「わかりました」という日本語は、私たちが日常的に使う基本的な表現の一つです。英語を学習する際、この表現をどのように英語で表現すればよいのか迷うことが多いでしょう。
実は、英語には「わかりました」を表現する方法が数多く存在し、それぞれが異なるニュアンスや使用場面を持っています。
カジュアルな場面での「わかりました」表現

日常的な会話や親しい間柄での表現は、フォーマルな場面とは異なる表現を使用します。カジュアルな場面では、相手との関係性や状況に応じて様々な表現を使い分けることが重要です。
I got it(わかった)
「I got it」は、日常会話で最も頻繁に使われる表現の一つです。家族や友人、同僚との会話で「わかった」「了解」という意味で使用されます。この表現は、相手の話を理解できたことを示す際に使います。
「Got it」と主語の「I」を省略することも多く、より口語的な印象を与えます。アメリカ英語では「got it」の発音が「ガリット」のように聞こえることも特徴的です。
I see(なるほど)
「I see」は「なるほど」「そうなんだ」というニュアンスで使われる表現です。相手の話を聞いて納得した際や、新しい情報を理解した時に使用します。「I got it」よりも軽い印象を与える表現として知られています。
この表現は、相手の説明に対して「理解できた」「合点がいった」という気持ちを表現する際に適しています。
OK / All right(オーケー)
「OK」や「All right」は、最もシンプルで汎用性の高い表現です。様々な場面で使用できますが、やや軽い印象を与えるため、使いすぎには注意が必要です。
「All right」は「OK」よりもやや丁寧な印象を与えますが、言い方によっては嫌々承諾しているように聞こえることもあります。
Sounds good(いいね)
「Sounds good」は、相手の提案や意見に賛成する際に使用する表現です。単純に理解を示すだけでなく、相手の意見に好意的な反応を示すニュアンスが含まれています。
「That sounds good」という形で使用されることも多く、相手の提案に対して積極的に同意する際に効果的です。
Sure(もちろん)
「Sure」は「もちろん」「確かに」という意味で使われる表現です。相手の依頼や質問に対して快く応じる際に使用します。
「Sure thing」という形で使用すると、よりアメリカ的な表現になり、さらにカジュアルな印象を与えます。
フォーマルな場面での「わかりました」表現
ビジネスシーンや目上の人との会話では、より丁寧で正式な表現を使用する必要があります。フォーマルな場面での表現は、相手に対する敬意を示すとともに、プロフェッショナルな印象を与えることができます。
I understand(理解しました)
「I understand」は、フォーマルな場面で最も適切な表現の一つです。相手の話を十分に理解し、内容を把握したことを示す際に使用します。
この表現は、単純に「わかった」という意味だけでなく、「しっかりと理解している」という強いニュアンスを含んでいます。ビジネスメールや会議での使用に適しています。
Certainly(承知いたしました)
「Certainly」は、相手の依頼や指示に対して「承知いたしました」という意味で使用される表現です。フォーマルな場面での承諾を示す際に効果的です。
この表現は、相手の要求を確実に受け入れることを示すとともに、丁寧で礼儀正しい印象を与えます。
Absolutely(もちろんです)
「Absolutely」は、「完全に」「絶対に」という意味を持つ表現で、相手の話に強く同意する際に使用します。フォーマルな場面での強い肯定を示すのに適しています。
Of course(もちろん)
「Of course」は、相手の依頼や質問に対して「もちろん」「当然です」という意味で応答する際に使用します。日常会話でも使用可能ですが、フォーマルな場面でも適切に使用できる表現です。
Noted(承知しました)
「Noted」は、ビジネス英語で頻繁に使用される表現です。特にメールやメッセージでの返信において、相手の情報や指示を「承知しました」という意味で使用します。
「Noted with thanks」という形で使用すると、より丁寧な印象を与えることができます。
ビジネスメールでの「わかりました」表現
ビジネスメールでは、口語とは異なる表現が好まれます。メールでの表現は、相手に対する敬意を示すとともに、明確で簡潔なコミュニケーションを図ることが重要です。
Well noted / Noted with thanks
メールでの返信において、「Well noted」や「Noted with thanks」は非常に効果的な表現です。相手の情報や指示を確実に受け取ったことを示すとともに、感謝の気持ちも表現できます。
I acknowledge(承知いたします)
「I acknowledge」は、より正式な表現として使用されます。相手の指示や情報を正式に受け入れることを示す際に適しています。
「Acknowledged」という形で簡潔に表現することも可能です。
Will do(承知しました)
「Will do」は、「I will do it」の省略形で、相手の依頼に対して「承知しました」「やります」という意味で使用します。
カジュアルな印象を与える表現ですが、ビジネスシーンでも同僚間での使用には適しています。
I’ll get right on it(すぐに取りかかります)
相手の依頼に対して、すぐに行動することを示す表現です。積極的な姿勢を示すとともに、迅速な対応を約束する意味を含んでいます。
特殊な状況での「わかりました」表現
特定の状況や業界では、独特の表現が使用されることがあります。これらの表現は、その状況に特化したニュアンスを持っています。
Copy that(了解)
「Copy that」は、もともと無線通信で使用されていた表現です。映画やドラマでよく聞く表現で、軍事的な場面や緊急時の通信で使用されます。
一般的な会話では、この表現を少しふざけた感じで使用することもあります。
Roger(了解)
「Roger」も無線通信由来の表現で、「Copy that」と同様に使用されます。「Roger that」という形で使用されることも多く、特殊な状況での了解を示す際に使用します。
You got it(承知しました)
「You got it」は、レストランやカフェなどのサービス業で頻繁に使用される表現です。お客様の注文や依頼に対して「承知しました」「かしこまりました」という意味で使用します。
理解の度合いを表現する方法
「わかりました」という表現には、理解の度合いや確信の程度を示すバリエーションが存在します。これらの表現を使い分けることで、より正確なコミュニケーションが可能になります。
I think I understand(理解できたと思います)
完全に理解できているかどうか確信が持てない場合に使用する表現です。謙虚さを示すとともに、さらなる説明を求める場合にも使用できます。
I’m not sure I understand(よく理解できません)
相手の話が理解できない場合に使用する表現です。直接的に「わからない」と言うよりも丁寧な印象を与えます。
I completely understand(完全に理解しました)
相手の話を完全に理解し、共感していることを強調する表現です。強い理解と同意を示す際に効果的です。
英語理解表現のよくある間違いと注意点
英語学習者が「わかりました」を表現する際によく犯す間違いや注意すべき点について解説します。これらの間違いを避けることで、より自然で適切な英語表現ができるようになります。
「I understand」の時制の間違い
多くの日本人学習者が犯しがちな間違いの一つが、「わかりました」という日本語の過去形に引きずられて「I understood」と表現してしまうことです。英語では現在理解している状態を表すため、「I understand」が正しい表現です。
「I understood」は「その時は理解していた」という意味になり、現在は理解していない可能性を示唆してしまいます。
「Do you understand?」の使用上の注意
「Do you understand?」は文法的には正しい表現ですが、相手を見下すような印象を与える可能性があります。この表現は、教師が生徒に対して使用したり、上司が部下に対して使用する場合に適していますが、同等の立場の人に対しては避けるべきです。
代わりに「Does it make sense?」や「Are you with me?」といった表現を使用することで、より丁寧で相手の立場を考慮した質問ができます。
カジュアルすぎる表現の使用
ビジネスシーンで「Got it」や「OK」を多用することは避けるべきです。これらの表現は非常にカジュアルで、目上の人や取引先に対して使用すると失礼な印象を与える可能性があります。
フォーマルな場面では「I understand」や「Certainly」といった適切な表現を選択することが重要です。
「I got it」と「I get it」の混同
「I got it」と「I get it」は似た意味を持ちますが、微妙な違いがあります。「I got it」は特定の情報や指示を受け取ったことを示し、「I get it」は概念や考えを理解したことを示します。
状況に応じて適切な表現を選択することで、より正確なコミュニケーションが可能になります。
省略形の不適切な使用
ビジネス英語では、省略形の使用は避けるべきとされています。「I’m」「don’t」「can’t」といった省略形は、相手に対する敬意を欠く印象を与える可能性があります。
フォーマルな場面では「I am」「do not」「cannot」という完全な形を使用することが適切です。
同じ表現の連続使用
「OK」や「I understand」を連続して使用することは、相手に対して適当な返事をしているような印象を与える可能性があります。
様々な表現を使い分けることで、より豊かで自然な英語コミュニケーションが可能になります。
表現選択の基準とガイドライン
適切な「わかりました」表現を選択するための基準とガイドラインを示します。これらの基準を理解することで、状況に応じた最適な表現を選択できるようになります。
相手との関係性による選択
相手との関係性は、表現選択の最も重要な要素の一つです。以下の表に基準を示します。
関係性 | 適切な表現 | 避けるべき表現 |
---|---|---|
上司・目上の人 | I understand, Certainly, Of course | Got it, OK, Sure |
同僚・同等の立場 | I understand, Sounds good, I get it | 極端にカジュアルな表現 |
部下・後輩 | I understand, All right, Got it | 極端にフォーマルな表現 |
友人・家族 | Got it, I see, OK, Sure | 過度にフォーマルな表現 |
場面による選択基準
使用する場面によっても表現を使い分ける必要があります。
場面 | 推奨表現 | 特徴 |
---|---|---|
会議・プレゼンテーション | I understand, Certainly | フォーマルで明確 |
メール・文書 | Noted, Acknowledged, Well noted | 簡潔で丁寧 |
電話・口頭での会話 | I understand, I see, Got it | 自然で分かりやすい |
カジュアルな会話 | Got it, I see, Sounds good | 親しみやすい |
文化的な配慮
英語圏の文化的な背景を理解することも重要です。アメリカ英語とイギリス英語では、好まれる表現に違いがあることもあります。
また、多国籍な環境では、分かりやすく明確な表現を選択することが重要です。
「わかりました」に関するよくある質問
英語学習者から頻繁に寄せられる「わかりました」表現に関する質問について回答します。これらの質問と回答を通じて、より深い理解を得ることができます。
- 「I understand」と「I see」の違いは何ですか?
-
「I understand」は相手の話を論理的に理解したことを示し、より深い理解を表現します。一方、「I see」は「なるほど」という感じで、相手の話に納得したことを示します。「I understand」の方がよりフォーマルで、しっかりとした理解を表現します。
- ビジネスメールで「OK」を使っても大丈夫ですか?
-
ビジネスメールでの「OK」の使用は、相手との関係性や会社の文化によって判断が分かれます。一般的には、「Noted」や「I understand」といったより丁寧な表現を使用することが推奨されます。特に、初めての取引先や目上の人に対しては避けるべきです。
- 「Got it」を目上の人に使うのは失礼ですか?
-
「Got it」は非常にカジュアルな表現のため、目上の人や正式な場面での使用は避けるべきです。代わりに「I understand」や「Certainly」といった表現を使用することで、適切な敬意を示すことができます。
- 「Copy that」はいつ使えばよいですか?
-
「Copy that」は特殊な表現で、無線通信や軍事的な場面で使用されます。一般的なビジネスや日常会話では、ふざけた感じで使用することもありますが、正式な場面では避けるべきです。
- 同じ表現を繰り返し使うのは問題ですか?
-
同じ表現を連続して使用することは、相手に対して機械的な印象を与える可能性があります。様々な表現を使い分けることで、より自然で豊かなコミュニケーションが可能になります。
- 「I got it」と「I get it」はどう使い分けますか?
-
「I got it」は特定の情報や指示を受け取ったことを示し、「I get it」は概念や考えを理解したことを示します。前者は「受け取った」、後者は「理解した」というニュアンスの違いがあります。
- 電話での会話ではどの表現が適切ですか?
-
電話での会話では、相手に明確に伝わる表現を選択することが重要です。「I understand」や「I see」といった明確な表現が適しています。また、理解を確認するために「Let me make sure I understand correctly」といった表現も効果的です。
- 「わかりました」を強調したい場合はどうすればよいですか?
-
強い理解や同意を示したい場合は、「I completely understand」や「Absolutely」といった表現を使用できます。また、「That makes perfect sense」という表現も、強い理解と納得を示すのに効果的です。
まとめ

この記事では、英語における「わかりました」の様々な表現方法について詳しく解説しました。英語学習者にとって、状況に応じた適切な表現を選択することは、効果的なコミュニケーションの基礎となります。
以下に、記事の重要なポイントをまとめます。
- カジュアルな場面では「I got it」「I see」「OK」などの表現が適している
- フォーマルな場面では「I understand」「Certainly」「Of course」などの丁寧な表現を使用する
- ビジネスメールでは「Noted」「Acknowledged」「Will do」などの簡潔で丁寧な表現が効果的
- 相手との関係性と使用場面を考慮した表現選択が重要
- 同じ表現の連続使用を避け、バリエーションを持たせることで自然なコミュニケーションが可能
- 「I understand」は現在形で使用し、過去形「I understood」との混同を避ける
- 「Do you understand?」は上から目線の印象を与える可能性があるため使用に注意が必要
- 省略形の使用はフォーマルな場面では避けるべき
- 文化的な背景や相手の立場を考慮した表現選択が大切
- 理解の度合いを明確に示すことで、より正確なコミュニケーションが実現できる
英語での「わかりました」表現をマスターすることで、より自然で効果的な英語コミュニケーションが可能になります。
日常的な練習を通じて、これらの表現を自然に使い分けられるようになることが、英語上達への重要なステップとなるでしょう。