英語には「get to the point」という表現があります。この表現は日常会話でよく使われ、日本語では「要点を言う」「本題に入る」「簡潔に言う」などと訳されます。長々と話を続ける人に対して「早く本題に入ってほしい」と思ったとき、または自分が話をするときに「要点だけを簡潔に伝えよう」という意図で使われる便利なフレーズです。
この記事では、「get to the point」の意味と使い方について、英語初学者の方にもわかりやすく解説します。例文や会話例も多数紹介するので、ぜひ参考にしてください。
「get to the point」の基本的な意味

「get to the point」は、「要点に触れる」「本題に入る」という意味を持つ英語表現です。「point」は「要点」や「ポイント」を意味し、「get to」は「~に到達する」という意味があります。
つまり、「get to the point」は「要点に到達する」という意味から、「無駄な話を省いて、大事なことを言う」という使い方をします。
例文
- Please get to the point. I don’t have much time.(要点を言ってください。あまり時間がありません。)
- He always takes a long time to get to the point.(彼はいつも本題に入るまでに時間がかかります。)
- Let’s get to the point of this meeting.(この会議の要点に入りましょう。)
この表現は、相手に対して「遠回しな言い方をやめて、直接的に言いたいことを言ってください」と伝えるときによく使われます。また、長い説明や話の後に「結局、言いたいことは何ですか?」と尋ねる際にも使われます。
「get to the point」の使い方
「get to the point」はいくつかのパターンで使うことができます。基本的な使い方を見ていきましょう。
命令文として使う
最もよく見られる使い方は、相手に対して「要点を言ってください」と指示する命令文です。
例文
- Get to the point, please.(要点を言ってください。)
- Let’s get to the point.(本題に入りましょう。)
- Can you get to the point?(要点を言っていただけますか?)
情報や会話の文脈で使う
会話の流れの中で、情報や説明が長くなっているときに使われます。
例文
- I’m listening, but please get to the point.(聞いていますが、要点を言ってください。)
- After talking for 10 minutes, he finally got to the point.(10分話した後、彼はようやく本題に入りました。)
- She never gets to the point quickly.(彼女はすぐに要点に入ることがありません。)
自分自身について使う
自分の話し方について言及するときにも使えます。
例文
- I’ll get to the point.(要点を言いますね。)
- Let me get straight to the point.(率直に要点を言わせてください。)
- To get to the point, I need your help.(要点を言うと、あなたの助けが必要です。)
「get to the point」を使う場面
「get to the point」はどのような場面で使われるのでしょうか。いくつかの一般的な状況を見ていきましょう。
時間が限られている場面
会議や急ぎの話し合いなど、時間が限られている状況でよく使われます。
例文
- We only have 5 minutes left, so please get to the point.(残り5分しかないので、要点を言ってください。)
- I have to catch a train, so can you get to the point?(電車に乗らなければならないので、要点を言っていただけますか?)
冗長な説明に対して
相手が話を長引かせているときや、不必要な詳細に触れているときに使います。
例文
- You’re talking about many things. Can you get to the point?(あなたはたくさんのことを話しています。要点を言っていただけますか?)
- After he explained the background for 20 minutes, I asked him to get to the point.(彼が20分間背景を説明した後、私は彼に要点を言うよう頼みました。)
ビジネスの場面
ビジネスミーティングやプレゼンテーションでは、時間が貴重なので、この表現がよく使われます。
例文
- In business meetings, it’s important to get to the point quickly.(ビジネスミーティングでは、すぐに要点に入ることが重要です。)
- My boss always tells me to get to the point in my reports.(上司はいつも私にレポートで要点を言うように言います。)
「get to the point」の類似表現
「get to the point」と似た意味を持つ表現はいくつかあります。それぞれのニュアンスの違いを理解しておきましょう。
「come to the point」
「come to the point」も「get to the point」とほぼ同じ意味で使われますが、少しフォーマルな印象があります。
例文
- Let me come to the point of my visit.(私の訪問の要点を言わせてください。)
- She finally came to the point after a long introduction.(彼女は長い導入の後、ようやく本題に入りました。)
「cut to the chase」
「cut to the chase」も「無駄な話を省いて本題に入る」という意味ですが、より口語的で直接的な表現です。
映画業界から来た表現で、「余計なシーンをカットして、追跡シーン(見どころ)に直接移る」という意味が由来です。
例文
- Let’s cut to the chase. Do you want to join our team or not?(遠回しな言い方はやめましょう。あなたは私たちのチームに参加したいですか、それともしたくないですか?)
- Cut to the chase and tell me what happened.(遠回しな言い方はやめて、何が起きたのか教えてください。)
「be direct」
「be direct」(直接的になる)も同様の意味で使われますが、より一般的な表現です。
例文
- Please be direct and tell me what you think.(遠回しな言い方はやめて、あなたの考えを教えてください。)
- She is always very direct in her communication.(彼女はコミュニケーションでいつも非常に率直です。)
「get to the point」の反対表現
「get to the point」の反対の意味を持つ表現も知っておくと便利です。
「beat around the bush」
「beat around the bush」は、「遠回しに言う」「本題に入らない」という意味で、「get to the point」の反対の意味を持ちます。
例文
- Don’t beat around the bush. Just tell me the truth.(遠回しな言い方はやめてください。真実を教えてください。)
- He always beats around the bush when I ask about his plans.(彼の計画について尋ねると、彼はいつも遠回しに言います。)
「go off on a tangent」
「go off on a tangent」は、「話題から逸れる」「脱線する」という意味で、これも「get to the point」の反対の意味を持ちます。
例文
- She often goes off on a tangent during her presentations.(彼女はプレゼンテーション中によく話題から逸れます。)
- Try not to go off on a tangent. Stay focused on the main topic.(話題から逸れないようにしてください。メインのトピックに集中してください。)
「get to the point」を使った会話例
実際の会話の中で「get to the point」がどのように使われるか、いくつかの例を見てみましょう。
友達との会話
例文
- A: I met this person yesterday, and we started talking about movies, and then we found out that we both like the same director, and then…(昨日ある人に会って、映画の話をし始めて、それから私たち二人が同じ監督が好きだとわかって、それから…)
- B: Can you get to the point? What happened next?(要点を言ってくれる?次に何が起きたの?)
- A: Oh, sorry. We’re going to see a movie together this weekend.(あ、ごめん。今週末、一緒に映画を見に行くことになったんだ。)
学校での会話
例文
- 先生: Before we start today’s lesson, I want to talk about the importance of homework. When I was a student, my teacher always told us that homework is…(今日の授業を始める前に、宿題の重要性について話したいと思います。私が学生だったとき、先生はいつも宿題は…)
- 生徒: Excuse me, teacher. Could you get to the point? What do we need to do for homework today?(すみません、先生。要点を言っていただけますか?今日の宿題は何をすればいいですか?)
- 先生: You’re right. For today’s homework, please read pages 20-25.(そうですね。今日の宿題は、20〜25ページを読んでください。)
ビジネスでの会話
例文
- マネージャー: In our company, customer satisfaction is very important. We need to think about how customers feel and what they want. There are many factors that…(私たちの会社では、顧客満足度が非常に重要です。顧客がどう感じるか、何を望んでいるかを考える必要があります。多くの要因があり…)
- 従業員: I’m sorry to interrupt, but can we get to the point? What changes do you want us to make?(中断して申し訳ありませんが、要点に入っていただけますか?どのような変更を望んでいますか?)
- マネージャー: Right. I want everyone to start sending follow-up emails to customers after each sale.(そうですね。各販売後に顧客にフォローアップメールを送り始めてほしいと思います。)
「get to the point」の使い方のコツ
「get to the point」を適切に使うためのコツをいくつか紹介します。
丁寧な言い方を選ぶ
「get to the point」はやや直接的な表現なので、丁寧に言いたい場合は、「Could you please」や「I’d appreciate if you could」などの表現を加えると良いでしょう。
例文
- Could you please get to the point?(要点を言っていただけますか?)
- I’d appreciate if you could get to the point.(要点を言っていただけると嬉しいです。)
状況に応じて使い分ける
友人や家族との会話では直接的に言っても問題ないかもしれませんが、上司や目上の人との会話では、より丁寧な言い方や別の表現を選ぶことも考えましょう。
例文
- (友人に) Get to the point!(要点を言って!)
- (上司に) Excuse me, but I’m a bit confused. Could you clarify the main point?(すみませんが、少し混乱しています。要点を明確にしていただけますか?)
自分が話すときのコツ
自分が話をするときは、最初に「Let me get to the point」と言うことで、これから要点を話すことを明確にできます。
例文
- Let me get to the point: we need to change our strategy.(要点を言うと、戦略を変える必要があります。)
- To get to the point, I think we should cancel the event.(要点を言うと、イベントをキャンセルすべきだと思います。)
「get to the point」に関するよくある質問
ここでは、「get to the point」に関するよくある質問に答えていきます。
- 「get to the point」は失礼な表現ですか?
-
状況や言い方によっては、少し直接的に聞こえることがあります。特に、命令調で「Get to the point!」と言うと、相手に急かしているような印象を与える可能性があります。より丁寧に言いたい場合は、「Could you please get to the point?」のように「please」を加えるか、「I’m sorry, but could we focus on the main issue?」のような別の言い方を選ぶと良いでしょう。
- 「get to the point」はフォーマルな場面でも使えますか?
-
「get to the point」は、カジュアルからセミフォーマルな場面で使われることが多いです。非常にフォーマルな場面では、「Could we address the main issue?」や「I’d like to focus on the key point」などの表現の方が適切かもしれません。
- 「get to the point」と「make your point」の違いは何ですか?
-
「get to the point」は「本題に入る」「要点を言う」という意味で、長い説明を省いて核心に触れることを求める表現です。一方、「make your point」は「自分の主張を述べる」「言いたいことを言う」という意味で、自分の意見や立場を明確に伝えることを指します。
- Get to the point. What do you want?(要点を言ってください。何が欲しいですか?)
- You made your point. I understand your opinion.(あなたの主張はわかりました。あなたの意見を理解しています。)
- 「get to the point」をメールで使う場合の注意点はありますか?
-
メールでは文字だけのコミュニケーションなので、「get to the point」という表現がやや強く感じられることがあります。メールでは、「I’d appreciate if we could focus on the main issue」や「For the sake of clarity, let’s address the key point」などの、より丁寧な表現を使うことをお勧めします。
- 子供に「get to the point」と言うのは適切ですか?
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子供に対して「Get to the point」と直接的に言うと、少し厳しく聞こえるかもしれません。代わりに、「Can you tell me the most important part?」(一番大事なところを教えてくれる?)や「What’s the main thing you want to say?」(言いたいことの一番大事なことは何?)のような、より優しい言い方が適切です。
まとめ

「get to the point」は「要点を言う」「本題に入る」という意味を持つ英語表現で、長々と話をしている人に対して「早く本題に入ってほしい」と思うときや、自分が話をするときに「これから要点を言います」と伝えるときに使います。
この表現は主に以下のような形で使われます。
- Get to the point.(要点を言ってください。)- 命令形
- Can you get to the point?(要点を言っていただけますか?)- 質問形
- Let me get to the point.(要点を言わせてください。)- 自分が話すとき
- He finally got to the point.(彼はようやく本題に入りました。)- 過去形で状況を説明
「get to the point」に似た表現には「come to the point」「cut to the chase」「be direct」などがあり、反対の意味を持つ表現には「beat around the bush」「go off on a tangent」などがあります。
この表現を使うときは、状況や相手との関係に応じて、適切な言い方を選ぶことが大切です。友人や家族との会話では直接的に言っても問題ないかもしれませんが、上司や目上の人との会話では、より丁寧な言い方を選びましょう。
また、自分が話をするときは、重要なポイントを簡潔に伝えることを心がけると、コミュニケーションがより円滑になります。「Let me get to the point」と言ってから要点を述べることで、聞き手に「これから大事なことを言います」と伝えることができます。
英語でのコミュニケーションでは、時間を大切にし、要点を簡潔に伝えることが重視されます。「get to the point」という表現を適切に使いこなすことで、効果的なコミュニケーションができるようになるでしょう。
日常会話、学校、ビジネスなど、様々な場面で「get to the point」を活用して、より明確で効率的なコミュニケーションを心がけましょう。