英語を学ぶ際に混乱しやすい動詞「get」と「receive」。どちらも「受け取る」という意味を持ちますが、使い方やニュアンスには重要な違いがあります。
本記事では、これらの違いを初学者にもわかりやすく解説し、適切な使い分けができるようサポートします。「get」はより日常的でカジュアルな表現であるのに対し、「receive」はやや形式的で受動的なニュアンスを持ちます。例文や練習問題を通して、これらの違いを実践的に学んでいきましょう。
「get」と「receive」の基本的な違い

「get」と「receive」は両方とも「受け取る」という意味を持ちますが、使われる場面やニュアンスに大きな違いがあります。まずはその基本的な違いを見ていきましょう。
「get」は英語の中でも最も汎用性の高い動詞の一つです。「受け取る」「入手する」という意味だけでなく、「~になる」「理解する」「到着する」など、非常に幅広い意味で使われます。日常会話でよく登場し、カジュアルな表現として親しまれています。また、「get」は自分から積極的に何かを取得するという能動的なニュアンスを持つことが多いです。
一方、「receive」は使用範囲が「get」よりも限定的で、主に「受け取る」「受領する」という意味に絞られます。「receive」は誰かから与えられたものを受け取るという受動的なニュアンスが強く、フォーマルな場面やビジネスシーンで好まれる表現です。より丁寧で正式な印象を与えます。
これらの基本的な違いを理解することで、状況に応じた適切な単語選びができるようになります。
「get」の意味と用法
「get」は英語の中でも最も頻繁に使われる動詞の一つで、様々な状況で活躍します。ここでは主な用法を見ていきましょう。
物を手に入れる・獲得する
最も基本的な用法として、何かを入手したり獲得したりする意味で使われます。
例文
- I got a new notebook from my teacher.(先生から新しいノートをもらいました。)
- She got many presents on her birthday.(彼女は誕生日にたくさんのプレゼントをもらいました。)
- Let’s get some food at the store.(お店で何か食べ物を買いましょう。)
- Did you get my email yesterday?(昨日私のメールは届きましたか?)
このように「get」は物理的なものから情報まで、様々なものを入手する場面で使えます。
状態の変化を表す
「get」は状態が変化することを表すときにもよく使われます。「~になる」という意味です。
例文
- He got angry when I broke his toy.(私が彼のおもちゃを壊したとき、彼は怒りました。)
- My mother got sick last week.(母は先週病気になりました。)
- It gets dark early in winter.(冬は早く暗くなります。)
- She got tired after running for an hour.(1時間走った後、彼女は疲れました。)
「receive」にはこのような用法はなく、「get」特有の使い方です。
その他の「get」の用法
「get」には他にも多くの用法があります。以下にいくつか例を挙げます。
移動を表す
- I got to school at 8:30.(8時30分に学校に着きました。)
- How do you get to the library from here?(ここから図書館にはどうやって行きますか?)
理解する
- I don’t get this math problem.(この数学の問題が理解できません。)
- Do you get what I mean?(私の言いたいことがわかりますか?)
「get」は日常英会話で非常によく使われる便利な動詞ですが、フォーマルな場面では別の表現が好まれることもあります。
「receive」の意味と用法
「receive」は「get」より限定的な用法を持ちますが、特定の状況では「get」よりも適切な表現となります。
正式に受け取る
「receive」は正式な場面や丁寧に何かを受け取る状況でよく使われます。
例文
- He received a medal from the principal.(彼は校長先生からメダルを受け取りました。)
- She received a scholarship to study English.(彼女は英語を勉強するための奨学金を受けました。)
- The school received many books as donations.(学校は寄付として多くの本を受け取りました。)
- I received a thank-you card from my friend.(友達からお礼のカードをもらいました。)
このような公式な受け取りの場面では、「receive」がよく使われます。
通信・情報を受け取る
「receive」は手紙、電話、メールなどの通信や情報を受け取る場合にもしばしば使われます。
例文
- I received your letter last Monday.(先週の月曜日にあなたの手紙を受け取りました。)
- We received news about the school trip.(修学旅行についてのお知らせを受け取りました。)
- Did you receive my phone call yesterday?(昨日私からの電話を受けましたか?)
- She received an important message from her teacher.(彼女は先生から重要なメッセージを受け取りました。)
ビジネスシーンや公式な文書では、「get」よりも「receive」が好まれることが多いです。
その他の「receive」の用法
「receive」には他にも以下のような用法があります。
反応や扱いを受ける
- His new book received good reviews.(彼の新しい本は良い評価を受けました。)
- Their idea received support from the whole class.(彼らのアイデアはクラス全体から支持を受けました。)
訪問者を迎える
- The school received many visitors on Parents’ Day.(学校は保護者会の日に多くの訪問者を迎えました。)
- They received us with a warm welcome.(彼らは私たちを温かく迎えてくれました。)
「receive」は「get」に比べてフォーマルな印象を与え、ビジネスや公式な文脈で重宝されます。
「get」と「receive」の使い分けのポイント
「get」と「receive」をいつ使うべきか、そのポイントを詳しく見ていきましょう。
フォーマルさの違い
使い分けの最も大きなポイントは、表現のフォーマルさの違いです。
- 「get」:カジュアルで日常的な表現。友達との会話や非公式な状況に適しています。
- 「receive」:フォーマルな表現。ビジネスメール、公式文書、スピーチなどの場面に適しています。
例えば、友達との会話では「Did you get my text?」(私のテキストメッセージ届いた?)と言うのが自然ですが、ビジネスメールでは「I have received your inquiry」(お問い合わせを受け取りました)のように「receive」を使うことが多いです。
能動性と受動性の違い
「get」と「receive」には、行動の能動性と受動性においても違いがあります。
- 「get」:より能動的で、自分から積極的に何かを取得するニュアンスがあります。
- 「receive」:より受動的で、誰かから与えられて受け取るニュアンスが強いです。
例文で比較してみましょう。
例文
- I’ll get some water for you.(あなたのために水を持ってきます。)[能動的]
- He received water from his friend.(彼は友達から水をもらいました。)[受動的]
使える状況の違い
「get」は非常に多目的な動詞ですが、「receive」はより特定の状況で使われます。
- 「get」は「~になる」「理解する」「到着する」など、多様な意味で使えます。
- 「receive」は主に「受け取る」「迎える」といった限られた意味で使われます。
例えば、「I got sick」(病気になった)や「I don’t get it」(理解できない)のような表現は「receive」では言い換えられません。一方、「I got/received a letter」(手紙をもらった)のような場合は両方使えますが、ニュアンスが少し異なります。
「get」と「receive」に関連する表現
「get」と「receive」以外にも、「受け取る」や「入手する」という意味を持つ単語があります。ここでは関連表現との違いも見ていきましょう。
「obtain」との違い
「obtain」も「入手する」「獲得する」という意味を持ちますが、「get」よりもフォーマルな表現です。努力や計画を通じて何かを手に入れるニュアンスがあります。
例文
- We need to obtain permission from our teacher.(先生からの許可を得る必要があります。)
- He obtained good results in the test.(彼はテストで良い結果を得ました。)
「obtain」は「get」よりも堅い表現で、公式文書やアカデミックな場面でよく使われます。
「acquire」との違い
「acquire」は「取得する」「習得する」という意味で、時間をかけて何かを手に入れる場合やスキルや知識を得る場合によく使われます。「get」や「receive」よりもさらにフォーマルです。
例文
- She acquired English skills by studying hard.(彼女は一生懸命勉強して英語のスキルを習得しました。)
- The school acquired new computers last year.(学校は昨年新しいコンピュータを導入しました。)
「acquire」は特に長期間かけて得るものや、価値のあるものを手に入れる場合に使われることが多いです。
「accept」との違い
「accept」は「受け入れる」という意味で、何かを提供されたときにそれを受け取る意思を表します。承諾のニュアンスが含まれます。
例文
- He accepted the gift with thanks.(彼は感謝してそのプレゼントを受け取りました。)
- I can’t accept your offer.(あなたの申し出を受け入れることができません。)
「accept」は単に物理的に受け取るというよりも、心理的に受け入れるニュアンスが強いです。
「get」と「receive」の使い分け練習問題
ここでは、「get」と「receive」の使い分けを練習するための問題を20問用意しました。それぞれの文脈に合わせて、適切な方を選んでみましょう。
- I ( get / receive ) a letter from my grandmother yesterday.
- Did you ( get / receive ) my message?
- He ( got / received ) angry when I was late.
- The student ( got / received ) an award for her excellent performance.
- I need to ( get / receive ) to the station by 9 o’clock.
- She ( got / received ) a lot of support from her friends.
- I don’t ( get / receive ) why he did that.
- They ( got / received ) married last spring.
- The company ( got / received ) many complaints about the new product.
- I ( got / received ) wet in the rain.
- We ( got / received ) official notification about the changes.
- Did you ( get / receive ) enough sleep last night?
- The president ( got / received ) the foreign diplomat at the White House.
- I ( got / received ) a cold last week.
- He ( got / received ) home late yesterday.
- She ( got / received ) positive feedback on her presentation.
- I’ll ( get / receive ) some bread from the store.
- The charity ( got / received ) many donations after the disaster.
- I ( got / received ) tired after the long walk.
- They ( got / received ) permission to build the new house.
注意点
- 「get」は状態変化(問題3, 10, 14, 19)、理解(問題7)、移動(問題5, 15)を表す場合に使います。
- 「receive」は公式な受け取り(問題4, 11, 13)や通知・連絡(問題1, 9, 16, 18, 20)の場合に適しています。
- どちらも使える場合もありますが、状況のフォーマル度によって選択します。
「get」と「receive」に関するよくある質問
「get」と「receive」について、学習者からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
- 「get」は常に「receive」に置き換えられる?
-
いいえ、常に置き換えられるわけではありません。「get」は非常に多様な意味を持つ動詞で、「~になる」(get angry, get sick)、「理解する」(I don’t get it)、「移動する」(get home, get to school)など、「receive」では表現できない用法がたくさんあります。
一方、物理的に何かを受け取る意味では両方使えますが、フォーマルさや文脈によって適切な方が変わります。カジュアルな会話では「get」、ビジネスや公式な場面では「receive」が好まれます。
- ビジネスメールでは「get」と「receive」どちらを使うべき?
-
ビジネスメールのような公式なコミュニケーションでは、一般的に「receive」の方が適切です。より丁寧で専門的な印象を与えます。
- “I received your email regarding the meeting.”(会議に関するメールを受け取りました。)
- “We have received your application.”(あなたの応募書類を受領しました。)
ただし、社内の親しい同僚とのカジュアルなやり取りでは「get」も問題なく使われます。状況や関係性に応じて使い分けるとよいでしょう。
- 「get」と「receive」の過去形と過去分詞形は?
-
「get」は不規則動詞で、過去形は「got」、過去分詞は「got」または「gotten」(主に米語)です。
- Present: I get a letter.(手紙をもらいます。)
- Past: I got a letter.(手紙をもらいました。)
- Present Perfect: I have got/gotten a letter.(手紙をもらいました。)
「receive」は規則動詞で、過去形と過去分詞は「received」です。
- Present: I receive a letter.(手紙を受け取ります。)
- Past: I received a letter.(手紙を受け取りました。)
- Present Perfect: I have received a letter.(手紙を受け取りました。)
- 「get」と「receive」を使った慣用表現はありますか?
-
はい、両方の動詞を使った慣用表現がいくつかあります。
「get」を使った慣用表現
- get along with(~と仲良くする)
- get over(~を乗り越える)
- get back(戻る)
- get up(起きる)
- get together(集まる)
「receive」を使った慣用表現
- receive attention(注目を集める)
- receive treatment(治療を受ける)
- receive education(教育を受ける)
- receive credit for(~の功績を認められる)
これらの慣用表現を覚えると、英語表現の幅がさらに広がります。
まとめ

「get」と「receive」の違いと使い分けについて、ポイントをまとめます。
- 「get」はカジュアルで日常会話でよく使われる表現、「receive」はフォーマルでビジネスや公式な場面で使われる表現です。
- 「get」は多目的な動詞で「受け取る」以外にも「~になる」「理解する」「到着する」など様々な意味を持ちます。
- 「receive」は主に「受け取る」「迎える」という限られた意味で使われます。
- 「get」はより能動的なニュアンス、「receive」はより受動的なニュアンスがあります。
- 物理的に何かを受け取る場合、フォーマルな状況では「receive」、カジュアルな状況では「get」が適切です。
- 状態変化(get angry, get sick)や理解(I don’t get it)の意味では「get」のみが使えます。
- 関連表現として、「obtain」(やや公式)、「acquire」(さらに公式、時間をかけて獲得)、「accept」(承諾のニュアンス)もあります。
- ビジネスメールなどの公式な状況では「receive」の使用が推奨されます。
- 「get」は不規則動詞で過去形は「got」、「receive」は規則動詞で過去形は「received」です。
- 両方の動詞を使った慣用表現がいくつもあり、それらを学ぶことで表現の幅が広がります。
英語学習において、似た意味を持つ単語の使い分けを理解することは重要です。「get」と「receive」の違いを押さえて、状況に応じた適切な表現を選べるようになりましょう。
日常会話からビジネスシーンまで、幅広い場面で正確に伝えたいことを表現できるようになります。