「in fact」は英語でよく使われる表現の一つで、日本語では「実際には」「実は」「事実上」などと訳されます。
シンプルな表現ながら、使い方によってニュアンスが変わるため、正確に理解して使いこなせれば、英語表現の幅が広がります。
この記事では「in fact」の基本的な意味から実際の使い方、類似表現との違いまで、例文を交えながら詳しく解説していきます。
「in fact」の基本的な意味
「in fact」の基本的な意味は「実際には」「事実上」です。
「fact(事実)」という単語が含まれているように、話者が確信を持っている事実や真実を述べる際に使われます。
何かについて表面的な見方や一般的な認識がある中で、実際の真実や事実を伝えたいときに効果的な表現です。
例文
- The restaurant looks expensive, but in fact, the prices are quite reasonable.
(そのレストランは高そうに見えますが、実際には価格はかなりリーズナブルです。) - He seems very confident, but in fact, he’s quite nervous about the presentation.
(彼は自信に満ちているように見えますが、実際にはプレゼンテーションについてかなり緊張しています。) - The project looks simple at first glance, but in fact, it involves many complex steps.
(一見シンプルに見えるプロジェクトですが、実際には多くの複雑なステップが含まれています。)
「in fact」の様々な使い方
「in fact」にはいくつかの使い方があります。
文脈によって少しずつニュアンスが変わりますので、それぞれ見ていきましょう。
「実は、実のところ」- 前の内容と異なることを述べる場合
最も一般的な使い方として、それまでの話や一般的な認識とは異なる事実を述べる場合に使います。
例文
- Everyone thought she was from America, but in fact, she was born and raised in Canada.
(みんな彼女がアメリカ出身だと思っていましたが、実際にはカナダで生まれ育ちました。) - The movie was advertised as a comedy, but in fact, it had many serious and emotional scenes.
(その映画はコメディとして宣伝されていましたが、実際には多くの真面目で感情的なシーンがありました。) - I was expecting the exam to be difficult, but in fact, it was quite manageable.
(試験は難しいだろうと予想していましたが、実際にはかなり対処可能なものでした。)
「もっとはっきり言えば、さらに言うと」- 前の内容に詳細情報を追加する場合
前に述べた内容をさらに詳しく説明したり、補足したりする場合にも「in fact」が使われます。
例文
- She’s a talented musician. In fact, she plays five different instruments professionally.
(彼女は才能ある音楽家です。実際、彼女はプロとして5つの異なる楽器を演奏します。) - The hotel was amazing. In fact, it was the best place we’ve ever stayed in.
(そのホテルは素晴らしかったです。実際、今まで泊まった中で最高の場所でした。) - This technology is revolutionizing the industry. In fact, it has already changed how we approach most of our daily tasks.
(この技術は業界に革命をもたらしています。実際、すでに私たちが日常のタスクのほとんどに取り組む方法を変えています。)
「むしろ、それどころか」- 前の内容を否定し強調する場合
前に述べた内容よりも強調した内容や、むしろ反対の内容を述べる場合にも使われます。
例文
- He’s not just a good student; in fact, he’s the top performer in the entire school.
(彼は単に良い学生というだけではなく、実際には学校全体でトップの成績を収めています。) - I’m not tired; in fact, I feel more energetic than ever.
(疲れてなんかいません。むしろ、かつてないほど元気です。) - She didn’t just pass the exam; in fact, she got the highest score possible.
(彼女は試験に合格しただけではなく、実際には可能な限り最高の点数を取りました。)
「要するに、つまり」- 前の内容をまとめる場合
前に述べた複数の内容をまとめたり、結論づけたりする場合にも使われます。
例文
- He studied hard, prepared well, and practiced his presentation multiple times. In fact, he did everything he could to ensure success.
(彼は一生懸命勉強し、しっかり準備をし、プレゼンテーションを何度も練習しました。要するに、成功を確実にするためにできることはすべてやりました。) - We’ve analyzed the data, consulted with experts, and run several simulations. In fact, we’ve explored all possible avenues before making this decision.
(私たちはデータを分析し、専門家に相談し、いくつかのシミュレーションを実行しました。つまり、この決断を下す前にすべての可能性を検討したのです。)
「in fact」の文法と位置
「in fact」は文中の様々な位置で使うことができます。
文頭での使用
文頭に置く場合は、「In fact,」とカンマを付けるのが一般的です。
文の冒頭で使うと、これから述べることが事実や真実であることを強調する効果があります。
例文
- In fact, I’ve already finished the report you asked for yesterday.
(実は、あなたが昨日頼んだレポートはすでに終わっています。) - In fact, we’ve been planning this trip for over a year.
(実際、私たちはこの旅行を1年以上計画してきました。)
文中での使用
文の途中で使う場合も、前後にカンマを置くことが多いです。
例文
- The new policy, in fact, has been beneficial for most employees.
(新しい方針は、実際、ほとんどの従業員にとって有益なものでした。) - The solution, in fact, was much simpler than we initially thought.
(解決策は、実際、最初に考えていたよりもずっとシンプルでした。)
文末での使用
文末で使う場合は、前にカンマを置きます。
例文
- He didn’t prepare at all for the interview, in fact.
(彼は面接の準備をまったくしていませんでした、実際のところ。) - We’ve met before, in fact.
(以前お会いしたことがあります、実際。)
「in fact」と「actually」の違い
「in fact」と似た意味を持つ表現として「actually」があります。
両者は似ていますが、微妙な違いがあります。
使用目的の違い
- 「in fact」:前の内容に詳細情報を追加したり、前の内容と異なることを述べたりする両方の用途で使えます。
- 「actually」:主に前の内容と異なることを述べる場合に使われます。
例文
- I thought the movie was boring, but actually, it was quite interesting.
(映画は退屈だと思っていましたが、実際にはかなり面白かったです。)- 「actually」で前の認識との違いを示す - I enjoyed the movie. In fact, I’ve seen it three times already.
(その映画を楽しみました。実際、すでに3回見ています。)- 「in fact」で追加情報を提供
強調の度合い
- 「in fact」:やや強調の度合いが強く、確固たる事実や真実を伝える印象があります。
- 「actually」:比較的ニュートラルで、単に実際の状況を述べる印象があります。
例文
- I thought I wouldn’t like sushi, but actually, it’s quite delicious.
(寿司は好きではないと思っていましたが、実際にはとても美味しいです。)- 比較的軽い訂正 - I thought I wouldn’t like sushi, but in fact, it’s now my favorite food.
(寿司は好きではないと思っていましたが、実際には今では私の好きな食べ物です。)- より強い対比
「in fact」を含む表現や慣用句
「As a matter of fact」
「As a matter of fact」は「in fact」とほぼ同じ意味ですが、やや長めでフォーマルな印象を与えます。
例文
- As a matter of fact, I was just thinking about calling you.
(実は、ちょうどあなたに電話しようと思っていたところです。) - I’ve never been to Paris. As a matter of fact, I’ve never been to Europe at all.
(パリには行ったことがありません。実際のところ、ヨーロッパにはまったく行ったことがありません。)
「The fact is that…」
「The fact is that…」は「事実は~である」という形で、強く真実を主張する表現です。
例文
- The fact is that we don’t have enough budget for this project.
(事実は、このプロジェクトのための十分な予算がないということです。) - You can make excuses, but the fact is that you didn’t complete the assignment on time.
(言い訳はできますが、事実はあなたが課題を期限内に完成させなかったということです。)
まとめ:「in fact」の使い方のポイント

「in fact」は英語で「実際には」「事実上」という意味を持つ便利な表現です。
この表現の主なポイントをまとめると、
- 基本的な意味は「実際には」「事実上」「実は」です。
- 主な使い方として、「前の内容と異なることを述べる」「前の内容に詳細情報を追加する」「前の内容を強調する」「前の内容をまとめる」があります。
- 文頭、文中、文末のどの位置でも使えますが、文頭や文中で使う場合はカンマを付けるのが一般的です。
- 「actually」との違いとして、「in fact」は詳細情報の追加もできること、より強調の度合いが強いことが挙げられます。
- 「As a matter of fact」「The fact is that…」など関連表現もあります。
「in fact」をマスターすれば、英語での表現の幅が広がり、より正確に自分の考えを伝えられるようになります。
日常会話からビジネスシーンまで幅広く活用できる表現なので、ぜひ積極的に使ってみてください。