「given」は英語の単語で、動詞「give(与える)」の過去分詞形として最もよく知られていますが、形容詞や前置詞としても使われる多機能な単語です。
この記事では、初学者の方でも理解しやすいように「given」の様々な意味と使い方を例文とともに詳しく解説していきます。
givenとは?多様な意味を持つ英単語

「given」は「give(与える)」の過去分詞形ですが、英語では動詞の過去分詞だけでなく、形容詞や前置詞としても使われる非常に便利な単語です。基本的な意味は「与えられた」「提供された」ですが、文脈によって「定められた」「〜を考慮すると」などの意味も持ちます。
「given」は日常会話から公式な文書まで幅広く使われており、英語学習者にとって理解しておくべき重要な単語の一つです。特に、前置詞としての「given」は状況を説明する際によく使われ、「〜を考慮すると」という意味で文の冒頭に置かれることが多いです。
givenの発音と基本情報
「given」の発音は「ギヴン」となります。アメリカ英語では「ギヴン」、イギリス英語では若干「ギヴェン」に近い発音になることもあります。
文脈によって意味や品詞が変わるため、使い方を理解することが英語力向上につながります。
givenの動詞としての使い方
「given」は動詞「give」の過去分詞形として、完了形や受動態の文で頻繁に使われます。このセクションでは、動詞としての「given」の基本的な使い方を見ていきましょう。
受動態でのgivenの使い方
受動態では「be + given」の形で「与えられる」という意味を表します。
例文
- I was given a book by my teacher. (私は先生から本をもらいました。)
- She was given a chance to explain herself. (彼女は自分を説明する機会を与えられました。)
- We were given time to finish the test. (私たちはテストを終える時間を与えられました。)
受動態の文では、「誰かが誰かに何かを与える」という能動態の文の「誰か(受け手)」が主語になります。この構文は英語では非常に一般的です。
完了形でのgivenの使い方
完了形では「have/has/had + given」の形で「与えた」という完了の意味を表します。
例文
- I have given her my phone number. (私は彼女に自分の電話番号を渡しました。)
- He has given his best effort. (彼は最善の努力をしました。)
- They had given us all the information before the meeting. (彼らは会議の前に私たちにすべての情報を提供していました。)
完了形は「動作が完了した」「過去の行為が現在に影響している」などのニュアンスを表します。
givenの形容詞としての使い方
「given」は形容詞として「与えられた」「特定の」「定められた」という意味で使われます。名詞の前に置いて、その名詞を修飾します。
「与えられた」「定められた」の意味での使用
形容詞としての「given」は、「特定の」「あらかじめ決められた」という意味を持ちます。
例文
- She finished her homework in the given time. (彼女は与えられた時間内に宿題を終えました。)
- He followed the given instructions carefully. (彼は与えられた指示に注意深く従いました。)
- We must work within the given budget. (私たちは与えられた予算内で働かなければなりません。)
このように「given」は「あらかじめ決められた」「特定の」という意味で名詞を修飾します。
「the given time(与えられた時間)」「the given task(与えられた仕事)」などの表現はビジネスや学校でよく使われます。
「当然の」「自明の」という意味での使用
形容詞としての「given」には「当然の」「自明の」という意味もあります。
例文
- This is a given fact in science. (これは科学における自明の事実です。)
- It’s a given that prices will rise. (価格が上がるのは当然のことです。)
「a given」という表現は「当然のこと」「自明のこと」という意味の名詞としても使われます。
givenの前置詞としての使い方
「given」は前置詞として「〜を考慮すると」「〜という条件下で」という意味を持ちます。これは英語の中でも少し高度な用法ですが、非常に便利な表現です。
「〜を考慮すると」の意味での使用
前置詞としての「given」は文の冒頭に置かれ、「〜を考慮すると」「〜があれば」という意味を表します。
例文
- Given the weather, we should stay inside. (天気を考慮すると、私たちは中にいるべきです。)
- Given her experience, she will do well in the job. (彼女の経験を考えると、彼女はその仕事で上手くやるでしょう。)
- Given the time, we can’t finish this today. (時間を考えると、今日これを終えることはできません。)
この用法は、ある条件や状況を前提として、その結果や結論を述べる際に便利です。
given thatの使い方
「given that」は「〜ということを考えると」「〜だとすれば」という意味の接続詞句です。
例文
- Given that he is only a beginner, he plays the piano very well. (彼が初心者であることを考えると、彼はピアノをとても上手に弾きます。)
- Given that it’s raining, we should take an umbrella. (雨が降っていることを考えると、傘を持っていくべきです。)
- We should finish on time, given that we start now. (今始めれば、時間通りに終えるはずです。)
「given that」は「considering that」「seeing that」などと同じような意味で使われます。
givenを使った表現と熟語
「given」を使った表現や熟語はいくつかあります。ここでは代表的なものを紹介します。
be given to の意味と使い方
「be given to 〜」は「〜しがちである」「〜の習慣がある」という意味です。人の性格や習慣を表す表現です。
例文
- He is given to exaggeration. (彼は大げさに言う傾向があります。)
- She is given to daydreaming in class. (彼女は授業中に空想にふけりがちです。)
- My grandfather is given to telling the same stories. (私の祖父は同じ話を繰り返す癖があります。)
この表現は人の特徴や癖について話す際に使われます。通常、あまり肯定的でない習慣や癖について使われることが多いですが、必ずしもそうとは限りません。
その他のgivenを使った表現
他にも「given」を使ったいくつかの一般的な表現があります。
例文
- Given the opportunity, I would love to travel abroad. (機会があれば、私は海外旅行をしたいです。)
- Given the choice, which one would you prefer? (選択肢があるなら、どちらが良いですか?)
- It was a given that he would win the race. (彼がレースに勝つのは当然のことでした。)
「given the opportunity(機会があれば)」「given the choice(選択肢があれば)」などの表現は、条件や仮定の状況を表す際に便利です。
givenのよくある間違いと注意点
英語初学者が「given」を使う際によく間違える点と、使用上の注意点をいくつか紹介します。
givenの品詞を混同しないようにする
「given」は動詞の過去分詞、形容詞、前置詞として使われますが、それぞれの用法を混同しないように注意しましょう。
× Given to her a book. (誤った使い方)
○ I gave her a book. (正しい使い方)
× The weather given is sunny. (不自然な言い回し)
○ The given weather forecast is sunny. (自然な言い回し)
受動態の構文を正しく使う
「give」は特殊な動詞で、受動態の形にすると2通りの言い方ができます。
例文
- The book was given to me by my teacher. (その本は先生から私に与えられました。)
- I was given the book by my teacher. (私は先生からその本を与えられました。)
どちらも正しい表現ですが、2つ目の形(間接目的語を主語にする形)の方が一般的に使われます。
given thatとif/whenの違いを理解する
「given that」は「if(もし〜なら)」や「when(〜のとき)」と似ていますが、微妙に意味が異なります。「given that」は既に確定している事実や状況を前提として話す際に使います。
例文
- Given that you already know the answer, why are you asking me? (あなたはすでに答えを知っているのに、なぜ私に尋ねるのですか?)
- If you know the answer, why are you asking me? (もしあなたが答えを知っているなら、なぜ私に尋ねるのですか?)
「given that」は確定している事実、「if」は仮定の状況を表します。
be given toの使い方に注意する
「be given to」は「〜する傾向がある」という意味ですが、必ずしも否定的な意味だけではありません。しかし、多くの場合、あまり望ましくない習慣や癖について使われることが多いです。
例文
- He is given to drinking too much at parties. (彼はパーティーで飲みすぎる傾向があります。)
- She is given to helping others. (彼女は他人を助ける傾向があります。)
2つ目の例は肯定的な意味ですが、このような使い方は比較的少ないです。
givenの各品詞における重要表現
「given」の各品詞における重要な表現をまとめた表です。
品詞 | 表現 | 意味 | 例文 |
---|---|---|---|
動詞(過去分詞) | be given | 与えられる | I was given a present. (私はプレゼントをもらいました。) |
動詞(過去分詞) | have given | 与えた | She has given me her answer. (彼女は私に彼女の答えを教えてくれました。) |
形容詞 | given time/task | 与えられた時間/タスク | We must finish within the given time. (与えられた時間内に終えなければなりません。) |
形容詞 | a given | 当然のこと | It’s a given that he will win. (彼が勝つのは当然です。) |
前置詞 | given + 名詞 | 〜を考慮すると | Given his age, he is very active. (彼の年齢を考えると、彼はとても活動的です。) |
接続詞句 | given that | 〜だとすれば | Given that it’s raining, we should stay inside. (雨が降っていることを考えると、中にいるべきです。) |
熟語 | be given to | 〜する傾向がある | He is given to telling jokes. (彼は冗談を言う傾向があります。) |
熟語 | given the opportunity | 機会があれば | Given the opportunity, I would study abroad. (機会があれば、留学したいです。) |
「given」を使った会話例
実際の会話でどのように「given」が使われるか、いくつかの例を見てみましょう。
日常会話での使用例
会話例1:天気について
- A: Should we go to the beach today?(今日、ビーチに行きますか?)
- B: Given the weather forecast, I think we should postpone it.(天気予報を考慮すると、延期した方がいいと思います。)
会話例2:プレゼントについて
- A: What did you get for your birthday?(誕生日に何をもらいましたか?)
- B: I was given a new watch by my parents.(両親から新しい時計をもらいました。)
会話例3:選択について
- A: Which course do you want to take?(どのコースを取りたいですか?)
- B: Given the options, I prefer the science course.(選択肢を考えると、科学のコースが良いです。)
学校やビジネスでの使用例
会話例4:締め切りについて
- A: Can you finish this report by tomorrow?(この報告書を明日までに終えられますか?)
- B: Given the amount of work, I need at least two days.(仕事の量を考えると、少なくとも2日必要です。)
会話例5:会議について
- A: Do you think we should invite the new team members to the meeting?(新しいチームメンバーを会議に招待すべきだと思いますか?)
- B: Given that they just joined, it might be good for them to attend.(彼らが入ったばかりであることを考えると、参加するのは良いかもしれません。)
これらの会話例から、「given」が日常生活やビジネスシーンでどのように使われるかがわかります。「〜を考慮すると」という意味での使用が特に一般的です。
givenに関する問題
「given」は英語で「与えられた」「〜を考慮すると」「もし〜ならば」など、さまざまな意味や使い方があります。主に前置詞や形容詞として使われ、条件や状況を示す際によく登場します。
以下の問題では、「given」の使い方を中心に、似たような意味を持つ単語や表現との違いも問います。英語の文法や語彙力を高める練習として、ぜひ挑戦してみてください。
- 「彼の年齢を考慮すると、彼はとても元気だ。」を英語にするとき、空欄に入る適切な単語は?
He is very energetic, ______ his age. - 「この情報が与えられたとき、どんな結論が導き出せますか?」
What conclusions can you draw ______ this information? - 「与えられた条件のもとで、計画を立てましょう。」
Let’s make a plan ______ the given conditions. - 「もし天気が良ければ、ピクニックに行きましょう。」
Let’s go for a picnic, ______ the weather is nice. - 「彼女が来ると仮定して、準備をしておこう。」
Let’s prepare, ______ that she will come. - 「この問題は、前提条件が与えられている。」
This problem has ______ assumptions. - 「彼は与えられた時間内に課題を終えた。」
He finished the task within the ______ time. - 「もし時間があれば、手伝ってくれる?」
Can you help me, ______ you have time? - 「この場合、どの単語が空欄に入りますか?」
Which word fits in the blank in this ______? - 「彼女は与えられた役割をうまく果たした。」
She performed well in her ______ role.
「given」に関するよくある質問
「given」に関してよく寄せられる質問と回答をまとめました。
- 「given」と「given that」の違いは何ですか?
-
「given」は前置詞で、「〜を考慮すると」という意味で名詞や名詞句の前に使われます。例:Given the circumstances(状況を考慮すると)。一方、「given that」は接続詞句で、「〜ということを考えると」という意味で節の前に使われます。
例:Given that he is young(彼が若いということを考えると)。
- 「given」を使った受動態の文はどのように作りますか?
-
「give」の受動態には2つの形があります。一つは「Something is given to someone(何かが誰かに与えられる)」という形と、もう一つは「Someone is given something(誰かが何かを与えられる)」という形です。2つ目の形の方が一般的に使われます。
- 「a given」という表現はどういう意味ですか?
-
「a given」は名詞として使われ、「当然のこと」「自明のこと」という意味です。例:It’s a given that prices will rise(価格が上がるのは当然のことです)。
- 「be given to」はどのような意味ですか?
-
「be given to」は「〜する傾向がある」「〜の習慣がある」という意味です。通常、人の習慣や性格について述べる際に使われます。
例:She is given to worrying too much(彼女は心配しすぎる傾向があります)。
- 「given」を使って条件を表す他の表現はありますか?
-
はい、「given the opportunity(機会があれば)」「given the choice(選択肢があれば)」「given the circumstances(状況を考えると)」などの表現があります。これらは特定の条件や状況を前提として話す際に使われます。
まとめ

今回は英語の単語「given」の様々な意味と使い方について詳しく解説しました。「given」は動詞の過去分詞としてだけでなく、形容詞や前置詞としても使われる非常に便利な単語です。
初学者にとっては使い方が多岐にわたり混乱しやすい単語ですが、基本的な用法を理解すれば、表現の幅が広がります。以下が本記事のポイントです。
- 「given」は動詞「give」の過去分詞形だが、形容詞や前置詞としても使われる。
- 動詞の過去分詞としては、受動態(be given)や完了形(have given)で使われる。
- 形容詞としては「与えられた」「定められた」「当然の」などの意味を持つ。
- 前置詞としては「〜を考慮すると」「〜という条件下で」という意味で使われる。
- 「given that」は「〜ということを考えると」という意味の接続詞句。
- 「be given to」は「〜する傾向がある」「〜の習慣がある」という意味の熟語。
- 受動態では「Something is given to someone」と「Someone is given something」の2つの形がある。
- 「a given」は「当然のこと」「自明のこと」という意味の名詞表現。
英語学習では単語の様々な用法を理解することが重要です。「given」のように1つの単語が複数の品詞や意味を持つことは珍しくありません。これらの多様な使い方を理解し、実際の会話や文章で使えるようになれば、英語表現の幅が広がります。
特に「〜を考慮すると」という意味での「given」の使用は、論理的な文章や会話に役立ちます。