「get lost」は英語でよく使われる表現の一つで、文脈によって異なる意味を持ちます。
日本語では「迷子になる」という文字通りの意味と、「消えろ」「あっちへ行け」といったややきつい言い方になる場合があります。
この記事では「get lost」の基本的な意味から実際の使い方、類似表現との違いまで、例文を交えながら詳しく解説していきます。
「get lost」の基本的な意味
「get lost」には主に2つの基本的な意味があります。
文字通りの意味:迷子になる、道に迷う
これは最も基本的な意味で、自分の位置がわからなくなったり、目的地への道がわからなくなったりすることを表します。
例文
- We got lost on our way to the museum because the map app wasn’t working.
(地図アプリが動いていなかったため、美術館への道中で迷子になりました。) - I’m afraid we might get lost in these mountains without a proper guide.
(適切なガイドなしでは、この山々で迷子になるかもしれないと心配です。) - The children got lost in the department store and were crying when security found them.
(子供たちはデパートで迷子になり、警備員が見つけたときには泣いていました。)
命令形での使用:消えろ、あっちへ行け
「Get lost!」という命令形で使われる場合は、「消えろ」「あっちへ行け」「じゃまするな」といった意味になります。
これはかなりきつい表現で、相手に対して立ち去るよう強く命じる際に使われます。
例文
- Get lost! I don’t want to see your face again after what you did.
(消えろ!あなたがしたことの後、もう二度と顔を見たくない。) - When the salesman kept pushing his product, I finally told him to get lost.
(セールスマンが製品を押し売りし続けたので、最終的に彼に消えるように言いました。) - My sister was annoyed by my teasing and told me to get lost.
(姉は私のからかいにイライラして、消えろと言いました。)
「get lost」の起源と歴史
「Get lost」という表現は、1940年代のアメリカ英語に起源を持つスラング表現です。
第二次世界大戦前後のアメリカでポピュラーになり、映画やラジオなどのメディアを通じて広まりました。
1947年の『Life』誌や小説『The Hucksters』にも登場しており、1940年代半ばには一般的に使われていたことがわかります。
それ以前にも似たような意味を持つスラング表現はありましたが(例えば1906年のジャズスラング「beat it」など)、「get lost」という特定の表現はこの時期に定着したようです。
「get lost」の使い方と注意点
フォーマリティのレベル
「get lost」は特に命令形で使う場合、非常にカジュアルでしばしば無礼な表現です。
フォーマルな場面や、尊敬すべき相手には使うべきではありません。
例文
- ❌ Get lost, Professor. I don’t agree with your opinion.
(失せろ、教授。あなたの意見には賛成できない。)→ 失礼な表現 - ⭕ I respectfully disagree with your opinion, Professor.
(教授のご意見には、謹んで反対いたします。)→ 丁寧な表現
感情的なニュアンス
命令形の「Get lost!」は通常、怒りやいらだちなどの強い感情を表します。
相手を傷つける可能性があることを認識しておく必要があります。
例文
- After our big fight, he told me to get lost and blocked my number.
(大喧嘩の後、彼は私に消えろと言い、私の番号をブロックしました。) - The bouncer told the drunk troublemakers to get lost before calling the police.
(ボーンサーは酔っぱらいのトラブルメーカーたちに、警察を呼ぶ前に消えるように言いました。)
文脈による使い分け
文脈や状況によって、「get lost」の意味とニュアンスは大きく変わります。
特に「I got lost」(私は迷子になりました)と「Get lost!」(消えろ!)では全く異なる意味になることに注意しましょう。
例文
- I got lost while hiking in the national park.
(国立公園でハイキング中に道に迷いました。) - Get lost! This is a private party.
(消えろ!これはプライベートなパーティーだ。)
「get lost」を含む表現
「Let’s get lost」
「Let’s get lost」というフレーズは、1942年に作られた歌のタイトルとしても知られています。
ロマンチックなコンテキストでは「二人きりの世界に入り込もう」「現実を忘れて二人だけの時間を過ごそう」というニュアンスを持ちます。
また、冒険的な文脈では「計画なしで旅をしよう」「道に迷うことを恐れずに探検しよう」という意味にもなります。
例文
- Let’s get lost in the old part of the city and discover hidden cafes.
(街の古い地区で道に迷いながら、隠れたカフェを発見しましょう。) - This weekend, let’s get lost in a good book instead of watching TV.
(今週末は、テレビを見る代わりに良い本の世界に没頭しましょう。)
「get lost in」(〜に没頭する、〜に夢中になる)
「get lost in」という表現は、何かに深く没頭したり、夢中になったりする状態を表します。
例文
- I often get lost in my thoughts during long train rides.
(長い電車の乗車中、私はよく自分の考えに没頭します。) - She got lost in the music and danced for hours.
(彼女は音楽に没頭し、何時間も踊り続けました。) - It’s easy to get lost in the details when planning a wedding.
(結婚式を計画するとき、細部にこだわりすぎることがあります。)
「get lost」の類似表現
「go away」(行ってください、離れてください)
「get lost」よりも丁寧な表現で、同じく「立ち去ってほしい」という意味を持ちます。
例文
- Please go away. I need some time alone.
(お願いだから行ってください。一人の時間が必要です。) - The cat went away when I tried to pet it.
(猫は私が撫でようとしたとき、離れて行きました。)
「beat it」(あっちへ行け)
「get lost」と同様に「立ち去れ」という意味の俗語表現ですが、より古いスラングです。
例文
- Beat it, kid. The adults are talking.
(あっちへ行け、小僧。大人が話をしているんだ。) - When I saw the gang approaching, I decided to beat it.
(ギャングが近づいてくるのを見て、私はそこから立ち去ることにしました。)
「scram」(さっさと行け)
「get lost」と似た意味を持つカジュアルな表現で、特に1900年代半ばに人気がありました。
例文
- Scram! You’re trespassing on private property.
(さっさと行け!ここは私有地に不法侵入している。) - The kids were told to scram when they made too much noise in the library.
(子供たちは図書館で騒ぎすぎたとき、出て行くように言われました。)
日常会話での「get lost」の使用例
友人同士の会話
例文
- “Can I borrow your new jacket for my date tonight?” “Get lost! I just bought it yesterday.”
(「今夜のデートのために新しいジャケットを借りてもいい?」「冗談じゃない!昨日買ったばかりだよ。」) - “I’m going to tell Sarah what you said about her.” “Oh, get lost. I was just joking.”
(「サラにあなたが彼女について言ったことを伝えるわ。」「やめてよ。ただの冗談だったのに。」)
困った状況での使用
例文
- We got lost three times on our trip to the countryside because the GPS kept giving wrong directions.}
(GPSが間違った道順を示し続けたため、田舎への旅行中に3回も道に迷いました。) - I got lost in the shopping mall and had to ask a security guard for directions to the exit.
(ショッピングモールで迷子になり、出口への道順を警備員に尋ねなければなりませんでした。)
まとめ:「get lost」の使い方のポイント

「get lost」は英語で「迷子になる」「消えろ」という意味を持つ表現です。
この表現の主なポイントをまとめると、
- 文字通りの意味では「道に迷う」「位置がわからなくなる」という意味です。
- 命令形で使う場合は「消えろ」「あっちへ行け」というかなりきつい表現になります。
- 1940年代のアメリカ英語に起源を持つスラング表現です。
- カジュアルで時に無礼な表現なので、フォーマルな場面では避けるべきです。
- 「Let’s get lost」や「get lost in」など、派生的な表現もあります。
- 類似表現として「go away」「beat it」「scram」などがあります。
「get lost」は状況によって適切に使い分けることが大切です。
文字通りの意味で使う分には問題ありませんが、命令形で使う場合は相手を傷つける可能性があることを念頭に置いておきましょう。
英語のネイティブスピーカーとの会話で、この表現の真の意味とニュアンスを理解しておくことで、意図しない誤解や不快感を避けることができます。