「nag」は主に動詞として使われる英単語で、「しつこく小言を言う」「うるさく言う」という意味を持ちます。また、名詞としても使われ、「口うるさい人」や「小言屋」を意味することもあります。
これから「nag」の詳しい意味と使い方について、例文を交えながら解説していきます。
nagとは?口うるさく言うという意味の単語

「nag」は英語で「しつこく小言を言う」「うるさく繰り返し言う」という意味を持つ単語です。何か気に入らないことや、やってほしいことを繰り返し言い続ける行為を表します。例えば、親が子供に「宿題をしなさい」と何度も言ったり、パートナーに「部屋を片付けて」と何度も注意したりする場面で使われます。
「nag」はスカンジナビア語や低地ドイツ語の「かじる」「いらいらさせる」という意味の単語に由来していると考えられています。その語源が表すように、「nag」には相手を少しずつ「かじる」ように少しずつ追い詰めていく、しつこさのニュアンスが含まれています。
「nag」は主に動詞として使われますが、名詞としても用いられます。動詞の場合は「しつこく言う」「うるさく要求する」という意味で、名詞の場合は「しつこく小言を言う人」を意味します。また、古い言い方では「馬」、特に「老いぼれた馬」を指すこともあります。
nagの動詞としての使い方と例文
「nag」は動詞として非常に頻繁に使われ、様々な文脈で登場します。主に「しつこく言う」「うるさく要求する」という意味で使われますが、使い方によって少しずつニュアンスが変わります。
ここでは、他動詞、自動詞としての使い方と、「悩ませる」という意味での使い方について、それぞれ例文とともに見ていきましょう。
他動詞としてのnag
他動詞としての「nag」は、「人に対して」何かをしつこく言う、または要求するという意味で使われます。この場合、「nag someone(人)」という形で使います。
例文
- My mother nags me to clean my room every day.(母は毎日部屋を掃除するようにうるさく言います。)
- She nagged her husband to fix the broken door.(彼女は壊れたドアを修理するよう夫にしつこく言いました。)
- The children nagged their parents to buy a new toy.(子供たちは新しいおもちゃを買うよう両親にせがみました。)
- My teacher nags us about homework all the time.(先生はいつも宿題のことでうるさく言います。)
- Don’t nag me. I will do it later.(うるさく言わないで。後でやるから。)
自動詞としてのnag
自動詞としての「nag」は、一般的に「nag at someone(人)」という形で使われ、「人に対して」しつこく文句を言うというニュアンスになります。
例文
- She is always nagging at her children.(彼女はいつも子供たちにガミガミ言っています。)
- My boss nags at me about being late.(上司は遅刻することについていつもうるさく言います。)
- Please stop nagging at your sister.(お姉さんにガミガミ言うのをやめなさい。)
- His wife nagged at him for not helping with housework.(彼の妻は家事を手伝わないことについて彼にガミガミ言いました。)
- I hate it when people nag at me.(人から小言を言われるのは嫌いです。)
悩ませるという意味でのnag
「nag」には、不安や悩み、痛みなどが「絶えず悩ませる」「苦しめる」という意味もあります。この場合、「something nags at someone」(何かが人を悩ませる)という形で使われることが多いです。
例文
- The pain in my leg has been nagging me all day.(足の痛みが一日中私を悩ませています。)
- A worry nagged at her mind.(心配事が彼女の心をずっと悩ませていました。)
- The question nagged at him for days.(その質問は何日も彼の頭から離れませんでした。)
- A doubt nagged at the back of my mind.(疑問が私の心の奥底をずっと悩ませていました。)
- His cough has been nagging him for weeks.(彼の咳は何週間も続いて彼を悩ませています。)
nagの名詞としての使い方と例文
「nag」は名詞としても使われ、「しつこく小言を言う人」「口うるさい人」を意味します。特に誰かに対して常に批判したり文句を言ったりする人のことを「a nag」と呼びます。また古語や俗語では「馬」、特に「老いぼれた馬」や「競走馬」を意味することもあります。
名詞としての「nag」は比較的カジュアルな表現で、少し否定的なニュアンスを持っています。特に誰かを「a nag」と呼ぶ場合は、その人がうるさい、面倒くさいという印象を与えます。
例文
- My sister is such a nag about cleaning.(姉は掃除についてとても口うるさいです。)
- Don’t be such a nag, mom!(ママ、そんなにうるさく言わないで!)
- He can’t stand his wife’s constant nag.(彼は妻の絶え間ない小言に耐えられません。)
- She has become a real nag since we moved in together.(一緒に住み始めてから、彼女は本当に小言が多くなりました。)
- I don’t want to be a nag, but please remember to lock the door.(うるさく言いたくないけど、ドアに鍵をかけることを忘れないでください。)
名詞としての「nag」は、「constant nag」(絶え間ない小言)、「such a nag」(とても口うるさい人)などの形でよく使われます。
nagのよく使われるフレーズとコロケーション
英語では単語だけでなく、その単語がどのような言葉と一緒に使われるか(コロケーション)を知ることが重要です。「nag」もさまざまなフレーズやコロケーションで使われ、それによってニュアンスが変わることがあります。ここでは「nag」とよく一緒に使われる表現を紹介します。
nag someone to do something:〜するように人にしつこく言う
- She nagged him to clean the garage.(彼女は彼にガレージを掃除するようにしつこく言いました。)
- My parents nag me to study every day.(両親は毎日勉強するようにうるさく言います。)
nag someone about something:あることについて人にうるさく言う
- My mother always nags me about my messy room.(母はいつも散らかった部屋のことでうるさく言います。
- He nags his children about their homework.(彼は子供たちに宿題のことでガミガミ言います。)
nag at someone:人にガミガミ言う
- She is always nagging at her husband.(彼女はいつも夫にガミガミ言っています。)
- Don’t nag at me, I’m doing my best.(ガミガミ言わないで、精一杯やっているんだから。)
nag someone into doing something:〜するように人にせがむ、しつこく言って〜させる
- The children nagged their parents into buying a dog.(子供たちはしつこくせがんで両親に犬を買わせました。)
- She nagged him into seeing a doctor.(彼女はしつこく言って彼に医者に行かせました。)
constant/continual nag:絶え間ない小言、しつこい要求
- His constant nag about being on time is annoying.(彼の時間厳守についての絶え間ない小言はうっとうしいです
- The continual nag of her mother-in-law made her stressed.(姑の絶え間ない小言で彼女はストレスを感じました。)
not to nag, but…:うるさく言うつもりはないけど…(何か言いたいときの前置き)
- Not to nag, but have you finished your report yet?(うるさく言うつもりはないけど、レポートはもう終わった
- Not to nag, but you should drink more water.(うるさく言うつもりはないけど、もっと水を飲んだほうがいいよ。)
これらのフレーズは日常会話でよく使われるため、覚えておくと役立ちます。「nag」は否定的なニュアンスを持つため、自分が「nagging」していると思われないように気をつけましょう。
nagのよくある間違いと注意点
「nag」を使う際には、いくつか注意すべき点や、よくある間違いがあります。ここでは、「nag」を正しく使うためのポイントを紹介します。
「nag」と「nag at」の使い分け
「nag someone」と「nag at someone」はどちらも「人にうるさく言う」という意味ですが、微妙な違いがあります。「nag someone」は直接目的語を取る他動詞で、より直接的に「人に対して」何かを要求するニュアンスがあります。
一方、「nag at someone」は「人に向かって」ガミガミ言うというニュアンスで、やや間接的な感じがします。
間違った例
× She nags at her children to clean their rooms.
○ She nags her children to clean their rooms.(彼女は子供たちに部屋を掃除するようにうるさく言います。)または
○ She nags at her children about their messy rooms.(彼女は散らかった部屋のことで子供たちにガミガミ言います。)
否定的なニュアンスに注意
「nag」は基本的に否定的なニュアンスを持つ言葉です。誰かを「nagger(小言を言う人)」や「a nag」と呼ぶことは失礼に当たることがあります。
特に公式な場や、あまり親しくない人との会話では使わないように注意しましょう。
間違った例
× My teacher is a nag.(フォーマルな場面や先生の前で言うのは不適切)
○ My teacher often reminds us about deadlines.(先生はよく締め切りについて思い出させてくれます。)
頻度を表す言葉と組み合わせる
「nag」は何度も繰り返し言うという意味を含むため、「always」「constantly」「all the time」などの頻度を表す言葉とよく一緒に使われます。
これによって、行為の継続性や繰り返しが強調されます。
例文
- She is always nagging me about my homework.(彼女はいつも宿題のことでうるさく言います。)
- He constantly nags at his wife about cleaning.(彼は常に掃除について妻にガミガミ言います。)
「nag」と似た表現との違い
「nag」と似た意味を持つ単語には「complain(不満を言う)」「scold(叱る)」「criticize(批判する)」などがありますが、それぞれニュアンスが異なります。
「nag」は特に「繰り返し、しつこく」言うというニュアンスが強いです。
- complain:不満を表す、文句を言う(必ずしも繰り返しではない)
- scold:叱る、怒る(一回きりのこともある)
- criticize:批判する、欠点を指摘する(建設的なこともある)
間違った例
× My mother nagged me yesterday for coming home late.(一回きりの叱責の場合)
○ My mother scolded me yesterday for coming home late.(母は昨日、遅く帰宅したことで私を叱りました。)
「nag」の過去形・過去分詞形
「nag」の過去形・過去分詞形は「nagged」です。「g」が重なることに注意しましょう。
間違った例
× She naged him about his smoking habits.
○ She nagged him about his smoking habits.(彼女は彼の喫煙習慣についてうるさく言いました。)
これらの注意点を守れば、「nag」を適切に使うことができます。ただし、「nag」は否定的なニュアンスを持つため、使用する場面には気をつけましょう。
nagに関する問題
「nag」の意味と使い方について理解を深めるために、10問の練習問題を用意しました。それぞれの問題を解いて、「nag」の使い方をマスターしましょう。
問題を解いた後、下の解答と照らし合わせて確認してください。
- 次の文の空欄に適切な単語を入れなさい:My mother always _ me about cleaning my room.
- 「She keeps nagging her husband to fix the roof.」の文の意味として最も適切なものを選びなさい。
a) 彼女は夫に屋根を修理するよう頼んでいる。
b) 彼女は夫に屋根を修理するようしつこく言い続けている。
c) 彼女は夫に屋根の修理を手伝っている。
d) 彼女は夫と一緒に屋根を修理している。 - 「nag」の過去形として正しいものを選びなさい。
a) naged
b) nagged
c) nagging
d) nags - 次の英文を和訳しなさい:「Don’t nag me, I will do my homework later.」
- 「母は毎日勉強するようにうるさく言います」という意味の英文を「nag」を使って完成させなさい。
- 「Stop nagging at your brother.」の文の意味として最も適切なものを選びなさい。
a) 弟をいじめるのをやめなさい。
b) 弟にガミガミ言うのをやめなさい。
c) 弟と喧嘩するのをやめなさい。
d) 弟を叩くのをやめなさい。 - 次の文の空欄に適切な単語を入れなさい:The pain in my back has been _ me all week.
- 「しつこく小言を言う人」を意味する「nag」を使った名詞は何ですか?
- 「nag someone into doing something」というフレーズの意味として最も適切なものを選びなさい。
a) 誰かに何かをするようせがむ
b) 誰かに何かをするよう命令する
c) 誰かに何かをするよう助言する
d) 誰かに何かをするよう教える - 次の英文を和訳しなさい:「Not to nag, but have you taken out the trash yet?」
nagに関するよくある質問
- 「nag」と「complain」の違いは何ですか?
-
「nag」と「complain」はどちらも不満や要求を表現する単語ですが、ニュアンスが異なります。「nag」は同じことを繰り返し言い続けるというニュアンスが強く、相手に何かをさせるための行為であることが多いです。一方、「complain」は不満を表明する行為で、必ずしも繰り返すわけではなく、何かを変えてほしいという期待がない場合もあります。
- She nagged him to clean the room.(彼女は部屋を掃除するよう彼にしつこく言いました。)- 行動を起こさせるため
- She complained about the dirty room.(彼女は汚い部屋について不満を言いました。)- 単に不満を表明
- 「nag」は失礼な言葉ですか?
-
「nag」自体は中立的な単語ですが、使い方によっては否定的なニュアンスを持ちます。特に誰かを「a nag」と呼ぶことは、その人を「うるさい」「面倒くさい」と評価することになるため、失礼に当たる可能性があります。また、「You’re always nagging.」(あなたはいつもガミガミ言っている)という言い方も、相手を批判しているように聞こえるため注意が必要です。
- 「nag」の同義語はありますか?
-
「nag」の同義語としては、「pester(しつこく迷惑をかける)」「badger(しつこくせがむ)」「hound(しつこく追い回す)」「harass(悩ませる、困らせる)」などがあります。これらはどれも「しつこく」というニュアンスを持ちますが、使われる状況や強さが少しずつ異なります。
- 「nag」は日常会話でよく使われますか?
-
はい、「nag」は日常会話でよく使われる単語です。特に家族間やパートナー間での会話で、「Stop nagging me!」(うるさく言わないで!)といった表現はよく聞かれます。また、「I don’t want to nag, but…」(うるさく言いたくないけど…)という言い方も、何か注意や要求をする前の前置きとしてよく使われます。
- 「nagging」という形容詞はどのように使われますか?
-
「nagging」は形容詞として、「しつこい」「絶え間ない」「なかなか治まらない」という意味で使われます。特に「nagging pain(しつこい痛み)」「nagging doubt(消えない疑念)」「nagging feeling(拭えない感覚)」などの表現でよく使われます。
- He has a nagging cough.(彼はしつこい咳があります。)
- She had a nagging feeling that something was wrong.(彼女は何かがおかしいというしつこい感覚がありました。)
- 「nag」は仕事の場面で使いますか?
-
「nag」は基本的にカジュアルな表現なので、仕事の公式な場面ではあまり使われません。上司が部下に指示や催促をする場合も、「remind(思い出させる)」「urge(促す)」「insist(主張する)」などの、より丁寧な表現が使われることが多いです。ただし、親しい同僚間ではカジュアルに「nag」を使うこともあります。
- 子供に「nag」を教えるべきですか?
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「nag」自体は基本的な英単語なので、中学生以上であれば知っておいて損はないでしょう。ただし、「nag」は否定的なニュアンスを持つことがあるため、使い方には注意が必要だということも合わせて教えるべきです。また、自分が「nagging」していると思われないように、コミュニケーションの取り方についても教えることが大切です。
- 「nag」には他の意味もありますか?
-
はい、「nag」には古い言葉として「馬」、特に「老いぼれた馬」や「競走馬」を意味する用法もあります。ただし、この意味での使用は現代ではあまり一般的ではなく、主に文学作品や特定の文脈で見られます。
- He rode an old nag to town.(彼は老いぼれた馬に乗って町へ行きました。)
- 「nag」を使った慣用句はありますか?
-
「nag」を使った特定の慣用句は多くありませんが、「nag someone to death」(死ぬほどしつこく言う)という表現はよく使われます。これは「極端にしつこく言う」という意味の強調表現です。
- She nagged him to death about quitting smoking.(彼女は禁煙することについて彼にしつこく言って仕方がなかった。)
まとめ

この記事では、英単語「nag」の意味や使い方について詳しく解説してきました。「nag」は日常会話でよく使われる単語で、「しつこく小言を言う」「うるさく要求する」という基本的な意味を持ちます。初学者にとっては使い方が少し難しい単語かもしれませんが、コロケーションやフレーズを覚えることで、自然な英語表現ができるようになります。
ここで「nag」についてのポイントをまとめます。
- 「nag」は主に動詞として使われ、「しつこく小言を言う」「うるさく要求する」という意味がある
- 他動詞として「nag someone」の形で使うと、「人にしつこく言う」という意味になる
- 自動詞として「nag at someone」の形で使うと、「人にガミガミ言う」というニュアンスになる
- 「nag」には「(不安や痛みなどが)絶えず悩ませる」という意味もある
- 名詞としての「nag」は「しつこく小言を言う人」「口うるさい人」を意味する
- よく使われるフレーズには「nag someone to do something」「nag someone about something」「nag someone into doing something」などがある
- 「nag」は否定的なニュアンスを持つため、使い方には注意が必要
英語の学習において、単語の正確な意味や使い方を理解することは非常に重要です。「nag」のような日常的に使われる単語をマスターすることで、より自然な英語表現ができるようになります。
この記事で紹介した例文やフレーズを参考に、ぜひ実際の会話で「nag」を使ってみてください。