英語の表現の中で、「in short」は会話や文章をスマートにまとめるのに役立つ便利なフレーズです。この表現を使いこなせると、複雑な内容を簡潔に伝えることができ、コミュニケーション能力が一段とアップします。
本記事では、英語初学者の方でも理解しやすいように「in short」の意味や使い方、さらには類似表現との違いまで詳しく解説します。日常会話からビジネスシーンまで幅広く活用できるこの表現をマスターして、英語表現の幅を広げていきましょう。
「in short」の基本的な意味

「in short」は直訳すると「短い中で」という意味になりますが、実際には「要するに」「簡単に言うと」「まとめると」「つまり」などの意味で使われる表現です。長い説明や複雑な内容を簡潔にまとめる際に非常に便利なフレーズです。
この表現は、多くの情報や複雑な内容を短くまとめて伝えたいときに使用します。特に長い議論や説明の後に結論を述べる場合や、相手に要点を明確に伝えたい場合に効果的です。元々は「短い言葉の中で」という意味から派生し、現在では英語圏で広く使われる表現となっています。
例えば、会議で長時間議論した内容をまとめる時や、複雑な状況を簡単に説明したい時などに「in short」を使うことで、聞き手に「これから要点を話します」という合図になります。
「in short」の使い方
「in short」は文中のさまざまな位置で使うことができますが、主に文頭や文中のカンマの後に置かれることが多いです。使い方によって微妙にニュアンスが変わりますので、それぞれの特徴を見ていきましょう。
文頭での使い方
最も一般的な使い方は文の冒頭に置く方法です。この場合、「in short」の後にはカンマを入れることが多いです。文頭に置くことで、これから述べる内容が前述の内容を簡潔にまとめたものであることを示します。
例文
- In short, we need to study harder to pass the exam.(要するに、試験に合格するにはもっと勉強する必要があります。)
- In short, my summer vacation was really fun.(簡単に言えば、私の夏休みはとても楽しかったです。)
- In short, I think this book is worth reading.(まとめると、この本は読む価値があると思います。)
文中での使い方
「in short」は文の途中に挿入句として使うこともできます。この場合、前後をカンマで区切ります。文中に置くことで、前に述べた内容を言い換えたり、補足説明をする際に使われます。
例文
- The movie was interesting, in short, I enjoyed it very much.(その映画は面白く、つまり、とても楽しめました。)
- This problem is, in short, very difficult to solve.(この問題は、簡単に言えば、解決が非常に難しいです。)
- Our team won the game, in short, we did our best.(私たちのチームは試合に勝ちました、要するに、最善を尽くしたのです。)
「in short」を使った例文
「in short」は日常会話からビジネスシーンまで、様々な場面で活用できる便利な表現です。ここでは、中学英語レベルの簡単な例文をいくつか紹介します。
日常会話での例文
日常的な場面で「in short」を使うと、会話がよりスマートになります。友人との会話や学校での発表など、さまざまなシーンで活用してみましょう。
例文
- I studied for three hours yesterday. In short, I’m ready for the test.(昨日3時間勉強しました。要するに、テストの準備はできています。)
- We visited many places during our trip. In short, it was a wonderful experience.(旅行中に多くの場所を訪れました。簡単に言えば、素晴らしい経験でした。)
- My brother plays soccer, basketball, and baseball. In short, he loves sports.(私の兄はサッカー、バスケットボール、野球をします。つまり、彼はスポーツが大好きです。)
- The cake was sweet, soft, and delicious. In short, it was perfect.(そのケーキは甘くて、柔らかくて、おいしかったです。要するに、完璧でした。)
- I got up late and missed the bus. In short, I couldn’t go to school on time.(寝坊してバスに乗り遅れました。簡単に言えば、学校に時間通りに行けませんでした。)
ビジネスシーンでの例文
ビジネスの場面では、「in short」を使うことで要点を明確に伝えることができます。会議やプレゼンテーションなどで効果的に使いましょう。
例文
- We need to improve our sales and reduce costs. In short, we must make our business more profitable.(売上を向上させ、コストを削減する必要があります。要するに、ビジネスをより収益性の高いものにしなければなりません。)
- Our team worked hard on this project for three months. In short, we did our best.(私たちのチームはこのプロジェクトに3ヶ月間懸命に取り組みました。簡単に言えば、最善を尽くしました。)
- The meeting lasted for two hours, and we discussed many topics. In short, it was very productive.(会議は2時間続き、多くのトピックについて話し合いました。要するに、とても生産的でした。)
- Our new product is easy to use and affordable. In short, it’s perfect for beginners.(私たちの新製品は使いやすく手頃な価格です。つまり、初心者に最適です。)
- We need to finish this report by Friday. In short, we don’t have much time.(金曜日までにこのレポートを完成させる必要があります。簡単に言えば、時間があまりありません。)
「in short」の類似表現とその違い
英語には「in short」のように「要約する」「まとめる」意味を持つ表現がいくつかあります。ここでは、主な類似表現とその微妙な違いについて解説します。
in a nutshell
「in a nutshell」は「クルミの殻の中で」という直訳から、非常に限られたスペースに多くの情報を詰め込むという意味合いを持ちます。「in short」よりもやや砕けた表現で、「端的に言えば」「一言でいうと」という意味で使われます。
例文
- In a nutshell, I think we should try something new.(端的に言えば、新しいことを試すべきだと思います。)
- The story is complicated, but in a nutshell, it’s about friendship.(ストーリーは複雑ですが、一言で言えば、友情についての話です。)
to put it simply
「to put it simply」は「簡単に言えば」という意味で、複雑な内容をより単純に、わかりやすく説明する時に使います。「in short」より少し丁寧な印象があり、相手への配慮を感じさせる表現です。
例文
- To put it simply, water boils at 100 degrees Celsius.(簡単に言えば、水は100度で沸騰します。)
- To put it simply, we need to work harder to achieve our goals.(簡単に言えば、目標を達成するためにはもっと頑張る必要があります。)
in other words
「in other words」は「言い換えれば」という意味で、すでに述べた内容を別の言葉で説明し直す時に使います。「in short」が要約するのに対し、「in other words」は言い換えに重点があります。
例文
- I don’t have enough money. In other words, I can’t buy it.(お金が足りません。言い換えれば、それを買うことができません。)
- He is very intelligent. In other words, he is smart.(彼はとても知的です。言い換えれば、賢いのです。)
that is to say
「that is to say」は「すなわち」「つまり」という意味で、やや形式的な表現です。前に述べた内容をより正確に、または詳細に説明する時に使われます。「in short」より少し堅い印象があります。
例文
- He arrived late, that is to say, after the meeting had already started.(彼は遅れて到着しました、すなわち、会議がすでに始まった後です。)
- We will meet next week, that is to say, on Monday morning.(来週、すなわち月曜日の朝に会いましょう。)
in essence
「in essence」は「本質的には」「根本的には」という意味で、物事の本質や核心を述べる時に使われます。「in short」より少し哲学的な響きがあり、物事の本質を強調します。
例文
- In essence, all humans want to be happy.(本質的には、すべての人間は幸せになりたいと思っています。)
- In essence, this book teaches us about the importance of friendship.(根本的には、この本は友情の重要性について教えています。)
to sum up
「to sum up」は「まとめると」という意味で、主に長い話や文章の最後に使われます。複数の要素や論点をまとめる時に効果的です。「in short」より少し形式的で、特にプレゼンテーションや論文のまとめの部分で頻繁に使われます。
例文
- To sum up, we need to study, practice, and never give up.(まとめると、勉強し、練習し、決して諦めない必要があります。)
- To sum up, our vacation was fun, relaxing, and educational.(まとめると、私たちの休暇は楽しく、リラックスでき、教育的でした。)
in brief
「in brief」は「手短に言うと」という意味で、「in short」とほぼ同じ使い方をします。ただし、「in brief」の方がやや形式的な印象があり、ビジネス文書や公式な場面で使われることが多いです。
例文
- In brief, the project was a success.(手短に言うと、そのプロジェクトは成功でした。)
- In brief, we need to make some changes to our plan.(手短に言うと、計画にいくつかの変更を加える必要があります。)
in summary
「in summary」は「要約すると」という意味で、特に長い話や文章の内容を要約する時に使います。「in short」より学術的な印象があり、レポートや論文などでよく使われます。
例文
- In summary, regular exercise is important for good health.(要約すると、定期的な運動は健康に重要です。)
- In summary, this experiment shows that our hypothesis was correct.(要約すると、この実験は私たちの仮説が正しかったことを示しています。)
「in short」に関連する表現
「in short」本体とは別に、「short」を含む関連表現もいくつかあります。ここでは代表的なものを紹介します。
in short supply
「in short supply」は「不足している」「供給が少ない」という意味で使われる表現です。物資やリソースが足りない状況を説明する時に役立ちます。
例文
- Water is in short supply in this area during summer.(この地域では夏の間、水が不足しています。)
- Good teachers are in short supply in our town.(私たちの町では、良い先生が不足しています。)
- Fresh vegetables are in short supply after the flood.(洪水の後、新鮮な野菜が不足しています。)
in short order
「in short order」は「すぐに」「迅速に」という意味で使われる表現です。何かが短時間で行われることを示します。
例文
- The teacher answered my question in short order.(先生はすぐに私の質問に答えてくれました。)
- We finished the work in short order.(私たちはすぐにその仕事を終えました。)
- She cleaned her room in short order.(彼女は迅速に自分の部屋を掃除しました。)
「in short」に関するよくある質問
ここでは、「in short」に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
- 「in short」は文末でも使えますか?
-
「in short」は主に文頭や文中で使われることが多いですが、文末で使うことも可能です。ただし、文末で使う場合は前の文との関連性が明確になるように注意しましょう。
- I studied hard and did my best. That’s what happened, in short.(一生懸命勉強して最善を尽くしました。簡単に言えば、そういうことです。)
- 「in short」はフォーマルな場面でも使えますか?
-
はい、「in short」はフォーマルな場面でも使える表現です。ビジネスメールや公式文書、プレゼンテーションなど、様々な場面で使用されています。ただし、非常に格式高い文書では、「to summarize」や「in conclusion」などのより形式的な表現が好まれることもあります。
- 「in short」と「shortly」の違いは何ですか?
-
「in short」は「要するに」「簡単に言うと」という意味の表現ですが、「shortly」は「まもなく」「すぐに」という時間に関する意味を持つ副詞です。全く異なる意味を持つので注意しましょう。
- In short, we need to work harder.(要するに、もっと頑張る必要があります。)
- I will arrive shortly.(まもなく到着します。)
- 「in short」を使いすぎるとどうなりますか?
-
同じ表現を繰り返し使うと単調な印象を与えてしまいます。「in short」も一つの文章や会話の中で何度も使うと冗長に感じられる可能性があります。状況に応じて「in other words」「to sum up」など類似表現を使い分けると、より豊かな英語表現ができるでしょう。
- 「in short」は会話でも使えますか?
-
もちろん、「in short」は会話でもよく使われる表現です。特に複雑な説明をした後に要点をまとめたい時や、長い話の後に結論を述べたい時に効果的です。自然な会話の流れの中で使うことができます。
まとめ

「in short」は「要するに」「簡単に言うと」「まとめると」という意味の便利な英語表現です。この表現を使うことで、複雑な内容や長い説明を簡潔にまとめることができます。主に文頭や文中で使われ、前に述べた内容の要点を示す役割を果たします。
「in short」には「in a nutshell」「to put it simply」「in other words」などの類似表現があり、それぞれ微妙にニュアンスが異なります。状況や文脈に合わせて適切な表現を選ぶことで、より豊かな英語表現が可能になります。
また、「in short supply(不足している)」や「in short order(すぐに)」といった関連表現も覚えておくと、英語表現の幅がさらに広がるでしょう。
英語のコミュニケーションにおいて、要点を簡潔に伝える能力は非常に重要です。「in short」とその類似表現をマスターして、効果的なコミュニケーションを目指しましょう。日常会話からビジネスシーンまで、様々な場面で活用できるこの表現を、ぜひ積極的に使ってみてください。
最後に、英語表現を上達させるコツは、実際に使ってみることです。本記事で紹介した例文を参考にしながら、自分で「in short」を使った文を作ってみましょう。練習を重ねることで、自然と使いこなせるようになります。要点をまとめる表現をマスターして、より効果的な英語コミュニケーションを実現していきましょう。