英語学習において「in order to」は頻繁に登場する重要な表現です。この表現は「~するために」という目的を表し、英語の文章をより明確に、論理的に組み立てるのに役立ちます。初心者にとっては「単なるto不定詞との違いは?」「いつ使うべき?」といった疑問もあるでしょう。
この記事では、「in order to」の基本的な意味から応用まで、中学英語レベルの例文を交えながら詳しく解説します。日常会話から文章作成まで役立つ知識を身につけましょう。
「in order to」の基本的な意味

「in order to」は、「~するために」という目的を表す表現です。何かを達成するための手段や行動の理由を説明するときに使います。文法的には「to不定詞」の強調形と考えることができます。
「in order to」の後には必ず動詞の原形が来ます。例えば「I study English in order to talk with foreign friends.」(外国人の友達と話すために英語を勉強します)のように使います。この表現を使うことで、「なぜ英語を勉強するのか」という目的が明確に示されます。
英語初心者にとって大切なのは、この表現が「目的」を強調する役割を持っていることを理解することです。単なる「to」よりも目的をはっきりと示すことができるのが「in order to」の特徴です。
「in order to」の基本的な使い方
「in order to」は文中のさまざまな位置で使うことができます。その位置によって少しニュアンスが変わることもありますので、基本的な使い方を見ていきましょう。
文頭での使い方
「in order to」を文頭に置くと、目的が強調される傾向があります。文頭で使う場合は、多くの場合コンマを使います。
例文
- In order to learn English, I study every day.(英語を学ぶために、私は毎日勉強します)
- In order to arrive on time, we left home early.(時間通りに到着するために、私たちは家を早く出ました)
- In order to save money, she cooks at home.(お金を節約するために、彼女は家で料理をします)
- In order to pass the test, we need to study hard.(テストに合格するためには、一生懸命勉強する必要があります)
文頭に「in order to」を置くことで、「なぜこの行動をするのか」という目的が最初に示され、読み手や聞き手に目的を強調して伝えることができます。
文中での使い方
「in order to」は文の途中、通常は主節の後に置くこともできます。この場合、主な行動を先に述べた後で、その目的を説明する形になります。
例文
- I wake up early in order to study before school.(学校の前に勉強するために早く起きます)
- She practices piano every day in order to improve her skills.(技術を向上させるために彼女は毎日ピアノを練習します)
- We eat healthy food in order to stay fit.(健康を維持するために私たちは健康的な食事をとります)
- They speak slowly in order to help me understand.(私が理解できるように彼らはゆっくり話します)
文中で使用する場合、何をするのかが先に伝わり、その後でなぜそうするのかという説明が続きます。日常会話ではこの形がよく使われます。
目的を強調する使い方
「in order to」は単なる「to」よりも目的を強調したい場合に使います。特に重要な目的がある場合や、フォーマルな場面で効果的です。
例文
- I study hard in order to become a doctor.(医者になるために一生懸命勉強します)
- He saved money for three years in order to buy a car.(車を買うために彼は3年間お金を貯めました)
- We need to practice more in order to win the game.(試合に勝つためにもっと練習する必要があります)
- My sister went to America in order to learn English.(英語を学ぶために姉はアメリカに行きました)
これらの例では、単に「to」を使うこともできますが、「in order to」を使うことでその目的がより強調されます。
「in order to」と似た表現との違い
英語には「in order to」以外にも目的を表す表現がいくつかあります。それぞれの違いを理解することで、より適切な表現を選べるようになります。
「to」との違い
「in order to」の代わりに単に「to」を使っても、多くの場合は同じ意味を表すことができます。
例文の比較
- I study hard to pass the test.(テストに合格するために一生懸命勉強します)
- I study hard in order to pass the test.(テストに合格するために一生懸命勉強します)
二つの文は基本的に同じ意味ですが、「in order to」を使った方が目的がより強調されています。また、「in order to」は「to」よりもフォーマルな印象を与えます。カジュアルな会話では「to」、書き言葉やフォーマルな場面では「in order to」が好まれる傾向があります。
「so that」との違い
「so that」も目的を表す表現ですが、「in order to」とは使い方が少し異なります。
例文の比較
- I speak slowly in order to help you understand.(あなたが理解できるようにゆっくり話します)
- I speak slowly so that you can understand.(あなたが理解できるようにゆっくり話します)
「in order to」の後には動詞の原形が来ますが、「so that」の後には完全な文(主語+動詞)が続きます。また、「so that」の後では助動詞(can, will, could など)がよく使われます。「so that」は結果や影響に焦点を当て、異なる主語が来ることも多いです。
「for」との違い
「for」も目的を表すことができますが、「in order to」とは使い方が異なります。
例文の比較
- I went to the store in order to buy some milk.(牛乳を買うために店に行きました)
- I went to the store for some milk.(牛乳を買いに店に行きました)
「for」の後には名詞や動名詞が来るのに対し、「in order to」の後には動詞の原形が来ます。「for」はシンプルに目的を表現できますが、より具体的な行動の目的を説明したい場合は「in order to」の方が適しています。
「in order to」の応用表現
「in order to」には基本形以外にもいくつかの応用表現があります。これらを使いこなすことで、より多様な状況で目的を表現できるようになります。
「in order not to」の使い方
「in order not to」は「~しないために」という否定の目的を表します。何かを避けるための行動を説明するときに使います。
例文
- I left early in order not to be late.(遅れないように早く出発しました)
- She walks quietly in order not to wake the baby.(赤ちゃんを起こさないようにそっと歩きます)
- We took an umbrella in order not to get wet.(濡れないように傘を持っていきました)
- He studied hard in order not to fail the test.(テストに落ちないように一生懸命勉強しました)
「in order not to」は単なる「not to」よりも強い意図や目的を示します。特に重要な回避目的がある場合に使われることが多いでしょう。
「in order for」の使い方
「in order for」は「(人)が~するために」という目的を表し、異なる主語について述べるときに使います。「in order for + 人 + to + 動詞」の形で使われます。
例文
- In order for you to improve your English, you should practice every day.
(あなたが英語を上達させるためには、毎日練習すべきです) - In order for us to arrive on time, we need to leave now.
(時間通りに到着するためには、今出発する必要があります) - In order for the plan to succeed, everyone must cooperate.
(計画が成功するためには、全員が協力しなければなりません) - In order for students to learn effectively, teachers must explain clearly.
(生徒が効果的に学ぶためには、教師がわかりやすく説明しなければなりません)
「in order for」を使うことで、「誰が」という主体を明確にしながら目的を表現することができます。特に、行動の主体と目的の主体が異なる場合に便利です。
場面別「in order to」の使い方
「in order to」は日常生活のさまざまな場面で使うことができます。ここでは、場面別の使い方例を見ていきましょう。
日常会話での使い方
日常会話では、自分の行動の理由や目的を説明するのに「in order to」を使うことができます。
例文
- I’m learning to cook in order to help my mother.(母を手伝うために料理を習っています)
- We went to bed early in order to wake up refreshed.(すっきり目覚めるために早く寝ました)
- I turned off my phone in order to concentrate on my homework.(宿題に集中するために携帯電話の電源を切りました)
- She drinks a lot of water in order to stay healthy.(健康でいるためにたくさん水を飲みます)
日常会話では「in order to」が少しフォーマルに聞こえることもあるため、カジュアルな会話では単に「to」を使うことも多いです。ただし、目的をより明確に示したい場合は「in order to」が効果的です。
学校や勉強での使い方
学校生活や勉強に関連する場面でも、「in order to」は目的を明確に伝えるのに役立ちます。
例文
- I attend all classes in order to learn as much as possible.
(できるだけ多くのことを学ぶためにすべての授業に出席します) - We formed a study group in order to prepare for the exam.
(試験の準備をするために勉強会を作りました) - You should take notes in order to remember important points.
(重要なポイントを覚えるためにノートを取るべきです) - The teacher speaks slowly in order to help us understand.
(私たちが理解できるように先生はゆっくり話します)
学校の作文や発表では、「in order to」を使うことでより正式で明確な表現になります。英語の授業でも、この表現を使いこなせると評価が上がるでしょう。
手紙やメールでの使い方
手紙やメールなどの書き言葉では、「in order to」はフォーマルな印象を与えるため、適切に使うと効果的です。
例文
- I am writing in order to ask about the summer camp.(サマーキャンプについて尋ねるために書いています)
- We have changed the meeting time in order to include more members.(より多くのメンバーを含めるために会議の時間を変更しました)
- Please confirm your attendance in order to help us with planning.(計画を立てる助けになるよう、出席を確認してください)
- I attached the document in order to give you more information.(より多くの情報を提供するために資料を添付しました)
ビジネスメールや公式の文書では、「in order to」を使うことで丁寧でプロフェッショナルな印象を与えることができます。中学生でも、学校の先生やプログラムに応募する際のメールなどで使えると便利です。
「in order to」に関するよくある質問
「in order to」に関して、学習者からよく寄せられる質問にお答えします。
- 「in order to」と「to」はどちらを使うべきですか?
-
基本的には、どちらを使っても意味は同じです。ただし、以下の点を考慮すると良いでしょう。
- フォーマルな場面や書き言葉では「in order to」
- カジュアルな会話では「to」
- 目的をより強調したい場合は「in order to」
- シンプルに表現したい場合は「to」
例文
- フォーマル:I am studying hard in order to pass the entrance exam.(入学試験に合格するために一生懸命勉強しています)
- カジュアル:I’m studying hard to pass the entrance exam.(入学試験に合格するために一生懸命勉強しています)
- 「in order to」の後ろには何が来ますか?
-
「in order to」の後ろには必ず動詞の原形が来ます。名詞や動名詞、過去形などは使えません。
正しい例
- I exercise in order to stay healthy.(健康でいるために運動します)
誤った例
- I exercise in order to health.(×)
- I exercise in order to staying healthy.(×)
- I exercise in order to stayed healthy.(×)
- 「in order to」を文頭で使うときの注意点はありますか?
-
文頭で「in order to」を使う場合、文のバランスに注意しましょう。また、文頭に置くとコンマを使うことが多いです。
例文
- In order to improve your English, you should practice speaking every day.(英語を上達させるために、毎日会話の練習をすべきです)
注意点として、文頭の「In order to〜」で述べられる目的と、主節の行動の主体(主語)は通常同じになります。主体が異なる場合は「in order for」を使います。
- 「in order to」と「so as to」の違いは何ですか?
-
「in order to」と「so as to」はどちらも「〜するために」という目的を表し、ほぼ同じ意味で使えます。しかし、「so as to」はより形式的で、特に英国英語で使われることが多いです。
例文の比較
- I woke up early in order to catch the first train.(始発電車に乗るために早起きしました)
- I woke up early so as to catch the first train.(始発電車に乗るために早起きしました)
どちらも正しく、意味も同じですが、「so as to」は「in order to」よりも少しフォーマルに感じられることがあります。初心者は「in order to」を覚えておけば十分でしょう。
- 「in order that」と「in order to」の違いは何ですか?
-
「in order that」は「〜するために」という目的を表す表現ですが、「in order to」とは使い方が異なります。「in order that」の後には完全な節(主語+動詞)が続き、多くの場合、may, might, can, could などの助動詞が使われます。
例文の比較
- I speak slowly in order to help you understand.(あなたが理解できるようにゆっくり話します)
- I speak slowly in order that you may understand.(あなたが理解できるようにゆっくり話します)
「in order that」は「so that」に近い使い方をし、特に異なる主語について述べるときに便利です。ただし、「in order that」は非常にフォーマルな表現で、日常会話ではあまり使われません。中学英語レベルでは「in order to」と「so that」を覚えておけば十分です。
まとめ

この記事では、「in order to」の意味と使い方について詳しく解説しました。重要なポイントをまとめると、
- 「in order to」は「〜するために」という目的を表す表現で、「to」の強調形
- 文頭、文中どちらでも使用可能
- 「in order to」の後には動詞の原形が来る
- 否定形は「in order not to」
- 異なる主語を示すには「in order for + 人 + to + 動詞」の形を使う
- 「to」よりもフォーマルで、目的をより強調する効果がある
- 類似表現として「so that」「for」「so as to」などがあるが、それぞれ使い方に違いがある
「in order to」を適切に使えるようになると、英語での表現の幅が広がります。特に自分の行動の理由や目的を明確に伝えたいときに役立つ表現です。日常会話ではシンプルな「to」でも十分ですが、フォーマルな場面や書き言葉では「in order to」を使うことで、より丁寧で明確な表現になります。
例文を参考にしながら、ぜひ「in order to」を使った表現を練習してみてください。英語の表現力が豊かになり、より自然な英語が話せるようになるでしょう。
英語学習では、このような表現を少しずつ身につけていくことが大切です。「in order to」をマスターすれば、次のステップへと進む準備が整います。英語の世界はとても広いですが、一つずつ確実に表現を増やしていくことで、確実に上達していくことができるのです。