「Head over heels」は英語でよく使われる慣用句で、主に「すっかり恋に落ちている」や「何かに夢中になっている」という意味を持っています。日本語では「頭からつま先まで」「完全に」「すっかり」といったニュアンスに近いです。この表現は日常会話やカジュアルな文脈でよく使われ、特に恋愛の文脈で耳にすることが多いでしょう。
この記事では、英語初学者の方でも理解しやすいように、「Head over heels」の意味や使い方、例文などを詳しく解説していきます。
「Head over heels」の基本的な意味と使い方

「Head over heels」という表現は、主に「完全に恋に落ちている状態」や「何かに夢中になっている状態」を表します。特に「head over heels in love」(すっかり恋に落ちている)という形でよく使われます。
この表現は、通常の状態とは逆転した、つまり「頭(head)が踵(heels)の上にある」という不安定な状態を表しており、理性よりも感情が優先される状況を描写しています。
「恋に落ちる」という意味での使い方
恋愛の文脈では、「head over heels in love」という形で使われることが最も一般的です。これは「すっかり恋に落ちている」「恋にのめり込んでいる」という意味になります。
恋愛感情が非常に強く、理性的な判断ができないほど相手に夢中になっている状態を表現します。
例文
- She is head over heels in love with her classmate.
(彼女はクラスメイトにすっかり恋をしています。) - I fell head over heels for him when we first met.
(初めて会ったとき、私は彼にすっかり恋に落ちました。) - Tom has been head over heels in love with Mary since junior high school.
(トムは中学生の頃からメアリーにすっかり恋をしています。)
「夢中になる」という意味での使い方
恋愛以外の文脈でも、何かに対して非常に熱中している状態を表すために使われることがあります。趣味や仕事、活動などに対して強い情熱や関心を持っている様子を表現する際に用いられます。
例文
- My brother is head over heels about his new video game.
(兄は新しいビデオゲームに夢中です。) - She is head over heels in her English studies.
(彼女は英語の勉強にすっかり熱中しています。) - The kids were head over heels with excitement about the school trip.
(子どもたちは修学旅行にすっかり興奮していました。)
「Head over heels」の語源と歴史
「Head over heels」という表現には面白い歴史があります。この慣用句は現在の形になる前は、実は「heels over head」(踵が頭の上に)という形で使われていました。
これは人が転んで逆さまになる様子を描写していたのです。時代とともに「head over heels」という形に変わっていきましたが、本来の状態(頭が上で踵が下)とは逆になっているという矛盾があります。
表現の変遷
この表現は16世紀頃から使われ始め、当初は文字通り「逆さまに転ぶ」という意味でした。18世紀後半から19世紀にかけて、現在のような「すっかり恋に落ちる」という意味で使われるようになりました。
これは、恋に落ちた人の感情状態が、まるで逆さまに転んだような混乱状態にあることからきています。
日本語での類似表現
日本語では「頭からつま先まで」「すっかり」「完全に」「のめり込む」などが近い意味を持ちます。
また、「夢中になる」「熱を上げる」「ぞっこん」なども、特に恋愛の文脈では類似した表現と言えるでしょう。
「Head over heels」の例文と実践的な使い方
「Head over heels」を実際の会話や文章で使う際の例文をいくつか紹介します。中学校レベルの英語で表現できる簡単な例文を中心に解説します。
日常会話での使用例
日常的な会話では、特に友人との話の中で恋愛感情や熱中している様子を表現する際によく使われます。
例文
- I think my friend is head over heels for the new student.
(友達は転校生にすっかり夢中みたいです。) - Are you head over heels in love with him?
(あなたは彼にすっかり恋しているの?) - My sister is head over heels about her new hobby.
(姉は新しい趣味にすっかり夢中です。)
文学や歌詞での使用例
この表現は文学作品や歌詞でもよく見られます。感情の高ぶりを表現するのに効果的です。
例文
- In the story, the princess falls head over heels for the gardener.
(物語の中で、お姫様は庭師にすっかり恋に落ちます。) - The song is about being head over heels in love.
(その曲は恋に夢中になることについての歌です。) - He wrote a poem about falling head over heels at first sight.
(彼は一目見てすっかり恋に落ちることについての詩を書きました。)
否定形での使用例
この表現は否定形でも使うことができます。「全く恋していない」「まったく興味がない」という意味になります。
例文
- I am not head over heels about the new school rules.
(私は新しい校則にまったく熱中していません。) - She is definitely not head over heels for him.
(彼女は彼にまったく恋していないです。) - They were not head over heels with the movie.
(彼らはその映画にまったく夢中ではありませんでした。)
「Head over heels」に関するよくある質問
「Head over heels」について、英語学習者からよく寄せられる質問にお答えします。初心者が抱きやすい疑問点を解消し、より自然に使えるようにしましょう。
- 「Head over heels」と「Falling head over heels」の違いは何ですか?
-
「Head over heels」は状態を表し、「falling head over heels」は動作や過程を表します。「I am head over heels in love」は「今現在すっかり恋に落ちている状態」を表し、「I fell head over heels in love」は「恋に落ちた瞬間や過程」を表します。どちらも同じ意味ですが、時制や状況に応じて使い分けることができます。
- 「Head over heels」は恋愛以外でも使えますか?
-
はい、使えます。主に恋愛の文脈で使われることが多いですが、趣味や仕事、活動など、何かに対して非常に熱中している状態を表すためにも使われます。「She is head over heels about her new job」(彼女は新しい仕事にすっかり夢中です)というように使うことができます。
- 「Head over heels」はフォーマルな場面でも使えますか?
-
この表現はカジュアルな表現なので、ビジネス文書や公式の場では避けた方が無難です。フォーマルな場面では「deeply in love」「extremely enthusiastic about」などのより形式的な表現を使うとよいでしょう。日常会話や友人との会話、カジュアルな文章では自然に使うことができます。
- 「Head over heels」の反対の意味を持つ表現はありますか?
-
直接的な反対表現は特にありませんが、「not interested at all」(まったく興味がない)、「couldn’t care less」(まったく気にしない)、「indifferent to」(無関心である)などが、熱中している状態の反対を表す表現として使えます。
まとめ

「Head over heels」は英語で頻繁に使われる表現で、特に恋愛や熱中について話す際に役立ちます。このブログの内容をまとめると、
- 「Head over heels」は主に「すっかり恋に落ちている」「何かに夢中になっている」という意味を持つ慣用句である。
- もともとは「heels over head」(逆さま)という形だったが、時代と共に現在の形になった。
- 「head over heels in love」の形で恋愛の文脈でよく使われる。
- 恋愛以外にも、趣味や活動に熱中している様子を表現できる。
- カジュアルな表現なので、日常会話や友人との会話で使うのが適切である。
- 中学英語レベルでも「I am head over heels in love」(私はすっかり恋に落ちています)のように簡単に使える。
- 日本語では「すっかり夢中」「のめり込む」「ぞっこん」などに相当する。
英語の慣用句を学ぶことは、自然な英語表現を身につけるために重要です。「Head over heels」を適切に使いこなせるようになると、恋愛や熱中について話す際の表現の幅が広がります。ぜひ日常会話の中で使ってみてください。