英語には様々なイディオム(慣用句)が存在し、日常会話や文章でよく使われています。「Keep your nose to the grindstone」もそのひとつで、「一生懸命に働き続ける」という意味を持つ便利な表現です。
この記事では、このイディオムの意味や由来、使い方などを例文を交えながら初心者にも分かりやすく解説していきます。英語表現の幅を広げるために、ぜひマスターしましょう。
「Keep your nose to the grindstone」の基本的な意味

「Keep your nose to the grindstone」は「長期間にわたって一生懸命働く」「仕事に集中して他のことに気を取られない」という意味を持つイディオムです。
日本語に直訳すると「鼻を砥石(といし)につけておく」となりますが、実際には「努力を惜しまず働き続ける」「根を詰めて頑張る」といった意味合いになります。
直訳と実際の意味の違い
このイディオムを文字通りに解釈すると少し奇妙に感じるかもしれませんが、「休まず働き続ける」という状態を表現するための比喩です。
砥石(grindstone)は工具やナイフを研ぐための円形の石で、この石に向かって集中して作業することが、辛くても継続して取り組む姿勢の象徴になっています。
似た意味を持つ他の表現
英語には「一生懸命働く」ことを表す表現がいくつかあります。
- Work hard(一生懸命働く)
- Burn the midnight oil(夜遅くまで働く・勉強する)
- Put your back into it(全力で取り組む)
「Keep your nose to the grindstone」は、特に「長期間」「集中して」「諦めずに」という要素が強調される点が特徴です。
「Keep your nose to the grindstone」の由来
このイディオムの起源については、刃物を研ぐ職人の作業に関連しているとされています。昔の職人たちは砥石の上に身を乗り出して作業することが一般的でした。彼らは砥石に向かって顔を近づけ、長時間集中して刃物を研いでいました。
このような姿勢で黙々と作業を続ける様子が、「休まず一生懸命働く」という意味のイディオムの由来になったと考えられています。最も古い使用例は1532年の文献に見られるといわれており、歴史の長いイディオムであることが分かります。
歴史的背景
砥石を使った作業は非常に根気のいる作業でした。刃物職人は細心の注意を払って砥石に向かい合い、一瞬でも気を抜けば刃物を台無しにしてしまう可能性がありました。
この緊張感のある集中した作業こそが、今日でも「集中して真面目に取り組む」というイディオムとして残っているのです。
「Keep your nose to the grindstone」の実際の使い方
このイディオムは様々な場面で活用できます。どのようなシーンで使われるのか、具体的に見ていきましょう。
日常会話での使用法
日常会話では、自分や他人の勤勉さを表現する際に使われます。特に長期間にわたって努力している状況を説明するのに適しています。
友人との会話で「最近会えなくてごめん、仕事で忙しくて」という状況を説明する際に、「I’ve been keeping my nose to the grindstone」と表現できます。
ビジネスシーンでの活用法
職場では、プロジェクトや締め切りに向けて集中して取り組む様子を表現する時によく使われます。
上司が部下に仕事への集中を促す場面や、同僚との会話で自分の仕事への取り組みを説明する場面などで活用できます。
学校生活での使い方
学生生活では、試験勉強や課題に真剣に取り組む状況を表現する際に使えます。
特に、試験前の集中した勉強期間や、重要なプロジェクトに取り組んでいる時の状況を表すのに最適です。
「Keep your nose to the grindstone」を使った例文
実際にこのイディオムを使った例文を見てみましょう。中学英語レベルの簡単な文で、様々な状況での使い方を紹介します。
初級者向け例文
例文
- I need to keep my nose to the grindstone to pass the test.
(テストに合格するために一生懸命勉強し続ける必要があります。) - She keeps her nose to the grindstone every day.
(彼女は毎日一生懸命働いています。) - My father kept his nose to the grindstone for twenty years.
(父は20年間ずっと一生懸命働き続けました。) - You should put your nose to the grindstone and finish your homework.
(宿題を終わらせるために集中して取り組むべきです。) - We kept our noses to the grindstone until we finished the project.
(私たちはプロジェクトを終えるまで懸命に働き続けました。)
状況別の例文
仕事の場面
- I kept my nose to the grindstone all week to finish the report.
(レポートを完成させるため、一週間ずっと一生懸命働きました。)
学校の場面
- The students keep their noses to the grindstone before the exams.
(生徒たちは試験前に一生懸命勉強し続けています。)
日常生活の場面
- I need to keep my nose to the grindstone to save money for a new bike.
(新しい自転車を買うためにお金を貯めるため、一生懸命働く必要があります。)
「Keep your nose to the grindstone」に関するよくある質問
- 「Keep your nose to the grindstone」は否定的な意味を持ちますか?
-
基本的に否定的な意味はなく、勤勉さや継続的な努力を表すポジティブな表現として使われることが多いです。ただし、文脈によっては「休みなく働きすぎている」というニュアンスで使われることもあります。
- 「Keep your nose to the grindstone」と「Work hard」の違いは何ですか?
-
「Work hard」は単に「一生懸命働く」という意味ですが、「Keep your nose to the grindstone」は「長期間にわたって集中して働き続ける」というニュアンスがより強調されます。継続的な努力や集中力を表したい場合に使われます。
- このイディオムの他の形はありますか?
-
「Put your nose to the grindstone」という形でも使われます。これは「これから一生懸命取り組み始める」というニュアンスがあります。また、「Have one’s nose to the grindstone」という形もあります。
- 日本語で似た表現はありますか?
-
日本語では「一心不乱に取り組む」「粉骨砕身で働く」「努力を惜しまない」などが近い意味を持ちます。
まとめ

この記事では「Keep your nose to the grindstone」について詳しく解説しました。ポイントをまとめると、
- 「Keep your nose to the grindstone」は「長期間にわたって一生懸命働く」「集中して取り組む」という意味のイディオム
- 由来は刃物を研ぐ職人が砥石に顔を近づけて作業する姿からきている
- 日常会話、ビジネス、学校生活など様々なシーンで使える便利な表現
- 「Put your nose to the grindstone」という形でも使われる
- 単なる努力だけでなく、長期間の集中と持続性を表現する
- 中学英語レベルでも使える基本的なイディオム
英語のイディオムを覚えることで、より自然な英語表現ができるようになります。「Keep your nose to the grindstone」を適切に使うことで、あなたの英語力はさらに向上するでしょう。
日常会話や文章の中で積極的に使ってみてください。