「〜しなければならない」「〜すべきだ」という表現は英語でどのように言えばよいのでしょうか?英語ではmust、should、have toという3つの表現がありますが、それぞれニュアンスや使い方が異なります。この違いを理解せずに使うと、相手に意図しない印象を与えてしまう可能性があります。
この記事では、英語初学者の方でも理解できるよう、must・should・have toの違いと使い分けについて、分かりやすい例文と共に詳しく解説します。これらの表現を適切に使い分けることで、より自然な英語表現ができるようになりましょう。
must・should・have toの基本的な違い

英語の文法において、must・should・have toはいずれも「〜しなければならない」という義務や必要性を表す表現ですが、それぞれの強さやニュアンスには違いがあります。
- must: 最も強い義務感を表し、話し手の主観的な判断や意見による「〜しなければならない」という強制力の強い表現です。
- should: 比較的弱い義務感で、「〜した方がよい」というアドバイスや提案のニュアンスがあります。
- have to: 客観的な状況や外的要因による「〜しなければならない」という義務を表します。
例文
- You must study hard to pass the exam.(試験に合格するために一生懸命勉強しなければなりません)
- You should eat more vegetables.(もっと野菜を食べた方がいいですよ)
- I have to go to school every day.(毎日学校に行かなければなりません)
これだけを見ると似たような意味に感じますが、実際の使用場面や話し手の意図によって、最適な表現は変わってきます。
それでは、それぞれの表現についてより詳しく見ていきましょう。
mustの使い方と特徴
mustは主に話し手の強い主観や判断に基づく義務を表します。
「絶対に〜しなければならない」という強い義務感やルールを表現するときに使われます。
mustが表す主観的な義務
mustは話し手自身の意見や判断による強い義務を表します。
特に重要なルールや避けられない状況を強調したい場合に使います。
例文
- Students must wear uniforms at school.(生徒は学校で制服を着なければなりません)
- You must tell the truth.(あなたは真実を話さなければなりません)
- I must finish this report today.(今日中にこのレポートを終わらせなければなりません)
道徳的・法的義務を表すmust
mustは道徳的な義務や法律などの規則を表現する場合にも使われます。
特に公共の場での注意書きやルールに多く見られます。
例文
- Drivers must stop at red lights.(運転手は赤信号で停止しなければなりません)
- You must not smoke in this building.(この建物内では喫煙してはいけません)
- All passengers must fasten their seatbelts.(すべての乗客はシートベルトを締めなければなりません)
強い確信や推測を表すmust
mustには「〜に違いない」という強い確信や推測を表す用法もあります。
例文
- She must be tired after working all day.
(一日中働いた後なので、彼女は疲れているに違いありません) - It must be cold outside. Everyone is wearing coats.
(外は寒いに違いありません。みんなコートを着ています) - He must be very smart. He always gets good grades.
(彼はとても頭がいいに違いありません。いつも良い成績を取ります)
shouldの使い方と特徴
shouldは比較的弱い義務を表し、「〜した方がよい」というアドバイスや提案のニュアンスを持ちます。
選択の余地を残した表現です。
アドバイスや提案を表すshould
shouldは相手に対するアドバイスや提案を表す場合によく使われます。「〜するのが望ましい」という意味合いです。
例文
- You should exercise regularly.(定期的に運動したほうがいいですよ)
- She should study more for the test.(彼女はテストのためにもっと勉強した方がいいです)
- We should leave early to avoid traffic.(渋滞を避けるために早く出発した方がいいです)
道徳的な義務を表すshould
shouldは道徳的な義務や一般的に正しいとされる行動を表す場合にも使われます。
例文
- People should respect each other.(人々はお互いを尊重すべきです)
- Children should listen to their parents.(子供は親の言うことを聞くべきです)
- We should protect the environment.(私たちは環境を守るべきです)
予測や期待を表すshould
shouldは「〜するはずだ」という予測や期待を表す場合にも使われます。
例文
- The bus should arrive in ten minutes.(バスは10分後に到着するはずです)
- The package should be delivered tomorrow.(荷物は明日配達されるはずです)
- She should be at home by now.(彼女は今頃家にいるはずです)
have toの使い方と特徴
have toは外的な状況や客観的な理由による義務を表します。
「状況的に〜せざるを得ない」というニュアンスがあります。
外的要因による義務を表すhave to
have toは外部環境や状況によって生じる義務を表します。
規則、スケジュール、他人の要求などの外的要因による義務を表現するのに適しています。
例文
- I have to wake up at 6 AM tomorrow.(明日は午前6時に起きなければなりません)
- She has to wear glasses to read.(彼女は読書するためにメガネをかけなければなりません)
- We have to finish the project by Friday.(金曜日までにプロジェクトを完了しなければなりません)
時制の変化に対応できるhave to
have toはmustと違い、過去形や未来形など様々な時制で使うことができます。
例文
- I had to study all night yesterday.(昨日は一晩中勉強しなければなりませんでした)
- She will have to take the test again.(彼女はもう一度テストを受けなければならないでしょう)
- They have had to change their plans.(彼らは計画を変更せざるを得ませんでした)
日常会話でよく使われるhave to
have toは日常会話でよく使われる表現で、mustよりもカジュアルな印象を与えます。
例文
- I have to go now. My mother is waiting for me.(もう行かなければなりません。母が待っています)
- Do you have to work this weekend?(今週末は働かなければなりませんか?)
- She doesn’t have to cook dinner tonight.(彼女は今夜夕食を作る必要はありません)
否定形の違い:must not・should not・don’t have to
must、should、have toの否定形はそれぞれ異なる意味を持ちます。この違いを理解することは非常に重要です。
must notの意味と使い方
must notは「〜してはいけない」という禁止を表します。
これは強い義務の否定ではなく、強い禁止の意味になります。
例文
- You must not tell lies.(嘘をついてはいけません)
- Students must not use phones during class.(生徒は授業中に電話を使用してはいけません)
- You must not park here.(ここに駐車してはいけません)
should notの意味と使い方
should notは「〜しない方がよい」というアドバイスや警告を表します。
例文
- You should not eat too much junk food.(あまりジャンクフードを食べない方がいいですよ)
- She should not stay up late.(彼女は夜更かしをしない方がいいです)
- We should not waste water.(水を無駄にしない方がいいです)
don’t have toの意味と使い方
don’t have toは「〜する必要はない」という不必要を表します。義務が存在しないことを示します。
例文
- You don’t have to come early tomorrow.(明日は早く来る必要はありません)
- She doesn’t have to wear a uniform on Fridays.(彼女は金曜日には制服を着る必要はありません)
- We don’t have to finish all the food.(すべての食べ物を食べきる必要はありません)
状況別のmust・should・have toの使い分け
実際の状況に応じて、must・should・have toをどのように使い分けるか見ていきましょう。
学校生活での使い分け
学校生活におけるルールや義務を表現する場合の使い分けです。
例文
- Students must wear their school uniform.(生徒は制服を着なければなりません)[学校のルール・強制]
- You should join a club activity.(クラブ活動に参加した方がいいですよ)[アドバイス]
- I have to submit my homework by tomorrow.(明日までに宿題を提出しなければなりません)[外的期限]
健康・生活習慣についての使い分け
健康や生活習慣に関するアドバイスや義務の表現です。
例文
- You must stop smoking. It’s dangerous for your health.
(タバコをやめなければなりません。健康に危険です)[強い忠告] - You should eat more fruits and vegetables.
(もっと果物や野菜を食べた方がいいですよ)[アドバイス] - I have to take medicine three times a day.
(一日3回薬を飲まなければなりません)[医師の指示]
旅行や公共の場での使い分け
旅行や公共の場でのルールや注意事項の表現です。
例文
- Passengers must fasten their seatbelts during takeoff.
(乗客は離陸時にシートベルトを締めなければなりません)[航空会社のルール] - You should arrive at the airport two hours before your flight.
(フライトの2時間前に空港に到着した方がいいですよ)[旅行のアドバイス] - We have to check out of the hotel by 10 AM.
(午前10時までにホテルをチェックアウトしなければなりません)[ホテルの規則]
英語のmust・should・have toに関する練習問題
以下の問題を解いて、must・should・have toの使い方を練習しましょう。
- You _______ brush your teeth twice a day.(健康のアドバイス)
- Students _______ wear uniforms at this school.(学校のルール)
- I _______ finish this report by tomorrow.(期限がある)
- You _______ eat more vegetables to stay healthy.(健康のアドバイス)
- We _______ be quiet in the library.(図書館のルール)
- I _______ wake up early tomorrow morning.(自分の判断)
- She _______ study harder if she wants to pass the exam.(アドバイス)
- You _______ smoke in this building.(禁止)
- We _______ go now or we’ll miss the bus.(状況的必要性)
- You _______ visit your grandmother more often.(道徳的アドバイス)
- I _______ go to the dentist yesterday.(過去の必要性)
- You _______ forget to lock the door when you leave.(強い禁止)
- He _______ wear glasses to read.(状況的必要性)
- We _______ respect our parents.(道徳的義務)
- I _______ go to bed early tonight.(自分の判断)
- You _______ do all the exercises. Just do the first five.(不必要)
- She _______ be more careful next time.(アドバイス)
- We _______ arrive at school by 8:30.(学校のルール)
- I _______ study tonight, but I’m too tired.(義務感と現実)
- You _______ try this cake. It’s delicious!(強い推奨)
must・should・have toに関するよくある質問
ここでは、must・should・have toに関するよくある質問に答えていきます。
- mustとhave toの主な違いは何ですか?
-
mustは話し手の主観的な判断や意見に基づく強い義務を表し、have toは外的な状況や客観的な理由による義務を表します。また、mustは主に現在形でのみ使われますが、have toは過去形や未来形など様々な時制で使うことができます。
- mustの過去形はありますか?
-
mustには過去形がありません。過去の義務を表現する場合は、had toを使います。例えば、「I had to study yesterday.」(昨日勉強しなければなりませんでした)となります。
- must notとdon’t have toの違いは何ですか?
-
must notは「〜してはいけない」という禁止を表し、don’t have toは「〜する必要はない」という不必要を表します。例えば、「You must not talk during the test.」(テスト中に話してはいけません)と「You don’t have to finish all the exercises.」(すべての問題を終わらせる必要はありません)では、意味が大きく異なります。
- どのような場合にshouldを使いますか?
-
shouldは主にアドバイスや提案、弱い義務を表す場合に使います。「〜した方がよい」というニュアンスで、相手に選択の余地を残します。また、「〜するはずだ」という予測や期待を表す場合にも使います。
- 「絶対に必要」というニュアンスを表すのに最適なのはどれですか?
-
「絶対に必要」という強い義務感を表すのはmustが最適です。mustは話し手の強い主観や判断に基づく義務を表し、選択の余地がないことを示します。例えば、「You must follow the safety rules.」(安全規則に従わなければなりません)というように使います。
まとめ

この記事では、英語の「must」「should」「have to」の違いと使い分けについて解説しました。
主なポイントをまとめると、
- must
- 話し手の主観的な判断や意見による強い義務
- 「絶対に〜しなければならない」というニュアンス
- 過去形がない(過去の義務は「had to」を使う)
- 否定形は「must not」で「〜してはいけない」(禁止)を表す
- should
- 比較的弱い義務感やアドバイス、提案
- 「〜した方がよい」というニュアンス
- 選択の余地がある
- 否定形は「should not」で「〜しない方がよい」を表す
- have to
- 外的な状況や客観的な理由による義務
- 「状況的に〜せざるを得ない」というニュアンス
- 過去形(had to)や未来形など様々な時制で使える
- 否定形は「don’t have to」で「〜する必要はない」(不必要)を表す
これらの違いを理解し、状況に応じて適切に使い分けることで、より自然で正確な英語表現ができるようになります。特に否定形の違いに注意して、誤解を招かないようにしましょう。
英語学習は一朝一夕ではできませんが、このような文法の基礎をしっかり理解することで、着実に英語力を向上させることができます。ぜひ今回の練習問題を活用して、must・should・have toの使い方をマスターしてください。