「furthermore」は英語の副詞であり、特に接続副詞として文と文をつなげる役割を持っています。「さらに」「その上」「加えて」という意味で、前に述べた内容に新たな情報や要点を追加する際に使用される単語です。
この記事では、英語初学者向けに「furthermore」の使い方や例文を分かりやすく解説していきます。
「furthermore」とは?基本的な意味と役割

「furthermore」は、前に述べた内容に加えて、新たな情報や理由を追加する際に使用される接続副詞です。日本語では「さらに」「その上」「加えて」「なお」などと訳されます。この単語は主に書き言葉や正式なスピーチで使われることが多く、日常会話ではあまり使用されません。
「furthermore」は前の文脈を受けて、それに追加情報を加える橋渡しの役割をします。特に議論や説明を展開する際に、論点を積み重ねていくために非常に効果的な表現です。文の冒頭でよく使用され、その場合はカンマで区切られることが一般的です。また、セミコロン(;)の後に続けて使用されることもあります。
「furthermore」は文と文をつなぐだけでなく、論理的な流れを作る上で重要な役割を果たします。一つの意見や事実を述べた後に、それを補強するためのさらなる情報を導入する際に使うことで、説得力のある文章を構築することができます。
「furthermore」の使い方と例文
「furthermore」は主に文頭で使われることが多く、その後にカンマを置きます。ただし、文中で使われる場合もあります。ここでは、実際の使い方を例文を通して見ていきましょう。
文頭での使い方
文頭で「furthermore」を使用する場合、その後にカンマを置き、追加情報を続けます。
例文
- I like playing soccer. Furthermore, I enjoy watching soccer games on TV.(私はサッカーをするのが好きです。さらに、テレビでサッカーの試合を見るのも楽しんでいます。)
- The library is closed today. Furthermore, it will be closed tomorrow for maintenance.(図書館は今日休館です。さらに、明日はメンテナンスのため閉まっています。)
- She is intelligent and kind. Furthermore, she is very helpful to her friends.(彼女は頭が良くて親切です。その上、彼女は友達にとても協力的です。)
文中での使い方
「furthermore」は文中でも使用でき、その場合は前後をカンマで区切ります。
例文
- He is a good student and, furthermore, he is a talented musician.(彼は良い学生であり、さらに、才能ある音楽家でもあります。)
- The project is expensive; furthermore, it will take a long time to complete.(そのプロジェクトは高額です。さらに、完成までには長い時間がかかるでしょう。)
- We need to study hard; furthermore, we should practice speaking English every day.(私たちは一生懸命勉強する必要があります。加えて、毎日英語を話す練習をすべきです。)
「furthermore」の類義語と違い
「furthermore」には似たような意味を持つ単語がいくつかあります。それぞれの単語には微妙なニュアンスの違いがあるため、状況に応じて適切な単語を選ぶことが重要です。ここでは、主な類義語との違いを説明します。
moreover(その上、さらに)
「moreover」は「furthermore」と非常に似ていますが、より一般的に使われる傾向があります。「furthermore」がやや堅い印象を与えるのに対し、「moreover」はやや柔らかい印象があります。
例文
- The restaurant is expensive. Moreover, the service is not good.(そのレストランは高いです。その上、サービスも良くありません。)
in addition(加えて)
「in addition」は「furthermore」よりもやや柔らかい表現で、フォーマルな場面からカジュアルな場面まで幅広く使用できます。
例文
- She speaks English and French. In addition, she is learning Spanish.(彼女は英語とフランス語を話します。加えて、スペイン語を学んでいます。)
besides(その上、それに)
「besides」は「furthermore」や「moreover」よりもカジュアルな表現で、日常会話でよく使われます。
例文
- I don’t want to go to the party. Besides, I have homework to do.(私はそのパーティーに行きたくありません。それに、宿題もあります。)
additionally(さらに、加えて)
「additionally」は「in addition」に近い意味を持ち、比較的フォーマルな場面で使用されます。
例文
- The hotel offers free breakfast. Additionally, Wi-Fi is available in all rooms.(そのホテルは無料の朝食を提供しています。さらに、全ての部屋でWi-Fiが利用可能です。)
次の表は、これらの類義語の使用場面や特徴をまとめたものです。
単語 | フォーマル度 | 主な使用場面 | 特徴 |
---|---|---|---|
furthermore | 高い | 学術論文、公式文書 | 非常にフォーマル、論理的な展開に使用 |
moreover | やや高い | ビジネス文書、エッセイ | フォーマルだが汎用性が高い |
in addition | 中程度 | 一般的な文章、スピーチ | フォーマルからカジュアルまで幅広く使用可能 |
besides | 低い | 日常会話、カジュアルな文章 | カジュアルで会話的 |
additionally | やや高い | ビジネス文書、報告書 | 事実や情報の追加に適している |
「furthermore」を使った表現パターン
「furthermore」を効果的に使うためのいくつかの表現パターンを紹介します。これらのパターンを覚えておくと、英語の文章をより論理的に構成することができます。
意見や主張を強調する
一つの意見や主張を述べた後に、さらに強い主張や証拠を追加する場合に「furthermore」を使います。
例文
- I believe we should reduce plastic use. Furthermore, I think the government should ban single-use plastics.(私たちはプラスチックの使用を減らすべきだと思います。さらに、政府は使い捨てプラスチックを禁止すべきだと思います。)
理由を追加する
ある事実や意見を述べた後に、追加の理由を提示する場合に使います。
例文
- I cannot attend the meeting tomorrow. Furthermore, I will be out of town next week.(明日の会議に出席できません。さらに、来週は町を離れています。)
問題点を追加する
ある問題点を指摘した後に、さらに別の問題点を指摘する場合に使います。
例文
- The plan is too expensive. Furthermore, it will take too much time.(その計画は高すぎます。その上、時間がかかりすぎます。)
セミコロンと組み合わせる
より形式的な文章では、セミコロン(;)の後に「furthermore」を使うことがあります。
例文
- The concert was canceled; furthermore, all ticket sales were refunded.(コンサートは中止になりました。さらに、すべてのチケット代金が返金されました。)
「furthermore」のよくある間違いと注意点
「furthermore」を使う際によくある間違いや注意点をいくつか紹介します。これらのポイントを押さえておくことで、より自然な英語表現ができるようになります。
カジュアルな会話での過剰使用
「furthermore」は非常にフォーマルな表現であるため、日常会話では使われることが少ないです。カジュアルな会話では「also」「plus」「and」などの表現を使う方が自然です。
× I like pizza. Furthermore, I like pasta.(カジュアルな会話では不自然)
○ I like pizza. Also, I like pasta.(より自然)
カンマの使い忘れ
「furthermore」を文頭で使う場合、その後にカンマを置く必要があります。カンマを忘れると文法的に不正確になります。
× Furthermore I think we should consider other options.
○ Furthermore, I think we should consider other options.
文脈に合わない使用
「furthermore」は前の文脈に関連した追加情報を導入するために使われます。前の内容と関連性がない場合や、対比的な内容を導入する場合には適切ではありません。
× I like summer. Furthermore, I hate winter.(対比的な内容なので不適切)
○ I like summer. However, I hate winter.(対比には「however」が適切)
「further more」と間違えて分けて書く
「furthermore」は一語であり、「further more」と分けて書くのは誤りです。
× I need to study; further more, I have an exam tomorrow.
○ I need to study; furthermore, I have an exam tomorrow.
同じ文章で繰り返し使用する
同じ文章内で「furthermore」を何度も使うと冗長になります。代わりに「additionally」「moreover」「also」などの類義語を使い分けるとよいでしょう。
× She is smart. Furthermore, she is kind. Furthermore, she is talented.
○ She is smart. Furthermore, she is kind. Additionally, she is talented.
「furthermore」に関する問題
「furthermore」は英語で「さらに」「その上」という意味を持つ接続詞で、文を補足したり追加の情報を提供するときに使われます。ここでは、「furthermore」の使い方や類似表現について学べる問題を作成します。
回答がすべて「furthermore」にならないように配慮し、関連する他の表現も含めています。これにより、接続詞の幅広い理解が深まります。
- 次の文を完成させる適切な接続詞を選びなさい。
“The weather was terrible; __________, we decided to go hiking anyway.” - 以下の文に続く適切な接続詞を選びなさい。
“She is talented and hardworking; __________, she is also very kind.” - 次の文を完成させる適切な接続詞を選びなさい。
“He didn’t study much for the exam; __________, he managed to pass it.” - 次の文に適した接続詞を選びなさい。
“I love Italian food; __________, I enjoy cooking it at home.” - 次の文章に続く適切な接続詞を選びなさい。
“The team worked hard all year; __________, they won the championship.” - 次の文に適した接続詞を選びなさい。
“She missed the bus; __________, she arrived late to the meeting.” - 次の文を完成させる適切な接続詞を選びなさい。
“He didn’t have enough money to buy the car; __________, he decided to wait until next year.” - 以下の文に最も適した接続詞を選びなさい。
“The company has grown significantly over the past year; __________, its profits have doubled.” - 次の文章に続く適切な接続詞を選びなさい。
“The library offers many resources for students; __________, it provides free workshops and seminars.” - 以下の文に最もふさわしい接続詞を選びなさい。
“I forgot my umbrella; __________, I got completely soaked in the rain.”
この問題セットでは、「furthermore」の使い方だけでなく、それと関連する他の接続詞(e.g., moreover, in addition, therefore)も学べるよう工夫しました
「furthermore」に関するよくある質問
ここでは、「furthermore」に関してよく質問される内容とその回答をまとめました。
- 「furthermore」と「moreover」の違いは何ですか?
-
「furthermore」と「moreover」はどちらも「さらに」「その上」という意味を持ち、非常に似ています。しかし、「furthermore」はより形式的で、特に学術論文や公式文書で使われることが多いです。一方、「moreover」はやや汎用性が高く、フォーマルな文章からやや砕けた文章まで幅広く使用できます。意味的な違いとしては、「furthermore」は前の内容に基づいてさらに一歩進んだ内容を追加する場合に使われることが多く、「moreover」は単に追加情報を加える場合に使われる傾向があります。
- 「furthermore」はカジュアルな会話で使えますか?
-
「furthermore」は非常にフォーマルな表現であるため、カジュアルな日常会話ではあまり使われません。友達との会話や非公式な場面では、「also」「plus」「and」などのよりカジュアルな表現を使うことをお勧めします。「furthermore」を日常会話で使うと、やや堅苦しい印象を与える可能性があります。
- 「furthermore」の後にはカンマが必要ですか?
-
はい、「furthermore」を文頭で使用する場合、その後にカンマを置くのが一般的です。例えば「Furthermore, we need to consider the environmental impact.」のように使います。また、文中で使用する場合は、前後をカンマで区切ります。例えば「The plan is good and, furthermore, it is cost-effective.」のようになります。
- 「furthermore」はどのような文脈で使うのが適切ですか?
-
「furthermore」は、前に述べた内容に関連した追加情報や、前の議論をさらに強化する情報を提示する場合に使用するのが適切です。特に、論理的な議論を展開する際や、複数の理由や証拠を積み重ねていく場合に効果的です。対比や結論を導く場合には適していません。
- 「furthermore」のフォーマル度はどれくらいですか?
-
「furthermore」は英語の接続詞の中でも非常にフォーマル度の高い表現です。学術論文、ビジネス文書、公式スピーチなど、フォーマルな場面で使用されることが多いです。日常会話や友達とのメールなどカジュアルな状況では、別の表現を使うことが一般的です。
- 「furthermore」を使いすぎるとどうなりますか?
-
同じ文章内で「furthermore」を何度も使用すると、冗長で単調な印象を与えます。類義語(「moreover」「in addition」「additionally」など)を適宜使い分けることで、文章に変化をつけ、より自然な英語表現にすることができます。
まとめ

この記事では「furthermore」の意味や使い方について詳しく解説してきました。「furthermore」は英語の接続副詞として、前に述べた内容に加えて新たな情報や理由を追加する際に使用される重要な単語です。
正しく使いこなすことで、より論理的で説得力のある英語表現ができるようになります。以下に記事の重要ポイントをまとめます。
- 「furthermore」は「さらに」「その上」「加えて」という意味の接続副詞である
- 主に文頭で使用され、その後にカンマを置く
- 非常にフォーマルな表現で、学術論文や公式文書で使われることが多い
- 日常会話では「also」「plus」などのカジュアルな表現の方が適している
- 「moreover」「in addition」「additionally」などの類義語と適切に使い分けることが重要
- 文脈と関連性のある追加情報を導入する際に使用する
- 文頭で使う場合はカンマが必要、文中で使う場合は前後をカンマで区切る
- 同じ文章で繰り返し使うのは避けるべき
「furthermore」は英語の論理的な文章構成に欠かせない接続詞の一つです。この記事で学んだ知識を活かして、より洗練された英語表現ができるようになることを願っています。
効果的な使い方を身につけて、あなたの英語力をさらに向上させましょう。