「jerk」は英語で名詞と動詞の両方として使われる多義語です。物理的な急な動きを表す基本的な意味から、口語では「失礼な人」を指す意味まで、様々な使い方があります。
これから初学者の方でも理解しやすいように、「jerk」の意味と正しい使い方を詳しく解説していきます。
「jerk」とは?意味と基本的な使い方

「jerk」は主に「急な動き」や「突然の動作」を意味する言葉です。名詞としては「突然の動き」、動詞としては「急に動かす」という意味で使われます。また、口語では「失礼な人」や「嫌な人」を表す俗語としても広く使われています。
基本的な例文としては以下のようなものがあります。
例文
- The train started with a jerk.(電車は急な動きで発車した。)
- Don’t jerk the door open.(ドアを急に引っ張って開けないで。)
- He is acting like a jerk.(彼は失礼な人のように振る舞っている。)
この単語は日常会話でよく使われるため、正しい使い方を覚えておくと英語の理解力と表現力が高まります。
「jerk」の名詞としての使い方
名詞としての「jerk」には主に3つの異なる意味があります。それぞれの意味と使い方を詳しく見ていきましょう。
物理的な動きとしての「jerk」
最も基本的な意味として、「jerk」は「急な動き」や「突然の動作」を表します。何かが突然動いたり、ぴくっと動く様子を描写するときに使います。
例文
- The car stopped with a sudden jerk.(車は突然の動きで止まった。)
- I felt a jerk on the fishing line.(釣り糸に急な動きを感じた。)
- She woke up with a jerk when she heard the noise.(彼女は物音を聞いて急に目を覚ました。)
- The boat gave a jerk as it hit the dock.(ボートは桟橋にぶつかったときにぐらっと揺れた。)
人を指す俗語としての「jerk」
口語や俗語として、「jerk」は「失礼な人」「嫌な人」「思いやりのない人」を意味します。人の性格や行動を否定的に評価するときに使います。
ただし、これはカジュアルな表現で、フォーマルな場面では避けるべき表現です。
例文
- That jerk cut in line in front of me.(あの失礼な人が私の前に割り込んだ。)
- Don’t be such a jerk to your little brother.(弟にそんな意地悪をしないで。)
- He was acting like a complete jerk at the party.(彼はパーティーでまったく不愉快な人として振る舞っていた。)
その他の名詞としての使い方
「jerk」にはウェイトリフティングにおける特定の動作を指す専門用語としての使い方もあります。これは「クリーン&ジャーク」という重量挙げの技術の一部です。
例文
- The athlete performed a perfect clean and jerk.(その選手は完璧なクリーン&ジャークを行った。)
また、ジャマイカ料理の「ジャーク」という調理法や調味料を指すこともあります。
例文
- We had jerk chicken for dinner.(夕食にジャークチキンを食べた。)
「jerk」の動詞としての使い方
動詞としての「jerk」は主に「急に動かす」「ぴくっと動く」という意味で使われます。
物や体を急に動かす意味での使い方
「jerk」は何かを急に引っ張ったり、突然動かしたりする動作を表します。
例文
- He jerked the door open.(彼は急にドアを引っ張って開けた。)
- The fish jerked on the line.(魚が糸をピクピクと引っ張った。)
- She jerked her head up when she heard her name.(彼女は自分の名前を聞いて急に頭を上げた。)
- The driver jerked the steering wheel to avoid the cat.(運転手は猫を避けるためにハンドルを急に切った。)
- The horse jerked its head away when I tried to touch it.(馬は私が触ろうとしたとき急に頭を引っ込めた。)
その他の動詞としての使い方
「jerk」は人や物が不規則に動く様子も表します。
例文
- The old car jerked down the road.(その古い車は道をガタガタと進んだ。)
- His leg jerked when the doctor tapped his knee.(医者が膝を叩いたとき、彼の足がピクッと動いた。)
- The dancers jerked to the music.(ダンサーたちは音楽に合わせてぎくしゃくと動いた。)
「jerk」を含むフレーズと表現
「jerk」を含むいくつかの表現やフレーズがあります。これらは日常会話でよく使われるので、覚えておくと便利です。
「jerk around」の意味と使い方
「jerk around」は「人をだます」「時間を無駄にさせる」「いい加減に扱う」という意味の句動詞です。
例文
- Don’t jerk me around. Tell me the truth.(私をだまさないで。真実を教えて。)
- The company has been jerking us around for months.(その会社は何ヶ月も私たちを振り回している。)
- I’m tired of being jerked around by my boss.(上司にいいかげんに扱われるのにうんざりだ。)
この表現は相手に不満や怒りを表す場合が多いので、使用する場面には注意が必要です。
その他の関連フレーズ
「jerk」を含む他の表現も見ていきましょう。
Knee-jerk reaction(反射的な反応):考えずに即座に行う反応を指します。
- His criticism was just a knee-jerk reaction.(彼の批判は単なる反射的な反応だった。)
Jerk to a halt(急停止する):突然停止することを表します。
- The train jerked to a halt at the station.(電車は駅で急停止した。)
With a jerk(急に、突然):急な動きで何かが起こることを表します。
- She sat up with a jerk when the alarm went off.(アラームが鳴ると彼女は急に起き上がった。)
「jerk」のよくある間違いと注意点
「jerk」を使う際によくある間違いと注意点をいくつか紹介します。
人を表す意味での注意点
まず、「jerk」の人を表す意味は侮辱的な意味合いがあるため、フォーマルな場面や初対面の人との会話では使わないよう注意しましょう。これは友人同士のカジュアルな会話や、明らかに不適切な行動をした人を批判するときに使う表現です。
例文
- He is a jerk.(彼は失礼な人だ。) → フォーマルな場面では:He is impolite.(彼は無礼です。)
発音の注意点
また、「jerk」の発音も注意が必要です。「j」は「ジ」ではなく「ヂ」に近い音で、全体では「ヂャーク」のように発音します。
「ジャーク」と発音すると、ネイティブには通じにくいかもしれません。
動詞としての使い方
「jerk」を動詞として使うとき、目的語の位置に注意しましょう。句動詞「jerk around」では、代名詞を目的語にする場合、「jerk」と「around」の間に置きます。
- He jerked me around.(彼は私をだました。) ✓ 正しい
- He jerked around me.(彼は私をだました。) ✗ 誤り
ただし、名詞を目的語にする場合は両方の位置が可能です。
例文
- He jerked the customer around.(彼はお客さんをだました。)
- He jerked around the customer.(彼はお客さんをだました。)
名詞の複数形
さらに、「jerk」の名詞としての複数形は「jerks」ですが、「動き」の意味で使う場合は可算名詞、「嫌な人」の意味で使う場合も可算名詞として扱います。
例文
- I felt several jerks on the fishing line.(釣り糸に何度か引きを感じた。)
- There were some jerks at the concert last night.(昨夜のコンサートには何人か不愉快な人がいた。)
文脈による意味の違い
最後に、ウェイトリフティングでの「jerk」と日常会話での「jerk」は同じ発音ですが、文脈によって意味を区別する必要があります。
「jerk」に関する問題
英語学習の一環として、「jerk」の使い方をチェックする問題を10問用意しました。これらの問題を解くことで、「jerk」の様々な意味と使い方をより深く理解できるでしょう。
それぞれの問題について、最も適切な答えを選んでください。
- The car _ to a stop when the driver saw the red light.
a) jerked
b) jerks
c) jerking
d) jerk - Don’t be such a _ to your friends.
a) jerked
b) jerking
c) jerk
d) jerks - She _ awake when she heard the noise.
a) jerks
b) jerked
c) jerking
d) jerk - The company has been _ us around for weeks.
a) jerk
b) jerks
c) jerked
d) jerking - He felt a _ on the fishing line.
a) jerked
b) jerk
c) jerking
d) jerks - The weightlifter performed a perfect clean and _.
a) jerks
b) jerked
c) jerking
d) jerk - His leg _ involuntarily during his sleep.
a) jerks
b) jerked
c) jerking
d) jerk - Stop _ the door like that. You’ll break it.
a) jerk
b) jerks
c) jerked
d) jerking - That was just a knee-_ reaction.
a) jerk
b) jerks
c) jerked
d) jerking - The train started with a sudden _.
a) jerked
b) jerking
c) jerks
d) jerk
「jerk」に関するよくある質問
「jerk」という単語に関してよく寄せられる質問にお答えします。
- 「jerk」の丁寧な言い換え表現はありますか?
-
「jerk」が人を指す場合、これは俗語でやや失礼な表現です。より丁寧な表現としては、「rude person(無礼な人)」「inconsiderate person(思いやりのない人)」「impolite individual(不作法な人)」などが使えます。フォーマルな場面ではこれらの表現を使うことをお勧めします。
- 「jerk」と「idiot」の違いは何ですか?
-
両方とも人を否定的に表現する言葉ですが、「idiot」は主に知性の欠如を指し、「愚か者」「バカ」という意味です。一方、「jerk」は行動や態度が不快で無礼であることを指します。「idiot」は能力に関する批判、「jerk」は人格や振る舞いに関する批判と言えるでしょう。
- 「jerk」を含む他の表現はありますか?
-
「jerk」を含むいくつかの表現があります。「jerk off」は非常に俗語的で下品な表現なので使用には注意が必要です。「soda jerk」はかつてソーダファウンテンで働く人を指しました。「tear-jerker」は感動的で涙を誘う映画や本を指します。
- 「jerk」の類義語には何がありますか?
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物理的な動きを表す「jerk」の類義語としては、「twitch(ピクピク動く)」「yank(引っ張る)」「tug(引く)」などがあります。人を表す「jerk」の類義語としては、「creep(気持ち悪い人)」「boor(無作法な人)」「lout(無教養な人)」などがあります。
- 「jerk chicken」とは何ですか?
-
「jerk chicken」はジャマイカ料理の一種で、特定のスパイスで味付けした鶏肉を指します。この場合の「jerk」は上記の意味とは全く異なる単語です。
まとめ

この記事では「jerk」の様々な意味と使い方について詳しく解説しました。日常会話でよく使われるこの言葉の理解を深めることで、英語の表現力が広がることでしょう。
ここで学んだ内容を簡潔にまとめます。
- 「jerk」は名詞と動詞として使われる多義語である
- 名詞としては「急な動き」と「失礼な人」という主要な意味がある
- 動詞としては「急に動かす」「ぴくっと動く」という意味で使われる
- 「jerk around」は「人をだます」「時間を無駄にさせる」という意味の句動詞
- 「knee-jerk reaction」は「反射的な反応」を意味する表現
- 人を指す「jerk」はカジュアルな場面でのみ使うべき俗語
- ウェイトリフティングでは特定の技術を指す専門用語として使われる
- 発音は「ヂャーク」に近い音
英語には日本語に直訳しにくい表現が多くありますが、「jerk」のように文脈によって様々な意味を持つ単語を理解することで、英語でのコミュニケーション能力が向上します。日常会話やカジュアルな英語表現に興味がある方は、この「jerk」の使い方をぜひ参考にしてみてください。
より自然な英語表現を身につけるには、実際の会話や映画、ドラマなどで「jerk」がどのように使われているかを観察することも効果的です。正しい文脈で適切に使うことで、あなたの英語はより豊かで自然なものになるでしょう。