「forward」は英語の中でも多用される単語で、副詞、形容詞、動詞、名詞としてさまざまな場面で使われます。基本的な意味は「前方へ」「前向きに」ですが、文脈によって様々な意味や使い方が存在します。
この記事では、「forward」の意味と使い方を例文とともに詳しく解説していきます。
forwardとは？前へ進む万能な英単語
「forward」は主に「前へ」「前方へ」という意味を持つ語で、日常会話からビジネス、スポーツまで幅広い場面で使われる重要な単語です。この単語は副詞、形容詞、動詞、名詞として機能し、それぞれの品詞で少しずつ異なる意味や使い方をします。
英語を学び始めた方にとって、一つの単語が複数の品詞を持つことは混乱の原因になりがちですが、「forward」の基本的な意味「前へ」を理解すれば、様々な使い方も自然に理解できるようになります。まずは、「forward」の全体像を把握しましょう。
「forward」は方向性を示す単語で、「backward（後ろへ）」の反意語です。物理的な移動だけでなく、時間の進行や計画の前進など、抽象的な概念にも使われます。英語の中でも使用頻度が高く、様々な表現やフレーズの中で見かける単語なので、しっかりとマスターしておくことをおすすめします。
forwardの品詞別の意味と使い方
「forward」は複数の品詞として使われる万能な単語です。それぞれの品詞における意味と使い方を詳しく見ていきましょう。
副詞としてのforward
最も一般的な使い方は副詞としての「forward」です。「前方へ」「前へ」という意味で、動きの方向を示します。
例文
- He stepped forward to accept the award. （彼は賞を受け取るために前に進みました。）
- The teacher asked us to move forward. （先生は私たちに前に移動するよう頼みました。）
- Let’s look forward to the future. （未来に期待しましょう。）
また、時間や進行に関しても使われます。
例文
- From that day forward, he never smoked again. （その日以降、彼は二度とタバコを吸いませんでした。）
- The meeting was moved forward by two hours. （会議は2時間繰り上げられました。）
「look forward to」という熟語は「〜を楽しみにする」という意味で頻繁に使われます。
例文
- I am looking forward to seeing you. （あなたに会うのを楽しみにしています。）
- We look forward to your reply. （あなたの返事を楽しみにしています。）
形容詞としてのforward
形容詞として使われる場合、「前方の」「前向きの」「早熟な」「積極的な」などの意味を持ちます。
例文
- She sat in the forward seat of the bus. （彼女はバスの前方の席に座りました。）
- He is very forward in expressing his opinions. （彼は自分の意見を表明することにとても積極的です。）
- My little sister is quite forward for her age. （私の妹は年齢の割にかなり早熟です。）
動詞としてのforward
動詞として使われる場合は、「転送する」「送る」という意味になります。特にメールやメッセージを転送する際によく使われます。
例文
- Please forward this email to all staff members. （このメールを全スタッフに転送してください。）
- I will forward your message to the manager. （あなたのメッセージをマネージャーに転送します。）
- She forwarded the letter to her new address. （彼女はその手紙を新しい住所に転送しました。）
名詞としてのforward
名詞としての「forward」は主にスポーツ、特にサッカーやバスケットボールなどで「フォワード」（前線で攻撃を担当する選手）を指します。
例文
- He plays as a forward in our soccer team. （彼は私たちのサッカーチームでフォワードをしています。）
- The forward scored three goals in the match. （そのフォワードは試合で3ゴールを決めました。）
- Our team needs a good forward. （私たちのチームには良いフォワードが必要です。）
forwardを含む重要なフレーズと熟語
「forward」を含むいくつかの重要なフレーズや熟語があります。これらを理解することで、より自然な英語表現ができるようになります。
look forward to
最も一般的な表現の一つで、「〜を楽しみにする」という意味です。toの後には名詞または動名詞が続きます。
例文
- I look forward to meeting you. （あなたに会うのを楽しみにしています。）
- We are looking forward to summer vacation. （私たちは夏休みを楽しみにしています。）
- She looks forward to receiving your letter. （彼女はあなたの手紙を受け取るのを楽しみにしています。）
put forward
「提案する」「提示する」という意味のフレーズです。
例文
- He put forward a new idea at the meeting. （彼は会議で新しいアイデアを提案しました。）
- The committee put forward several suggestions. （委員会はいくつかの提案を示しました。）
- She put forward her name as a candidate. （彼女は候補者として自分の名前を提出しました。）
come forward
「前に出る」「名乗り出る」という意味で使われます。
例文
- Witnesses please come forward. （証人は前に出てください。）
- Nobody came forward to claim the lost bag. （失くしたバッグの持ち主を名乗り出る人はいませんでした。）
- Several volunteers came forward to help. （何人かのボランティアが助けを申し出ました。）
fast forward
「早送り」という意味で、特にビデオやオーディオの操作に関連して使われます。また比喩的に「時間を進める」という意味でも使われます。
例文
- Press the fast forward button to skip this part. （この部分をスキップするために早送りボタンを押してください。）
- Let’s fast forward to next week. （来週のことに話を進めましょう。）
- If we fast forward ten years, where will you be? （10年先に早送りすると、あなたはどこにいるでしょうか。）
from this day forward
「今日からこの先ずっと」という意味のフレーズです。
例文
- From this day forward, I promise to be more careful. （今日からこの先ずっと、もっと注意深くすることを約束します。）
- From this day forward, we are partners. （今日からこの先ずっと、私たちはパートナーです。）
- She vowed to change her habits from that day forward. （彼女はその日からこの先ずっと習慣を変えることを誓いました。）
forwardを使った日常的な例文集
ここでは、日常生活でよく使われる「forward」を含む例文をいくつか紹介します。これらの例文を参考に、実際の会話の中で使えるようにしましょう。
日常会話での例文
例文
- Please step forward when your name is called. （お名前が呼ばれたら前に進んでください。）
- Can you move forward a little? （少し前に移動してもらえますか。）
- I’m looking forward to the weekend. （週末が楽しみです。）
- She is always looking forward, never backward. （彼女はいつも前を向いていて、決して後ろを振り返りません。）
- Please forward my mail to my new address. （私の郵便物を新しい住所に転送してください。）
学校やビジネスでの例文
例文
- The teacher asked the students to come forward. （先生は生徒たちに前に来るように言いました。）
- He put forward an interesting proposal. （彼は興味深い提案をしました。）
- We need to move forward with this project. （このプロジェクトを進める必要があります。）
- I forwarded your email to the HR department. （あなたのメールを人事部に転送しました。）
- The meeting has been moved forward to 9 AM. （会議は午前9時に繰り上げられました。）
スポーツ関連の例文
例文
- The forward scored the winning goal. （そのフォワードが勝利を決める得点を挙げました。）
- Our team needs a new forward. （私たちのチームは新しいフォワードを必要としています。）
- He passed the ball forward. （彼はボールを前方にパスしました。）
- The coach told the players to move forward. （コーチは選手たちに前進するよう指示しました。）
- The referee signaled to play forward. （審判は前へプレーするよう合図しました。）
forwardの品詞別の使い方一覧表
以下の表で、「forward」の品詞別の主な意味と使い方をまとめています。
| 品詞 | 主な意味 | 例文 |
|---|---|---|
| 副詞 | 前へ、前方へ | He walked forward slowly. （彼はゆっくりと前に歩きました。） |
| 副詞 | その時から先、以降 | From that day forward, everything changed. （その日以降、すべてが変わりました。） |
| 形容詞 | 前方の | She chose the forward cabin on the ship. （彼女は船の前方の船室を選びました。） |
| 形容詞 | 積極的な、大胆な | Don’t be too forward with people you just met. （あなたが初めて会った人に対してあまり図々しくしないでください。） |
| 動詞 | 転送する、送る | Please forward this message to John. （このメッセージをジョンに転送してください。） |
| 名詞 | フォワード（サッカーなどの） | He is the best forward in our team. （彼は私たちのチームで最高のフォワードです。） |
forwardのよくある間違いと注意点
「forward」を使う際によくある間違いや注意点をいくつか紹介します。これらに気をつけることで、より正確に使えるようになります。
「look forward to」の後の形
「look forward to」は非常によく使われる表現ですが、toの後の形に注意が必要です。toの後には名詞または動名詞（〜ing）を使います。不定詞（to＋動詞の原形）は使いません。
誤：I look forward to see you.
正：I look forward to seeing you. （あなたに会うのを楽しみにしています。）
誤：We look forward to hear from you.
正：We look forward to hearing from you. （あなたからの連絡を楽しみにしています。）
「forward」と「forwards」の違い
英語には「forward」と「forwards」の2つの形があります。基本的には同じ意味ですが、「forward」のほうがより一般的に使われます。
特にアメリカ英語では「forward」が好まれ、イギリス英語では両方が使われますが、近年は「forward」の使用が増えています。
例文
- He moved forward to get a better view. （彼はより良い視界を得るために前に移動しました。）
- She stepped forwards to greet me. （彼女は私に挨拶するために前に進みました。）
時間に関する「forward」と「back」の混乱
時間に関する「forward」の使い方は混乱しやすいポイントです。例えば「会議を前倒しする（早める）」という場合、英語では「move the meeting forward」（会議を前に移動する）と言います。
これは時間を現在よりも前に移動させるイメージです。しかし、「会議を後ろに移動する（遅らせる）」は「move the meeting back」と言い、これは混乱の原因になることがあります。
例文
- The meeting was moved forward from 3 PM to 2 PM. （会議は午後3時から午後2時に繰り上げられました。）
- The deadline was pushed back by one week. （締め切りは1週間延期されました。）
形容詞としての「forward」と「forthcoming」の違い
形容詞としての「forward」は時に「積極的すぎる」「図々しい」というネガティブな意味を含むことがあります。
一方、似た意味の「forthcoming」は「協力的な」「オープンな」というポジティブな意味で使われることが多いです。
例文
- She is very forward with strangers. （彼女は見知らぬ人に対してとても図々しいです。）
- He was not forthcoming with the information we needed. （彼は私たちが必要とする情報について協力的ではありませんでした。）
「forward」と「forth」の違い
「forward」と「forth」はどちらも「前へ」という意味を持ちますが、使い方が異なります。「forward」は方向を強調し、「forth」は「外へ」「出て」というニュアンスがあります。
「forth」は主に特定のフレーズ（come forth, set forth, bring forth など）で使われます。
例文
- He stepped forward to receive the award. （彼は賞を受け取るために前に進みました。）
- She came forth with her concerns. （彼女は自分の懸念を述べました。）
forwardに関する問題
ここでは「forward」の理解度を確認するための問題を10問用意しました。解答は問題の後にまとめています。
- 次の文の空欄を埋めるのに最も適切な単語を選びましょう。
“I am looking _ to seeing you next week.”
a) forward
b) forwards
c) forth
d) forwarding - 「彼は私たちのサッカーチームでフォワードをしています」を英語で表すと？
a) He is forwarding in our soccer team.
b) He plays a forward in our soccer team.
c) He plays as a forward in our soccer team.
d) He is a forwarding in our soccer team. - 次の文の中で「forward」の使い方が正しいものはどれですか？
a) Please forward step when your name is called.
b) Please step forward when your name is called.
c) Please forward walking when your name is called.
d) Please walking forward when your name is called. - 「メールを転送する」という表現として正しいものはどれですか？
a) send forward the email
b) forward the email
c) email the forward
d) forwarding the email - 「look forward to」の後に正しく続くのはどれですか？
a) meet you
b) to meet you
c) meeting you
d) will meet you - 「彼女は前の席に座りました」を英語で表すと？
a) She sat in the forward seat.
b) She sat in the forwards seat.
c) She sat in the forth seat.
d) She forwarded in the seat. - 「その日以降、彼は毎日運動しています」を英語で表すと？
a) From that day forward, he exercises every day.
b) Forward that day, he exercises every day.
c) From that forward day, he exercises every day.
d) That day forward, he exercises every day. - 次の中で「forward」が形容詞として使われているのはどれですか？
a) He looked forward to the party.
b) She has a very forward personality.
c) Please forward this message to all staff.
d) He moved forward slowly. - 「提案する」という意味のフレーズはどれですか？
a) look forward to
b) come forward
c) put forward
d) fast forward - 「会議は1時間早められました」を英語で表すと？
a) The meeting was moved forward by one hour.
b) The meeting was forward by one hour.
c) The meeting was forwarded by one hour.
d) The meeting was looking forward by one hour.
「forward」に関するよくある質問
ここでは、「forward」に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめています。
- 「look forward to」の後は常に動名詞（〜ing）が来るのですか？
-
「look forward to」の後には動名詞（〜ing）または名詞が来ます。不定詞（to＋動詞の原形）は使いません。例えば、「I look forward to seeing you.」（あなたに会うのを楽しみにしています。）では「seeing」という動名詞が使われています。「I look forward to your reply.」（あなたの返事を楽しみにしています。）では「your reply」という名詞句が使われています。
- 「forward」と「ahead」はどう違いますか？
-
「forward」と「ahead」は似た意味を持ちますが、ニュアンスが少し異なります。「forward」は「前方へ」という動きや方向を強調し、「ahead」は「前方に」という位置や場所を強調します。例えば、「Go forward three steps.」（3歩前に進みなさい。）と言えば動きを指示していますが、「There is a store ahead.」（前方に店があります。）は位置を示しています。
- 「forward」はいつ「forwards」と書くのですか？
-
「forward」と「forwards」はどちらも使用可能ですが、「forward」のほうがより一般的です。特にアメリカ英語では「forward」が標準的で、イギリス英語では両方が使われます。文法的にはどちらも正しいため、個人の好みや地域の慣習によって選ばれることが多いです。
- 「forward」を使った便利なフレーズを教えてください。
-
「forward」を含む便利なフレーズには以下のようなものがあります。
- look forward to（〜を楽しみにする）
- put forward（提案する）
- come forward（名乗り出る）
- fast forward（早送りする）
- from this day forward（今日からこの先ずっと）
- move forward（前進する、進める）
- bring forward（早める、提示する）
- pay it forward（恩送りする）
- 時間に関する「forward」と「back」の使い方が混乱します。どう理解すればよいですか？
-
時間に関する「forward」と「back」の使い方は確かに混乱しやすいです。「move the meeting forward」と言った場合、会議を現在予定されている時間よりも早い時間に変更するという意味になります。つまり、時間の流れの中で「前方」（より早い時間）に移動させるイメージです。
一方、「move the meeting back」は会議を後の時間に延期するという意味になります。時間の流れの中で「後方」（より遅い時間）に移動させるイメージです。
例として、
- The meeting was moved forward from 3 PM to 2 PM.（会議は午後3時から午後2時に繰り上げられました。）
- The meeting was pushed back from 3 PM to 4 PM.（会議は午後3時から午後4時に延期されました。）
まとめ
この記事では、英語の「forward」について詳しく解説しました。「forward」は副詞、形容詞、動詞、名詞として使われる万能な単語で、基本的には「前へ」「前方へ」という意味を持ちます。
日常会話やビジネスの場面、メールのやり取りなど、様々な状況で使われるこの単語を理解し、適切に使えるようになることで、英語表現の幅が広がります。特に「look forward to」（〜を楽しみにする）のようなフレーズは頻繁に使われるため、しっかりとマスターしておくことをお勧めします。
以下に、この記事のポイントをまとめます。
- 「forward」は主に「前へ」「前方へ」という意味を持つ
- 副詞、形容詞、動詞、名詞の4つの品詞として使われる
- 副詞としては「前方へ」、形容詞としては「前方の」「積極的な」の意味がある
- 動詞としては「転送する」、名詞としては「フォワード（スポーツ選手）」を指す
- 「look forward to」「put forward」「come forward」などの重要なフレーズがある
- 「look forward to」の後には動名詞または名詞が続く
- 時間に関する表現では「move forward」で「早める」、「move back」で「遅らせる」という意味になる
「forward」は英語において非常に基本的かつ重要な単語です。この記事で学んだ様々な使い方を実際の会話や文章の中で活用してみてください。実践を通じて、より自然な英語表現ができるようになるでしょう。
英語の学習は一朝一夕にはいきませんが、一つひとつの単語をしっかりと理解することで、確実に力がついていきます。「forward」をマスターして、英語学習を一歩前進させましょう。
