます。文の冒頭や文中で使うことができ、目的をより明確に、フォーマルに表現したい場合に適しています。
使い分けのポイント
- 目的をより明確に強調したい場合に使います
- フォーマルな文書や会話で使うと適切です
- toだけでは意味が不明確になる場合に使うと効果的です
- 長めの説明が必要な目的を述べる場合に適しています
例文
- I wake up early in order to catch the first train.(最初の電車に乗るために私は早起きします。)
- She studies hard in order to pass the exam.(彼女は試験に合格するために一生懸命勉強します。)
- We saved money in order to buy a new car.(私たちは新しい車を買うためにお金を貯めました。)
so that(ソー ザット)
意味と特徴
so thatは「〜できるように」「〜するために」という結果や成果を強調する表現です。目的というよりも、その行動によって生じる結果や状態に焦点を当てています。can、could、will、wouldなどの助動詞と一緒に使われることが多いです。
使い分けのポイント
- 行動の結果や成果を強調したい場合に使います
- 「〜できるように」という可能性を表現する場合に適しています
- 助動詞と組み合わせることで、意図をより明確にできます
- 従属節を導入するため、主節と従属節の関係を明確にできます
例文
- I will speak slowly so that you can understand me.(あなたが理解できるように、私はゆっくり話します。)
- She left early so that she wouldn’t miss the bus.(彼女はバスに乗り遅れないように早く出発しました。)
- We turned off the TV so that we could concentrate on our homework.(宿題に集中できるようにテレビを消しました。)
for the sake of(フォー ザ セイク オブ)
意味と特徴
for the sake ofは「〜のために」という目的や理由を表す表現で、特に誰かの利益や福利のため、または何かを守るために行動する場合に使われます。感情的なニュアンスを含み、犠牲や配慮を示す場面で使用されることが多いです。
使い分けのポイント
- ・誰かの利益や幸福のためという意味合いが強い場合に使います
- ・何かを守ったり維持したりするための行動を表す場合に適しています
- ・感情的な理由や高尚な目的を表現する際に効果的です
- ・やや文学的でフォーマルな表現です
例文
- I stayed quiet for the sake of peace.(平和のために私は黙っていました。)
- He gave up smoking for the sake of his health.(彼は健康のために禁煙しました。)
- She moved to the countryside for the sake of the children.(彼女は子どもたちのために田舎に引っ越しました。)
towards/toward(トゥワーズ/トゥワード)
意味と特徴
towardsは「〜に向かって」「〜の方へ」という方向性を表す前置詞です。物理的な方向だけでなく、目標や目的に向かう姿勢や進行も表現できます。「towards」はイギリス英語で好まれ、「toward」はアメリカ英語で一般的です。
使い分けのポイント
- 物理的な方向を示す場合に使います
- 目標や目的に向かう進行を表す場合に適しています
- 感情や態度の方向性を表現する際にも使えます
- 段階的な進行や貢献を表す場合に効果的です
例文
- We walked towards the station.(私たちは駅に向かって歩きました。)
- She is working towards her goal.(彼女は目標に向かって努力しています。)
- This money will go towards our new house.(このお金は私たちの新しい家のために使われます。)
with the aim of(ウィズ ジ エイム オブ)
意味と特徴
with the aim ofは「〜を目指して」「〜することを目標として」という目標や意図を表す表現です。明確な目標を持って行動していることを強調し、フォーマルな文脈で使われることが多いです。動名詞(〜ing形)を伴って使用されます。
使い分けのポイント
- 明確な目標や意図を強調したい場合に使います
- フォーマルな文書や報告書で使うと適切です
- 長期的な目標に向けた行動を表現する場合に効果的です
- 組織や団体の目的を説明する際にも適しています
例文
- The company launched the campaign with the aim of increasing sales.(会社は売上を増やすことを目指してそのキャンペーンを始めました。)
- She joined the club with the aim of making new friends.(彼女は新しい友達を作ることを目指してそのクラブに入りました。)
- We started this project with the aim of helping the community.(私たちはコミュニティを支援することを目指してこのプロジェクトを始めました。)
for the purpose of(フォー ザ パーパス オブ)
意味と特徴
for the purpose ofは「〜の目的で」「〜するために」という明確な意図や目的を表す表現です。非常にフォーマルな表現で、ビジネス文書や法的文書、学術論文などで用いられることが多いです。動名詞を伴って使用されます。
使い分けのポイント
- 明確で公式な目的を表現したい場合に使います
- ビジネスや法的文脈でよく使われます
- 非常にフォーマルな印象を与えるため、カジュアルな会話では少し硬い印象になります
- 公式文書での目的説明に適しています
例文
- This data is collected for the purpose of improving our services.(このデータは私たちのサービス向上を目的として収集されています。)
- The meeting was arranged for the purpose of discussing the new project.(その会議は新しいプロジェクトを議論する目的で設定されました。)
- He visited the library for the purpose of researching his essay.(彼はエッセイの調査をする目的で図書館を訪れました。)
on behalf of(オン ビハーフ オブ)
意味と特徴
on behalf ofは「〜のために」「〜の代わりに」「〜を代表して」という代理や代表を表す表現です。誰かの代わりに行動したり、話したり、何かを行う場合に使われます。公式な代表としての行為を示す場合に適しています。
使い分けのポイント
- 誰かの代わりに行動している場合に使います
- 公式な代表としての立場を示す場合に適しています
- 手紙やスピーチの冒頭で「〜を代表して」という意味で使われることが多いです
- 法的な代理や正式な代表権を持つ場合に適しています
例文
- I am writing on behalf of my company.(私は会社を代表して書いています。)
- She accepted the award on behalf of the whole team.(彼女はチーム全体を代表して賞を受け取りました。)
- The lawyer spoke on behalf of his client.(弁護士は依頼人の代わりに話しました。)
in the interests of(イン ジ インタレスツ オブ)
意味と特徴
in the interests ofは「〜の利益のために」「〜のためになるように」という表現で、誰かや何かの利益や福利を考慮した行動を表します。フォーマルな表現で、特に組織や団体、公共の利益に関する文脈で使われることが多いです。
使い分けのポイント
- 公共の利益や組織の福利を考慮する場合に使います
- フォーマルな文脈、特に公的機関や組織の声明などで適しています
- 「健全な判断のために」という意味合いを含む場合もあります
- 全体の利益のために個人が何かを行う場合に使用できます
例文
- Certain information was withheld in the interests of national security.(国家安全保障のために一部の情報は非公開とされました。)
- The rules were changed in the interests of fairness.(公平性のためにルールが変更されました。)
- In the interests of saving time, let’s move on to the next topic.(時間を節約するために、次のトピックに進みましょう。)
with a view to(ウィズ ア ビュー トゥー)
意味と特徴
with a view toは「〜を目指して」「〜することを視野に入れて」という将来の行動や結果を見据えた目的を表す表現です。フォーマルな文脈で使われ、長期的な計画や戦略的な目標を示す場合に適しています。動名詞を伴って使われます。
使い分けのポイント
- 将来的な目標や展望を表現する場合に使います
- 長期的な計画や戦略を説明する際に適しています
- フォーマルなビジネス文書や報告書で使うと効果的です
- 「〜することを視野に入れて」というニュアンスが強いです
例文
- They bought the land with a view to building a hotel.(彼らはホテルを建設することを視野に入れてその土地を購入しました。)
- She is taking extra classes with a view to improving her grades.(彼女は成績を向上させることを目指して追加のクラスを受講しています。)
- The company is restructuring with a view to expanding overseas.(その会社は海外展開を視野に入れて再編成しています。)
「〜に・〜のために」を表す英単語の比較表
以下の表で、主な「〜に・〜のために」を表す英単語の特徴を比較します。
表現 | フォーマル度 | 使用場面 | 主なニュアンス |
---|---|---|---|
for | 低〜中 | 日常会話、一般的な文章 | 目的、利益、期間、対象 |
to | 低〜中 | 日常会話、一般的な文章 | 方向、目的地、目的 |
in order to | 中 | 一般的な文章、説明文 | 明確な目的の強調 |
so that | 中 | 一般的な文章、説明文 | 結果、成果の強調 |
for the sake of | 中〜高 | やや文学的な文章、丁寧な説明 | 利益、福利、犠牲を伴う目的 |
towards/toward | 中 | 一般的な文章、説明文 | 方向性、進行、貢献 |
with the aim of | 高 | ビジネス文書、学術論文 | 明確な目標、意図 |
for the purpose of | 高 | ビジネス文書、法的文書、学術論文 | 公式な目的、意図 |
on behalf of | 高 | 公式文書、公式スピーチ | 代理、代表 |
in the interests of | 高 | 公式声明、報告書 | 公共の利益、福利 |
with a view to | 高 | ビジネス計画、戦略文書 | 将来を見据えた目的、展望 |
この表を参考に、状況や文脈に応じて適切な表現を選ぶようにしましょう。フォーマルな文書ではfor the purpose ofやwith the aim ofなどを使い、日常会話ではforやtoを中心に使うとより自然な英語になります。
「〜に・〜のために」を表す英単語の使い分け練習問題
以下の文の空欄に最も適切な表現を入れてください。
- I study English ( ) my future career.
- She went to the store ( ) buy some milk.
- We are saving money ( ) buying a new car.
- The teacher spoke slowly ( ) everyone could understand.
- He gave up his seat ( ) an elderly woman.
- The government has introduced new policies ( ) reducing pollution.
- I am writing this letter ( ) my department.
- They changed the rules ( ) fairness.
- The company is investing in new technology ( ) expanding its business.
- We need to prepare well ( ) the presentation goes smoothly.
- She took medicine ( ) her cold.
- The children ran ( ) the park.
- I exercise regularly ( ) staying healthy.
- The charity was established ( ) helping homeless people.
- He worked overtime ( ) finishing the project on time.
- The data is collected ( ) research purposes.
- The parents saved money ( ) their children’s education.
- The committee made the decision ( ) all members.
- The company donated money ( ) the community.
- She woke up early ( ) catch the first train.
「〜に・〜のために」を表す英単語に関するよくある質問
- 「for」と「to」の違いは何ですか?
-
forは主に「〜のために」という目的や受益者、期間を表し、toは「〜へ」という方向や到達点、「〜するために」という目的を表します。forは人の利益や物事の目的、期間などに使われ、toは物理的な方向や不定詞の形で目的を表す場合に使われます。例えば、「I bought a gift for my mother.(母のためにプレゼントを買った)」と「I went to the store to buy a gift.(プレゼントを買うために店に行った)」のように使い分けます。
- 「in order to」と「so that」はどう違いますか?
-
in order toは「〜するために」という明確な目的を表し、主に同じ主語の行動の目的を説明する場合に使います。一方、so thatは「〜できるように」という結果や成果を強調し、often助動詞と共に使われ、別の主語の行動や状態を示すことが多いです。例えば、「I study hard in order to pass the exam.(試験に合格するために一生懸命勉強します)」と「I study hard so that I can pass the exam.(合格できるように一生懸命勉強します)」のような違いがあります。
- 「for the sake of」と「for the purpose of」の違いは何ですか?
-
for the sake ofは「〜のために」という目的を表しますが、特に誰かの利益や福利、何かを守るためという感情的なニュアンスが強いです。一方、for the purpose ofは「〜の目的で」という明確で公式な意図や目的を表し、より客観的でビジネスや法的文脈で使われます。例えば、「He quit smoking for the sake of his health.(健康のために彼は禁煙しました)」と「The data is collected for the purpose of market research.(そのデータは市場調査の目的で収集されています)」のように使い分けます。
- 「with the aim of」と「with a view to」はどう使い分けますか?
-
どちらも「〜を目指して」という目標や意図を表す表現ですが、with the aim ofは現在の明確な目標や意図を強調し、with a view toは将来の行動や結果を見据えた目的を表す傾向があります。例えば、「The company launched the campaign with the aim of increasing brand awareness.(その会社はブランド認知度を高めることを目指してキャンペーンを開始しました)」と「They bought the property with a view to developing it in the future.(彼らは将来開発することを視野に入れてその不動産を購入しました)」のように使い分けます。
- カジュアルな会話では、どの表現が適していますか?
-
日常会話では、forやtoのような基本的な表現がもっとも自然です。in order toやso thatも一般的な会話で使われますが、for the purpose ofやwith the aim ofなどのフォーマルな表現は、カジュアルな会話ではやや硬い印象を与えることがあります。例えば、友人との会話では「I’m studying for the test.(テストのために勉強している)」や「I went to the store to buy milk.(牛乳を買うために店に行った)」のような簡潔な表現が適しています。
- ビジネスメールではどの表現が適切ですか?
-
ビジネスメールでは、状況の公式性によって適切な表現が変わります。一般的にはforやtoも使えますが、より公式な場面ではin order to、for the purpose of、with the aim of、on behalf ofなどの表現が適しています。特に公式な声明や報告では、in the interests ofやwith a view toなどのフォーマルな表現を使うと効果的です。例えば、「We are implementing these changes with the aim of improving customer satisfaction.(顧客満足度を向上させることを目指して、これらの変更を実施しています)」というような使い方が適切です。
まとめ

「〜に・〜のために」を表す英語表現は多岐にわたり、それぞれ微妙なニュアンスの違いがあります。日常会話では主にforやtoのようなシンプルな表現が使われ、よりフォーマルな場面ではin order to、for the purpose of、with the aim ofなどの表現が適しています。目的の種類(人の利益、方向性、結果、代理など)によって最適な表現が異なるため、状況に合わせて使い分けることが大切です。
また、これらの表現を使いこなすことで、より正確で豊かな英語表現が可能になります。特に英作文や英会話の際に、単調な表現を避け、状況に応じた適切な表現を選ぶことで、より自然で説得力のある英語を話せるようになるでしょう。
これらの表現を適切に使い分けることで、あなたの英語表現はより正確で豊かなものになるでしょう。様々な場面で自信を持って「〜に・〜のために」を表現できるよう、日々の練習に取り入れてみてください。