「narrate」は英語の動詞で、「物語る」「語る」「説明する」「ナレーションをする」といった意味を持ちます。映画やドキュメンタリーのナレーションから、友達に経験を話すときまで、様々な場面で使われる便利な表現です。
本記事では「narrate」の意味や使い方、例文などを初学者にも分かりやすく解説していきます。
narrateとは?物語や出来事を語る表現

「narrate」とは、出来事や物語を順序立てて話したり説明したりする行為を表す動詞です。日本語では「物語る」「語る」「説明する」「ナレーションをする」などと訳されます。
単に「話す」という意味の「speak」や「talk」とは異なり、「narrate」はより詳細に、順序立てて説明するニュアンスを持っています。
「narrate」は主に以下のような場面で使われます。
- 物語や経験を順序立てて語るとき
- 映画やドキュメンタリーのナレーションをするとき
- 出来事を詳細に説明するとき
基本的な形は「narrate + 目的語」で、「…を語る」「…を説明する」という意味になります。目的語には「story(物語)」「experience(経験)」「events(出来事)」などが入ることが多いです。
narrateの語源と言葉の成り立ち
「narrate」の語源をたどると、ラテン語の「narratus」に行き着きます。「narratus」はラテン語の「narrare(語る)」から派生した言葉で、「話す」「物語る」という意味を持っていました。
この語源から、英語に「narrate」として取り入れられ、物語を語るという意味で使われるようになりました。また、同じ語源から「narrative(物語、語り)」や「narrator(語り手)」といった関連語も生まれました。
言語の歴史の中で、「narrate」は単なる「話す」という行為から、より構造的に、順序立てて物語ることを表す専門的な言葉として進化してきました。歴史的な文脈では、口承文学や物語の伝統と密接に関わっています。
narrateの発音と読み方のコツ
「narrate」の発音は英語学習者にとって少し難しいかもしれません。正しい発音は「ナレイト」に近く、発音記号では [nəˈɹeɪt] または [nǽreit] と表記されます。
発音のコツをいくつか紹介します。
- 第一音節「na」は弱く「ナ」または「ヌ」のように発音します。
- アクセントは第二音節「rate」に置きます。
- 「rate」の部分は「レイト」と発音します。「レート」ではないので注意してください。
日本人学習者がよく間違える点として、「ナレート」と発音してしまうことがあります。しかし、正しくは「ナレイト」に近い発音です。また、アクセントを最初の音節に置いてしまう誤りもよく見られます。
正しく発音するには、ネイティブスピーカーの発音を聞いて真似ることが効果的です。英語の音声教材やオンライン辞書の発音機能を活用してみてください。
narrateの様々な意味と使用場面
「narrate」には主に以下のような意味と使用場面があります。
物語や経験を語る
最も基本的な使い方で、自分の経験や物語を順序立てて語る場合に使います。
例文
- He narrated his adventure to his friends.
(彼は友達に冒険談を語った。)
映画やドキュメンタリーのナレーションをする
映画やドキュメンタリー、オーディオブックなどで、バックグラウンドで説明を加える声の役割を担当することを表します。
例文
- The famous actor narrated the documentary about wild animals.
(その有名な俳優は野生動物についてのドキュメンタリーのナレーションをした。)
出来事を詳細に説明する
何かが起こった順序や詳細を説明する場合に使います。
例文
- The witness narrated what he saw at the scene.
(その目撃者は現場で見たことを詳しく語った。)
物語の語り手として機能する
小説などの文学作品で、語り手(ナレーター)として機能することを表します。
例文
- The story is narrated by a young boy.
(その物語は一人の少年によって語られている。)
これらの使い方は場面によって少しずつニュアンスが異なりますが、いずれも「順序立てて詳細に語る」という共通点があります。
narrateを使った簡単な例文と解説
ここでは、「narrate」を使った簡単な例文を中学英語レベルで紹介します。日常的な場面から、よく使われるパターンを見ていきましょう。
基本的な使い方
例文
- The teacher narrated a story to the children.
(先生は子どもたちに物語を語った。) - She narrated her travel experiences to us.
(彼女は私たちに旅行の経験を語った。) - My grandfather likes to narrate stories about his childhood.
(私の祖父は自分の子供時代についての話をするのが好きだ。)
映画やメディア関連
例文
- Who narrated this documentary?
(このドキュメンタリーのナレーションは誰がしましたか。) - The famous actor narrated the movie.
(その有名な俳優がその映画のナレーションをした。) - He wants to narrate audiobooks as a career.
(彼はキャリアとしてオーディオブックのナレーションをしたいと思っている。)
出来事や経験の説明
例文
- Can you narrate what happened yesterday?
(昨日起きたことを説明してくれますか。) - The old man narrated the history of the town.
(その老人はその町の歴史を語った。) - She narrated her adventure in the forest.
(彼女は森での冒険について語った。)
文学作品での使い方
例文
- The novel is narrated from the perspective of a young girl.
(その小説は若い少女の視点から語られている。) - The story is narrated in the first person.
(その物語は一人称で語られている。) - The author narrates the events in chronological order.
(著者は出来事を時系列順に語っている。)
これらの例文から分かるように、「narrate」は単に「話す」だけでなく、「詳細に、順序立てて説明する」というニュアンスがあります。日常会話から文学作品、メディアまで幅広く使われる表現です。
narrateの派生語と関連表現
「narrate」には多くの派生語があり、それぞれ異なる品詞や意味を持っています。ここでは主な派生語と関連表現を紹介します。
narrateの主な派生語
narration(名詞)
- 意味:語ること、物語、ナレーション
- 例:The narration of the documentary was very clear.
(そのドキュメンタリーのナレーションはとても明確だった。)
narrative(名詞・形容詞)
- 名詞としての意味:物語、話
- 形容詞としての意味:物語の、語りの
- 例:The narrative of the movie was interesting.
(その映画の物語は面白かった。)
narrator(名詞)
- 意味:語り手、ナレーター
- 例:He is a good narrator who can make any story exciting.
(彼はどんな物語も面白くできる上手な語り手だ。)
narrateに関連する表現と言い回し
「narrate」に似た意味を持つ表現には以下のようなものがあります。
tell a story(物語を語る)
- 例:He told a story about his trip to Japan.
(彼は日本への旅行について話をした。)
describe(描写する、説明する)
- 例:She described what happened at the party.
(彼女はパーティーで起きたことを説明した。)
relate(関連づける、物語る)
- 例:The old man related his experiences in the war.
(その老人は戦争での経験を語った。)
recount(詳しく話す、説明する)
- 例:He recounted the events of that day.
(彼はその日の出来事を詳しく話した。)
これらの表現はそれぞれニュアンスが少しずつ異なります。「narrate」は特に順序立てて詳細に語るという意味合いが強いことが特徴です。
narrateのよくある間違いと注意点
英語学習者が「narrate」を使う際によく陥る間違いや注意すべき点をいくつか紹介します。
「narrate」と「describe」の混同
「narrate」と「describe」はどちらも何かを説明する際に使いますが、微妙に異なります。「narrate」は出来事や物語を順序立てて語ることに重点を置きますが、「describe」は特徴や様子を詳細に説明することに重点を置きます。
誤った使い方
- He narrated the beautiful scenery of the mountain.
(彼は山の美しい景色を語った。)→「describe」の方が適切
正しい使い方
- He described the beautiful scenery of the mountain.
(彼は山の美しい景色を描写した。)
「narrate」と「speak」「talk」の混同
「narrate」は単に「話す」という意味ではなく、より詳細に、順序立てて説明するニュアンスがあります。日常会話で単に「話す」という意味では「speak」や「talk」を使います。
誤った使い方
- I want to narrate with you about the weather.
(天気についてあなたと話したい。)→「talk」の方が適切
正しい使い方
- I want to talk with you about the weather.
(天気についてあなたと話したい。)
文法的な間違い
「narrate」は他動詞であり、通常は目的語を伴います。「何を語るか」を明確にする必要があります。
誤った使い方
- He narrated to his friends.
(彼は友達に語った。)→何を語ったか不明確
正しい使い方
- He narrated his adventure to his friends.
(彼は友達に冒険談を語った。)
「narrative」との混同
「narrate」(動詞)と「narrative」(名詞・形容詞)は関連していますが、品詞が異なるため使い方が異なります。
誤った使い方
- She narrative the story well.
(彼女は物語をうまく語った。)→「narrate」を使うべき
正しい使い方
- She narrated the story well.
(彼女は物語をうまく語った。)
これらの間違いに注意して、「narrate」を適切に使うようにしましょう。語彙の意味と用法を正確に理解することが、英語表現の幅を広げるポイントです。
narrateに関する問題
「narrate」の理解度を確認するための問題を10問用意しました。これらの問題を通じて、「narrate」の様々な使い方を確認しましょう。各問題には選択肢があり、最も適切なものを選んでください。
- “The grandfather __ stories about his youth to his grandchildren.”
a) narrated
b) spoke
c) said
d) told - “Who __ the documentary about wild animals?”
a) spoke
b) narrated
c) talked
d) said - “She wants to __ her travel experiences in a book.”
a) tell
b) say
c) narrate
d) speak - “The events of the accident were __ by an eyewitness.”
a) said
b) told
c) spoken
d) narrated - “The movie is __ from the perspective of a young boy.”
a) told
b) narrated
c) talked
d) spoken - “Can you __ what happened at the party last night?”
a) say
b) speak
c) narrate
d) tell - “The famous actor __ the audiobook of the bestselling novel.”
a) spoke
b) said
c) told
d) narrated - “The historian __ the events leading to the war in great detail.”
a) narrated
b) said
c) spoke
d) told - “The teacher asked the student to __ the story in his own words.”
a) say
b) speak
c) narrate
d) tell - “She __ her adventure in the mountains with great enthusiasm.”
a) said
b) spoke
c) narrated
d) told
これらの問題を通じて、「narrate」が「単に話す」という意味ではなく、「詳細に、順序立てて語る」という特定のニュアンスを持つことが理解できたかと思います。
日常会話での「話す」は主に「say」「speak」「tell」「talk」を使い、より詳細な説明や物語を語る場合に「narrate」を使うことが多いです。
「narrate」に関するよくある質問
- 「narrate」と「tell」の違いは何ですか?
-
「narrate」と「tell」はどちらも「語る」という意味を持ちますが、使い方に違いがあります。「tell」はより一般的で広く使われる表現で、情報の伝達や命令、短い物語など様々な場面で使用されます。一方、「narrate」はより詳細に、順序立てて語る場合に使われ、特に長い物語や出来事を説明する際に適しています。例えば、「Tell me a story」(物語を聞かせて)と言うことはできますが、より詳細な説明が必要な場合は「Narrate what happened」(何があったか詳しく話して)というように使い分けます。
- 「narrate」はどのような場面で使われますか?
-
「narrate」は主に以下のような場面で使われます。
- 物語や経験を詳細に、順序立てて語る場合
- 映画やドキュメンタリー、オーディオブックのナレーション
- 文学作品での語り手(ナレーター)の役割
- 重要な出来事や歴史的事象を詳細に説明する場合
日常会話では「tell」「talk about」などの表現の方がよく使われ、「narrate」はより形式的な場面や、詳細な説明が必要な場面で使われることが多いです。
- 「narrate」の過去形と過去分詞形は何ですか?
-
「narrate」の過去形と過去分詞形はどちらも「narrated」です。
- 現在形:I narrate(私は語る)
- 過去形:I narrated(私は語った)
- 過去分詞形:I have narrated(私は語ってきた)
規則動詞なので、過去形と過去分詞形は「-ed」を付けるだけで形成されます。
- 「narrate」と「describe」はどう使い分けるべきですか?
-
「narrate」と「describe」は似ていますが、使用場面が異なります。「narrate」は出来事や物語を時間的順序に沿って語る場合に使います。一方、「describe」は物や人、場所、状況などの特徴や様子を詳細に説明する場合に使います。例えば、「He narrated his adventure in the jungle」(彼はジャングルでの冒険を語った)のように時系列に沿った話には「narrate」を、「He described the beautiful sunset」(彼は美しい夕日を描写した)のように特徴の説明には「describe」を使います。
- 「narrator」とは何ですか?
-
「narrator」は「narrate」から派生した名詞で、「語り手」「ナレーター」という意味です。物語を語る人、映画やドキュメンタリーでナレーションを担当する人を指します。文学作品では、物語を語る視点や声を「narrator」と呼び、「first-person narrator」(一人称の語り手)や「third-person narrator」(三人称の語り手)などの区別があります。
まとめ

この記事では、英語の動詞「narrate」の意味や使い方について詳しく解説してきました。「narrate」は単なる「話す」という意味ではなく、物語や出来事を詳細に、順序立てて語るという特定のニュアンスを持つ表現です。
映画やドキュメンタリーのナレーションから、日常的な経験の説明まで、様々な場面で使われる有用な動詞です。主なポイントをまとめると、
- 「narrate」は「物語る」「語る」「説明する」「ナレーションをする」という意味の動詞
- ラテン語の「narrare(語る)」から派生した言葉
- 発音は「ナレイト」に近く、第二音節にアクセントがある
- 主な使用場面は、物語を語る、経験を説明する、映画やドキュメンタリーのナレーションをするなど
- 派生語には「narration(語ること)」「narrative(物語)」「narrator(語り手)」などがある
- 「tell」「describe」「speak」との違いを理解して適切に使い分けることが重要
- 文法的には他動詞で、通常は目的語を伴う
「narrate」を正しく理解し適切に使うことで、英語表現の幅が広がります。単に「話す」だけではなく、詳細に物語ることができるようになれば、より豊かなコミュニケーションが可能になるでしょう。
この記事が「narrate」の理解と使い方の参考になれば幸いです。