「in person」という英語表現は日常会話やビジネスシーンでよく使われますが、その正確な意味や適切な使い方を理解していない方も多いでしょう。この表現は「直接会って」「実際にその場で」「本人が」といった意味を持ち、現代のデジタルコミュニケーションが主流の時代だからこそ、重要性が増している表現です。
この記事では、英語初学者の方でも理解できるよう、「in person」の意味と使い方を詳しく解説し、実用的な例文を多数紹介します。オンラインではなく「対面で」英語を学ぶように、一緒に「in person」について学んでいきましょう。
「in person」の基本的な意味

「in person」は英語で非常によく使われる表現で、主に「直接その場にいること」や「自分自身で何かを行うこと」を意味します。特にインターネットやテクノロジーが発達した現代では、「オンラインではなく実際に会って」という意味合いで使われることが増えています。
この表現は大きく分けて2つの意味があります。一つ目は「実際に・直接に」という意味で、テレビや写真ではなく実際に自分の目で見たり経験したりすることを表します。二つ目は「本人が直接」という意味で、代理人や他の手段を通じてではなく、自分自身が何かを行うことを指します。
「実際に・直接に」という意味での「in person」
この意味での「in person」は、何かを実際に体験することを強調するときに使われます。例えば、テレビで見たことのある有名人を実際に目の前で見たとき、「I saw the singer in person」(そのシンガーを生で見た)というように使います。
例文
- I want to see Mt. Fuji in person, not just in pictures.(写真だけでなく、富士山を実際に見てみたいです)
- The painting looks much better in person than online.(その絵はオンラインよりも実際に見るとずっと良く見えます)
- My teacher is shorter in person than I expected.(先生は予想よりも実際に会うと背が低いです)
「本人が直接」という意味での「in person」
こちらの意味では、代理人ではなく本人が直接行動することを表します。特に重要な用事や公式な場面で、本人が直接現れることを強調するときによく使われます。
例文
- You must go to the office in person to sign these papers.(これらの書類に署名するためには、あなたが直接オフィスに行かなければなりません)
- The president will attend the ceremony in person.(大統領はその式典に自ら出席します)
- I think we should talk about this problem in person.(この問題については直接話し合うべきだと思います)
「in person」と「in-person」の違い
英語学習者がよく混乱するポイントとして、「in person」と「in-person」の違いがあります。このわずかな表記の違いは、実は文法的に重要な意味を持っています。
「in person」(スペースあり)は副詞として機能し、動詞をどのように行うかを説明します。一方、「in-person」(ハイフンあり)は形容詞として使われ、名詞を修飾します。この違いを理解することは、正確な英語表現のために非常に重要です。
副詞としての「in person」
副詞は動詞を修飾し、行動の方法や状態を説明します。「in person」は動詞の後に置かれることが多く、その行動がどのように行われたかを表します。
例文
- I need to talk to you in person.(直接あなたと話す必要があります)
- The teacher wants to meet the parents in person.(先生は両親と直接会いたがっています)
- She delivered the message in person.(彼女はそのメッセージを直接届けました)
形容詞としての「in-person」
形容詞は名詞を修飾し、その性質や特徴を説明します。「in-person」はハイフンがあることで形容詞として機能し、後ろに続く名詞がどのような性質かを表します。
例文
- We have an in-person meeting tomorrow.(明日、対面での会議があります)
- The school will resume in-person classes next month.(学校は来月から対面授業を再開します)
- I prefer in-person shopping to online shopping.(オンラインショッピングより実店舗でのショッピングの方が好きです)
「in person」の使用場面
「in person」は様々な状況で使われますが、特に以下のような場面でよく見られます。これらの使用場面を理解することで、より自然な英語表現ができるようになります。
ビジネスシーンでの使用
ビジネスの世界では、「in person」は重要な会議や面接、商談などで頻繁に使われます。特にオンライン会議が一般的になった現代では、実際に会って行うミーティングを強調するために使われることが増えています。
例文
- The job interview will be conducted in person, not online.(その就職面接はオンラインではなく、対面で行われます)
- Our team prefers to have in-person meetings once a month.(私たちのチームは月に一度、対面でのミーティングを好みます)
- The client wants to discuss the contract in person.(そのクライアントは契約について直接話し合いたがっています)
社交的な場面での使用
友人や知人との約束や集まりにおいても、「in person」はオンラインや電話ではなく、実際に会うことを強調するために使われます。
例文
- Let’s meet in person this weekend.(今週末、直接会いましょう)
- I haven’t seen my best friend in person for two years.(親友と実際に会っていないのはもう2年になります)
- It’s better to apologize in person than by text message.(テキストメッセージよりも直接謝った方がいいです)
公式・法的な場面での使用
公式の手続きや法的な場面では、本人が直接現れることが必要な場合があり、そういった状況でも「in person」が使われます。
例文
- You must apply for the visa in person at the embassy.(大使館で直接ビザを申請する必要があります)
- The witness has to testify in person.(その証人は直接証言する必要があります)
- Please bring your ID when you come to register in person.(直接登録に来る際は、身分証明書を持ってきてください)
「in person」を使った実用的な例文
「in person」の使い方をより深く理解するために、様々な状況でのオリジナル例文を見ていきましょう。これらの例文は中学英語レベルで、日常会話で実際に使えるものばかりです。
日常会話での例文
例文
- I want to thank you in person for your help.(あなたの助けに対して直接お礼を言いたいです)
- My grandmother wants to see me in person this Christmas.(祖母はこのクリスマスに私に直接会いたがっています)
- We can solve this problem better in person.(この問題は直接会った方がよく解決できます)
- She looks different in person than in her photos.(彼女は写真よりも実際に会うと違って見えます)
- I need to go to the bank in person tomorrow.(明日銀行に直接行く必要があります)
学校生活での例文
例文
- Our teacher prefers to give feedback in person.(私たちの先生はフィードバックを直接与えることを好みます)
- The school will hold an in-person entrance ceremony.(学校は対面での入学式を開催します)
- I learn better in in-person classes than online classes.(オンライン授業よりも対面授業の方がよく学べます)
- The principal wants to speak to all students in person.(校長先生はすべての生徒と直接話したいと思っています)
- We have both in-person and online study groups.(対面とオンライン両方の勉強グループがあります)
旅行や体験に関する例文
例文
- I’ve always wanted to see the Eiffel Tower in person.(エッフェル塔を実際に見たいとずっと思っていました)
- Traveling lets you experience different cultures in person.(旅行すると異なる文化を直接体験できます)
- The concert was amazing to watch in person.(そのコンサートは実際に見ると素晴らしかったです)
- You need to taste this food in person to understand how good it is.(この食べ物がどれほど美味しいか理解するには、実際に味わう必要があります)
- The ocean looks much bigger in person.(海は実際に見るとずっと大きく見えます)
「in person」の類似表現
英語には「in person」と似た意味を持つ表現がいくつかあります。それぞれニュアンスや使用場面が少し異なるので、その違いを理解しておくと表現の幅が広がります。
「face to face」との違い
「face to face」(または「face-to-face」)は「顔と顔を合わせて」という意味で、主に二人の人間が直接対面することを強調します。「in person」よりも、互いに向き合って話すという意味合いが強いです。
例文
- We need to discuss this face to face, not over the phone.(これは電話ではなく、面と向かって話し合う必要があります)
- I prefer face-to-face communication for serious topics.(重要なトピックには対面でのコミュニケーションを好みます)
- It’s easier to understand someone’s feelings when you talk face to face.(面と向かって話すと、相手の気持ちを理解しやすいです)
「in the flesh」との違い
「in the flesh」は「生身で・実物で」という意味で、特に有名人や普段直接会えない人を実際に見たときに使われることが多いです。少しくだけた表現で、「in person」よりもカジュアルなニュアンスがあります。
例文
- I can’t believe I saw my favorite actor in the flesh!(お気に入りの俳優を実際に見られたなんて信じられません!)
- The statue looks more impressive in the flesh than in pictures.(その像は写真よりも実物の方が印象的です)
- He’s much funnier in the flesh than on TV.(彼はテレビよりも実際に会うとずっと面白いです)
「personally」との違い
「personally」は「個人的に・自分自身で」という意味で、「in person」と近い意味を持ちますが、より主観的な意見や個人的な行動を強調する傾向があります。
例文
- Personally, I think it’s better to meet new people in person.(個人的には、新しい人とは直接会う方が良いと思います)
- The manager personally delivered the news to each employee.(マネージャーは各従業員に直接その知らせを伝えました)
- I personally checked all the details before submitting the report.(レポートを提出する前に、私自身がすべての詳細を確認しました)
「in person」を使う際の注意点
「in person」を適切に使うためには、いくつかの注意点があります。これらを理解することで、より自然で正確な英語表現ができるようになります。
冠詞や前置詞との組み合わせ
「in person」は固定表現なので、通常は間に他の単語を入れません。また、「the」や「a」などの冠詞を前に付けることもありません。
正しい例
- She attended the meeting in person.(彼女はその会議に直接出席しました)
誤った例
- She attended the meeting in the person.
- She attended the meeting in a person.
文中での位置
副詞としての「in person」は、通常、文の終わりや動詞の後に置かれます。主語と動詞の間に置くことは一般的ではありません。
正しい例
- The president will speak in person at the conference.(大統領はその会議で直接話します)
- I need to see you in person to discuss this matter.(この件について話し合うために、あなたに直接会う必要があります)
誤った例
- The president in person will speak at the conference.
- I in person need to see you to discuss this matter.
ハイフンの有無による意味の違い
前述したように、「in person」(副詞)と「in-person」(形容詞)の違いはハイフンの有無です。使い方を間違えると、文の意味が不自然になることがあります。
正しい例
- I prefer to shop in person rather than online.(オンラインよりも直接買い物をすることを好みます)
- We will have an in-person meeting next week.(来週、対面での会議があります)
誤った例
- I prefer to shop in-person rather than online.
- We will have an in person meeting next week.
「in person」に関するよくある質問
「in person」に関して初学者がよく持つ疑問について、分かりやすく回答します。
- 「in person」と「personally」はどう違うのですか?
-
どちらも「自分自身で」という意味を持ちますが、「in person」は物理的にその場にいることを強調し、「personally」は個人的な意見や行動を強調する傾向があります。例えば、「I attended the meeting in person」(私はその会議に直接出席しました)と「Personally, I think the meeting was successful」(個人的には、その会議は成功したと思います)のように使い分けます。
- 「in person」はメールやビジネスレターでも使えますか?
-
はい、使えます。特にオンラインコミュニケーションが主流の現代では、「We would like to invite you to an in-person interview」(対面での面接にあなたを招待したいと思います)のように、実際に会って行うことを強調するために使われることが増えています。
- 「in person」の反対の表現は何ですか?
-
状況によって異なりますが、一般的には「online」(オンラインで)、「virtually」(バーチャルに)、「remotely」(遠隔で)、「over the phone」(電話で)などが反対の意味で使われます。例えば、「The meeting will be held online, not in person」(その会議は対面ではなく、オンラインで開催されます)のように使います。
- 「in person」は複数人に対しても使えますか?
-
はい、「in person」は一人でも複数人でも使えます。例えば、「The team will present their project in person」(そのチームは自分たちのプロジェクトを直接発表します)のように使うことができます。
- 「in person visit」は正しい表現ですか?
-
「in person visit」はやや不自然で、正しくは「in-person visit」(ハイフンあり)か、「visit in person」(「visit」を動詞として使用)が自然です。例えば、「I’m planning an in-person visit to the museum」(美術館への実際の訪問を計画しています)や「I plan to visit the museum in person」(美術館に直接訪問する予定です)のように使います。
- 「in person」はフォーマルな表現ですか?
-
「in person」はフォーマル、インフォーマル両方の場面で使える表現です。ビジネスメールやフォーマルな書類でも、カジュアルな会話でも自然に使えます。
- 「in personの」日本語訳は何ですか?
-
日本語では文脈によって「直接」「実際に」「本人が」「対面で」などと訳されることが多いです。例えば、「Let’s meet in person」は「直接会いましょう」、「I saw the painting in person」は「その絵を実際に見ました」などと訳します。
まとめ

この記事では、英語表現「in person」の意味と使い方について詳しく解説しました。「in person」は主に「直接その場にいること」や「自分自身で何かを行うこと」を意味し、特にデジタルコミュニケーションが主流の現代では重要な表現となっています。
主なポイントをまとめると、
- 「in person」には「実際に・直接に」と「本人が直接」という2つの主な意味があります。
- 「in person」(副詞)と「in-person」(形容詞)はハイフンの有無で区別され、異なる使い方をします。
- ビジネス、社交、公式な場面など、様々な状況で使われる汎用性の高い表現です。
- 「face to face」「in the flesh」「personally」など類似表現とは微妙にニュアンスが異なります。
- 文中での位置や他の単語との組み合わせに注意が必要です。
英語学習においては、こうした日常的によく使われる表現を正確に理解し、適切に使えるようになることが重要です。「in person」の正しい使い方をマスターして、より自然な英語表現を目指しましょう。
オンラインでの英語学習も有効ですが、時には「in person」で先生と対面レッスンを受けることも、英語力向上の大きな助けになるでしょう。表現を学ぶだけでなく、実際のコミュニケーションで使ってみることで、より深く理解し、自然に使えるようになります。
この記事が「in person」の理解に役立ち、皆さんの英語学習の一助となれば幸いです。英語の表現は文脈によって使い方が変わることもあるので、様々な例文に触れながら、少しずつ感覚を掴んでいきましょう。