英語学習において「either」と「neither」の使い分けは多くの日本人学習者が混乱するポイントです。これらの単語は似ているようで意味が反対であり、使われる状況も様々です。
この記事では、「either」と「neither」の基本的な意味や使い方、関連する表現との違いまでを初心者にもわかりやすく解説します。中学レベルの例文もたくさん紹介するので、英語初学者の方もぜひ最後までお読みください。
「either」と「neither」の基本的な意味と違い

「either」と「neither」は、2つの選択肢や対象について話すときに使われる英単語です。両者の基本的な意味は以下のとおりです。
「either」は「どちらか一方」という意味を持ちます。2つの選択肢のうち、どちらか1つが当てはまる場合に使用します。
「neither」は「どちらも~ない」という意味です。「neither」は「not either」を短くしてできた単語で、「either」の否定形と考えるとわかりやすいでしょう。
具体的な例文で見てみましょう。
例文
- I like either soccer or baseball.(サッカーか野球、どちらか一方が好きです。)
- I like neither soccer nor baseball.(サッカーも野球も好きではありません。)
発音については、「either」はアメリカ英語では「イーザー」、イギリス英語では「アイザー」と発音します。「neither」はアメリカ英語では「ニーザー」、イギリス英語では「ナイザー」と発音します。どちらも「th」の音が含まれるので、舌を上下の歯の間に軽く挟んで発音するのがポイントです。
「either」と「neither」の文法的な特徴
「either」と「neither」には共通する文法的な特徴があります。どちらも2つの選択肢や対象について使われ、基本的には単数扱いになります。
例文
- Either of these books is interesting.(これらの本のどちらも面白いです。)
- Neither of my parents speaks English.(私の両親はどちらも英語を話しません。)
ただし、「either of + 複数名詞」や「neither of + 複数名詞」の形では、後ろの動詞を複数形にする場合もあります。特にカジュアルな会話ではこのような使い方も見られます。
例文
- Neither of my brothers are married.(私の兄弟はどちらも結婚していません。)
次に、それぞれの使い方を詳しく見ていきましょう。
「either」の使い方と例文
「either」はいくつかの異なる使い方があります。ここでは代表的な使い方と例文を紹介します。
限定詞としての「either」
限定詞として使われる「either」は、「どちらか一方の」という意味で、単数名詞の前に置かれます。
例文
- You can take either road. It doesn’t matter.(どちらの道を選んでもかまいません。)
- Either answer is correct.(どちらの答えも正解です。)
また、「either of + 複数名詞」の形で「~のうちのどちらか」という意味を表すこともできます。
例文
- You can borrow either of my pens.(私のペンのどちらか一方を借りてもいいですよ。)
- Either of these shoes will match your dress.(この靴のどちらも、あなたのドレスに合うでしょう。)
代名詞としての「either」
「either」は代名詞としても使えます。この場合、先行する2つの名詞や選択肢を指します。
例文
- Would you like tea or coffee? Either is fine with me.(お茶とコーヒーのどちらが良いですか?どちらでも構いません。)
- These two books are good. You can read either.(この2冊の本はいいですよ。どちらを読んでもいいです。)
相関接続詞「either…or…」
「either A or B」という形で「AかBのどちらか」という意味を表す相関接続詞として使われることもあります。
例文
- You can either stay here or go home.(ここにいるか、家に帰るか、どちらかできます。)
- He will either call me or send me a message.(彼は私に電話をするか、メッセージを送るか、どちらかするでしょう。)
- I will visit either Tokyo or Osaka next month.(来月は東京か大阪のどちらかを訪れます。)
この表現では、「either」は最初の選択肢の前に置かれ、「or」は2つ目の選択肢の前に置かれます。
否定文での「either」
否定文の中で「either」を使うと、「~もまた~ない」という意味になります。通常、文末に置かれます。
例文
- I don’t like this movie. She doesn’t like it either.(私はこの映画が好きではありません。彼女も好きではありません。)
- He can’t swim. I can’t swim either.(彼は泳げません。私も泳げません。)
- My brother doesn’t eat meat. I don’t eat meat either.(私の兄は肉を食べません。私も肉を食べません。)
否定文での「either」は、肯定文での「too」や「also」に相当する役割を果たします。
「neither」の使い方と例文
続いて、「neither」の使い方を見ていきましょう。
限定詞としての「neither」
限定詞としての「neither」は「どちらの~も~ない」という意味で、単数名詞の前に置かれます。「neither」には既に否定の意味が含まれているため、動詞は肯定形になります。
例文
- Neither student passed the test.(どちらの生徒もテストに合格しませんでした。)
- Neither answer is correct.(どちらの答えも正解ではありません。)
「neither of + 複数名詞」の形では「~のうちのどれも~ない」という意味になります。
例文
- Neither of my parents speaks French.(私の両親はどちらもフランス語を話しません。)
- Neither of these books is interesting.(これらの本はどちらも面白くありません。)
代名詞としての「neither」
「neither」も代名詞として使え、先行する2つの名詞や選択肢を指します。
例文
- Would you like tea or coffee? Neither, thanks. I prefer water.(お茶とコーヒーのどちらが良いですか?どちらもいりません。水が良いです。)
- These two movies are boring. I want to watch neither.(この2つの映画はつまらないです。どちらも見たくありません。)
相関接続詞「neither…nor…」
「neither A nor B」という形で「AもBも~ない」という意味を表す相関接続詞としても使われます。
例文
- She speaks neither English nor French.(彼女は英語もフランス語も話しません。)
- I have neither time nor money for travel.(私は旅行する時間もお金もありません。)
- He is neither tall nor short.(彼は背が高くも低くもありません。)
同意を表す「Neither do I」などの表現
相手の否定文に同意する場合、「Neither do I」(私もそうではありません)という表現を使うことができます。この表現では、助動詞の倒置が起こります。
例文
- “I don’t like horror movies.” “Neither do I.”(「ホラー映画が好きではない。」「私もです。」)
- “He can’t swim.” “Neither can she.”(「彼は泳げない。」「彼女も泳げない。」)
- “They won’t come to the party.” “Neither will we.”(「彼らはパーティーに来ない。」「私たちも来ない。」)
また、よりカジュアルな表現として「Me neither」(私もそうではない)も使われます。
例文
- “I don’t eat meat.” “Me neither.”(「肉を食べない。」「私もです。」)
「either」と「neither」の使い分け方
「either」と「neither」を正しく使い分けるためのポイントを見ていきましょう。
肯定文と否定文での違い
「either」は基本的に肯定的な意味を持ち、「どちらか一方」を指します。一方、「neither」は否定的な意味を持ち、「どちらも~ない」を意味します。
肯定文
- I will take either the red pen or the blue one.(赤ペンか青ペンのどちらか一方を取ります。)
否定文
- I will take neither the red pen nor the blue one.(赤ペンも青ペンもどちらも取りません。)
また、否定文で「either」を使うと「~もまた~ない」という意味になります。
例文
- I don’t like the red pen. I don’t like the blue one either.(赤ペンが好きではありません。青ペンも好きではありません。)
主語と動詞の一致
「either」と「neither」を主語として使う場合、基本的には単数扱いになります。
例文
- Either of these options is good.(これらの選択肢のどちらも良いです。)
- Neither of my parents speaks German.(私の両親はどちらもドイツ語を話しません。)
ただし、前述のように「either of + 複数名詞」や「neither of + 複数名詞」の後の動詞は、特にカジュアルな会話では複数形になることもあります。
また、「either A or B」や「neither A nor B」が主語の場合、動詞の形は後ろの名詞(B)に合わせるのが一般的です。
例文
- Either the cat or the dogs are making noise.(猫か犬のどちらかが騒いでいます。)
- Neither the teacher nor the students are ready.(先生も生徒たちも準備ができていません。)
「either」と「neither」に関連する表現と違い
「either」と「neither」に関連する表現とその違いについて解説します。
「too」「also」「as well」と「either」
肯定文で「~も」という意味を表す表現には、「too」「also」「as well」があります。
例文
- I like soccer. He likes soccer too.(私はサッカーが好きです。彼もサッカーが好きです。)
- I like soccer. He also likes soccer.(私はサッカーが好きです。彼もサッカーが好きです。)
- I like soccer. He likes soccer as well.(私はサッカーが好きです。彼もサッカーが好きです。)
一方、否定文で「~も~ない」という意味を表す場合は「either」を使います。
例文
- I don’t like soccer. He doesn’t like soccer either.(私はサッカーが好きではありません。彼もサッカーが好きではありません。)
これらの違いは、「too」「also」「as well」は肯定文で使われ、「either」は否定文で使われるという点です。また、位置についても違いがあります。
- 「too」と「as well」は通常、文の最後に置かれます。
- 「also」は通常、動詞の前、助動詞や be動詞の後ろに置かれます。
- 否定文の「either」は通常、文の最後に置かれます。
「Me too」と「Me neither/Me either」
肯定文に同意する場合は「Me too」(私もです)を使い、否定文に同意する場合は「Me neither」または「Me either」(私も~ない)を使います。
例文
- “I like ice cream.” “Me too.”(「アイスクリームが好きです。」「私もです。」)
- “I don’t like spinach.” “Me neither.”または”Me either.”(「ほうれん草が好きではありません。」「私もです。」)
また、より丁寧な表現として、「So do I」(私もそうです)や「Neither do I」(私もそうではありません)も使われます。
例文
- “I enjoy swimming.” “So do I.”(「水泳を楽しんでいます。」「私もです。」)
- “I don’t eat meat.” “Neither do I.”(「肉を食べません。」「私もです。」)
3つ以上の選択肢がある場合の表現
「either」と「neither」は基本的に2つの選択肢について使われますが、3つ以上の選択肢がある場合は「any」(肯定・疑問)と「none」(否定)を使います。
例文
- You can choose any of these three books.(この3冊の本のうちどれでも選べます。)
- None of these three books is interesting.(この3冊の本のどれも面白くありません。)
ただし、現代英語では「either」を3つ以上の選択肢に使うこともあります。
例文
- You can have either tea, coffee, or juice.(紅茶、コーヒー、ジュースのどれかを選べます。)
「either」と「neither」の使い分け練習問題
ここでは「either」と「neither」の使い分けを練習するための問題を20問用意しました。最初に問題を解いて、後で解答を確認してみましょう。
- I don’t like horror movies. My sister doesn’t like them ( ) .
- ( ) of my parents can speak French.
- You can choose ( ) the red pen or the blue one.
- I will visit ( ) New York nor Boston next month.
- “I can’t swim.” “( ) can I.”
- You can sit on ( ) side of the table.
- ( ) of these two books is interesting.
- She speaks ( ) English nor Japanese.
- I have ( ) seen this movie.
- We can go ( ) by bus or by train.
- ( ) my mother nor my father likes spicy food.
- “I don’t eat meat.” “Me ( ).”
- ( ) of these answers is correct.
- I don’t know ( ) of those two boys.
- You can have ( ) tea or coffee.
- He speaks ( ) English.
- ( ) Tom nor Jim came to the party.
- She doesn’t like cats. She doesn’t like dogs ( ).
- I have ( ) time nor money for travel.
- “I didn’t enjoy the movie.” “( ) did I.”
「either」と「neither」に関するよくある質問
ここでは「either」と「neither」に関するよくある質問に答えます。
- 「either」と「neither」は複数形?単数形?
-
基本的には単数扱いになります。ただし、「either of + 複数名詞」や「neither of + 複数名詞」の場合、カジュアルな会話では後ろの動詞を複数形にすることもあります。文法的には単数形が正しいとされますが、実際の英語ではどちらも使われています。
- 「either」と「neither」の発音は?
-
「either」はアメリカ英語では「イーザー」、イギリス英語では「アイザー」と発音されることが多いです。「neither」はアメリカ英語では「ニーザー」、イギリス英語では「ナイザー」と発音されることが多いです。どちらの発音も正しいので、自分が使いやすい方を選んで大丈夫です。
- 「either way」とはどういう意味ですか?
-
「either way」は「どちらにしても」「いずれにせよ」という意味のイディオムです。2つの選択肢や状況があり、どちらになっても結果は同じだという場合に使います。
例:I can meet you on Monday or Tuesday. Either way is fine with me.(月曜日か火曜日に会えます。どちらでも大丈夫です。)
- 「Me neither」と「Me either」の違いは?
-
「Me neither」と「Me either」はどちらも否定文に同意する場合に使われ、意味は同じです。「Me neither」の方がより一般的ですが、「Me either」も特にアメリカ英語ではよく使われます。どちらを使っても問題ありません。
- 「neither」と「none」の違いは?
-
「neither」は2つの選択肢について「どちらも~ない」という意味で使われます。一方、「none」は3つ以上の選択肢について「どれも~ない」という意味で使われます。ただし、現代英語では「neither」が3つ以上の選択肢に使われることもあります。
まとめ

この記事では「either」と「neither」の意味や使い方、使い分けについて解説しました。ポイントをまとめると以下のようになります。
- 「either」は「どちらか一方」を意味し、肯定的な文脈で使われます。
- 「neither」は「どちらも~ない」を意味し、否定的な文脈で使われます。
- 「either」は否定文で使うと「~もまた~ない」という意味になります。
- 「either…or…」は「~か~のどちらか」、「neither…nor…」は「~も~も~ない」という意味の相関接続詞です。
- 肯定文での「too」「also」「as well」は、否定文では「either」に置き換わります。
- 肯定文に同意する場合は「Me too」や「So do I」、否定文に同意する場合は「Me neither」「Me either」や「Neither do I」を使います。
- 基本的に「either」と「neither」は単数扱いですが、「either of + 複数名詞」や「neither of + 複数名詞」の場合、カジュアルな会話では複数扱いになることもあります。
- 3つ以上の選択肢については、「any」と「none」を使うのが一般的ですが、現代英語では「either」や「neither」を使うこともあります。
英語学習において「either」と「neither」の使い分けは最初は難しく感じるかもしれませんが、基本的な意味を理解し、例文をたくさん読み、練習問題をこなすことで、少しずつ自然に使えるようになります。
この記事が皆さんの英語学習の助けになれば幸いです。