「from」は英語の前置詞で、主に「〜から」という意味を持ち、物事の起点や出発点、出身地、原料、原因などを表すときに使用します。英語の基本的な前置詞の一つであり、日常会話や文章でよく使われる重要な単語です。
この記事では、「from」の意味や使い方について、中学英語レベルの例文を交えながら詳しく解説していきます。
「from」とは?英語の前置詞としての基本的な意味と使い方

「from」は英語の前置詞の中でも最も基本的なものの一つです。この前置詞の核となるイメージは「起点」であり、何かが始まる場所や時間、物事の出発点を示します。「from」を使うことで、物や人が移動する際の出発地点、時間の始まり、物事の原因や由来などを表現することができます。
「from」は「何かを起点に置く、その起点から動き出す」という一連の流れを表すことができ、単に場所だけでなく、時間や状態、原因などさまざまな「起点」を示すことができるのが特徴です。
基本的な使い方としては、「from + 名詞(句)」の形で使われ、その名詞(句)が起点となります。
例文
- I come from Japan.(私は日本から来ました。)
- The train leaves from Tokyo Station.(その電車は東京駅から出発します。)
- She works from 9 to 5.(彼女は9時から5時まで働きます。)
「from」の主な用法と例文
「from」にはいくつかの主な用法があります。ここでは、よく使われる「from」の意味と使い方について、例文を交えながら詳しく見ていきましょう。
出発点・場所の起点としての「from」
最も基本的な用法は、物理的な場所の出発点や起点を表す使い方です。人や物が移動するときの出発地点を示します。
例文
- The bus goes from the station to the school.(そのバスは駅から学校へ行きます。)
- He walked from his house to the park.(彼は家から公園まで歩きました。)
- My friend moved from Osaka to Tokyo last year.(私の友達は去年大阪から東京に引っ越しました。)
- We can see the mountain from our window.(私たちは窓から山を見ることができます。)
この用法では、「from A to B」(Aから B へ)という表現がよく使われます。「from」は出発点を、「to」は到達点を示しています。
時間の起点としての「from」
「from」は時間の起点や始まりを表すために使うこともできます。いつから何かが始まるのかを示す場合に使います。
例文
- The store is open from 10 a.m. to 6 p.m.(その店は午前10時から午後6時まで開いています。)
- I will be on vacation from Monday to Friday.(私は月曜日から金曜日まで休暇です。)
- From April, I will start learning French.(4月から、私はフランス語を学び始めます。)
- Children learn many things from an early age.(子どもたちは幼い頃から多くのことを学びます。)
時間の用法でも「from A to B」(Aから B まで)の形でよく使われます。
原料・素材を表す「from」
何かが作られる元となる原料や素材を表す場合にも「from」が使われます。特に「be made from」(〜から作られる)という表現はよく使われます。
例文
- Wine is made from grapes.(ワインはぶどうから作られています。)
- This chair is made from wood.(この椅子は木から作られています。)
- We get oil from olives.(私たちはオリーブから油を得ます。)
- Paper is made from trees.(紙は木から作られています。)
この用法では、元の素材が加工されて形が変わっている場合に「from」が使われることが多いです。元の形がそのまま残っている場合は「of」を使うこともあります。
原因・理由を表す「from」
何かが起こる原因や理由を表す場合にも「from」が使われます。
例文
- He died from a heart attack.(彼は心臓発作で亡くなりました。)
- She was tired from working all day.(彼女は一日中働いて疲れていました。)
- The ground is wet from the rain.(地面は雨で濡れています。)
- I got a headache from studying too much.(私は勉強しすぎて頭痛がしました。)
この用法では、何かが発生する原因を「from」の後に置きます。特に間接的な原因を示す場合に使われることが多いです。
区別・比較を表す「from」
「from」は二つのものを区別したり、違いを表したりする場合にも使用されます。特に「differ from」(〜と異なる)、「tell A from B」(AとBを見分ける)などの表現でよく使われます。
- My opinion differs from yours.(私の意見はあなたの意見と異なります。)
- Can you tell salt from sugar?(あなたは塩と砂糖を見分けられますか?)
- This book is different from that one.(この本はあの本と違います。)
- I can’t distinguish his twin brother from him.(私は彼と彼の双子の兄弟を区別できません。)
この用法では、比較する二つのものの間に「from」を置いて、その違いや区別を表します。
出身・所属を表す「from」
人や物の出身地や所属を表す場合にも「from」が使われます。これは「Where are you from?」(あなたはどこの出身ですか?)のような質問でよく使われる用法です。
例文
- I am from Japan.(私は日本出身です。)
- My teacher is from Canada.(私の先生はカナダ出身です。)
- This music is from the 1980s.(この音楽は1980年代のものです。)
- These flowers are from my garden.(これらの花は私の庭からです。)
出身地や所属を尋ねる質問「Where are you from?」は英会話の基本フレーズの一つです。
「from」と一緒によく使われる表現
「from」は単独で使われるだけでなく、いくつかの決まった表現やイディオムの中でもよく使われます。ここでは、「from」を含む一般的な表現について見ていきましょう。
「from now on」(今からずっと)
「from now on」は「今からずっと先、今後」という意味で、未来に向かって継続する行動や状態を表します。
例文
- I will study harder from now on.(私は今からもっと一生懸命勉強します。)
- From now on, we must save water.(今後、私たちは水を節約しなければなりません。)
- She promised to be on time from now on.(彼女は今後時間通りに来ることを約束しました。)
「from time to time」(時々)
「from time to time」は「時々、たまに」という意味の慣用表現です。定期的ではないが、時々起こることを表します。
例文
- I visit my grandmother from time to time.(私は時々祖母を訪ねます。)
- From time to time, he helps me with my homework.(彼は時々私の宿題を手伝ってくれます。)
- We go to the movies from time to time.(私たちは時々映画を見に行きます。)
「far from」(〜から遠い、全然〜でない)
「far from」には二つの主な意味があります。一つは物理的な距離が遠いことを表し、もう一つは比喩的に「全然〜でない」という意味で使われます。
例文
- Our school is far from my house.(私たちの学校は私の家から遠いです。)
- The result was far from what I expected.(結果は私が期待したものとは全然違っていました。)
- She is far from being ready for the test.(彼女はテストの準備が全然できていません。)
「from scratch」(ゼロから、一から)
「from scratch」は「ゼロから、最初から、一から」という意味で、何かを最初から始めることを表します。
例文
- She made the cake from scratch.(彼女はケーキを一から作りました。)
- I learned to play the guitar from scratch.(私はギターを一から学びました。)
- We built our house from scratch.(私たちは家を一から建てました。)
「from」の基本的な文法ルールと使い方
英語で「from」を正しく使うためには、いくつかの基本的な文法ルールを理解しておくことが重要です。ここでは、「from」の文法的な使い方について解説します。
「from」の基本的な文型
「from」は前置詞なので、後ろには名詞(または名詞相当語句)が続きます。
from + 名詞(句)
- from Tokyo(東京から)
- from my friend(私の友達から)
- from the bottom of my heart(心の底から)
「from」と「to」の組み合わせ
起点と終点を表す場合、「from A to B」(AからBへ)の形でよく使われます。
- from Tokyo to Osaka(東京から大阪へ)
- from Monday to Friday(月曜日から金曜日まで)
- from 8 a.m. to 5 p.m.(午前8時から午後5時まで)
「from」と動詞の関係
「from」は特定の動詞と一緒によく使われます。例えば、
- come from(〜から来る)
- move from(〜から移動する)
- differ from(〜と異なる)
- suffer from(〜で苦しむ)
- protect from(〜から守る)
- prevent from(〜するのを防ぐ)
例文
- She comes from a small town.(彼女は小さな町の出身です。)
- His opinion differs from mine.(彼の意見は私のものとは異なります。)
- The umbrella protects us from the rain.(傘は私たちを雨から守ります。)
「from」と他の前置詞との違い
「from」の使い方をより深く理解するために、似た意味を持つ他の前置詞との違いについて見ていきましょう。
「from」と「of」の違い
「from」と「of」はどちらも起源や出所を表すことがありますが、使い方が異なります。
- 「from」は動きや分離を伴う起点を表します。
- 「of」は所属や構成要素を表します。
例文
- This book is from the library.(この本は図書館から来たものです。)
- The cover of the book is blue.(その本の表紙は青いです。)
また、素材を表す場合、
- 「made from」は変形されて元の形が残っていない場合に使います。
- 「made of」は元の形が認識できる場合に使います。
例文
- Wine is made from grapes.(ワインはぶどうから作られています。)
- This table is made of wood.(このテーブルは木でできています。)
「from」と「since」の違い
時間の起点を表す場合
- 「from」は期間の始まりを表し、通常「to」と一緒に使います。
- 「since」は過去のある時点から現在まで続いていることを表します。
例文
- I will be on vacation from July 1 to July 10.(7月1日から10日まで休暇です。)
- I have lived in Tokyo since 2010.(2010年から東京に住んでいます。)
「from」のよくある間違いと注意点
英語を学ぶ日本人がよく間違える「from」の使い方について、注意点をいくつか紹介します。
「from」と「of」の混同に注意
「from」と「of」は似たような意味を持つことがありますが、使い分けが重要です。特に原料や素材を表す場合、変形の度合いによって使い分けます。
× This chair is made of plastic parts.(この意味では「made of」が正しい)
○ This chair is made of plastic parts.(プラスチックの部品が認識できる状態)
× Paper is made of trees.(この意味では「made from」が正しい)
○ Paper is made from trees.(木が変形して紙になっている)
「come from」の間違った使い方
「come from」(〜から来る)という表現は出身地や起源を表しますが、日本語の「〜から来た」という表現との違いに注意しましょう。
× I come from the library now.(今、図書館から来たという意味では使えない)
○ I have just come from the library.(今、図書館から来たところです)
出身地を表す場合は現在形を使います。
○ I come from Japan.(私は日本出身です
時間表現での誤用
時間の表現で「from」を使う場合、特に「since」との混同に注意が必要です。
× I have lived here from 2010.(継続を表す場合は「since」が正しい)
○ I have lived here since 2010.(2010年から今まで住んでいる)
期間を表す場合は「from A to B」の形を使います。
○ I lived there from 2010 to 2015.(2010年から2015年まで住んでいた)
「from〜to〜」の使い方の間違い
「from A to B」は範囲や期間を表しますが、「between A and B」と混同しないように注意しましょう。
× The temperature ranges from 20 and 30 degrees.(andではなくtoを使う)
○ The temperature ranges from 20 to 30 degrees.(気温は20度から30度の範囲です)
「from」に関する問題
「from」は英語で「~から」「~出身の」など、起点や出所を表す前置詞としてよく使われます。この問題では、「from」の基本的な使い方や他の前置詞との使い分けについて学べるように作成しました。
すべての答えが「from」になるわけではなく、文脈に応じて適切な前置詞を選ぶ練習ができます。
- She received a gift _ her friend on her birthday.
- I walked _ the park to get to school.
- This letter is _ my cousin in Canada.
- The train departs _ Tokyo at 8:00 AM.
- He jumped _ the bridge into the river.
- This painting is _ the 18th century.
- The smell of flowers came _ the garden.
- Please remove your shoes before entering _ the room.
- The view _ the top of the mountain was breathtaking.
- He borrowed a book _ the library for his research.
「from」をマスターするための練習方法
「from」の使い方を正確に身につけるためには、実践的な練習が大切です。ここでは、「from」の使い方をマスターするための効果的な練習方法をいくつか紹介します。
日常会話で意識して使う
出身地を聞く質問「Where are you from?」や、移動の起点を表す「I came from school」など、日常会話で「from」を含む表現を意識的に使うように心がけましょう。
自分の行動を説明する際に「from」を使う機会を見つけることで、自然な使い方が身につきます。
「from〜to〜」の表現を使った文を作る
一日の予定や旅行の計画など、時間や場所の範囲を表す「from〜to〜」の表現を使った文を積極的に作ってみましょう。
例文
- I work from 9 to 5.(私は9時から5時まで働きます。)
- We will travel from Tokyo to Kyoto.(私たちは東京から京都へ旅行します。)
- The price ranges from 1,000 yen to 5,000 yen.(価格は1,000円から5,000円の範囲です。)
イディオム表現を覚える
「from now on」(今からずっと)、「from time to time」(時々)など、「from」を含むイディオム表現を覚えて、日常会話で使えるようにしましょう。
これらの表現は非常に実用的で、英語の自然さを高めるのに役立ちます。
前置詞「from」が使われる動詞をリストアップする
「come from」(〜から来る)、「differ from」(〜と異なる)、「suffer from」(〜に悩まされる)など、「from」とよく一緒に使われる動詞をリストアップし、それぞれの使い方を例文とともに覚えておくと、「from」の使い方の幅が広がります。
「from」に関するよくある質問
- 「from」と「of」はどう使い分ければいいですか?
-
「from」と「of」は似た意味を持つことがありますが、基本的な違いは以下の通りです。
- 「from」は起点や出発点、分離を表します。動きや変化を伴うイメージです。
- 「of」は所属や一部分、構成要素を表します。静的な関係を表すイメージです。
原料や素材を表す場合
- 「made from」:原料が加工されて元の形が残っていない場合(例:Wine is made from grapes.)
- 「made of」:原料の形がある程度残っている場合(例:This ring is made of gold.)
- 「from」と「since」の違いは何ですか?
-
時間表現における「from」と「since」の違いは以下の通りです。
- 「from」は期間の始まりを示し、通常「to」と一緒に使って期間の終わりも示します。(例:I worked from 2010 to 2015.)
- 「since」は過去のある時点から現在まで続いていることを表し、現在完了形と一緒に使われることが多いです。(例:I have lived here since 2010.)
- 「different from」と「different than」はどちらが正しいですか?
-
一般的に、イギリス英語では「different from」が標準的です。アメリカ英語では「different from」も一般的ですが、「different than」も使われます。特に後ろに節(主語+動詞を含む部分)が続く場合は「different than」がよく使われます。
- This book is different from that one.(標準的な用法)
- The reality is different than what I expected.(特に米国英語で、後ろに節が続く場合)
初学者の方は「different from」を使うことをお勧めします。これはどの英語圏でも広く受け入れられている表現です。
- 「to protect from」と「to protect against」の違いは何ですか?
-
これらの表現は非常に似ていますが、微妙なニュアンスの違いがあります。
- 「protect from」は一般的な保護を表し、危害や悪影響の源から守るという意味です。(例:The umbrella protects you from the rain.)
- 「protect against」は特定の脅威や危険に対する防御を強調します。(例:This vaccine protects against the flu.)
どちらも広く使われており、多くの場合互換的に使用できますが、「against」はより対立や対抗のニュアンスを含みます。
まとめ

この記事では、英語の前置詞「from」の意味と使い方について詳しく解説してきました。「from」は「〜から」という基本的な意味を持ち、場所や時間の起点、原料、原因、出身など、様々な「起点」を表現するために使われる重要な前置詞です。正しく使いこなせるようになると、英語の表現力が大きく向上します。
ここで学んだポイントをまとめてみましょう。
- 「from」は基本的に「起点」や「出発点」を表す前置詞である。
- 「from」の主な用法には、場所の起点、時間の起点、原料、原因、区別、出身などがある。
- 「from A to B」の形で、起点から終点までの範囲や期間を表すことができる。
- 「made from」は原料が加工されて元の形が残っていない場合に使う。
- 「come from」は出身地や起源を表す。
- 「differ from」「different from」は区別や違いを表す。
- 「from now on」「from time to time」などの慣用表現がある。
- 「from」と「of」、「from」と「since」の違いに注意する必要がある。
英語の前置詞は日本語に直訳するのが難しい場合が多いですが、「from」のコアイメージである「起点」を理解し、様々な例文を通して使い方を習得することで、自然な英語表現ができるようになります。
日常会話や文章の中で積極的に「from」を使っていくことで、その使い方をしっかりと身につけていきましょう。