「Let’s go!」や「Let’s eat!」など、英語を学び始めた人なら必ず出会う表現「Let’s」。多くの人が「~しましょう」「~しよう」という意味で覚えているでしょう。しかし、実はこの「Let’s」には、単純な誘いだけではない様々な使い方があることをご存知でしょうか。
英語初学者の方にとって、「Let’s」の適切な使い分けを理解することは、より自然で効果的なコミュニケーションを取る上で非常に重要です。日本語の「~しましょう」をそのまま英語の「Let’s」に置き換えてしまうと、時として不自然な表現になってしまったり、相手に誤解を与えてしまったりする可能性があります。
この記事では、「Let’s」の基本的な意味から応用的な使い方まで、英語初学者の方でも分かりやすく解説していきます。正しい使い分けを身につけて、より豊かな英語表現を手に入れましょう。
「Let’s」の基本的な意味と構造

「Let’s」は「Let us」の短縮形で、文字通り「私たちに~させて」という意味を持っています。しかし、実際の会話では「一緒に~しましょう」「~しよう」という提案や勧誘の表現として使われることがほとんどです。
「Let’s」を使った文の基本構造は非常にシンプルです。「Let’s」の後には必ず動詞の原形が続きます。この基本ルールを覚えておくだけで、多くの場面で正しく使うことができるでしょう。
例えば、「Let’s go to the park.」(公園に行きましょう)、「Let’s have lunch together.」(一緒に昼食を取りましょう)といった具合に、動詞の原形「go」や「have」が「Let’s」の直後に配置されます。
「Let’s」の持つニュアンスとして重要なのは、話し手が相手と一緒に行動することを前提としている点です。つまり、「Let’s」を使った提案は、話し手自身もその行動に参加することを暗示しています。
「Let’s」と「Let us」の違いと使い分け
多くの学習者が混同しがちなのが、「Let’s」と「Let us」の違いです。どちらも同じ意味に思えるかもしれませんが、実際には使用される場面や相手に与える印象が大きく異なります。
「Let’s」はカジュアルな場面で使われることが多く、友人や家族、親しい同僚との会話で頻繁に登場します。一方、「Let us」はより正式な場面や、ビジネスシーンでの提案に適しています。
興味深いことに、「Let us」を省略しない形で使う場合、二つの異なる意味を表現することができます。一つは「Let’s」と同じような提案の意味ですが、よりフォーマルな響きを持ちます。もう一つは、話し手が第三者に対して許可を求める場合の表現です。
例えば、子供たちが親に向かって「Let us go to the party!」と言う場合、これは「私たちをパーティーに行かせて」という許可を求める表現になります。この場合の「us」には、許可を求める相手(親)は含まれていません。
「Let’s」の様々な用法とニュアンス
「Let’s」という短い一言は、英語のコミュニケーションにおいて非常に汎用性が高く、様々な状況で使われます。単に「~しよう」という意味だけでなく、話し手の意図や文脈によって、そのニュアンスは大きく変化します。
ここでは、「Let’s」が持つ多様な意味合いを掘り下げてみましょう。
提案・勧誘としての「Let’s」
最も一般的な「Let’s」の使い方は、相手に何かを提案したり勧誘したりする場面です。この用法では、話し手が相手と一緒に行動することを前提として、優しい調子で提案を行います。
「Let’s watch a movie tonight.」(今夜映画を見ましょう)や「Let’s try this new restaurant.」(この新しいレストランを試してみましょう)など、日常会話でよく使われる表現です。
指示・命令としての「Let’s」
「Let’s」は時として、優しい指示や命令の意味で使われることもあります。特に、教師が生徒に対して、または上司が部下に対して使う場合に、このニュアンスが強くなります。
「Let’s begin the meeting.」(会議を始めましょう)や「Let’s move on to the next topic.」(次の話題に移りましょう)などは、表面的には提案の形を取っていますが、実際には指示の意味合いが強い表現です。
励ましや激励としての「Let’s」
「Let’s」は相手を励ましたり、勇気づけたりする場面でも使われます。このような場合、「Let’s」は「一緒に頑張ろう」「やってみよう」という意味合いを持ちます。
「Let’s give it a try!」(やってみましょう!)や「Let’s do our best!」(頑張りましょう!)などの表現は、相手との連帯感を示しながら前向きな気持ちを表現する際に効果的です。
否定形「Let’s not」の使い方
「Let’s」には否定形も存在します。「Let’s not」は「~しないようにしよう」「~するのはやめておこう」という意味で使われます。
「Let’s not」の構造も基本の「Let’s」と同じで、「Let’s not」の後に動詞の原形が続きます。「Let’s not go out tonight.」(今夜は外出するのをやめておきましょう)や「Let’s not worry about it.」(それについて心配するのはやめておきましょう)といった使い方が一般的です。
この否定形は、何かを避けることを提案する際に使われ、相手に対して優しく「~しない方が良い」ということを伝える効果的な表現です。
「Let’s」への適切な返答方法
「Let’s」を使った提案を受けた際の返答方法も、英語学習者にとって重要なポイントです。正式な返答は「Yes, let’s.」(はい、そうしましょう)または「No, let’s not.」(いいえ、やめておきましょう)ですが、実際の会話ではもっとカジュアルな表現が使われることが多いです。
肯定的な返答としては、「Okay!」「Sure!」「Sounds good!」「Great idea!」などが一般的です。否定的な返答をする場合は、「No, let’s not.」だけでは失礼に聞こえる可能性があるため、理由を添えることが望ましいです。
例えば、「Let’s go to the beach today.」という提案に対して、「Let’s not go today because it’s going to rain.」(今日は雨が降る予定なので、やめておきましょう)というように、理由を説明することで相手に不快感を与えずに断ることができます。
「Let’s」のよくある間違いと注意点
英語初学者が「Let’s」を使う際によく犯す間違いがいくつかあります。これらの間違いを理解し、注意することで、より自然な英語表現が身につくでしょう。
動詞の活用形を間違える
最も多い間違いの一つが、「Let’s」の後に動詞の原形以外の形を置いてしまうことです。日本語では「買い物しよう」と言えますが、英語では「Let’s shopping」とは言えません。正しくは「Let’s go shopping」となります。
「Let’s」の後には必ず動詞の原形が来るという基本ルールを忘れないようにしましょう。「Let’s cooking」ではなく「Let’s cook」、「Let’s playing」ではなく「Let’s play」が正しい表現です。
形容詞を直接置く間違い
もう一つの一般的な間違いが、「Let’s」の後に形容詞を直接置いてしまうことです。「Let’s fun」や「Let’s happy」といった表現は文法的に正しくありません。
「楽しもう」と言いたい場合は「Let’s have fun」、「幸せになろう」と言いたい場合は「Let’s be happy」というように、適切な動詞を使用する必要があります。
不適切な場面での使用
「Let’s」は本来、話し手も一緒に参加することを前提とした表現です。そのため、自分が参加しない行動について「Let’s」を使うのは不適切です。
例えば、アドバイスをする際に「Let’s discuss this with your husband」(あなたの旦那さんとこれについて話し合いましょう)と言っても、実際にはその話し合いに参加しない場合、この表現は不自然になります。
公的な案内での誤用
日本では、公共の場所の案内板などで「Let’s」が不適切に使われている例がよく見られます。「Let’s use the handrail」(手すりを使いましょう)や「Let’s keep quiet」(静かにしましょう)といった表現は、協力的な提案というよりも、ルールや指示として伝えるべき内容です。
このような場合は、「Please use the handrail」(手すりをお使いください)や「Please keep quiet」(お静かにお願いします)といった表現の方が適切です。
場面別「Let’s」の使い分け
「Let’s」という表現は、日常生活からビジネス、教育現場まで、幅広い場面で使われる非常に便利な英語フレーズです。しかし、その使われ方は場面によってニュアンスが異なります。
ここでは、それぞれの場面における「Let’s」の適切な使い方と、それが持つ意味合いについて詳しく見ていきましょう。
カジュアルな場面での「Let’s」
友人や家族との日常会話では、「Let’s」は非常に頻繁に使われます。この場面では、気軽で親しみやすい提案として機能します。
「Let’s grab some coffee」(コーヒーを飲みに行こう)、「Let’s check out that new movie」(あの新しい映画を見に行こう)、「Let’s call it a day」(今日はこれで終わりにしよう)など、様々な場面で自然に使うことができます。
ビジネス場面での「Let’s」
職場では、「Let’s」は会議や打ち合わせで頻繁に使われます。ただし、使い方には注意が必要で、相手との関係性や状況を考慮する必要があります。
「Let’s review the quarterly results」(四半期の結果を検討しましょう)、「Let’s schedule a follow-up meeting」(フォローアップミーティングを設定しましょう)など、協力的な姿勢を示しながら業務を進める際に効果的です。
教育場面での「Let’s」
教室や学習環境では、「Let’s」は指導者が学習者に対して使う優しい指示として機能します。命令的でない表現を使うことで、学習者の参加意欲を高める効果があります。
「Let’s practice pronunciation」(発音の練習をしましょう)、「Let’s work on this problem together」(この問題を一緒に取り組みましょう)といった表現は、学習環境でよく使われます。
「Let’s」と他の提案表現との比較
英語には「Let’s」以外にも様々な提案表現があります。それぞれの表現の特徴を理解することで、より適切な場面で使い分けることができるようになります。
「Why don’t we」との比較
「Why don’t we」は「Let’s」よりも控えめで丁寧な提案表現です。「Why don’t we try the new Italian restaurant?」(新しいイタリアンレストランを試してみませんか?)というように、相手の意見を尊重する姿勢を示します。
「Let’s」が「一緒にしよう」という積極的な提案であるのに対し、「Why don’t we」は「してみてはどうでしょう?」という提案になります。
「Shall we」との比較
「Shall we」は「Let’s」よりもより正式で丁寧な表現です。「Shall we begin the presentation?」(プレゼンテーションを始めましょうか?)のように、フォーマルな場面でよく使われます。
「Shall we」は疑問文の形を取るため、相手の同意を求める姿勢がより明確に表現されます。
「How about」との比較
「How about」は「Let’s」と比べて、より軽い提案や選択肢の提示に使われます。「How about going to the movies?」(映画を見に行くのはどうですか?)のように、複数の選択肢の中から一つを提案する際に適しています。
「Let’s」を使った定型表現
英語には「Let’s」を使った決まり文句や慣用表現が多数存在します。これらの表現を覚えることで、より自然な英語コミュニケーションが可能になります。
よく使われる定型表現
「Let’s see」(えーと、そうですね)は、考えているときや時間稼ぎをするときに使われる便利な表現です。「Let’s go」(行こう)は出発や開始を促す際の定番表現で、日本語でも「レッツゴー」として親しまれています。
「Let’s call it a day」(今日はこれで終わりにしよう)は仕事や作業を終える際に使われ、「Let’s face it」(現実を受け入れよう)は困難な状況を認める際に使われます。
励ましの表現
「Let’s give it a try」(やってみよう)、「Let’s do our best」(頑張ろう)、「Let’s hang in there」(頑張って持ちこたえよう)など、相手を励ます際の表現も覚えておくと便利です。
これらの表現は、困難な状況や挑戦的な課題に直面している相手に対して、連帯感を示しながら前向きな気持ちを伝える効果があります。
文化的背景と「Let’s」の使用頻度
英語圏の文化では、協力的で民主的な意思決定が重視される傾向があります。「Let’s」はこのような文化的背景を反映した表現として、日常的に使われています。
アメリカやイギリスなどの英語圏では、上司が部下に対しても「Let’s」を使って提案することが一般的です。これは、権威的な命令よりも、協力的な提案を好む文化的特徴を表しています。
日本語の「~しましょう」と比べて、英語の「Let’s」はより積極的で行動志向的なニュアンスを持っています。この違いを理解することで、より効果的な英語コミュニケーションが可能になります。
地域による「Let’s」の使用差
英語は世界中で話されている言語であり、地域によって「Let’s」の使用頻度や好まれる表現に違いがあります。
アメリカ英語では「Let’s」が非常に頻繁に使われ、カジュアルな場面からビジネス場面まで幅広く活用されています。一方、イギリス英語では「Shall we」がより好まれる傾向があり、特に正式な場面での使用が多く見られます。
オーストラリアやニュージーランドなどの英語圏でも、「Let’s」は一般的に使われていますが、地域特有の表現や言い回しと組み合わせて使われることがあります。
「Let’s」の発音とアクセント
正しい発音も「Let’s」を効果的に使うための重要な要素です。「Let’s」は /lets/ と発音され、「レッツ」という日本語の発音とは若干異なります。
「Let’s」の「e」は短く発音され、「t」の音はしっかりと発音されます。また、「s」の音も明確に発音することで、より自然な英語に聞こえます。
アクセントは「Let’s」の「Let」の部分に置かれ、続く動詞との組み合わせで文全体のリズムが決まります。正しい発音とアクセントを身につけることで、相手に伝わりやすい英語を話すことができます。
「Let’s」に関するよくある質問
- 「Let’s」と「Let us」は本当に同じ意味なのでしょうか?
-
基本的には同じ意味ですが、使用される場面や与える印象が異なります。「Let’s」はカジュアルな場面で使われることが多く、「Let us」はより正式な場面で使われます。また、「Let us」を省略しない形で使う場合、許可を求める意味になることもあります。
- 「Let’s」の後に来る動詞は必ず原形でなければならないのでしょうか?
-
はい、「Let’s」の後には必ず動詞の原形が続きます。これは英語の文法上の決まりであり、例外はありません。「Let’s going」や「Let’s went」といった表現は正しくありません。
- ビジネスメールで「Let’s」を使っても問題ないでしょうか?
-
ビジネスメールで「Let’s」を使うことは可能ですが、相手との関係性や会社の文化を考慮する必要があります。より正式な場面では「Let us」や「Shall we」を使う方が適切な場合があります。
- 「Let’s not」以外に「Let’s」の否定形はありますか?
-
「Let’s not」が「Let’s」の標準的な否定形です。他の否定の表現方法もありますが、「Let’s not」が最も一般的で自然な表現です。
- 日本語の「~しましょう」をすべて「Let’s」に翻訳しても良いのでしょうか?
-
いいえ、日本語の「~しましょう」と英語の「Let’s」は必ずしも一対一で対応するわけではありません。文脈や相手、場面に応じて適切な表現を選ぶ必要があります。
- 「Let’s」を使った提案を断るときの丁寧な方法は?
-
「Let’s not」だけでなく、理由を添えて断ることが丁寧です。例えば、「Let’s not go today because I have another appointment」のように、理由を説明することで相手に不快感を与えずに断ることができます。
まとめ

この記事では、英語の「Let’s」について、基本的な意味から応用的な使い方まで詳しく解説してきました。「Let’s」は単純な「~しましょう」という意味だけでなく、様々なニュアンスや使い方があることがお分かりいただけたでしょう。
以下に、記事の重要なポイントをまとめておきます。
- 「Let’s」は「Let us」の短縮形で、基本的には提案や勧誘の表現として使われる
- 「Let’s」の後には必ず動詞の原形が続く
- 「Let’s」と「Let us」は使用場面や与える印象が異なる
- 否定形「Let’s not」は「~しないようにしよう」という意味
- 話し手も一緒に参加することを前提とした表現である
- 場面や相手との関係性によって適切な使い分けが必要
- 日本語の「~しましょう」とは必ずしも一対一で対応しない
- 公的な案内や指示には「Please」を使う方が適切
- 地域や文化によって使用頻度や好みに違いがある
- 正しい発音とアクセントも重要な要素である
- 返答する際は相手との関係性を考慮した適切な表現を選ぶ
「Let’s」を正しく理解し、適切に使い分けることで、より自然で効果的な英語コミュニケーションが可能になります。英語学習の初期段階で身につけるべき重要な表現の一つですので、様々な場面で積極的に使って慣れていきましょう。
継続的な練習と実践を通じて、「Let’s」を使った豊かな英語表現を身につけていってください。

