「Go bananas」という英語表現を聞いたことはありますか?直訳すると「バナナになる」あるいは「バナナに行く」といった意味になりますが、実際はまったく別の意味を持つ面白いイディオムです。
初めて耳にすると意味が想像しにくいこの表現について、今回は詳しく解説していきます。
「Go bananas」とは?基本的な意味と由来

「Go bananas」は「興奮して気が狂う」「頭がおかしくなる」といった意味を持つ英語のイディオム表現です。感情が高ぶって冷静さを失った状態や、何かに対して異常に興奮している様子を表します。日本語で言うと「頭が変になる」「いかれる」に近いニュアンスになります。
この表現の由来については諸説ありますが、最も有力なのは「サルがバナナを見て異常に興奮する様子」から来ているというものです。サルがバナナを目の前にすると大喜びで興奮する、その様子が人間が理性を失って興奮している状態に似ていることから、このイディオムが生まれたとされています。
また、「go ape(サルのようになる)」という似た表現があり、そこから派生して「go bananas」になったという説もあります。いずれにしても、1960年代頃から使われ始めた比較的新しい表現です。
「Go bananas」の正確な意味
「Go bananas」の意味は大きく分けて二つあります。一つは「怒りで頭が変になる」という否定的な感情を表す場合、もう一つは「喜びや興奮で取り乱す」という肯定的な感情を表す場合です。つまり、感情のコントロールを失った極端な状態を指しています。
感情だけでなく、機械や物が「おかしくなる」「故障する」という意味でも使われることがあります。例えば「My phone went bananas(私の電話がおかしくなった)」のような使い方です。
「Go bananas」の使い方と例文
英語の会話では、「Go bananas」は非常にカジュアルな表現として使われています。フォーマルな場面ではあまり適さず、友達との会話や日常的な場面で使うのが一般的です。ここでは、具体的な使い方と例文を紹介します。
怒りを表す場合の使い方
何かに対して激しく怒ったり、怒りで理性を失ったりする場合に使います。
例文
- My father went bananas when I came home late.(父は私が遅く帰宅したときに激怒した。)
- She will go bananas if she sees this mess.(彼女はこの散らかった状態を見たら頭に来るだろう。)
- I went bananas when he broke my favorite cup.(彼が私のお気に入りのカップを割ったとき、私は頭が変になった。)
喜びや興奮を表す場合の使い方
非常に喜んだり、嬉しくて冷静さを失ったりする場合にも使われます。
例文
- The fans went bananas when their team won the game.(ファンたちはチームが試合に勝ったとき、大興奮した。)
- My sister went bananas when she got the concert tickets.(姉はコンサートのチケットを手に入れたとき、大喜びした。)
- The children will go bananas when they see the presents.(子どもたちはプレゼントを見たら大興奮するだろう。)
機械や物に対する使い方
物や機械がおかしくなったり、正常に動作しなくなったりする様子を表現する場合にも使います。
例文
- Our computer went bananas after the power outage.(停電の後、私たちのコンピュータはおかしくなった。)
- The washing machine is going bananas.(洗濯機が調子を崩している。)
- My watch went bananas and shows wrong time.(私の時計が壊れて、間違った時間を表示している。)
「Go bananas」と似た表現
英語には「Go bananas」と似た意味を持つイディオムがいくつかあります。これらの表現を知ることで、より豊かな表現力が身につきます。
「Go crazy」との比較
「Go crazy」も「頭がおかしくなる」「気が狂う」という意味を持ちます。「Go bananas」よりも少しだけフォーマルな印象があります。
例文
- She went crazy when she heard the news.(彼女はそのニュースを聞いて取り乱した。)
- I’m going crazy with all this noise.(このすべての騒音で頭がおかしくなりそうだ。)
「Go nuts」の使い方
「Go nuts」も同様に「頭がおかしくなる」という意味を持つイディオムです。「nuts」は「ナッツ」という意味ですが、スラングで「気の狂った人」という意味も持ちます。
例文
- The children went nuts at the birthday party.(子どもたちは誕生日パーティーで大騒ぎした。)
- He will go nuts if you tell him about this.(あなたがこのことを彼に話せば、彼は頭に来るだろう。)
果物にまつわる英語イディオム
英語には果物を使ったイディオムが数多くあります。「Go bananas」以外にも知っておくと便利な表現をいくつか紹介します。
バナナを使った他の表現
「top banana」は「リーダー」「一番の人物」という意味を持ち、組織のトップや主役を指します。
例文
- He is the top banana in our school.(彼は私たちの学校のリーダーだ。)
「second banana」は「脇役」「助手」という意味で使われます。
例文
- I don’t want to be a second banana all my life.(一生脇役でいたくない。)
その他の果物を使ったイディオム
「bad apple」は「問題児」「悪い影響を与える人」という意味を持ちます。
例文
- There is always one bad apple in every class.(どのクラスにも問題児が一人はいるものだ。)
「apple of one’s eye」は「とても大切な人」「お気に入り」を意味します。
例文
- My grandson is the apple of my eye.(私の孫は私の大切な宝物だ。)
「sour grapes」は「負け惜しみ」という意味で使われます。
例文
- His criticism is just sour grapes because he didn’t win.(彼の批判は、彼が勝てなかったからの負け惜しみにすぎない。)
「Go bananas」に関するよくある質問
- 「Go bananas」はフォーマルな場面でも使えますか?
-
いいえ、「Go bananas」はカジュアルな表現なので、ビジネスの場やフォーマルな文書では使わない方が良いでしょう。友達との会話や日常的な場面で使うのが適切です。
- 「Go bananas」は肯定的な意味で使えますか?
-
はい、使えます。「Go bananas」は怒りなどの否定的な感情だけでなく、喜びや興奮といった肯定的な感情を表現する場合にも使われます。例えば、「The crowd went bananas when the singer appeared on stage.(歌手がステージに登場したとき、観客は大興奮した。)」のように使います。
- 子どもに「Go bananas」の表現を教えても良いですか?
-
「Go bananas」自体は不適切な言葉ではないので、子どもに教えても問題ありません。ただし、カジュアルな表現であることを伝え、使用する場面を教えるとよいでしょう。
- 「Go bananas」はアメリカ英語ですか、それともイギリス英語ですか?
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「Go bananas」はもともとアメリカで生まれた表現ですが、現在はイギリスを含む英語圏全体で広く使われています。ただし、使用頻度はアメリカの方が高いとされています。
- 「Go bananas」の反対の意味を持つ表現はありますか?
-
「Keep cool」(冷静でいる)や「Keep your head」(冷静さを保つ)などが「Go bananas」の反対の意味を持つ表現として使われます。
まとめ

「Go bananas」についての主なポイントをまとめます。
- 「Go bananas」は「興奮して気が狂う」「頭がおかしくなる」という意味を持つイディオムである。
- サルがバナナを見て興奮する様子から来ているという説が有力である。
- 怒りや喜びなど、様々な強い感情を表現するのに使われる。
- 機械や物が正常に動作しなくなった場合にも使うことができる。
- カジュアルな表現なので、フォーマルな場面では避けるべきである。
- 「Go crazy」「Go nuts」など類似した表現も多く存在する。
- バナナを含め、果物を使った英語イディオムは多数ある。
「Go bananas」は日常会話でよく使われる便利な表現です。適切な場面で使えば、あなたの英語の表現力がぐっと豊かになるでしょう。ぜひ実際の会話で使ってみてください。