moduloは主に数学やプログラミングで使用される演算子(操作記号)で、ある数を別の数で割った際の「余り」を求める際に用いられます。英語の中では名詞または前置詞として扱われることが多く、しばしば「mod」と略されることもあります。
この概念は日常会話ではあまり使われませんが、プログラミングや数学を学ぶ際には基礎的かつ重要な概念となります。本記事では、moduloの意味から使い方、具体的な例文まで、英語初学者にも分かりやすく解説していきます。
moduloとは?数学とプログラミングの基本概念

moduloは、ある数を別の数で割った時の「余り」を求める数学的な演算を指します。例えば、7を3で割ると商は2で余りは1となりますが、この「余り1」を求める操作がmodulo演算です。数学では「7 mod 3 = 1」と表記し、プログラミングでは「7 % 3 = 1」のように「%」記号を使って表現することが一般的です。
この概念は小学校で習う割り算の余りと同じものですが、数学やプログラミングでは非常に幅広い用途があります。例えば、時計の時間計算(12時間経過すると0時に戻る)や曜日の計算(7日経過すると同じ曜日に戻る)など、日常生活でも実はmodulo演算が隠れています。
moduloの数学的な定義
数学的には、a modulo b(またはa mod b)は「aをbで割った余り」と定義されます。これは次の式で表すことができます。
a mod b = a – b * floor(a/b)
ここでfloor(x)は、x以下の最大の整数を表します。例えば、floor(3.7)は3です。
moduloの記号表現
moduloは様々な表記方法があります。
表記方法 | 例 | 読み方 |
---|---|---|
mod | 7 mod 3 = 1 | 「7 mod 3 は 1」 |
% | 7 % 3 = 1 | 「7 パーセント 3 は 1」または「7 mod 3 は 1」 |
(mod n) | 7 ≡ 1 (mod 3) | 「7 は 1 と合同 modulo 3」 |
moduloの基本的な使い方
moduloの基本的な使い方は非常にシンプルです。「A modulo B」という形で、AをBで割った時の余りを求めることができます。英語では「A modulo B」や「A mod B」と表現します。
実際の使用例を見てみましょう。
例文
- The remainder when 17 is divided by 5 is 2, so 17 modulo 5 equals 2.(17を5で割った余りは2なので、17 modulo 5は2になります。)
- In programming, we write 17 % 5 to calculate the modulo.(プログラミングでは、moduloを計算するために17 % 5と書きます。)
moduloは日常生活の様々な場面にも応用されています。例えば、時計の時間計算はmodulo 12(12時間制)またはmodulo 24(24時間制)の一例です。
13時は1時として表示されますが、これは「13 modulo 12 = 1」の結果です。
日常生活でのmodulo
日常生活では明示的に「modulo」という言葉を使わなくても、この概念は頻繁に使われています。
例文
- The clock shows 3 o’clock after 15 hours because 15 modulo 12 equals 3.(時計は15時間後に3時を示します。なぜなら15 modulo 12は3だからです。)
- We will meet again on the same day of the week after 14 days because 14 modulo 7 equals 0.(14日後に同じ曜日に再会します。なぜなら14 modulo 7は0だからです。)
moduloの具体的な例と活用シーン
moduloは様々な場面で活用されます。以下に具体的な例を挙げてみましょう。
時刻計算におけるmodulo
時計の時間表示は典型的なmodulo演算の例です。24時間制の時計で「今から30時間後は何時か」を考えるとき、(現在の時刻 + 30) % 24 という計算をします。
例文
- I will arrive at 9 o’clock tomorrow because (3 + 30) modulo 24 equals 9.(明日の9時に到着します。なぜなら(3 + 30) modulo 24は9だからです。)
曜日計算におけるmodulo
曜日も7日で一周するため、modulo 7を使って計算できます。
例文
- Today is Monday. The day after 10 days will be Thursday because (1 + 10) modulo 7 equals 4.(今日は月曜日です。10日後は木曜日になります。なぜなら(1 + 10) modulo 7は4だからです。)
偶数・奇数判定におけるmodulo
数値が偶数か奇数かを判定するには、2で割った余りを見ます。
例文
- If a number modulo 2 equals 0, it is an even number.(もし数値を2で割った余りが0なら、それは偶数です。)
- Six is an even number because 6 modulo 2 equals 0.(6は偶数です。なぜなら6 modulo 2は0だからです。)
- Seven is an odd number because 7 modulo 2 equals 1.(7は奇数です。なぜなら7 modulo 2は1だからです。)
データ構造におけるmodulo
プログラミングでは、ハッシュテーブルというデータ構造でmodulo演算がよく使われます。これは大きな数値を特定の範囲内の値に変換するために使用されます。
例文
- We use modulo to convert the large ID number 12345 to a smaller index 45 by calculating 12345 modulo 100.(moduloを使って大きなID番号12345を、12345 modulo 100を計算することで小さなインデックス45に変換します。)
moduloを使った計算方法
moduloの計算は基本的に割り算の余りを求めるだけですが、いくつかのケースで注意が必要です。
基本的な計算手順
- 最初の数(被除数)を2番目の数(除数)で割ります
- 商を求めます(小数点以下は切り捨て)
- 元の被除数から「除数×商」を引いた値が余り(modulo)です
例文
- To calculate 17 modulo 5, we divide 17 by 5, which gives 3 with a remainder of 2.(17 modulo 5を計算するには、17を5で割ります。商は3で余りは2です。)
負の数でのmodulo計算
負の数のmodulo計算は、プログラミング言語によって結果が異なることがあります。数学的な定義では、modulo演算の結果は常に0以上、除数未満の値になります。
例文
- In mathematics, -7 modulo 3 equals 2, because -7 = (-3) * 3 + 2.(数学では、-7 modulo 3は2です。なぜなら-7 = (-3) * 3 + 2だからです。)
大きな数でのmodulo
大きな数でもmodulo演算は有効です。例えば、暗号技術では非常に大きな数のmodulo計算がよく使われます。
例文
- Even with very large numbers like 2^50, we can calculate (2^50) modulo 7.(2^50のような非常に大きな数でも、(2^50) modulo 7を計算できます。)
moduloのよくある間違いと注意点
moduloを使う際によくある間違いや注意点をいくつか紹介します。
負の数のmodulo
前述のように、負の数のmodulo計算は言語によって結果が異なります。例えば、-7 % 3の結果は、プログラミング言語によっては-1になったり2になったりします。
例文
- In some programming languages, -7 % 3 equals -1, but in mathematics it should be 2.(一部のプログラミング言語では、-7 % 3は-1になりますが、数学的には2になるべきです。)
ゼロによるmodulo
0でのmodulo演算(a % 0)は数学的に定義されておらず、多くのプログラミング言語ではエラーになります。これは0で割ることができないのと同じ理由です。
例文
- We cannot calculate 5 modulo 0 because division by zero is undefined.(5 modulo 0は計算できません。なぜなら0による除算は定義されていないからです。)
浮動小数点数でのmodulo
浮動小数点数(小数を含む数)でのmodulo演算も、言語によって実装が異なることがあります。厳密な余り計算が必要な場合は、整数での計算が推奨されます。
例文
- The result of 3.7 modulo 1.5 may vary slightly in different programming languages.(3.7 modulo 1.5の結果は、異なるプログラミング言語で微妙に異なる場合があります。)
言語による実装の違い
プログラミング言語によって、moduloの動作が微妙に異なることがあります。特に負の数の扱いには注意が必要です。
例文
- In Python, -7 % 3 equals 2, but in Java, it equals -1.(Pythonでは-7 % 3は2ですが、Javaでは-1になります。)
moduloに関するよくある質問
- moduloとは正確には何ですか?
-
moduloとは、ある数を別の数で割った時の「余り」を求める数学的な演算です。例えば、7 modulo 3 は、7を3で割った余りなので1になります。プログラミングでは通常「%」記号で表されます。
- moduloと割り算の違いは何ですか?
-
通常の割り算は商(何回割り切れるか)を求める操作ですが、moduloは余り(割り切れない部分)を求める操作です。例えば、7 ÷ 3 = 2 余り 1の場合、通常の割り算の結果は2で、modulo演算の結果は1です。
- なぜプログラミングではmodulo演算に「%」記号を使うのですか?
-
「%」記号がmodulo演算に使われる理由は、初期のプログラミング言語設計時に、キーボードで入力しやすく、かつ他の一般的な演算子と視覚的に区別しやすい記号として選ばれたためです。数学的な「mod」の代替として採用されました。
- 負の数のmodulo計算はどうなりますか?
-
数学的な定義では、負の数のmodulo演算の結果は常に非負(0以上)の値になります。例えば、-7 modulo 3は2になります。ただし、プログラミング言語によっては、-7 % 3が-1として実装されていることもあります。
- moduloはどんな実用的な場面で使われますか?
-
moduloは時間計算(時計の表示)、曜日の計算、データ構造(ハッシュテーブル)、暗号技術、乱数生成、偶数・奇数の判定など、多くの実用的な場面で使われています。特にプログラミングでは非常に重要な概念です。
まとめ

本記事では、moduloの意味から使い方、実際の応用例まで幅広く解説しました。moduloは一見すると単純な「余りを求める演算」ですが、数学やプログラミング、さらには日常生活のさまざまな場面で活用されている重要な概念です。
以下に、本記事のポイントをまとめます。
- moduloとは「ある数を別の数で割った時の余り」を求める演算である
- 数学では「a mod b」、プログラミングでは「a % b」と表記される
- 時計の時間計算や曜日の計算など日常生活でも使われている
- 偶数・奇数の判定には「数値 modulo 2」が使われる
- 負の数のmodulo計算は言語によって結果が異なることがある
- 0でのmodulo演算は定義されておらず、エラーになる
- modulo演算はプログラミングのデータ構造や暗号技術でも重要な役割を果たす
moduloの概念を理解することで、プログラミングや数学の問題解決の幅が広がります。特にプログラミングを学ぶ方にとっては、基本的かつ必須の概念なので、ぜひ例題を解きながら理解を深めてみてください。
日常生活の中にも隠れているmodulo演算を意識することで、数学的な考え方をより身近に感じられるようになるでしょう。