「hasten」は英語の動詞で、「急ぐ」「急がせる」「早める」などの意味を持ちます。日常会話よりも少しフォーマルな場面で使われることが多い単語です。
この記事では、「hasten」の意味や使い方、類似表現との違いなどを、わかりやすい例文とともに詳しく解説していきます。英語初学者の方でも理解しやすいよう、基本的な用法から応用まで幅広く説明します。
「hasten」とは?基本的な意味と概要

「hasten」は「急ぐ」「急がせる」「早める」という意味を持つ動詞です。何かの進行を速めたり、自分自身が急いで行動したりする際に使われます。「hasten」には大きく分けて2つの用法があります。一つは自動詞として「急ぐ」という意味で、もう一つは他動詞として「(何かを)急がせる、早める」という意味です。
「hasten」は日常会話よりも、やや文語的で少しフォーマルな表現です。そのため、ビジネスの場面や文学作品、アカデミックな文脈でよく使われます。「hasten」を使うことで、単に「急ぐ」という意味だけでなく、計画性や秩序を持って進めるニュアンスが加わることもあります。
「hasten」の語源と歴史
「hasten」は古英語の「hæst」(速さ、急ぎ)から派生した単語で、中世英語で「hasten」という形になりました。この単語は長い歴史を持ち、文学作品などでも広く使われてきました。
元々は「haste」(名詞:急ぎ)から派生した動詞形です。
「hasten」の発音と語形変化
「hasten」の発音は /ˈheɪsən/ で、カタカナで表すと「ヘイスン」となります。語尾の「-en」は弱く発音され、「ン」と短めに発音するのがポイントです。
「hasten」の語形変化は以下の通りです。
形式 | 単語 |
---|---|
原形 | hasten |
三人称単数現在形 | hastens |
現在分詞 | hastening |
過去形・過去分詞 | hastened |
例文を使って各形式を見てみましょう。
例文
- He hastens to finish his homework before dinner.(彼は夕食前に宿題を終わらせようと急ぎます。)
- She is hastening to catch the bus.(彼女はバスに乗るために急いでいます。)
- They hastened to the station to catch the last train.(彼らは最終電車に乗るために駅へ急ぎました。)
「hasten」の主な使い方と構文パターン
「hasten」の使い方には、いくつかの主要な構文パターンがあります。ここでは、それぞれのパターンについて例文とともに解説します。
パターン1:S + hasten(主語が急ぐ)
最も基本的な使い方で、主語が急いで行動することを表します。この場合、「hasten」は自動詞として機能します。
例文
- The children hastened home when it started to rain.(雨が降り始めると、子どもたちは急いで家に帰りました。)
- We must hasten or we will be late.(急がなければ遅刻してしまいます。)
パターン2:S + hasten + to + 場所(〜へ急ぐ)
主語が特定の場所へ急ぐことを表す表現です。
例文
- He hastened to the hospital when he heard the news.(彼はそのニュースを聞いて病院へ急ぎました。)
- They hastened to school because they were late.(彼らは遅刻だったので学校へ急ぎました。)
パターン3:S + hasten + to do(〜することを急ぐ)
主語が特定の行動を急いで行うことを表します。このパターンはやや文語的で、フォーマルな印象を与えます。
例文
- I hasten to add that this is just my opinion.(これは単に私の意見であると急いで付け加えます。)
- She hastened to apologize for her mistake.(彼女は自分の間違いを急いで謝りました。)
パターン4:S + hasten + O(目的語を急がせる・早める)
「hasten」を他動詞として使い、何かの進行や発展を速めることを表します。
例文
- The warm weather hastened the growth of the plants.(暖かい天気が植物の成長を早めました。)
- The new policy will hasten economic recovery.(新しい政策は経済回復を早めるでしょう。)
「hasten」と類似表現の違い
英語には「急ぐ」を表す様々な表現がありますが、それぞれにニュアンスの違いがあります。ここでは「hasten」と類似する表現の違いを見ていきましょう。
「hasten」と「hurry」の違い
「hurry」も「急ぐ」という意味ですが、「hasten」よりも日常的でカジュアルな表現です。「hurry」は一般的な状況での「急ぐ」を表すのに対し、「hasten」はよりフォーマルで、計画的・秩序立てた急ぎを表すことが多いです。
「hurry」の例
- Please hurry! We’ll miss the bus!(急いで!バスに乗り遅れるよ!)
「hasten」の例
- The committee hastened to approve the new budget.(委員会は新しい予算を承認するのを急ぎました。)
また、口語では「hurry up」という表現がよく使われますが、「hasten up」とは言いません。
「hasten」と「rush」の違い
「rush」は「hasten」や「hurry」よりも、さらに急いで慌ただしく行動するニュアンスが強いです。「rush」は予定外の突発的な急ぎを表すことが多いのに対し、「hasten」はより計画的な急ぎを表します。
例文
- I rushed to the station but missed the train.(駅まで急いだけれど電車に乗り遅れた。)
- The government hastened the implementation of the new law.(政府は新しい法律の施行を早めました。)
「hasten」と「quicken」の違い
「quicken」は「速度を増す」というニュアンスが強く、特に何かの速度や動きが徐々に速くなることを表します。対して「hasten」は全体的なプロセスを早めることを指します。
例文
- His heart quickened when he saw her.(彼は彼女を見て心拍が速くなりました。)
- The news hastened his decision to retire.(そのニュースは彼の引退の決断を早めました。)
「hasten」を使った実用的な例文
ここでは、様々な状況での「hasten」の使い方を例文で見ていきましょう。すべて中学英語レベルの簡単な例文にしています。
日常生活での例文
例文
- We must hasten home before dark.(暗くなる前に急いで家に帰らなければなりません。)
- The children hastened to finish their homework.(子どもたちは宿題を終わらせるのを急ぎました。)
- He hastened to the door when the bell rang.(ベルが鳴ると彼は急いでドアに向かいました。)
ビジネスや学術的な文脈での例文
例文
- The company hastened the development of the new product.(会社は新製品の開発を早めました。)
- Scientists are hastening to find a solution to this problem.(科学者たちはこの問題の解決策を見つけるのを急いでいます。)
- The principal hastened to address the concerns of the parents.(校長は保護者の懸念に対応するのを急ぎました。)
慣用表現での例文
例文
- I hasten to add that this is not a criticism.(これは批判ではないと急いで付け加えておきます。)
- She hastened to correct her mistake.(彼女は自分の間違いを急いで訂正しました。)
- We should not hasten to judge others.(他人を急いで判断すべきではありません。)
「hasten」のよくある間違いと注意点
「hasten」を使う際によくある間違いと注意点について説明します。英語初学者が特に注意すべきポイントを挙げていきます。
文法的な間違い
「hasten」の後には直接目的語を置くか、「to」を使った表現が続きます。しかし、「hasten for」や「hasten with」などの表現は一般的ではありません。
誤:He hastened with his work.
正:He hastened to finish his work.(彼は仕事を終わらせるのを急ぎました。)
また、「hasten」の後に動名詞(-ing形)を直接置くことはできません。
誤:She hastened going to the station.
正:She hastened to go to the station.(彼女は駅に行くのを急ぎました。
「hurry」との混同
「hasten」と「hurry」は意味が似ていますが、使用される文脈が異なります。「hasten」はより文語的でフォーマルな表現ですので、カジュアルな日常会話では「hurry」の方が自然です。
例文
- カジュアルな状況:Hurry up! We’ll be late!(急いで!遅れるよ!)
- フォーマルな状況:We must hasten the process of approval.(承認プロセスを急がなければなりません。)
発音の間違い
「hasten」の正しい発音は /ˈheɪsən/ ですが、「t」の発音が弱いため、間違えやすいです。「ヘイステン」ではなく「ヘイスン」に近い発音になります。
カジュアルな会話での使用
「hasten」はフォーマルな表現なので、友達同士のカジュアルな会話で使うと不自然に聞こえることがあります。日常会話では「hurry」や「rush」を使うほうが自然です。
「hasten」を使った慣用表現
「hasten」は特定の表現の中でよく使われることがあります。ここではそのような慣用表現をいくつか紹介します。
「hasten to add」(急いで付け加える)
何か言ったことに対して、すぐに補足や説明を加える時に使われる表現です。
例文
- I don’t like his attitude, but I hasten to add that he is an excellent worker.(彼の態度は好きではありませんが、彼が優秀な労働者であることを急いで付け加えておきます。)
「hasten to say」(急いで言う)
「hasten to add」と似ていますが、何か重要なことをすぐに言いたい時に使います。
例文
- I hasten to say that I had nothing to do with the incident.(私はその事件とは何の関係もないと急いで言っておきます。)
「hasten one’s steps」(足早に歩く)
文字通り「歩みを速める」という意味で、急いで歩くことを表します。
例文
- She hastened her steps when she saw the bus coming.(彼女はバスが来るのを見て足早に歩きました。)
「hasten the day」(その日を早める)
特定の出来事や状況が起こる日を早めることを表します。
例文
- Their efforts will hasten the day when peace returns.(彼らの努力は平和が戻る日を早めるでしょう。)
「hasten」のニュアンスと効果的な使用場面
「hasten」は特定の場面で効果的に使うことでコミュニケーションの質を高めることができます。ここでは「hasten」のニュアンスと効果的な使用場面について説明します。
フォーマルな文書やスピーチでの使用
「hasten」はフォーマルな文書やスピーチで使うと、教養のある印象を与えることができます。ビジネスレター、学術論文、正式なスピーチなどで効果的です。
例文
- In conclusion, I hasten to express my gratitude for your support.(最後に、あなたの支援に対する感謝の意を急いで表明します。)
文学作品での使用
「hasten」は文学作品でよく使われ、キャラクターの行動や状況の緊急性を表現するのに役立ちます。
例文
- The knight hastened to the princess’s aid when he heard her cry.(騎士は姫の叫び声を聞いて急いで彼女の助けに向かった。)
説明や補足を急ぐ場面
何か誤解されそうな発言をした後に、すぐに説明や補足を加えたい場合に「hasten to add/explain/clarify」などの表現が有効です。
例文
- I think the plan has flaws, but I hasten to explain that it’s still the best option we have.(その計画には欠点があると思いますが、それでも我々が持つ最良の選択肢であることを急いで説明しておきます。)
「hasten」に関する問題
ここでは「hasten」の理解度を確認するための問題を10問用意しました。それぞれの問題で「hasten」の異なる使い方や意味を確認することができます。まずは問題を解いてみて、後で答え合わせをしましょう。
- 次の文の空欄に適切な単語を入れなさい。
The doctor _ to the hospital when he heard about the emergency. - 「彼らは急いで部屋を出た」を英語にするとどうなりますか?
- 「hasten」の三人称単数現在形は何ですか?
- 次の文の意味として正しいものを選びなさい。
“The warm weather hastened the ripening of the fruits.”
a) 暖かい天気が果物の熟成を早めた
b) 暖かい天気が果物の収穫を遅らせた
c) 暖かい天気が果物の味を良くした - 「hasten」と「hurry」の主な違いは何ですか?
- 次の文の空欄に適切な表現を入れなさい。
I _ to add that this is just my personal opinion. - 「彼女は回復を早めるために薬を飲んだ」を「hasten」を使って英語で表すとどうなりますか?
- 次の英文を日本語に訳しなさい。
“We must hasten our departure due to the bad weather.” - 「hasten」の現在分詞は何ですか?
- 次の文の空欄に適切な表現を入れなさい。
The government’s new policy will _ economic growth.
「hasten」に関するよくある質問
ここでは「hasten」に関するよくある質問とその回答をまとめました。
- 「hasten」と「quicken」はどう違いますか?
-
「hasten」は何かのプロセスや行動全体を早めることを意味し、「quicken」は特に速度や動きが徐々に速くなることを表します。「quicken」は心拍数や歩調のように、リズムや速度が増すことによく使われます。例えば、「The pace quickened as they approached the finish line.」(彼らがゴールに近づくにつれてペースが速くなった。)
- 「hasten」は日常会話でよく使われますか?
-
いいえ、「hasten」は日常のカジュアルな会話ではあまり使われません。より文語的でフォーマルな表現なので、ビジネスシーンや学術的な場面、文学作品などでよく使われます。日常会話では代わりに「hurry」や「rush」が使われることが多いです。
- 「Make haste」という表現はどういう意味ですか?
-
「Make haste」は「急ぐ」という意味の古風な表現です。現代では主に文学作品や古風な言い回しを好む場面で使われます。意味は「hasten」や「hurry」と同じですが、より古典的な響きがあります。「Make haste, the enemy approaches!」(急げ、敵が近づいているぞ!)
- 「hasten」の名詞形は何ですか?
-
「hasten」自体は動詞ですが、関連する名詞は「haste」です。「haste」は「急ぎ」「急速」「速さ」といった意味を持ちます。「In haste」(急いで)、「with haste」(急いで)といった表現もあります。
- 「Hasten the process」とはどういう意味ですか?
-
「Hasten the process」は「プロセスを早める」「手続きを急ぐ」という意味です。何かの手続きや過程を通常よりも短時間で完了させることを表します。「We need to hasten the process of approval to meet our deadline.」(締め切りに間に合わせるために承認プロセスを早める必要がある。)
- 「hasten」の反対語は何ですか?
-
「hasten」の反対語としては「delay」(遅らせる)、「postpone」(延期する)、「slow down」(減速する)などがあります。例えば、「Instead of hastening the meeting, they decided to postpone it.」(会議を早めるのではなく、彼らはそれを延期することに決めた。)
まとめ

この記事では、英語の動詞「hasten」の意味や使い方について詳しく解説しました。「hasten」は「急ぐ」「急がせる」「早める」という意味を持つ、やや文語的でフォーマルな表現です。日常会話よりもビジネスや学術の場、文学作品などでよく使われます。
ここで学んだ内容のポイントをまとめると以下のようになります。
- 「hasten」は動詞で、「急ぐ」「急がせる」「早める」という意味を持つ
- 発音は /ˈheɪsən/(ヘイスン)
- 主な使い方には「S + hasten」(急ぐ)、「S + hasten + to + 場所」(〜へ急ぐ)、「S + hasten + to do」(〜することを急ぐ)、「S + hasten + O」(〜を早める)がある
- 「hurry」や「rush」と似ているが、「hasten」はよりフォーマルで計画的な急ぎを表す
- 「hasten to add」「hasten to say」などの慣用表現がある
- 主にフォーマルな文書、スピーチ、文学作品などで効果的に使われる
英語学習において、「hasten」のような少し高度な語彙を理解し適切に使うことは、より洗練された表現力を身につけるために重要です。
この記事で解説した内容を参考に、ぜひ「hasten」を実際の英語表現に取り入れてみてください。状況に応じた使い分けができるようになれば、英語力の幅がさらに広がるでしょう。