「Hit the road」という英語表現を聞いたことがありますか?映画やドラマ、洋楽などでよく使われるこのフレーズは、ネイティブスピーカーの日常会話でもとても人気のある表現です。一見すると「道を叩く」という直訳になりますが、実際の意味はまったく異なります。
今回は、英語初学者の方でも理解しやすいよう、「Hit the road」の意味や使い方、そして実際の例文について詳しく解説していきます。
「Hit the road」の基本的な意味

「Hit the road」は「出発する」「旅を始める」「出かける」という意味のカジュアルな英語表現です。直訳すると「道を叩く」という意味になりますが、実際にはどこかへ向けて出発するときや、その場を離れるときに使われるイディオムです。
この表現はアメリカ英語で特によく使われ、友達や家族との日常会話でカジュアルに使うことができます。特に車で出かける場合によく使われますが、徒歩や他の交通手段で移動する際にも使うことができます。
「Hit the road」の由来については、諸説ありますが、有力なのは昔の馬車時代に馬の蹄が道路を打ち鳴らして進んでいく様子から来ているという説です。また、単純に出発するときに足が道路に触れること(hit)から来ているとも言われています。
「Hit the road」の使い方
「Hit the road」は多くの場面で使うことができる便利な表現です。
日常会話で自然に使えるようになるために、どのような状況で使われるのかを理解しましょう。
旅行や外出の出発時
最も一般的な使い方は、旅行や外出の際の出発を表す場合です。友達と旅行に行くとき、「Let’s hit the road!」(出発しよう!)と言うことができます。
準備が整って、いよいよ出発するときに使われることが多いです。
帰宅するとき
パーティーや集まりなどを終えて、帰る時にも「I think it’s time to hit the road.」(そろそろ帰る時間だね)のように使えます。
これは丁寧に「そろそろ失礼します」という気持ちを伝える表現にもなります。
仕事で外回りするとき
営業職など、外回りの仕事をする人が出発するときにも「I’m hitting the road to meet clients today.」(今日はクライアントに会うために外回りします)のように使われることがあります。
朝の出勤時
朝、家を出るときにも「Time to hit the road.」(出発の時間だ)というように使うことができます。
「Hit the road」を使った例文
実際の会話の中で「Hit the road」がどのように使われるのか、以下の例文を通して理解しましょう。
旅行の出発シーン
例文
- A: Are you ready for our trip?(旅行の準備はできた?)
- B: Yeah, I’ve packed everything. Let’s hit the road!(うん、全部荷造りしたよ。出発しよう!)
パーティーからの帰宅
例文
- A: This party is fun, but I think it’s time for us to hit the road.(このパーティー楽しいけど、そろそろ帰る時間だね。)
- B: Yeah, it’s getting late. Let’s go.(そうだね、遅くなってきたし、行こう。)
渋滞を避けるための早めの出発
例文
- A: We should hit the road early to avoid traffic.(渋滞を避けるために早く出発した方がいいね。)
- B: Good idea. Let’s leave before 7 am.(いいね。午前7時前に出発しよう。)
長期滞在後の出発
例文
- After a long stay, it’s finally time to hit the road again.
(長い滞在の後、ついにまた出発する時が来ました。)
挨拶もなしの突然の出発
例文
- He hit the road without saying goodbye.
(彼はさよならも言わずに出発しました。)
充実した一日のための早朝出発
例文
- We hit the road early in the morning to make the most of the day.
(一日を有効に使うため、私たちは早朝に出発しました。)
「Hit the road」と類似表現
「Hit the road」以外にも、「出発する」という意味を持つ英語表現はいくつかあります。類似表現を知っておくと、状況に応じて使い分けることができます。
Get going
「Get going」も「出発する」「始める」という意味を持つカジュアルな表現です。「Hit the road」とほぼ同じ意味で使われます。
例文
- It’s already 9 am. We should get going.
(もう午前9時だよ。出発した方がいいね。)
Take off
「Take off」は「出発する」「離れる」という意味で使われます。特に急いでいるときや、突然出発するときに使われることが多いです。
例文
- I need to take off now. I’m running late for my appointment.
(今出発しないと。約束の時間に遅れそうだ。)
Head out
「Head out」は「出発する」「向かう」という意味で、特に目的地に向かうニュアンスが強い表現です。
例文
- We’re heading out to the beach at noon.
(正午にビーチへ出発します。)
「Hit the road」に関するよくある質問
「Hit the road」について、初学者の方がよく抱く疑問にお答えします。
- 「Hit the road」はフォーマルな場面でも使えますか?
-
いいえ、「Hit the road」はカジュアルな表現なので、ビジネスの場や公式な文書ではあまり適切ではありません。フォーマルな場面では「depart」「leave」「set out」などの表現を使うとよいでしょう。
- 「Hit the road」は旅行以外の場面でも使えますか?
-
はい、旅行だけでなく、単に「出かける」「その場を離れる」という意味でも広く使われています。パーティーや会議を終えて帰るときや、朝の出勤時など、様々な「出発」のシーンで使うことができます。
- 「Hit the road Jack」とはどういう意味ですか?
-
「Hit the road Jack」は1961年にレイ・チャールズが歌った有名な曲のタイトルです。この曲の中では「出ていけ、ジャック」という意味で使われており、恋人を追い出す内容になっています。この曲の影響で「Hit the road」という表現がさらに広まったと言われています。
- 「Let’s hit the road」と「Let’s hit the roads」はどちらが正しいですか?
-
正しいのは「Let’s hit the road」です。これは決まった言い回し(イディオム)なので、複数形にはしません。「road」は具体的な1本の道路ではなく、抽象的な「旅」や「出発」を意味しています。
まとめ

「Hit the road」は英語の日常会話でよく使われる便利な表現です。この記事のポイントをまとめると、
- 「Hit the road」は「出発する」「旅を始める」「出かける」という意味のカジュアルな表現。
- 元々は馬の蹄が道を打つ音から来たという説や、出発する際に足が道に触れることから来ているという説がある。
- 旅行の出発時、パーティーからの帰宅時、仕事の外回り、朝の出勤時など様々な場面で使える。
- 友達や家族との会話など、カジュアルな場面で使うのが適切。
- 類似表現として「Get going」「Take off」「Head out」などがある。
- 「Let’s hit the road」(出発しよう)などの形でよく使われる。
英語の表現は、実際に使ってみることで身につきます。日常会話や旅行中に「Hit the road」を使ってみて、自然な英語表現を身につけましょう。