「彼女は先生です」「彼は背が高いです」のような文を英語で表現するとき、「is」という動詞を使いますよね。この「is」のような、主語と補語をつなぐ働きをする動詞を「連結動詞」と呼びます。英語の文法を学ぶ上で、連結動詞の理解は非常に重要です。
この記事では、英語初学者の方でも理解できるよう、連結動詞の基本的な意味から使い方、種類まで、具体的な例文と共に分かりやすく解説します。連結動詞をマスターして、より自然な英語表現ができるようになりましょう。
連結動詞とは?基本的な意味と役割

連結動詞(Linking Verb)とは、主語と補語(主語を説明する語)をつなぐ役割を持つ動詞です。連結動詞は「主語=補語」という等式の関係を作ります。つまり、主語と補語が同じものを指していたり、補語が主語の状態や性質を表したりします。
英語の文型では、主語(S)+動詞(V)+補語(C)となる第2文型で使われます。この文型で使われる動詞が連結動詞です。
例文
- She is a teacher.(彼女は先生です)
- The sky looks blue today.(今日の空は青く見えます)
上の例で「is」と「looks」が連結動詞です。「She = a teacher」「The sky = blue」という関係を表しています。
連結動詞には大きく分けて、「状態を表すもの」「変化を表すもの」「感覚を表すもの」の3種類があります。以下でそれぞれについて詳しく見ていきましょう。
連結動詞の種類と特徴
連結動詞はその意味によっていくつかの種類に分けることができます。ここでは主な3つのタイプについて説明します。
状態を表す連結動詞
状態を表す連結動詞は、主語の状態や性質を表します。最も代表的なのはbe動詞(am, is, are, was, wereなど)です。
その他にも、「remain(〜のままである)」「keep(〜のままでいる)」「stay(〜のままでいる)」などがあります。
例文
- I am a student.(私は学生です)
- She is happy.(彼女は幸せです)
- The weather remains cold.(天気は寒いままです)
- Please keep quiet in the library.(図書館では静かにしていてください)
- My grandmother stays healthy despite her age.(祖母は年齢にもかかわらず健康を保っています)
これらの動詞は、主語の状態が変わらないことを表現します。
変化を表す連結動詞
変化を表す連結動詞は、主語の状態が変わることを表します。
「become(〜になる)」「get(〜になる)」「grow(〜になる)」「turn(〜になる)」「go(〜になる)」などがあります。
例文
- She became a doctor after years of study.(何年も勉強した後、彼女は医者になりました)
- The sky got dark.(空が暗くなりました)
- He grows taller every year.(彼は毎年背が高くなります)
- The leaves turn red in autumn.(紅葉は秋に赤くなります)
- The milk went sour.(牛乳が酸っぱくなりました)
これらの動詞は、主語の状態が一つの状態から別の状態に変化することを表現します。
感覚を表す連結動詞
感覚を表す連結動詞は、主語がどのように感じられるかを表します。「look(〜に見える)」「sound(〜に聞こえる)」「smell(〜の匂いがする)」「taste(〜の味がする)」「feel(〜の感じがする)」などがあります。
また、「seem(〜のようだ)」「appear(〜のように見える)」も感覚を表す連結動詞です。
例文
- He looks tired today.(彼は今日疲れているように見えます)
- The music sounds beautiful.(その音楽は美しく聞こえます)
- These flowers smell sweet.(これらの花は甘い香りがします)
- The soup tastes delicious.(そのスープは美味しい味がします)
- The water feels cold.(その水は冷たく感じます)
- She seems happy with her new job.(彼女は新しい仕事に満足しているようです)
- The problem appears difficult.(その問題は難しいように思えます)
これらの動詞は、五感を通して感じられる主語の状態を表現します。
連結動詞の一覧表と例文
以下に主な連結動詞を一覧表で紹介します。それぞれの動詞の意味と例文を示します。
種類 | 連結動詞 | 意味 | 例文 |
---|---|---|---|
状態 | be (am, is, are, was, were) | 〜である | I am a student.(私は学生です) |
状態 | remain | 〜のままである | The door remained open.(ドアは開いたままでした) |
状態 | stay | 〜のままでいる | She stayed calm during the crisis.(彼女は危機の間も冷静でした) |
状態 | keep | 〜を〜の状態に保つ | He kept silent during the meeting.(彼は会議中ずっと黙っていました) |
変化 | become | 〜になる | She became famous after the movie.(彼女はその映画の後有名になりました) |
変化 | get | 〜になる | It got cold in the evening.(夕方になって寒くなりました) |
変化 | grow | 徐々に〜になる | The children grew tired after playing.(子供たちは遊んだ後疲れてきました) |
変化 | turn | 〜に変わる | His face turned red with anger.(彼の顔は怒りで赤くなりました) |
変化 | go | 〜の状態になる | The milk went bad.(牛乳が腐りました) |
変化 | fall | 突然〜の状態になる | She fell ill last week.(彼女は先週病気になりました) |
感覚 | look | 〜に見える | You look happy today.(あなたは今日幸せそうに見えます) |
感覚 | sound | 〜に聞こえる | That idea sounds interesting.(そのアイデアは面白そうに聞こえます) |
感覚 | smell | 〜の匂いがする | The cake smells good.(そのケーキはいい匂いがします) |
感覚 | taste | 〜の味がする | The soup tastes salty.(そのスープは塩辛い味がします) |
感覚 | feel | 〜と感じる | The water feels cold.(その水は冷たく感じます) |
感覚 | seem | 〜のようだ | He seems tired.(彼は疲れているようです) |
感覚 | appear | 〜のように見える | She appears confused.(彼女は混乱しているように見えます) |
連結動詞と他の動詞の違い
連結動詞と他の動詞(一般動詞や他動詞)の違いを理解することが大切です。
連結動詞vs一般動詞
連結動詞は主語の状態や性質を表しますが、一般動詞は主語の動作や行為を表します。
連結動詞の例
- She is smart.(彼女は賢いです)【状態】
一般動詞の例
- She runs fast.(彼女は速く走ります)【動作】
連結動詞vs他動詞
連結動詞は主語と補語を結びつけますが、他動詞は主語の動作が目的語に向かうことを表します。
連結動詞の例
- The book is interesting.(その本は面白いです)【主語=補語】
他動詞の例
- I read a book.(私は本を読みます)【主語≠目的語】
連結動詞の見分け方
連結動詞を見分けるポイントは、その動詞をbe動詞(is, am, are)に置き換えても文が成立するかどうかです。
成立する場合は連結動詞、成立しない場合は一般動詞や他動詞です。
例文
- She looks happy.(彼女は幸せそうに見えます)
- She is happy.(彼女は幸せです)
「looks」を「is」に置き換えても文が成立するので、この「looks」は連結動詞です。
一方、
例文
- She looks at the picture.(彼女は写真を見ています)
- She is at the picture.( ❌ )
「looks at」を「is」に置き換えると不自然になるので、この「looks at」は連結動詞ではなく、一般動詞です。
連結動詞の使い方とポイント
連結動詞を使いこなすためのポイントをいくつか紹介します。
補語の形
連結動詞の後に来る補語は、名詞または形容詞が一般的です。
名詞の場合は主語と同じものを指し、形容詞の場合は主語の状態や性質を表します。
名詞を補語とする例
- My father is a doctor.(私の父は医者です)
- She became the captain of the team.(彼女はチームのキャプテンになりました)
形容詞を補語とする例
- The baby is cute.(その赤ちゃんはかわいいです)
- The coffee tastes bitter.(そのコーヒーは苦い味がします)
感覚動詞の2つの用法
感覚を表す動詞(look, sound, smell, taste, feel)は、連結動詞として使われる場合と、一般動詞として使われる場合があります。
連結動詞として使う場合
- He looks happy.(彼は幸せそうに見えます)
- The music sounds nice.(その音楽は良い音がします)
一般動詞として使う場合
- He looks at the picture.(彼は写真を見ています)
- I hear the music.(私は音楽を聞きます)
連結動詞として使う場合は後ろに形容詞や名詞が来ますが、一般動詞として使う場合は後ろに前置詞+名詞、または直接目的語が来ます。
代名詞を補語とする場合
代名詞を連結動詞の補語として使う場合は、主格の代名詞(I, he, she, we, they)を使います。
例文
- It is I.(それは私です)
- The winner was she.(勝者は彼女でした)
ただし、口語では「It’s me.」「The winner was her.」のように目的格を使うことも多いです。
英語の連結動詞に関する練習問題
以下の問題の解いて、連結動詞の理解を深めましょう。動詞を必要に応じて変化させてください。
- The coffee ( taste ) delicious.
- She ( become ) a teacher last year.
- The sky ( look ) blue today.
- He ( stay ) quiet during the meeting.
- The baby ( grow ) stronger every day.
- The weather ( remain ) cold all week.
- The room ( smell ) fresh after cleaning.
- The children ( get ) tired after playing.
- My grandmother ( be ) 80 years old.
- The water ( feel ) warm in summer.
- 正しい文を選びなさい
a) She looks happily.
b) She looks happy. - The leaves ( turn ) yellow in autumn.
- That idea ( sound ) good to me.
- My brother ( fall ) ill last week.
- The milk ( go ) bad in the refrigerator.
- His face ( become ) red when he was embarrassed.
- The food ( taste ) too salty for me.
- She ( appear ) confused by the question.
- The situation ( remain ) unchanged for years.
- He ( seem ) interested in learning English.
連結動詞に関するよくある質問
連結動詞に関してよくある質問とその回答をまとめました。
- 連結動詞と一般動詞の違いは何ですか?
-
連結動詞は主語の状態や性質を表し、主語と補語(名詞や形容詞)をつなぐ役割をします。一方、一般動詞は主語の動作や行為を表します。連結動詞は「主語=補語」の関係が成り立ちますが、一般動詞にはそのような関係はありません。
- 「get」と「become」の違いは何ですか?
-
どちらも「〜になる」という変化を表す連結動詞ですが、「get」はより口語的で、一時的な変化や急な変化を表す場合が多いです。「become」はより形式的で、恒久的な変化や段階的な変化を表す場合に使われます。
例:He got angry.(彼は怒った)- 一時的な感情の変化
例:He became a doctor.(彼は医者になった)- 恒久的な地位の変化 - 「seem」と「appear」の違いは何ですか?
-
どちらも「〜のようだ」という意味の連結動詞ですが、「seem」は主観的な印象を表し、「appear」はより客観的な外見や状況に基づく印象を表します。
例:He seems tired.(彼は疲れているようだ)- 話者の主観的印象
例:He appears tired.(彼は疲れているように見える)- 外見からの客観的印象 - 連結動詞の後には必ず補語が必要ですか?
-
はい、連結動詞は不完全自動詞とも呼ばれ、それだけでは意味が完結しないため、後ろに補語(主語を説明する名詞や形容詞)が必要です。「He is.」だけでは意味が不完全ですが、「He is happy.」や「He is a student.」のように補語があれば意味が完結します。
- 「be」以外の連結動詞はどのように覚えればいいですか?
-
連結動詞は大きく「状態を表すもの」「変化を表すもの」「感覚を表すもの」の3つに分類して覚えると効率的です。また、連結動詞かどうかを判断するときは、その動詞をbe動詞に置き換えて文が成立するかどうかで確認することができます。
まとめ

この記事では、英語の連結動詞について詳しく解説しました。
主なポイントをまとめると、
- 連結動詞の基本的な役割
- 主語と補語をつなぐ役割がある
- 「主語=補語」の関係を表す
- 第2文型(SVC)で使われる
- 連結動詞の種類
- 状態を表す連結動詞(be, remain, stay, keepなど)
- 変化を表す連結動詞(become, get, grow, turn, go, fallなど)
- 感覚を表す連結動詞(look, sound, smell, taste, feel, seem, appearなど)
- 連結動詞の特徴
- 補語として名詞または形容詞を取る
- be動詞に置き換えても文が成立する
- 一般動詞や他動詞とは役割が異なる
- 連結動詞の使い方のポイント
- 補語の形(名詞または形容詞)に注意する
- 感覚動詞は連結動詞と一般動詞の2つの用法がある
- 代名詞を補語とする場合は主格を使う(口語では目的格も)
連結動詞は英語の文法の中でも特に重要な要素であり、正しく使うことで、より自然で豊かな英語表現ができるようになります。
この記事で紹介した例文や練習問題を通して、連結動詞の理解を深め、英語力を向上させてください。