「妨げる」という意味を持つ英単語には様々なものがありますが、特に「hinder」「obstruct」「impede」は意味が似ているため混乱しやすい単語です。
この記事では、これらの単語の違いとそれぞれの使い方について、英語初学者にもわかりやすく解説します。適切な例文も交えながら、それぞれの単語がどのような場面で使われるのかを具体的に見ていきましょう。
hinder・obstruct・impedeの基本的な違い

この3つの単語には「妨げる」という共通の意味がありますが、それぞれ使われる状況やニュアンスが異なります。
「hinder」は主に進行や発展を「遅らせる」という意味で使われます。完全に何かを止めるというよりは、その進行を困難にしたり、遅らせたりする場合に適しています。例えば、雨が外出計画を妨げるような状況です。
「obstruct」は物理的に「塞ぐ」「遮る」というニュアンスが強く、道路や通路などを物理的に妨害する場合によく使われます。倒れた木が道路を塞いでいるような状況を表現するのに適しています。
「impede」は「進行や動きを妨げる」という意味で、物理的または抽象的な障害によって前に進むことを難しくする場合に使われます。語源はラテン語の「足を縛る」に由来しており、何かが前進するのを妨げるイメージです。
それでは、それぞれの単語の使い方を具体的に見ていきましょう。
hinderの意味と使い方
「hinder」は「妨げる」「遅らせる」という意味を持つ動詞で、何かの進行や発展を遅らせたり、難しくしたりする場合に使います。物事を完全に停止させるわけではなく、その進展を困難にするという程度の妨害を表します。
hinderの基本的な意味
「hinder」は主に進行中のプロセスや活動が予定通りに進まないように妨げる、または遅らせるという状況で使われます。完全に止めるという意味ではなく、進行を遅くする、または難しくするというニュアンスがあります。
例文
- The rain hindered our soccer game.(雨が私たちのサッカーの試合を妨げた。)
- My cold hindered my study for the test.(風邪が私のテスト勉強を妨げた。)
- Heavy traffic hindered our arrival at the airport.(渋滞が私たちの空港への到着を遅らせた。)
hinderが使われる状況
「hinder」はさまざまな状況で使用されますが、特に以下のような場面でよく使われます。
- 天候が計画や活動を妨げる場合
- 健康問題が能力を制限する場合
- 外部要因が進歩や発展を遅らせる場合
例文
- The snow hindered the delivery of mail.(雪が郵便の配達を妨げた。)
- His injury hindered his ability to play sports.(彼のケガがスポーツをする能力を妨げた。)
- Lack of money hindered the school project.(お金の不足が学校のプロジェクトを妨げた。)
obstructの意味と使い方
「obstruct」は「塞ぐ」「遮る」「妨げる」という意味を持つ動詞で、特に物理的に道や通路を塞いだり、何かの通過や進行を妨げたりする場合に使います。物理的な障害物が何かを妨げるイメージが強い単語です。
obstructの基本的な意味
「obstruct」は何かが通過するのを物理的に防ぐという意味合いが強く、特に道路や通路、視界などを塞ぐ場合に使用されます。
例文
- The fallen tree obstructed the road.(倒れた木が道路を塞いだ。)
- The big truck obstructed my view.(大きなトラックが私の視界を遮った。)
- Please don’t obstruct the door.(ドアを塞がないでください。)
obstructが使われる状況
「obstruct」は主に以下のような状況で使われます。
- 物理的に通路や道路が塞がれる場合
- 視界や景色が遮られる場合
- 公的な業務や手続きが妨害される場合
例文
- The books obstructed the entrance.(本が入口を塞いでいた。)
- The tall building obstructs the view of the mountain.(高いビルが山の景色を遮っている。)
- It is wrong to obstruct the police in their work.(警察の仕事を妨害するのは間違っている。)
impedeの意味と使い方
「impede」は「妨げる」「遅らせる」という意味を持つ動詞で、進行や動きを妨げる場合に使います。語源はラテン語の「impedire(足を縛る)」に由来しており、前進することを困難にするイメージがあります。
impedeの基本的な意味
「impede」は動きや進行を妨げるという意味で、物理的または抽象的な障害によって前に進むことを難しくする場合に使用されます。「hinder」と似ていますが、「impede」はより形式的な文脈で使われることが多いです。
例文
- The snow impeded our travel.(雪が私たちの旅行を妨げた。)
- Poor health can impede learning.(健康状態が悪いと学習を妨げることがある。)
- The old computer impedes my work.(古いコンピューターが私の仕事を妨げている。)
impedeが使われる状況
「impede」は主に以下のような状況で使われます。
- 移動や交通の流れが妨げられる場合
- 学習や成長のプロセスが妨げられる場合
- 仕事や計画の進行が妨げられる場合
例文
- The broken bridge impeded traffic.(壊れた橋が交通を妨げた。)
- Too many rules can impede creativity.(ルールが多すぎると創造性を妨げることがある。)
- His fear impeded his ability to speak.(彼の恐怖心が話す能力を妨げた。)
類似表現との違い
「hinder」「obstruct」「impede」の他にも、「妨げる」という意味を持つ英単語はいくつかあります。ここでは、それらの類似表現との違いを説明します。
hamperとの違い
「hamper」は「妨げる」「不自由にする」という意味を持ち、「hinder」と非常に似ていますが、「hamper」は特に活動や作業が不便になるというニュアンスが強いです。
例文
- The rain hampered our picnic.(雨が私たちのピクニックを妨げた。)
- His broken leg hampered his walking.(彼の骨折した足が歩行を不自由にした。)
preventとの違い
「prevent」は「防ぐ」「妨げる」という意味を持ちますが、「hinder」「obstruct」「impede」と異なり、何かが完全に起こらないようにするという意味があります。完全に阻止するイメージです。
例文
- The fence prevents children from falling.(フェンスは子どもが落ちるのを防ぐ。)
- The medicine prevents the cold.(その薬は風邪を予防する。)
blockとの違い
「block」は「塞ぐ」「遮る」という意味で、「obstruct」と似ていますが、「block」はより物理的に完全に通路や開口部を塞ぐというニュアンスが強いです。
例文
- The wall blocks the sunlight.(壁が日光を遮っている。)
- The car blocked the driveway.(その車が車道を塞いでいた。)
interruptとの違い
「interrupt」は「中断する」「邪魔をする」という意味で、進行中の活動や会話を一時的に止めるというニュアンスがあります。「hinder」「obstruct」「impede」が継続的な妨害を示すのに対し、「interrupt」は一時的な中断を示します。
例文
- Don’t interrupt me when I speak.(私が話している時に邪魔をしないで。)
- The phone call interrupted our dinner.(電話が私たちの夕食を中断した。)
disturbとの違い
「disturb」は「邪魔をする」「乱す」という意味で、特に誰かの集中や平和を乱す場合に使われます。「hinder」「obstruct」「impede」が進行や動きの妨害を示すのに対し、「disturb」は状態や環境の乱れを示します。
例文
- Please don’t disturb me when I study.(勉強中に邪魔をしないでください。)
- The noise disturbed my sleep.(騒音が私の睡眠を妨げた。)
「hinder」と「obstruct」と「impede」の使い分け練習問題
ここでは、「hinder」「obstruct」「impede」の使い分けを練習するための問題を20問用意しました。最適な単語を選んで文を完成させてみましょう。
- The heavy rain ( ) our sports day.
- The large truck ( ) the road.
- The wall ( ) my view of the mountains.
- His injury ( ) his ability to play baseball.
- The fallen tree ( ) the path to the school.
- The new rules ( ) our progress.
- The broken computer ( ) my homework.
- The books on the floor ( ) the doorway.
- Bad weather can ( ) outdoor activities.
- The tall building ( ) the sunlight.
- Her illness ( ) her studies last month.
- The language barrier ( ) communication.
- The garbage ( ) the drain.
- The traffic jam ( ) our trip to the airport.
- The snow ( ) the train service.
- His negative attitude ( ) team work.
- The crowd of people ( ) my way.
- Fear can ( ) learning.
- The police asked the man not to ( ) their work.
- The storm ( ) our travel plans.
「hinder」と「obstruct」と「impede」に関するよくある質問
- 「hinder」と「hamper」はどう違いますか?
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「hinder」と「hamper」はどちらも「妨げる」という意味を持ちますが、微妙なニュアンスの違いがあります。「hinder」は主に進行や発展を遅らせるというニュアンスがあり、「hamper」は特に活動や作業を不便にする、不自由にするというニュアンスが強いです。ただし、実際の使用においては互換的に使われることも多いです。
- 「obstruct」は物理的な妨害だけを指しますか?
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「obstruct」は物理的な妨害を表すことが多いですが、抽象的な概念に対しても使うことができます。例えば、「obstruct justice(司法を妨害する)」のように、法的な手続きや公的な業務の妨害を指す場合にも使われます。ただし、抽象的な概念に使う場合でも、物理的に「塞ぐ」というイメージが背景にあることが多いです。
- 「impede」は日常会話でよく使われますか?
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「impede」は「hinder」や「obstruct」に比べてやや形式的な表現で、学術的な文脈やビジネス文書で使われることが多いです。日常会話では「hinder」や「block」などの方がより一般的に使われます。ただし、「impede」も理解しておくと、より幅広い表現が可能になります。
- これらの単語の名詞形は何ですか?
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それぞれの動詞に対応する名詞形は以下の通りです。
- hinder → hindrance(妨げ、障害)
- obstruct → obstruction(障害物、妨害)
- impede → impediment(障害、妨げ)
これらの名詞形も覚えておくと、より表現の幅が広がります。
- どの単語が最も一般的に使われますか?
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一般的な日常会話では「hinder」が最も頻繁に使われる傾向があります。「obstruct」は特に物理的な障害物を描写する場合に使われ、「impede」はやや形式的な文脈で使われることが多いです。ただし、状況や文脈によって最適な単語は変わってきます。
まとめ

この記事では、「hinder」「obstruct」「impede」の意味の違いと使い分けについて解説しました。主なポイントは以下の通りです。
- 「hinder」は進行や発展を「遅らせる」ことを意味し、完全に止めるのではなく、進行を困難にする場合に使います。
- 「obstruct」は物理的に「塞ぐ」「遮る」という意味合いが強く、道路や通路などを物理的に妨げる場合によく使用されます。
- 「impede」は「進行や動きを妨げる」という意味で、物理的または抽象的な障害によって進行を難しくする場合に使われます。
- 「hamper」「prevent」「block」「interrupt」「disturb」など、類似した表現もありますが、それぞれニュアンスが異なります。
- 「hinder」は日常会話でよく使われるのに対し、「impede」はより形式的な文脈で使われることが多いです。
- それぞれの単語には名詞形があり、「hindrance」「obstruction」「impediment」と言います。
- 使い分けのポイントは、妨害の性質(物理的か抽象的か)、妨害の程度(完全に止めるのか遅らせるだけなのか)、使用される文脈(日常会話か形式的な場面か)です。
英語学習において、似た意味を持つ単語の微妙なニュアンスの違いを理解することは、より正確に自分の意図を伝えるために重要です。この記事で紹介した例文や練習問題を活用して、「hinder」「obstruct」「impede」の適切な使い分けを身につけましょう。