「Know-it-all」は英語でよく使われる表現ですが、日本人英語学習者にとってはニュアンスが掴みにくい言葉の一つです。この表現は「全てを知っていると思い込んでいる人」や「知ったかぶり」を意味し、多くの場合はやや否定的なニュアンスを持っています。
本記事では、「Know-it-all」の意味や使い方、実際の例文などを分かりやすく解説していきます。英語初心者でも理解できるように、中学英語レベルの例文も豊富に紹介していきましょう。
「Know-it-all」の基本的な意味

「Know-it-all」は直訳すると「全てを知っている人」という意味ですが、実際には「何でも知っているふりをする人」や「自分は全てを知っていると思い込んでいる人」といったニュアンスで使われることが多い表現です。多くの場合、この言葉には批判的なトーンが含まれており、日本語では「知ったかぶり」「物知り顔の人」などに相当します。
この表現は主に名詞として使われ、「あの人は知ったかぶりだ」といった場面で登場します。「Know-it-all」と呼ばれる人は、自分の知識を誇示したがり、他人の意見に耳を貸さない傾向があるとされています。また、実際に知識が豊富かどうかは関係なく、その態度や姿勢に対して使われる表現です。
「Know-it-all」の語源と成り立ち
この表現は動詞の「know(知る)」と代名詞の「it all(すべて)」が組み合わさった複合語です。19世紀後半から20世紀初頭にかけてアメリカで使われ始めたとされています。元々は口語表現として生まれ、徐々に一般的な表現として定着していきました。
現代では会話だけでなく、書き言葉でも広く使われています。文法的には名詞として使われることが最も一般的ですが、形容詞的に使われることもあります。
「Know-it-all」の使われる場面とニュアンス
「Know-it-all」は主に否定的なニュアンスで使われる言葉です。実際にどのような場面で使われるのか、そのニュアンスについて詳しく見ていきましょう。
例文
- He always acts like a know-it-all in class.(彼はいつもクラスで知ったかぶりのように振る舞う。)
- My brother is such a know-it-all about computers.(兄はコンピューターについてとても知ったかぶりだ。)
- Nobody likes to work with a know-it-all.(知ったかぶりと働くのを好む人はいない。)
否定的な文脈での使用
最も一般的なのは、批判的な文脈での使用です。常に会話を独占したり、質問されていないのに自分の知識を披露したりする人を描写する際に用いられます。
例文
- She is a know-it-all who never listens to others.(彼女は他人の話を聞かない知ったかぶりだ。)
- Don’t be such a know-it-all. Other people have good ideas too.(そんなに知ったかぶりにならないで。他の人にもいい考えがあるよ。)
冗談や親しみを込めた使用
時には、親しい間柄で冗談めかして使われることもあります。特に実際に知識が豊富な人に対して、からかいの意味を込めて使うことがあります。
例文
- My sister is our family know-it-all, but her knowledge often helps us.(姉は家族の知ったかぶりだけど、彼女の知識はよく私たちの役に立つ。)
「Know-it-all」の会話での使い方
実際の会話の中で「Know-it-all」がどのように使われるのかを、いくつかの場面に分けて見ていきましょう。
友人との日常会話での例
例文
- A: I’m tired of Tom always correcting everyone.(トムがいつも皆を訂正するのにうんざりだよ。)
- B: I know, he’s such a know-it-all.(そうだね、彼は本当に知ったかぶりだよ。)
例文
- This book is perfect for my cousin. He’s a real know-it-all about history.(この本はいとこにぴったりだ。彼は歴史について本当に知ったかぶりだから。)
学校や職場での使用例
例文
- Teacher: Please stop interrupting others, John. You’re being a know-it-all again.(ジョン、他の人の邪魔をするのをやめなさい。また知ったかぶりをしているよ。)
- I don’t want to look like a know-it-all, but I think there’s a better way to do this.(知ったかぶりに見られたくないけど、これをするにはもっといい方法があると思う。)
- The new student acts like a know-it-all in every class.(新入生はどのクラスでも知ったかぶりのように振る舞う。)
「Know-it-all」の類義表現と使い分け
「Know-it-all」に似た意味を持つ英語表現はいくつかあります。それぞれニュアンスが少しずつ異なるので、使い分けるようにしましょう。
Smart aleck(生意気な知ったかぶり)
「Smart aleck」は「Know-it-all」よりもさらに否定的なニュアンスを持ち、生意気で傲慢な態度を強調する表現です。
例文
- Don’t be such a smart aleck. You don’t know everything.(そんなに生意気な知ったかぶりをしないで。あなたはすべてを知っているわけじゃない。)
Wise guy(お調子者、生意気な人)
「Wise guy」は知識をひけらかす人というよりは、生意気な態度やふざけた発言をする人を指す表現です。
例文
- Stop being a wise guy and answer the question seriously.(お調子者になるのをやめて、真面目に質問に答えなさい。)
Smarty-pants(生意気な賢い人)
「Smarty-pants」は特に子供や若者に対して使われることが多く、「生意気な賢い人」というニュアンスを持ちます。
例文
- His classmates call him a smarty-pants because he always raises his hand first.(クラスメイトは彼のことを生意気な賢い子と呼んでいる。なぜなら彼はいつも一番に手を挙げるからだ。)
「Know-it-all」を日本語に訳す際の注意点
「Know-it-all」を日本語に訳す場合、状況や文脈によって訳し方が変わります。一般的には以下のような日本語表現が用いられます。
「知ったかぶり」としての訳
最も一般的な訳語は「知ったかぶり」です。実際には詳しくないのに知っているふりをする人を指す場合に使います。
例文
- He’s such a know-it-all about movies.(彼は映画に関してとても知ったかぶりだ。)
「物知り顔」としての訳
実際に知識はあるものの、態度が鼻につく場合には「物知り顔」という訳語が適切なこともあります。
例文
- She answered with a know-it-all smile.(彼女は物知り顔の笑みで答えた。)
「博識家」としての訳
稀に肯定的なニュアンスで使う場合は、「博識家」「何でも知っている人」といった訳になることもあります。
例文
- My uncle is the know-it-all of our family, and we often ask him for advice.(叔父は私たちの家族の博識家で、よく彼にアドバイスを求める。)
「Know-it-all」を使った応用例文
ここではさらに「Know-it-all」を使った様々な例文を紹介します。中学英語レベルの文法と語彙を使用しています。
日常生活での例文
例文
- I can’t stand people who are know-it-alls.(知ったかぶりの人は我慢できない。)
- My little sister has become a know-it-all since she started middle school.(妹は中学校に入学してから知ったかぶりになった。)
- He speaks like a know-it-all, but he often makes mistakes.(彼は知ったかぶりのように話すが、よく間違える。)
- Being a know-it-all will not make you popular.(知ったかぶりになっても人気者にはなれない。)
学校生活での例文
例文
- The new teacher is a bit of a know-it-all.(新しい先生は少し知ったかぶりだ。)
- I don’t want to be seen as a know-it-all by my classmates.(クラスメイトに知ったかぶりと思われたくない。)
- Even the know-it-all in our class couldn’t answer that question.(クラスの知ったかぶりでさえもその質問に答えられなかった。)
職場での例文
例文
- No one wants to work with a know-it-all colleague.(知ったかぶりの同僚と働きたい人はいない。)
- Try not to come across as a know-it-all during your job interview.(面接中に知ったかぶりに見えないようにしよう。)
- The new manager is less of a know-it-all than the previous one.(新しいマネージャーは前任者ほど知ったかぶりではない。)
「Know-it-all」を使わない方が良い場面
「Know-it-all」は否定的なニュアンスを持つ表現のため、使用する場面には注意が必要です。以下のような状況では使用を避けた方が良いでしょう。
目上の人に対して
先生や上司など目上の人に対して「Know-it-all」という表現を直接使うのは失礼にあたります。そのような場合には、より丁寧な表現を選ぶべきです。
初対面の人との会話で
初対面の人との会話で「Know-it-all」を使うと、相手に悪い印象を与える可能性があります。相手をよく知らない場合は使用を控えましょう。
フォーマルな文書や場面で
ビジネス文書やフォーマルなスピーチなど、改まった場面では「Know-it-all」のような口語表現は避け、より適切な表現を選ぶことが望ましいです。
「Know-it-all」の反対の意味を持つ表現
「Know-it-all」の反対の意味を持つ表現にはどのようなものがあるでしょうか。
Humble person(謙虚な人)
「Humble person」は自分の知識や能力を誇示せず、謙虚な態度を持つ人を指します。
例文
- He’s not a know-it-all; he’s a very humble person who listens to others.(彼は知ったかぶりではなく、他人の話を聞く非常に謙虚な人だ。)
Eager learner(熱心な学習者)
「Eager learner」は自分が全てを知っていると思い込むのではなく、常に新しいことを学ぼうとする姿勢を持つ人を指します。
例文
- Instead of being a know-it-all, try to be an eager learner.(知ったかぶりになるのではなく、熱心な学習者になるよう努めよう。)
「Know-it-all」に関するよくある質問
- 「Know-it-all」は常に否定的な意味で使われますか?
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ほとんどの場合、「Know-it-all」は否定的なニュアンスで使われます。しかし、親しい間柄では冗談めかして使われることもあります。文脈や話し手の口調によって判断する必要があります。
- 「Know-it-all」はハイフンで繋ぎますか?
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「Know-it-all」はハイフンで繋いで「know-it-all」と表記することもありますが、現代ではハイフンなしの「know it all」や、すべての単語をハイフンで繋ぐ「know-it-all」のどちらの表記も見られます。最も一般的なのは「know-it-all」の形です。
- 「Know-it-all」は形容詞として使えますか?
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基本的に「Know-it-all」は名詞として使われますが、「know-it-all attitude(知ったかぶりの態度)」のように形容詞的に使うこともできます。
- She has a know-it-all attitude that annoys everyone.(彼女には皆をイライラさせる知ったかぶりの態度がある。)
- 日本語の「物知り」と「Know-it-all」は同じですか?
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日本語の「物知り」は単に知識が豊富な人を指し、比較的肯定的なニュアンスを持ちます。一方、「Know-it-all」は知識をひけらかす態度に焦点を当てた否定的な表現です。より適切な訳語は「知ったかぶり」や「物知り顔」でしょう。
まとめ

この記事では、英語表現「Know-it-all」の意味や使い方について詳しく解説しました。要点をまとめると以下のようになります。
- 「Know-it-all」は「何でも知っているふりをする人」「知ったかぶり」を意味する表現である。
- 主に否定的なニュアンスで使われるが、親しい間柄では冗談めかして使われることもある。
- 名詞として使われることが多く、「He is a know-it-all.(彼は知ったかぶりだ)」のような形で使われる。
- 類義語には「smart aleck」「wise guy」「smarty-pants」などがある。
- 日本語では状況に応じて「知ったかぶり」「物知り顔」「博識家」などと訳される。
- 目上の人や初対面の人に対して、またはフォーマルな場面では使用を避けるべきである。
- 反対の意味を持つ表現には「humble person(謙虚な人)」「eager learner(熱心な学習者)」などがある。
「Know-it-all」という表現を適切に理解し、使いこなせるようになれば、英語でのコミュニケーションの幅がさらに広がるでしょう。ただし、否定的なニュアンスを持つ表現であることを忘れず、使用する場面には十分注意しましょう。