英語には「give away」という表現があります。この表現は日常会話でよく使われる句動詞(phrasal verb)の一つで、基本的な単語から構成されているにもかかわらず、いくつかの異なる意味を持っています。「give away」をマスターすることで、あなたの英語表現の幅が広がり、より自然なコミュニケーションができるようになるでしょう。
この記事では、「give away」の基本的な意味から実際の使い方まで、初学者にもわかりやすく解説していきます。
「give away」の基本的な意味

「give away」は「give(与える)」と「away(離れて)」という二つの単語からなる句動詞です。基本的には「無料で与える」「手放す」という意味を持ちますが、使われる状況によっていくつかの異なる意味があります。
主な意味は以下の通りです。
- 無料で与える、寄付する
- 不要なものを手放す、譲る
- 秘密をばらす、情報を漏らす
- 結婚式で花嫁を花婿に引き渡す
- スポーツで相手に得点を許す
これらの意味を一つずつ詳しく見ていきましょう。
「無料で与える、寄付する」という意味での使い方
「give away」の最も一般的な使い方は、「無料で何かを与える」という意味です。特に、本来は有料のものを無料で配布する場合によく使われます。
「無料で与える」の基本的な例文
例文
- The store is giving away free samples of the new product.(そのお店は新製品の無料サンプルを配っています。)
- She gave away all her old books to the library.(彼女は古い本をすべて図書館に寄付しました。)
- We are giving away tickets for the concert.(私たちはコンサートのチケットを無料で配っています。)
「give away」を使ったキャンペーンやイベント
企業やお店がよく行うキャンペーンやイベントで「give away」という表現が使われることがあります。
例文
- Our school is giving away free notebooks to new students.(私たちの学校は新入生に無料のノートを配っています。)
- The coffee shop is giving away free drinks on Monday.(そのコーヒーショップは月曜日に無料ドリンクを提供しています。)
- Many companies give away samples to promote their products.(多くの企業は製品を宣伝するためにサンプルを無料配布しています。)
「不要なものを手放す、譲る」という意味での使い方
「give away」は「不要になったものを手放す」「他の人に譲る」という意味でも使われます。
「手放す、譲る」の基本的な例文
例文
- I gave away my old toys to my young cousin.(私は古いおもちゃを小さないとこに譲りました。)
- He gave away his bicycle when he bought a new one.(彼は新しい自転車を買ったとき、古い自転車を譲りました。)
- We gave away our old furniture when we moved to a new house.(私たちは新しい家に引っ越したとき、古い家具を手放しました。)
リサイクルや寄付の文脈での「give away」
環境保護やリサイクルの意識が高まる中、不要なものを他の人に譲ることはとても価値のある行為です。そのような文脈でも「give away」はよく使われます。
例文
- Instead of throwing away clothes, you can give them away to people in need.(服を捨てる代わりに、必要としている人々に譲ることができます。)
- My mother gives away her old magazines to the hospital.(母は古い雑誌を病院に寄付しています。)
- Many people give away things they don’t need anymore through online platforms.(多くの人々はオンラインプラットフォームを通じて、もう必要としないものを譲っています。)
「秘密をばらす、情報を漏らす」という意味での使い方
「give away」のもう一つの重要な意味は、「秘密をばらす」「情報を漏らす」というものです。意図的であれ無意識であれ、知られたくない情報が他人に知られてしまう状況を表します。
「秘密をばらす」の基本的な例文
例文
- Don’t give away the ending of the movie!(映画の結末をばらさないで!)
- She gave away the surprise party plan to her brother.(彼女はサプライズパーティーの計画を兄にばらしてしまいました。)
- Be careful not to give away any secret information during the interview.(インタビューの間に秘密情報をばらさないように気をつけてください。)
無意識に情報を漏らす場合
時には、言葉ではなく表情や行動などによって、無意識のうちに秘密を漏らしてしまうことがあります。そのような場合にも「give away」が使われます。
例文
- His smile gave away that he knew the secret.(彼の笑顔で、彼が秘密を知っていることがばれました。)
- The nervous look on her face gave away her lie.(彼女の顔の緊張した表情で、彼女の嘘がばれました。)
- Be careful about your body language; it might give away your true feelings.(あなたのボディーランゲージに気をつけてください。本当の気持ちがばれるかもしれません。)
その他の「give away」の使い方
「give away」にはさらにいくつかの特定の文脈での使い方があります。頻度は少ないですが、理解しておくと役立つでしょう。
結婚式での使い方
伝統的な西洋の結婚式では、花嫁の父親が花嫁を花婿に引き渡す役割を果たします。この行為を表現する際に「give away」が使われます。
例文
- The father gave away his daughter at the wedding ceremony.(父親は結婚式で娘を花婿に引き渡しました。)
- Who will give you away at your wedding?(あなたの結婚式では誰があなたを引き渡すのですか?)
スポーツでの使い方
スポーツ、特にサッカーやラグビーなどでは、ミスをして相手チームに得点を許してしまう状況を表現するのに「give away」が使われることがあります。
例文
- Our team gave away a goal in the last minute.(私たちのチームは最後の1分で得点を許してしまいました。)
- Don’t give away easy points to the opponent.(相手に簡単に得点を与えないでください。)
「give away」の文法と使い方のパターン
「give away」を正しく使うには、その文法パターンを理解することが重要です。以下にいくつかの基本的なパターンを紹介します。
基本的な文型
「give away」の基本的な文型は以下の通りです。
- 主語 + give away + 目的語
- I gave away my old books.(私は古い本を譲りました。)
- 主語 + give + 目的語 + away
- I gave my old books away.(私は古い本を譲りました。)
目的語が代名詞の場合、2つ目のパターンが一般的です。
例文
- I gave them away.(私はそれらを譲りました。)
「give away」+ to + 人
何かを誰かに与える場合、「to」を使って受け取る人を示します。
例文
- She gave away her toys to the children.(彼女はおもちゃを子供たちに譲りました。)
- We gave away food to homeless people.(私たちはホームレスの人々に食べ物を与えました。)
「give」の時制変化
「give away」を使う際は、状況に応じて「give」の時制を変化させます。
現在形
- I give away my old clothes every year.(私は毎年古い服を寄付します。)
過去形
- She gave away her concert tickets yesterday.(彼女は昨日コンサートのチケットを譲りました。)
現在完了形
- We have given away all our extra food.(私たちは余分な食べ物をすべて寄付しました。)
未来形
- They will give away free samples next week.(彼らは来週無料サンプルを配布する予定です。)
「give away」と類似表現の違い
英語には「give away」と似た意味を持つ表現がいくつかあります。それぞれの違いを理解して適切に使い分けましょう。
「give away」と「give out」の違い
「give out」も「配布する」という意味ですが、「give away」との主な違いは以下の通りです。
- 「give away」: 主に有料のものを無料で配る場合に使用します。
- 「give out」: 主にもともと無料のものを複数の人に配る場合に使用します。
例文
- The store is giving away free samples of their new product.(そのお店は新製品の無料サンプルを配っています。)- 有料商品の無料サンプル
- The teacher gave out worksheets to all students.(先生は全生徒にワークシートを配りました。)- もともと無料のもの
「give away」と「donate」の違い
「donate」も「寄付する」という意味ですが、より公式な表現で、特に慈善目的で何かを提供する場合に使われます。
例文
- I gave away my old books to my friends.(私は古い本を友達に譲りました。)- カジュアルな表現
- He donated a large sum of money to the charity.(彼は慈善団体に多額のお金を寄付しました。)- より公式な表現
「give away」と「reveal」の違い
「reveal」も「明らかにする」という意味ですが、「give away」の「秘密をばらす」という意味合いとは少し異なります。
例文
- His smile gave away his true feelings.(彼の笑顔で本当の気持ちがばれました。)- 無意識に情報が漏れる
- The teacher revealed the test results to the class.(先生はテストの結果をクラスに明らかにしました。)- 意図的に情報を公開する
日常生活での「give away」の使用例
「give away」は日常生活のさまざまな場面で使うことができます。以下に、場面別の例文を紹介します。
家庭での使用例
家庭内でのコミュニケーションでは、物の共有や整理などの文脈で「give away」がよく使われます。
例文
- Mom, can I give away my old toys to my cousin?(お母さん、古いおもちゃをいとこに譲ってもいい?)
- We should give away these clothes that don’t fit anymore.(もう合わないこれらの服を譲るべきです。)
- My father gave away his collection of stamps to my brother.(父は切手のコレクションを弟に譲りました。)
学校での使用例
学校生活でも「give away」はさまざまな場面で使われます。
例文
- Our teacher gave away stickers to students who did well on the test.(先生はテストでよくできた生徒にステッカーをあげました。)
- Don’t give away the answers during the quiz.(クイズの間に答えをばらさないでください。)
- The school is giving away old computers to students who need them.(学校は必要としている生徒に古いコンピュータを提供しています。)
友達との会話での使用例
友人との会話では、物の共有や秘密の話など、さまざまな文脈で「give away」が登場します。
例文
- I’ll give away my concert ticket because I can’t go.(行けないので、コンサートのチケットを譲ります。)
- Please don’t give away the surprise we planned for her birthday.(彼女の誕生日のために計画したサプライズをばらさないでください。)
- Why did you give away my secret? I trusted you!(なぜ私の秘密をばらしたの?あなたを信頼していたのに!)
「give away」を使った会話例
実際の会話の中で「give away」がどのように使われるかを、いくつかの例で見てみましょう。
会話例1:不要なものを譲る場面
例文
- A: I have too many books. My bookshelf is full.(本が多すぎるよ。本棚がいっぱいだ。)
- B: Why don’t you give some of them away? Our library accepts book donations.(いくつか譲ってはどう?図書館は本の寄付を受け付けているよ。)
- A: That’s a good idea. I’ll give away the ones I don’t read anymore.(それはいい考えだね。もう読まないものを寄付することにするよ。)
会話例2:秘密をばらす場面
例文
- A: Did you tell Mary about the surprise party?(メアリーにサプライズパーティーのことを話した?)
- B: No, I didn’t give away the secret. She has no idea.(いいえ、秘密をばらしていません。彼女は全く知りません。)
- A: Good! Let’s keep it that way until Saturday.(良かった!土曜日までそのままにしておこう。)
会話例3:無料で何かを提供する場面
例文
- A: Have you heard? The new bakery is giving away free cookies today.(聞いた?新しいパン屋さんが今日無料クッキーを配っているよ。)
- B: Really? Let’s go and get some before they give them all away.(本当?全部配り終わる前に行って、もらおうよ。)
- A: Good idea! They’re only giving away one cookie per person, though.(いいね!でも、一人一つだけだよ。)
「give away」に関するよくある質問
「give away」に関する初学者からよくある質問に答えていきます。
- 「give away」と「give out」の違いは何ですか?
-
「give away」と「give out」は両方とも「配る」という意味ですが、微妙な違いがあります。
「give away」は主に本来は有料のものを無料で配る場合や、自分の所有物を他の人に譲る場合に使います。例えば「The store is giving away free samples.(お店は無料サンプルを配っています。)」
一方、「give out」は主にもともと無料のものを多くの人に配布する場合に使います。例えば「The teacher gave out worksheets to all students.(先生は全生徒にワークシートを配りました。)」
- 「give away」の発音のコツはありますか?
-
「give away」は「ギヴ・アウェイ」と発音します。「give」は短く発音し、「away」の「ウェイ」部分に自然にアクセントが置かれます。二つの単語をつなげて発音するとより自然に聞こえます。
- 「give away」は否定文でどのように使いますか?
-
「give away」の否定形は「don’t/doesn’t/didn’t give away」です。例えば「Don’t give away my secret.(私の秘密をばらさないで。)」のように使います。目的語が代名詞の場合は「Don’t give it away.(それをばらさないで。)」のようになります。
- 「give away」は丁寧な表現ですか?
-
「give away」自体はニュートラルな表現で、カジュアルな会話からやや丁寧な場面まで使うことができます。より丁寧にしたい場合は「I would like to give this away」のように丁寧な言い回しを加えることができます。ただし、非常にフォーマルな文書では「donate」「distribute」などの単語が好まれることがあります。
- 「giveaway」と「give away」の違いは何ですか?
-
「give away」は動詞句で「与える」「譲る」「ばらす」などの意味がありますが、「giveaway」(一語で書く)は名詞で「無料サンプル」「無料プレゼント」という意味になります。例えば「The company is hosting a giveaway on social media.(その会社はソーシャルメディアで無料プレゼント企画を開催しています。)」のように使います。
- 「give away」の過去形と過去分詞形は何ですか?
-
「give away」の過去形は「gave away」、過去分詞形は「given away」です。例えば「He gave away his old books yesterday.(彼は昨日古い本を寄付しました。)」「She has given away all her toys.(彼女はすべてのおもちゃを譲りました。)」のように使います。
まとめ

「give away」は英語の中でとても便利な句動詞です。この記事では、その主な意味と使い方を見てきました。
- 「無料で与える、寄付する」:有料のものを無料で提供する場合
- The store is giving away free samples.(そのお店は無料サンプルを配っています。)
- 「不要なものを手放す、譲る」:もう必要としないものを他の人に与える場合
- I gave away my old clothes to charity.(古い服を慈善団体に寄付しました。)
- 「秘密をばらす、情報を漏らす」:知られたくないことを意図的または無意識に明かす場合
- Don’t give away the surprise!(サプライズをばらさないで!)
- His nervous smile gave away his lie.(彼の緊張した笑顔で嘘がばれました。)
- その他の特定の使い方:結婚式での花嫁の引き渡しやスポーツでの相手への得点許容など
- The father gave away the bride at the wedding.(父親は結婚式で花嫁を引き渡しました。)
- Our team gave away a goal in the last minute.(私たちのチームは最後の1分で得点を許してしまいました。)
「give away」の文法的な使い方としては、「主語 + give away + 目的語」または「主語 + give + 目的語 + away」のパターンがあります。目的語が代名詞の場合は後者のパターンが一般的です。
また、「give away」と似た意味を持つ「give out」「donate」「reveal」などの表現との違いも理解しておくと、より正確な英語表現ができるでしょう。
「give away」は日常会話やカジュアルな文脈でよく使われる表現です。基本的な単語から構成されているため、初学者でも覚えやすく、様々な場面で活用できる便利な表現です。この記事で学んだことを活かして、ぜひ実際の会話で使ってみてください。