「matter」は英語の中でも多様な使い方を持つ単語です。名詞として「物質」「問題」「事柄」などを表し、動詞として「重要である」「問題になる」という意味を持ちます。日常会話からビジネスシーンまで幅広く使われる単語なので、その意味と使い方をしっかり理解しておきましょう。
この記事では、英語初心者の方でも理解できるように、「matter」の意味と使い方を例文を交えて詳しく解説します。
matterとは?基本的な意味と使い方

「matter」は名詞としても動詞としても使われる英単語です。最も基本的な意味としては「物質」「問題」「事柄」などを指す名詞として使われることが多いですが、「重要である」「問題になる」という意味の動詞としても頻繁に登場します。また、「no matter」「what’s the matter」などの重要なフレーズの一部としても使われる便利な単語です。
「matter」は英語学習の早い段階で出会う単語の一つで、「What’s the matter?(どうしたの?)」という表現は中学校でも習います。しかし、その多様な意味や使い方を完全に理解するには少し時間がかかるかもしれません。この記事では、「matter」の様々な側面を例文と共に紹介し、日本人英語学習者がよく混乱するポイントについても解説します。
matterの名詞としての意味と使い方
名詞としての「matter」には複数の意味があります。文脈によって意味が変わるので、使われている状況を理解することが大切です。ここでは、主な意味と例文を紹介します。
物質・物体としてのmatter
科学や物理学の文脈では、「matter」は「物質」「物体」を意味します。目に見える世界を構成している物質を指す場合に使われます。
例文
- Everything in the universe is made up of matter.
(宇宙のすべてのものは物質でできています。) - There are three states of matter: solid, liquid, and gas.
(物質には固体、液体、気体の三つの状態があります。) - Scientists study the properties of matter.
(科学者たちは物質の特性を研究しています。)
問題・事柄としてのmatter
日常会話では、「matter」は「問題」「事柄」「案件」といった意味で使われることが多いです。何か話題になっていることや、考慮すべきことを指します。
例文
- This is a serious matter.
(これは深刻な問題です。) - We need to discuss an important matter.
(重要な事柄について話し合う必要があります。) - What’s the matter with you today?
(今日はどうしたの?) - Family matters should be kept private.
(家族の問題はプライベートに保つべきです。)
その他の名詞としての使い方
「matter」には上記以外にも、特定の状況で使われる意味があります。
膿(うみ):医学的な文脈で、傷口から出る膿を指すことがあります。
- The wound began to produce matter.
(傷口から膿が出始めました。)
印刷物・出版物:「printed matter」のような表現で、印刷されたものを表します。
- Please send all printed matter to this address.
(すべての印刷物をこの住所に送ってください。)
matterの動詞としての意味と使い方
「matter」は動詞としても頻繁に使われます。その意味は主に「重要である」「問題になる」というものです。
重要である・問題になる
動詞としての「matter」は、何かが重要であることや意味があることを表します。否定形で使われることも多く、その場合は「重要ではない」「問題ではない」という意味になります。
例文
- Your opinion matters to me.
(あなたの意見は私にとって重要です。) - Does it matter if I come a little late?
(少し遅れて来ても問題ありませんか?) - It doesn’t matter what color you choose.
(どの色を選んでも構いません。) - Health matters more than money.
(お金より健康の方が重要です。)
よく使われる表現
動詞「matter」を使ったよく知られている表現をいくつか紹介します。
例文
- It doesn’t matter.
(大丈夫です。問題ありません。) - That doesn’t matter to me.
(それは私にとって重要ではありません。) - Does it matter to you?
(あなたにとって重要ですか?) - Why does it matter so much to you?
(なぜそれがあなたにとってそんなに重要なのですか?)
matterを使った重要なフレーズと表現
「matter」を含む重要な表現やフレーズがいくつかあります。これらは英会話でよく使われるので、ぜひ覚えておきましょう。
What’s the matter?
「What’s the matter?」は「どうしたの?」「何か問題があるの?」という意味の表現です。相手が困っていたり、悲しそうにしていたりする時によく使います。
例文
- What’s the matter with you? You look sad.
(どうしたの?悲しそうに見えるよ。) - What’s the matter with your computer?
(あなたのコンピューターはどうしたの?)
It doesn’t matter
「It doesn’t matter」は「それは重要ではない」「問題ない」「構わない」という意味です。何かが重要ではないことを伝えたい時に使います。
例文
- It doesn’t matter if you make a mistake.
(間違えても大丈夫です。) - It doesn’t matter what time we leave.
(何時に出発しても構いません。)
No matter what/how/who/when/where
「No matter」に疑問詞を組み合わせた表現は、「〜に関係なく」「たとえ〜であっても」という意味になります。このフレーズは条件に関わらず何かが真実であることを強調する時に使います。
例文
- No matter what happens, I will always be your friend.
(何が起きても、私はいつもあなたの友達です。) - No matter how tired I am, I always walk my dog.
(どんなに疲れていても、私はいつも犬を散歩に連れて行きます。) - No matter who calls, I don’t want to answer the phone.
(誰が電話をかけてきても、電話に出たくありません。) - No matter when you come, I will welcome you.
(いつ来ても、私はあなたを歓迎します。) - No matter where we go, we can find good food.
(どこへ行っても、おいしい食べ物を見つけることができます。)
A matter of…
「A matter of…」は「〜の問題」「〜の事柄」という意味のフレーズです。何かが特定の要素によって決まることを示します。
例文
- It’s a matter of time before he succeeds.
(彼が成功するのは時間の問題です。) - This is a matter of life and death.
(これは死活問題です。) - It’s just a matter of practice.
(それは単に練習の問題です。) - Learning English is a matter of patience.
(英語を学ぶのは忍耐の問題です。)
matterのよくある間違いと注意点
「matter」を使う際によくある間違いや注意すべき点をいくつか紹介します。
和製英語の「マター」と英語の「matter」の違い
日本のビジネスシーンでは「営業マター」「人事マター」のように「担当」「責任」「案件」という意味で使われることがありますが、このような使い方は和製英語です。英語のネイティブスピーカーには通じない可能性があるので注意しましょう。
英語で「~の担当」という場合は、「in charge of」や「responsible for」などの表現を使います。
動詞の「matter」と進行形
動詞の「matter」は状態を表す動詞なので、通常、進行形(〜ing形)では使いません。「It is mattering」ではなく「It matters」が正しい表現です。
「matter」と「problem」「issue」の違い
「matter」「problem」「issue」はすべて日本語で「問題」と訳せますが、ニュアンスが異なります。
一般的に「problem」は解決すべき問題、「issue」は懸念事項や議論の対象となる問題、「matter」は中立的な「事柄」や「案件」という意味合いが強いです。
否定文での使い方
「It doesn’t matter」は「問題ない」という肯定的な意味になります。これは「問題(matter)がない」ということを表しているためです。
初学者はこの否定文が持つ肯定的なニュアンスに混乱することがあります。
「No matter」と「It doesn’t matter」の違い
「No matter what」と「It doesn’t matter what」は似ていますが、使い方が異なります。「No matter what」は「何であれ〜」という意味で、条件節の一部として使われます。
一方、「It doesn’t matter what」は「何であれ重要ではない」という完全な文です。
matterに関する問題
「matter」の意味と使い方をしっかり理解できたか確認するために、以下の問題に挑戦してみましょう。各問題は「matter」の異なる使い方を問うものになっています。まずは自分で答えを考えてから、解答を確認してください。
- 「It doesn’t matter to me.」の正しい意味はどれですか?
a) それは私には関係ありません。
b) それは私を悩ませています。
c) それは私の問題です。
d) それは私にとって物質的です。 - 「What’s the matter with you?」は通常どのような状況で使いますか?
a) 相手の名前を尋ねるとき
b) 相手の調子が悪そうなとき
c) 相手に何か提案するとき
d) 相手を褒めるとき - 次の文の空欄に最も適切な表現を入れてください。
「_ how hard he studies, he can’t pass the test.」
a) It doesn’t matter
b) What’s the matter
c) No matter
d) A matter of - 「This is a matter of time.」の意味として最も適切なものはどれですか?
a) これは時間の浪費です。
b) これは時間の問題です。(いずれ起こる)
c) これは時間に関する事柄です。
d) これは時間を測ることです。 - 次の文で「matter」の品詞は何ですか?
「Your opinion matters a lot.」
a) 名詞
b) 動詞
c) 形容詞
d) 副詞 - 「No matter what he says, don’t believe him.」を別の表現に言い換えるとどれが最も適切ですか?
a) It doesn’t matter what he says, don’t believe him.
b) Whatever he says, don’t believe him.
c) What matters is what he says, don’t believe him.
d) The matter is what he says, don’t believe him. - 科学の文脈での「matter」の最も一般的な意味は何ですか?
a) 問題
b) 事柄
c) 物質
d) 重要性 - 「This is a serious matter that requires immediate attention.」の「matter」に最も近い意味の単語はどれですか?
a) problem
b) substance
c) importance
d) material - 「To make matters worse, it started to rain.」の意味として最も適切なものはどれですか?
a) 物事をより悪くするために、雨が降り始めた。
b) さらに悪いことに、雨が降り始めた。
c) 問題を解決するために、雨が降り始めた。
d) 物質を作るために、雨が降り始めた。 - 次の文の「matter」は何を指していますか?
「The doctor examined the matter coming from the wound.」
a) 問題
b) 事柄
c) 膿(うみ)
d) 重要性
「matter」に関するよくある質問
- 「matter」と「problem」の違いは何ですか?
-
「matter」は「事柄」「問題」「物質」など幅広い意味を持ちますが、「problem」は主に「解決すべき問題」を意味します。「matter」はニュートラルな意味合いを持つことが多いのに対し、「problem」はネガティブな意味合いが強いです。
- 「What’s the matter?」と「What’s wrong?」はどう違いますか?
-
どちらも「どうしたの?」という意味ですが、「What’s the matter?」のほうがより一般的でカジュアルな表現です。「What’s wrong?」は「何か悪いことがあるの?」というニュアンスがより強く出ます。
- 「matter」を使った他の一般的な表現はありますか?
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「as a matter of fact(実は)」「a matter of opinion(意見の問題)」「a matter of course(当然のこと)」などがあります。これらはすべて英会話でよく使われる表現です。
- 「It matters」と「It’s important」はどう違いますか?
-
基本的には同じ意味ですが、「It matters」のほうが「それは意味がある」「それは重要である」というニュアンスが強く、より感情的な表現です。「It’s important」はより客観的な表現です。
- 「No matter what」は日本語で何と訳しますか?
-
「何があっても」「どんなことがあっても」という意味になります。条件に関係なく、という意味を表します。
- 「matter」が付くよく使われるフレーズは?
-
「a matter of time(時間の問題)」「a matter of fact(事実の問題)」「a matter of life and death(死活問題)」などがあります。これらは日常会話やビジネス英語でもよく使われます。
- 「matter」の反対語は何ですか?
-
文脈によって異なりますが、動詞としての「matter(重要である)」の反対は「not matter(重要でない)」や「be irrelevant(関係ない)」となります。
- 「No matter」と「It doesn’t matter」の違いは?
-
「No matter」は「~に関係なく」という意味で、通常その後に疑問詞(what, who, when, where, how)が続きます。一方、「It doesn’t matter」は「それは重要ではない」「問題ない」という意味の完全な文です。
- 「a matter of」はどのように使いますか?
-
「a matter of + 名詞」の形で使われ、「〜の問題」「〜の事柄」という意味になります。例えば「a matter of time(時間の問題)」「a matter of choice(選択の問題)」などです。
- 日本語の「マター」と英語の「matter」は同じですか?
-
日本のビジネス用語で使われる「マター」(例:営業マター、人事マター)は和製英語であり、英語ネイティブには通じない場合があります。英語の「matter」は主に「事柄」「問題」「物質」などを意味します。
まとめ

この記事では英単語「matter」の意味と使い方について詳しく解説しました。「matter」は名詞としても動詞としても使われる汎用性の高い単語で、様々な文脈で異なる意味を持ちます。
日常会話からビジネス、科学まで幅広い場面で使われるため、英語学習者にとって重要な単語と言えるでしょう。以下に「matter」に関する重要なポイントをまとめます。
- 「matter」は名詞として「物質」「問題」「事柄」などの意味を持つ
- 動詞としては「重要である」「問題になる」という意味になる
- 「What’s the matter?」は「どうしたの?」という意味でよく使われる
- 「It doesn’t matter」は「問題ない」「大丈夫」という意味
- 「No matter」に疑問詞を組み合わせて「〜に関係なく」という表現ができる
- 「a matter of」で「〜の問題」「〜の事柄」という表現になる
- 日本語の「マター」と英語の「matter」は意味が異なる場合があるので注意
- 「matter」「problem」「issue」はすべて「問題」と訳せるが、ニュアンスが異なる
「matter」は英語を使う上で避けて通れない基本的な単語の一つです。この記事で紹介した例文や表現を参考に、実際の会話の中で積極的に使ってみてください。使うことで自然と理解が深まり、英語力の向上につながります。
英語の学習は継続が大切ですので、毎日少しずつでも触れる機会を作りましょう。