「In hot water」は英語のイディオムで、字面どおりに訳すと「熱いお湯の中」となりますが、実際には「困った状況にある」「トラブルに巻き込まれている」「怒られている」などを意味する表現です。英語学習者にとって、このようなイディオムを理解することは、自然な英会話をマスターするうえで非常に重要です。
この記事では「In hot water」の意味や使い方、例文などを詳しく解説していきます。
「In hot water」の基本的な意味

「In hot water」は「困った状況に陥っている」「窮地に立たされている」「問題を抱えている」という状態を表すイディオムです。この表現は、自分の行動や発言によって、他者から叱責されたり、非難されたりしている状況でよく使われます。
日本語では「苦境に立たされる」「窮地に陥る」「ピンチに陥る」といった表現に近いニュアンスを持っています。
「In hot water」のニュアンスの特徴
このイディオムは軽度から中程度のトラブルを表すことが多く、時には冗談めかして使われることもあります。命に関わるような深刻な危機というよりは、叱られる、非難される、恥ずかしい思いをするといった社会的な困難を表現するのに適しています。
また、「with」と組み合わせて「in hot water with someone(誰かに怒られている)」という形でもよく使われます。
「In hot water」の語源と由来
「In hot water」の起源については、中世ヨーロッパの拷問方法に関連があるとされています。
当時、罪人を罰するために熱湯に沈めるという拷問が行われており、そこから「熱いお湯の中にいる」という状況が「苦しい状況にある」という比喩表現になったと考えられています。
「熱いお湯」が「困った状況」を表す理由
熱いお湯に入ると、実際に苦しく、すぐにでも逃げ出したくなる感覚があります。これが、困った状況やトラブルに巻き込まれた時の心理状態と類似していることから、比喩的に使われるようになったと考えられます。
このように物理的な状態と心理的な状態を関連づける表現は、英語のイディオムによくみられる特徴です。
「In hot water」を使った基本的な例文
「In hot water」は様々な状況で活用できます。以下に、基本的な使い方の例文をいくつか紹介します。
例文
- He is in hot water with his boss for missing the deadline.(彼は期限を守れなかったために上司から叱られている)
- She found herself in hot water after making a controversial statement.(彼女は物議を醸す発言をした後、困った状況に陥った)
- The student is in hot water for cheating on the exam.(その学生はカンニングをして窮地に立たされている)
ビジネスシーンでの使用例
ビジネスの場面でも「In hot water」はしばしば使われます。特に、仕事上のミスやトラブルについて話す際に役立つ表現です。
例文
- The company is in hot water over its controversial marketing campaign.(その会社は論争を呼ぶマーケティングキャンペーンで批判を受けている)
- I might be in hot water if I don’t complete this project by Friday.(金曜日までにこのプロジェクトを完了しなければ、私は困ったことになるかもしれない)
- Our team got in hot water for exceeding the budget.(私たちのチームは予算を超過したことで叱責を受けた)
日常会話での使用例
日常生活でも「In hot water」は頻繁に使われるイディオムです。家族や友人との会話の中で次のように使うことができます。
例文
- My brother is in hot water with our parents for coming home late.(兄は遅く帰宅したことで両親に怒られている)
- You’ll be in hot water if you forget your anniversary again.(また結婚記念日を忘れると、あなたは大変なことになるよ)
- She’s in hot water for breaking her sister’s favorite vase.(彼女は姉のお気に入りの花瓶を壊してしまい、叱られている)
「In hot water」と類似表現の違い
英語には「In hot water」と似た意味を持つ表現がいくつか存在します。状況に応じて使い分けることで、表現の幅が広がります。
「In hot water」に似たイディオムには、以下のようなものがあります。
- in trouble(トラブルに巻き込まれている)
- in a difficult situation(困難な状況にいる)
- in the soup(困った状況にいる)
- in deep water(深刻なトラブルに巻き込まれている)
- have one’s neck in a noose(危険な状況に陥っている)
「in trouble」との使い分け
「in trouble」は「In hot water」とほぼ同じ意味で使われますが、より一般的で幅広い状況に適用できます。「In hot water」が比喩的でやや口語的な表現であるのに対し、「in trouble」はより直接的で、フォーマルな場面でも違和感なく使える表現です。
例文
- He’s in trouble with the law.(彼は法的な問題を抱えている)
- The children got into trouble at school.(子どもたちは学校でトラブルを起こした)
「in deep water」との使い分け
「in deep water」は「In hot water」よりも深刻な状況を表すことが多いです。「deep water(深い水)」は、「hot water(熱いお湯)」よりも危険度が高く、抜け出すのが難しいことを暗示しています。自分の能力を超えた大きな問題に直面している状況を表現するのに適しています。
例文
- The company is in deep water due to massive debt.(その会社は巨額の負債のために深刻な危機に陥っている)
- I’m in deep water with this complex project.(この複雑なプロジェクトで私は非常に困難な状況に置かれている)
「In hot water」の応用パターン
「In hot water」は基本形だけでなく、様々な動詞と組み合わせて使うことができます。以下に代表的な応用パターンを紹介します。
- get into hot water(トラブルに巻き込まれる)
- land in hot water(トラブルに陥る)
- put someone in hot water(誰かをトラブルに巻き込む)
- find oneself in hot water(困った状況にいる自分に気づく)
動詞と組み合わせた表現例
以下に、「In hot water」とよく一緒に使われる動詞を用いた例文を紹介します。
例文
- He always gets into hot water at work.(彼はいつも仕事でトラブルに巻き込まれる)
- She landed in hot water after posting that comment online.(彼女はそのコメントをオンラインに投稿した後、困った状況に陥った)
- Don’t put me in hot water with your careless mistakes.(あなたのうっかりミスで私を困った状況に追い込まないで)
- I found myself in hot water when the boss walked in.(上司が入ってきた時、私は自分が窮地に立たされていることに気づいた)
「In hot water」に関するよくある質問
- 「In hot water」は日常会話でよく使われますか?
-
はい、「In hot water」は日常会話でよく使われるイディオムです。特にカジュアルな会話や友人との会話で頻繁に登場します。ただし、非常にフォーマルな場面では、より直接的な表現や婉曲的な表現が好まれることもあります。
- 「In hot water」は否定形でも使えますか?
-
「In hot water」は通常、否定形ではあまり使われません。「not in hot water」という表現はやや不自然です。代わりに「out of hot water(困った状況から抜け出した)」という表現が使われることがあります。
- 「In hot water」はどの程度の深刻さを表しますか?
-
「In hot water」は、軽度から中程度の問題やトラブルを表すことが多いです。命に関わるような深刻な危機というよりは、叱られる、恥をかく、社会的な困難などを指します。より深刻な状況には「in deep water」などの表現が適しています。
- 「In hot water」を文の中でどのように使いますか?
-
「In hot water」は通常、be動詞(is, am, are, was, were)と共に使用されます。例えば「He is in hot water」(彼は困った状況にある)のように使います。また、「get」「land」「find oneself」などの動詞と組み合わせて使うこともできます。
まとめ

- 「In hot water」は「困った状況にある」「トラブルに巻き込まれている」「怒られている」という意味のイディオムである。
- このイディオムの語源は、中世ヨーロッパの拷問方法に由来するとされている。
- 「In hot water」は「with」を伴って使われ、「誰かとの間で困った状況にある」という意味になる。
- よく使われる応用パターンには「get into hot water」「land in hot water」「find oneself in hot water」などがある。
- 「In hot water」と似た表現に「in trouble」「in deep water」などがあり、状況に応じて使い分けるとよい。
- このイディオムは日常会話やカジュアルな場面でよく使われる。
- 「In hot water」は軽度から中程度のトラブルを表すことが多く、より深刻な状況には別の表現が適している。
「In hot water」を正しく理解し、適切な場面で使えるようになると、英語表現の幅が広がります。このイディオムを日常会話やビジネスシーンで積極的に取り入れてみてください。
より自然で豊かな英語表現ができるようになることでしょう。