「may」は英語の助動詞の一つです。主に可能性や許可を表現する際に使われる重要な語で、英語コミュニケーションの中で頻繁に登場します。初心者にとっては使い方が少し難しく感じるかもしれませんが、基本を理解すれば自然に使いこなせるようになります。
この記事では、「may」の基本的な意味から実践的な使い方まで、わかりやすい例文を交えながら詳しく解説していきます。特に、可能性・許可・願望といった主要な用法を中心に、中学英語レベルで理解できるように説明します。
「may」とは?助動詞の基本

「may」は英語の助動詞のひとつで、主動詞に特別な意味や機能を追加する役割を持っています。助動詞には「can」「must」「should」などもありますが、「may」は主に「〜かもしれない」という可能性や「〜してもよい」という許可を表します。
助動詞としての「may」には以下のような重要な特徴があります。
- 主語の人称や数に関係なく形が変わらない(三人称単数形でも-sがつかない)
- 後ろには必ず動詞の原形が来る
- 単独では使われず、常に主動詞と一緒に使う
例文
- It may rain tomorrow.(明日は雨が降るかもしれない。)
- She may be at home now.(彼女は今家にいるかもしれない。)
- You may use my pen.(私のペンを使ってもいいですよ。)
「may」を使うことで、確信がないことや許可を与える場面など、様々な状況を適切に表現することができます。
「may」の主な使い方
「may」には主に3つの基本的な使い方があります。それぞれの用法について、具体的な例文とともに見ていきましょう。
可能性を表す「may」
「may」の最も一般的な使い方は、何かが起こる可能性があることを表現することです。日本語では「〜かもしれない」と訳されることが多いです。
例文
- It may snow tonight.(今夜は雪が降るかもしれない。)
- She may come to the party.(彼女はパーティーに来るかもしれない。)
- I may be late for school tomorrow.(明日学校に遅れるかもしれない。)
- My brother may know the answer.(兄は答えを知っているかもしれない。)
現在の状況についての可能性を表現する場合にも使えます。
例文
- Tom is not in the classroom. He may be in the library.(トムは教室にいない。彼は図書館にいるかもしれない。)
この使い方の「may」は、話し手が確信を持っていないけれども、ある程度の可能性があると考えていることを示します。
許可を表す「may」
「may」のもう一つの重要な使い方は、許可を求めたり与えたりする場合です。特にフォーマルな状況や丁寧な表現として使われます。
許可を求める例文
- May I come in?(入ってもいいですか?)
- May I use your dictionary?(あなたの辞書を使ってもいいですか?)
- May we go home now?(今帰ってもいいですか?)
許可を与える例文
- You may leave when you finish.(終わったら帰ってもいいですよ。)
- Students may use calculators during the test.(生徒はテスト中に電卓を使ってもよい。)
「may」は「can」よりもフォーマルで丁寧な表現です。教室や公式な場面では「may」を使うことが多いです。
願望を表す「may」
あまり一般的ではありませんが、「may」は願望や祈りを表現するためにも使われます。この用法は、やや古風または文語的な表現ですが、特定の場面ではよく使われます。
例文
- May you have a wonderful birthday!(素晴らしい誕生日をお過ごしください!)
- May all your dreams come true.(あなたの夢がすべて叶いますように。)
- May you be happy always.(いつも幸せでありますように。)
この用法は主に祈りや願い、祝福の表現として使われます。文の先頭に「May」を置くのが特徴です。
「may」と「might」の違い
「may」と「might」はどちらも可能性を表す助動詞ですが、微妙な違いがあります。一般的に、「might」は「may」よりも可能性が低いことを示すことが多いです。
また、「might」は「may」の過去形としても使われます。
現在または未来の可能性についての例文
- It may rain tomorrow.(明日雨が降るかもしれない。)[可能性が比較的高い]
- It might rain tomorrow.(明日雨が降るかもしれない。)[可能性がやや低い]
過去の可能性について言及する場合
- I may have left my book at school.(本を学校に忘れてきたかもしれない。)
- She might have missed the bus.(彼女はバスに乗り遅れたかもしれない。)
「might」の丁寧な依頼
- Might I borrow your pencil?(鉛筆をお借りしてもよろしいでしょうか?)[とても丁寧な表現]
英語の母語話者でも、日常会話では「may」と「might」をほぼ同じ意味で使うことも多いですが、書き言葉や正式な場面では違いを意識した使い分けがされます。
「may」の否定形と疑問形
「may」の否定形は「may not」で、「〜ではないかもしれない」(可能性の否定)または「〜してはいけない」(許可の否定)という意味になります。
否定形の例文
- She may not come to school today.(彼女は今日学校に来ないかもしれない。)[可能性の否定]
- You may not enter this room.(あなたはこの部屋に入ってはいけない。)[許可の否定]
「may not」には省略形はなく、常に完全な形で使います。「mayn’t」という形は辞書に載っていることもありますが、実際の会話ではほとんど使われません。
「may」の疑問形は、主語と「may」を入れ替えることで作ります。ただし、可能性を尋ねる場合はあまり一般的でなく、主に許可を求める場合に使われます。
疑問形の例文
- May I go to the bathroom?(トイレに行ってもいいですか?)
- May we play outside?(外で遊んでもいいですか?)
可能性について質問する場合は、通常「Do you think…may…?」のような形を使います。
例文
- Do you think it may rain later?(後で雨が降るかもしれないと思いますか?)
英語では、「may」の疑問形よりも「Can…?」や「Could…?」を使った質問の方が日常会話では一般的です。
「may」と関連表現
「may」は他の語と組み合わさることで、様々な表現が作れます。ここでは、よく使われる「may」の関連表現をいくつか紹介します。
may be と maybe
初心者がよく混同するのが「may be」と「maybe」です。
「may be」は助動詞「may」と動詞「be」の組み合わせで、「〜かもしれない」という意味になります。
例文
- She may be tired.(彼女は疲れているかもしれない。)
- It may be difficult.(それは難しいかもしれない。)
一方、「maybe」は一語の副詞で、「おそらく」「たぶん」という意味を持ちます。文頭に置かれることが多いです。
例文
- Maybe he will come tomorrow.(たぶん彼は明日来るでしょう。)
- Maybe it’s too late.(おそらくもう遅すぎるでしょう。)
may as well
「may as well」は「どうせなら〜した方がいい」「〜するのと同じくらいよい」という意味の表現です。
例文
- It’s raining. We may as well stay home.(雨が降っている。どうせなら家にいた方がいい。)
- Since you’re already here, you may as well join us.(もうここにいるのだから、どうせなら私たちと一緒に参加しなさい。)
may well
「may well」は「十分〜かもしれない」「おそらく〜だろう」という意味で、可能性がかなり高いことを示します。
例文
- He may well become a famous doctor.(彼はおそらく有名な医師になるだろう。)
- This may well be the best solution.(これはおそらく最良の解決策だろう。)
これらの表現を覚えておくと、より自然で豊かな英語表現ができるようになります。
「may」のよくある間違いと注意点
「may」を使用する際によくある間違いと注意点をいくつか紹介します。
- 「may」の後ろに「to」を付けない
✕ I may to go.
○ I may go.(私は行くかもしれない。) - 三人称単数でも「s」を付けない
✕ He mays come.
○ He may come.(彼は来るかもしれない。) - 否定形は「don’t may」ではなく「may not」
✕ I don’t may go.
○ I may not go.(私は行かないかもしれない。) - 「maybe」と「may be」の混同に注意
「maybe」は副詞で「おそらく」という意味(文頭によく置かれる)
「may be」は「〜かもしれない」という意味の助動詞+動詞 例:
Maybe I will go to the park.(おそらく私は公園に行くだろう。)
I may be going to the park.(私は公園に行くかもしれない。) - 「can」と「may」の混同
許可を求める場合、「can」はカジュアルで「may」はフォーマル 例:
Can I open the window?(窓を開けてもいい?)[カジュアル]
May I open the window?(窓を開けてもよろしいでしょうか?)[フォーマル] - 「may」と「must」の混同
「may」は可能性を表しますが、「must」は確信や必要性を表します。 例:
It may be cold outside.(外は寒いかもしれない。)[可能性]
It must be cold outside.(外はきっと寒いだろう。)[確信]
これらの間違いに注意することで、より正確に「may」を使いこなせるようになります。
「may」に関する問題
「may」は英語で「~かもしれない」「~してもよい」という意味を持つ助動詞で、可能性や許可を表現する際によく使われます。この見出しでは、「may」に関連する文法や意味を理解するための問題を用意しました。
ただし、すべての回答が「may」になるわけではなく、他の助動詞や表現も含めています。これにより、文脈に応じた適切な選択を練習することができます。
- 次の文を完成させてください。
“It ___ rain tomorrow, so take an umbrella with you.” - 許可を求める文として正しいものを選んでください。
a) Must I open the window?
b) May I open the window?
c) Should I open the window? - 次の文を完成させてください。
“She ___ be at home, but I’m not sure.” - 次の文に最も適切な助動詞を入れてください。
“You ___ finish your homework before playing video games.” - 次の文に最も適切な助動詞を入れてください。
“We ___ go to the park if it stops raining.” - 許可を与える文として正しいものを選んでください。
a) You must leave now.
b) You may leave now.
c) You can leave now. - 次の文に最も適切な助動詞を入れてください。
“He ___ know the answer, but we need to ask him first.” - 次の文に最も適切な助動詞を入れてください。
“Students ___ bring their own calculators for the exam.” - 次の文に最も適切な助動詞を入れてください。
“I ___ have left my keys at home.” - 次の文に最も適切な助動詞を入れてください。
“You ___ be careful when crossing the street.”
「may」の他の助動詞との比較
英語には「may」以外にも様々な助動詞があります。ここでは、「may」と他の主要な助動詞との違いを比較してみましょう。
「may」と「can」
「can」は主に能力や一般的な可能性を表しますが、「may」は特定の状況における可能性や許可を表します。
例文
- I can swim.(私は泳ぐことができる。)[能力]
- It may rain tomorrow.(明日は雨が降るかもしれない。)[可能性]
許可を求める場合、「can」はカジュアルな表現、「may」はフォーマルな表現です。
例文
- Can I go out?(外出してもいい?)[カジュアル]
- May I go out?(外出してもよろしいでしょうか?)[フォーマル]
「may」と「must」
「may」は可能性を表しますが、「must」は必要性や強い確信を表します。
例文
- You may be right.(あなたは正しいかもしれない。)[可能性]
- You must be right.(あなたはきっと正しいに違いない。)[強い確信]
例文
- You may study now.(今勉強してもいいですよ。)[許可]
- You must study now.(今勉強しなければなりません。)[義務]
「may」と「should」
「may」は可能性や許可を表しますが、「should」は助言や期待を表します。
例文
- It may rain later.(後で雨が降るかもしれない。)[可能性]
- You should take an umbrella.(傘を持っていくべきです。)[助言]
これらの違いを理解することで、状況に応じて適切な助動詞を選べるようになります。
「may」を使った日常表現
「may」は日常会話でもよく使われます。以下に、覚えておくと便利な「may」を使った表現をいくつか紹介します。
例文
- You may be right.(あなたは正しいかもしれませんね。)
- 相手の意見に対して、同意の可能性を示す丁寧な表現
- That may be so, but…(それはそうかもしれませんが…)
- 相手の意見を部分的に認めつつ、異なる視点を提示する時の表現
- May I help you?(何かお手伝いしましょうか?)
- 店員がよく使う丁寧な表現
- You may want to…(〜した方がいいかもしれませんよ。)
- 丁寧なアドバイスを与える表現
- May I suggest…(〜を提案してもよろしいでしょうか。)
- 丁寧に提案を行う表現
これらの表現は、フォーマルな場面や丁寧な会話で特に役立ちます。
「may」に関するよくある質問
- 「may」と「can」の違いは何ですか?
-
「may」と「can」はどちらも許可を表現できますが、「may」はより丁寧でフォーマルな表現です。また、「may」は可能性を表現するのに使われますが、「can」は能力や一般的な可能性を表現します。
- 「may」の過去形は何ですか?
-
「may」の過去形は「might」です。過去の文脈で使用したり、より低い可能性を示したりする場合に使用します。
- 「may have + 過去分詞」の意味は何ですか?
-
「may have + 過去分詞」は過去の可能性を表現します。例えば「He may have gone home.」は「彼は家に帰ったかもしれない」という意味です。
- 「May」で始まる文はどのような意味ですか?
-
「May」で始まる文は、多くの場合、祈りや願望を表します。例えば「May you have a great day!」は「良い一日をお過ごしください」という願いを表現しています。
- 「maybe」と「may be」の違いは何ですか?
-
「maybe」は副詞で「おそらく」という意味を持ち、文頭によく置かれます。一方、「may be」は助動詞と動詞の組み合わせで「〜かもしれない」という意味になります。
- 「may」と「shall」はどう違いますか?
-
「may」は主に可能性や許可を表しますが、「shall」は提案、申し出、または未来のことについて話す時に使われます。例えば「Shall we go?」は「行きましょうか?」という提案を意味します。
- ビジネス英語で「may」はよく使われますか?
-
はい、ビジネス英語では「may」がよく使われます。特にフォーマルなメールや会議の場で、丁寧に許可を求めたり、可能性について述べたりする場合に適しています。
- 「may」と「might as well」の関係は?
-
「might as well」は「どうせなら〜した方がいい」という意味を持つ慣用表現です。例:「If it’s raining, we might as well stay home.」(雨が降っているなら、どうせなら家にいた方がいいだろう。)
まとめ

この記事では、英語の助動詞「may」の意味と使い方について詳しく解説しました。「may」は主に可能性、許可、願望を表現するために使用される重要な助動詞です。
正しく使うことで、あなたの英語表現の幅が広がり、より自然な英語を話せるようになるでしょう。以下が今回の記事のポイントです。
- 「may」は助動詞の一つで、主に可能性や許可を表現する
- 可能性を表す場合は「〜かもしれない」という意味になる
- 許可を表す場合は「〜してもよい」という意味になる
- 願望を表す場合は「〜でありますように」という意味になる
- 「may」と「might」は似ているが、「might」はより可能性が低いことを示すことが多い
- 「may」の否定形は「may not」である
- 「may」の後ろには必ず動詞の原形が来る
- 「maybe」と「may be」は意味が異なるので注意が必要
- 「may」はフォーマルな場面で特に役立つ表現である
- 「may」を使った慣用表現を覚えておくと、英語表現の幅が広がる
英語の助動詞の使い方を理解することは、自然な英語表現を身につける上で非常に重要です。「may」を適切な場面で正しく使えるようになれば、より正確で豊かな英語表現ができるようになるでしょう。
日常会話や文章の中で積極的に使ってみて、実践的に身につけていくことをお勧めします。