「neither」は英語において、代名詞、形容詞、副詞、接続詞など複数の品詞として使われる重要な単語です。基本的な意味は「どちらも~ない」「二つのうちどちらも~でない」となります。
2つの対象について否定する際に用いられるこの表現は、英語の会話や文章でよく出てくるため、英語学習者にとっては必ず覚えておきたい表現の一つです。
この記事では、neitherの基本的な意味から実際の使い方まで、わかりやすく解説していきます。
neitherとは?基本的な意味と使い方

neitherは、2つの物事や人について、どちらも当てはまらない・該当しないことを表す単語です。「どちらも~ない」という否定の意味を持っています。例えば、「りんごもバナナも好きではない」と言いたい場合に使います。
neitherは単独で使うこともできますが、「neither…nor…(~も~も~ない)」というペアで使われることも多いです。また、会話の中で相手の否定文に同意する際にも使われます。
例文
- Neither option is good for me.(どちらの選択肢も私には良くありません。)
- I like neither apples nor oranges.(私はリンゴもオレンジも好きではありません。)
- “I don’t like math.” “Neither do I.”(「数学が嫌いです」「私もです」)
neitherの品詞と役割
neitherは英語の中で様々な品詞として使われます。それぞれの役割について見ていきましょう。
代名詞としてのneither
代名詞として使われる場合、neitherは「どちらも~ない」という意味で、2つの対象のどちらも否定します。
例文
- There are two books on the table, but neither is mine.(テーブルの上に本が2冊ありますが、どちらも私のものではありません。)
- I have two brothers, but neither lives in Tokyo.(私には兄弟が2人いますが、どちらも東京に住んでいません。)
限定詞・形容詞としてのneither
限定詞または形容詞として使われる場合、neitherは名詞を修飾して「どちらの~も~ない」という意味を表します。
例文
- Neither student passed the test.(どちらの生徒もテストに合格しませんでした。)
- Neither answer is correct.(どちらの答えも正しくありません。)
副詞としてのneither
副詞として使われる場合、neitherは「~もまた~ない」という意味で、否定文に対して同意する時によく使われます。
例文
- “I can’t swim.” “Neither can I.”(「泳げません」「私もです」)
- “He doesn’t speak English.” “Neither does she.”(「彼は英語を話しません」「彼女もです」)
接続詞としてのneither
接続詞として使われる場合、neitherはよく「nor」と一緒に使われ、「~も~もどちらも~ない」という意味を表します。
例文
- She speaks neither English nor French.(彼女は英語もフランス語も話しません。)
- He is neither tall nor short.(彼は背が高くも低くもありません。)
neitherの使い方とパターン
neitherには様々な使い方があります。ここでは主なパターンについて見ていきましょう。
neither + 単数名詞
neitherの後に単数名詞を置くと、「どちらの~も~ない」という意味になります。この場合、動詞は単数形になります。
例文
- Neither car is available now.(どちらの車も今は利用できません。)
- Neither parent came to the meeting.(どちらの親も会議に来ませんでした。)
neither of + 複数名詞/代名詞
「neither of + 複数名詞/代名詞」の形で、「~のどちらも~ない」という意味を表します。この場合も、動詞は単数形を使います。
例文
- Neither of my parents speaks English.(私の両親はどちらも英語を話しません。)
- Neither of them wants to go to the party.(彼らはどちらもパーティーに行きたがっていません。)
neither…nor…
「neither…nor…」の形で、「~も~もどちらも~ない」という意味を表します。これは二つの対象を両方とも否定する強い表現です。
例文
- I have neither time nor money.(私には時間もお金もありません。)
- She is neither happy nor sad.(彼女は嬉しくも悲しくもありません。)
否定文に同意する表現
否定文に対して同意する場合、「Neither + 助動詞/be動詞 + 主語」の形を使います。
例文
- “I don’t like horror movies.” “Neither do I.”(「ホラー映画が好きではありません」「私もです」)
- “She isn’t going to the concert.” “Neither am I.”(「彼女はコンサートに行きません」「私もです」)
neitherと似た表現の違い
neitherと似た意味や使い方を持つ表現がいくつかあります。それらの違いを理解することで、より正確に英語を使いこなせるようになります。
neitherとnot either
「not either」はneitherと同じ意味を持ちますが、より口語的な表現です。「neither」がやや形式的な印象を与えるのに対して、「not either」は日常会話でよく使われます。
例文
- I don’t like coffee. I don’t like tea, either.(コーヒーが好きではありません。紅茶も好きではありません。)
- She can’t swim. He can’t swim, either.(彼女は泳げません。彼も泳げません。)
neitherとnone
neitherは2つの対象について「どちらも~ない」という意味ですが、noneは3つ以上の対象について「どれも~ない」という意味で使われます。
例文
- I have two pens, but neither works.(ペンが2本ありますが、どちらも動きません。)
- I have three pens, but none of them work.(ペンが3本ありますが、どれも動きません。)
neitherとboth
neitherは否定的な意味を持つのに対して、bothは肯定的な意味を持ちます。neitherが「どちらも~ない」という意味なら、bothは「両方とも~である」という意味です。
例文
- Neither of them speaks Japanese.(彼らはどちらも日本語を話しません。)
- Both of them speak English.(彼らは両方とも英語を話します。)
neitherの文法的な注意点
neitherを使う際には、いくつかの文法的な注意点があります。正しく使えるようにしっかり覚えておきましょう。
動詞の単数・複数
neitherは意味としては2つのものを表していますが、文法的には単数扱いになります。したがって、neitherが主語の場合、動詞は単数形になります。
例文
- Neither of the students is present today.(どちらの生徒も今日は出席していません。)
- Neither of these books belongs to me.(これらの本はどちらも私のものではありません。)
「neither of」の後の名詞
「neither of」の後には複数形の名詞または代名詞が来ます。これは「of」が前置詞であり、前置詞の後には通常、複数形の名詞が来るためです。
例文
- Neither of my friends lives in this city.(私の友達はどちらもこの街に住んでいません。)
- Neither of the women knows the answer.(どちらの女性も答えを知りません。)
「neither…nor…」の主語と動詞の一致
「neither…nor…」が主語として使われる場合、動詞の形は「nor」の後に来る名詞に合わせます。
例文
- Neither the students nor the teacher knows the answer.(生徒たちも先生も答えを知りません。)
- Neither my sister nor my brothers are interested in sports.(私の姉も兄弟たちもスポーツに興味がありません。)
neitherを使った日常表現とフレーズ
neitherを使った便利な日常表現やフレーズをいくつか紹介します。これらを覚えておくと、会話の幅が広がります。
Me neither
「Me neither」は「私もそうではない」という意味で、相手の否定文に同意する時に使われる便利な表現です。
例文
- “I don’t like spicy food.” “Me neither.”(「辛い食べ物が好きではありません」「私もです」)
- “I can’t understand this math problem.” “Me neither.”(「この数学の問題が理解できません」「私もです」)
Neither here nor there
「Neither here nor there」は「重要ではない」「関係ない」という意味のイディオムです。
例文
- Whether he comes or not is neither here nor there.(彼が来るかどうかは重要ではありません。)
- That detail is neither here nor there in this discussion.(その詳細はこの議論では関係ありません。)
Neither fish nor fowl
「Neither fish nor fowl」は「どっちつかず」「はっきりしない」という意味のイディオムです。
例文
- His style of music is neither fish nor fowl.(彼の音楽のスタイルははっきりしていません。)
- The movie is neither fish nor fowl – not quite a comedy and not quite a drama.(その映画はどっちつかずで、コメディーでもドラマでもありません。)
neitherのよくある間違いと注意点
neitherを使う際によくある間違いと注意点をいくつか紹介します。これらに気をつけることで、より正確に英語を使えるようになります。
二重否定の誤り
neitherは既に否定の意味を含んでいるため、別の否定語と一緒に使うと二重否定になってしまいます。これは英語では避けるべき表現です。
誤った例
Neither of them don’t like pizza.(どちらも「ピザが好きではない」)
正しい例
Neither of them likes pizza.(どちらもピザが好きではありません。)
動詞の形の間違い
neitherは単数扱いですが、複数形の名詞と一緒に使われることが多いため、動詞を複数形にしてしまう間違いがよくあります。
誤った例
Neither of the students are here.(どちらの生徒も「ここにいる」)
正しい例
Neither of the students is here.(どちらの生徒もここにいません。)
「neither…or…」の誤用
neitherと一緒に使うのは「or」ではなく「nor」です。「neither…or…」という組み合わせは文法的に正しくありません。
誤った例
I like neither apples or oranges.(リンゴも「または」オレンジも好きではない)
正しい例
I like neither apples nor oranges.(リンゴもオレンジも好きではありません。)
3つ以上の対象への使用
neitherは基本的に2つの対象についてのみ使用します。3つ以上の対象については「none」を使うのが適切です。
誤った例
Neither of the three options is good.(3つの選択肢のどれも良くない)
正しい例
None of the three options is good.(3つの選択肢のどれも良くありません。)
neitherの発音のポイント
neitherの発音には主に2つのバリエーションがあります。アメリカ英語とイギリス英語で異なることが多いですが、どちらも正しい発音とされています。
アメリカ英語での発音
アメリカ英語では一般的に「ニーザー」と発音されることが多いです。最初の「nei」の部分が「ニー」と発音されます。
イギリス英語での発音
イギリス英語では「ナイザー」と発音されることが多いです。最初の「nei」の部分が「ナイ」と発音されます。
発音のコツ
どちらの発音を選んでも構いませんが、一貫性を持たせることが大切です。また、「th」の音は舌先を上の前歯と下の前歯の間に軽く挟み、息を吐きながら発音するようにしましょう。
neitherに関する問題
「Neither」は英語の否定表現で、「どちらも〜ない」という意味を持つ単語です。「neither A nor B(AもBも〜ない)」という構文や、付加疑問文での「Neither do I(私もそうではない)」のような使い方、また代名詞や限定詞としての用法など、様々な使われ方をします。
neitherは、二つの選択肢のどちらも該当しない場合に使用されますが、文脈によっては他の表現が適切な場合もあります。以下の問題を通して、neitherの正しい使い方と、似た表現との違いを理解しましょう。
- Complete the sentence: “________ of the restaurants was open, so we had to cook at home.”
- A) Both
- B) Either
- C) Neither
- D) None
- Fill in the blank: “I don’t like coffee, and ________ does my sister.”
- A) either
- B) neither
- C) also
- D) too
- Choose the correct response: “I don’t enjoy horror movies.” – “________.”
- A) So do I
- B) Neither do I
- C) Either do I
- D) I do so
- Complete the sentence: “You can choose ________ the red shirt or the blue one; both look good on you.”
- A) neither
- B) either
- C) nor
- D) both
- Which is the correct sentence?
- A) Neither he or she came to the party.
- B) Neither he nor she came to the party.
- C) Neither he and she came to the party.
- D) Neither he nor she comes to the party.
- Complete the sentence: “Sarah hasn’t been to Paris, and John ________ has.”
- A) neither
- B) not either
- C) hasn’t either
- D) not also
- Fill in the blank: “________ of us wanted to miss the concert, so we all arrived early.”
- A) Neither
- B) None
- C) Both
- D) All
- Choose the correct option: “I would ________ go to the beach than stay at home on such a sunny day.”
- A) rather
- B) better
- C) neither
- D) more
- Complete the sentence: “She offered me tea and coffee, but I wanted ________.”
- A) neither
- B) either
- C) both
- D) none
- Which sentence is correct when talking about your preference between two options?
- A) I like neither of them.
- B) I like none of them.
- C) I like both of them not.
- D) I don’t like either of them.
「Neither」は英語の否定表現において重要な役割を果たす単語です。上記の問題では、neitherが答えになるものと、似た意味でも別の表現が適切なものを見てきました。
neitherは基本的に二つの選択肢のどちらも当てはまらない場合に使用され、「neither A nor B」の構文や、代名詞、限定詞として使われます。
一方で、複数の対象に対する全否定には「none」を使ったり、どちらか一方を選ぶ場合には「either」を使うなど、場面に応じた適切な表現を選ぶことが大切です。
これらの表現を正しく使い分けることで、英語での否定表現がより自然になります。
neitherとeitherの対比
neitherとeitherは似ているようで意味が異なります。ここでは両者の違いを詳しく解説します。
eitherの意味と使い方
eitherは「どちらか一方」「どちらでも」という意味を持ち、選択肢の中からどれか1つが当てはまることを表します。肯定文や疑問文で使われることが多いです。
例文
- You can choose either option.(どちらの選択肢を選んでもいいです。)
- Is either of them available?(彼らのどちらかは利用可能ですか?)
neitherとeitherの対比表
以下の表でneitherとeitherの主な違いをまとめています。
項目 | neither | either |
---|---|---|
基本的な意味 | どちらも~ない | どちらか一方、どちらでも |
使われる文の種類 | 主に肯定文(否定の意味を含む) | 肯定文、疑問文、否定文 |
動詞の形 | 単数形 | 単数形 |
ペアになる単語 | nor | or |
例文 | Neither option is good. | Either option is good. |
Neither of them speaks English. | Either of them can help you. | |
I like neither coffee nor tea. | I like either coffee or tea. |
neitherの活用例
neitherは様々な状況で活用できます。ここでは日常的によく使われるシーンでのneitherの使い方を紹介します。
選択肢を否定する場合
2つの選択肢がどちらも適さない場合にneitherを使います。
例文
- Neither date works for me.(どちらの日程も私には都合が悪いです。)
- I like neither of these designs.(これらのデザインはどちらも好きではありません。)
相手の否定に同意する場合
相手が否定的なことを言った時に、自分も同様であることを表現する場合にneitherを使います。
例文
- “I don’t understand this problem.” “Neither do I.”(「この問題が理解できません」「私もです」)
- “She doesn’t eat meat.” “Neither does her husband.”(「彼女は肉を食べません」「彼女の夫もです」)
2つの物事を共に否定する場合
2つの事柄がどちらも当てはまらないことを強調したい場合に「neither…nor…」を使います。
例文
- He is neither rich nor famous.(彼は金持ちでも有名でもありません。)
- The movie was neither exciting nor boring.(その映画は面白くもなく退屈でもありませんでした。)
「neither」に関するよくある質問
ここでは、neitherに関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
- neitherとnor、どちらも使う必要がありますか?
-
「neither…nor…」というペアで使う場合は、両方を使う必要があります。ただし、neitherが単独で使われる場合(例:Neither of them)や、会話の中で「Neither do I.」のように使われる場合は、norは必要ありません。
- neitherの後の動詞は単数形ですか、複数形ですか?
-
neitherは文法的には単数扱いになるため、neitherが主語の場合は動詞は単数形になります。例えば、「Neither of the students is here.」となります。ただし、口語では複数形が使われることもあります。
- 「Me neither」と「Neither do I」の違いは何ですか?
-
どちらも「私もそうではない」という意味ですが、「Me neither」はよりカジュアルな表現で、「Neither do I」はより正式な表現です。会話では「Me neither」がよく使われます。
- neitherは3つ以上の対象に使えますか?
-
neitherは基本的に2つの対象についてのみ使用します。3つ以上の対象については「none」を使うのが適切です。例えば、「None of the three options is good.」となります。
- neitherとeitherはどのように使い分けますか?
-
neitherは「どちらも~ない」という否定的な意味で使われ、eitherは「どちらか一方」「どちらでも」という肯定的な意味で使われます。neitherが両方を否定するのに対して、eitherは選択肢の中からどれか1つが当てはまることを表します。
まとめ

この記事では、「neither」の意味や使い方について詳しく解説してきました。neitherは英語において「どちらも~ない」という否定の意味を持つ重要な表現です。
様々な品詞として使われ、異なる文脈で多様な使い方があることが分かりました。以下に、この記事のポイントをまとめます。
- neitherは「どちらも~ない」「二つのうちどちらも~でない」という意味を持つ
- 代名詞、形容詞、副詞、接続詞など多様な品詞として使われる
- neitherは文法的には単数扱いとなり、主語の場合は動詞も単数形になる
- 「neither…nor…」で「~も~もどちらも~ない」という強い否定を表現できる
- 否定文に同意する際は「Neither do I」「Me neither」などの表現が便利
- neitherとeitherは対照的な意味を持ち、neitherは否定、eitherは選択を表す
- よくある間違いとしては、二重否定や動詞の形の間違い、「neither…or…」の誤用などがある
neitherを適切に使えるようになると、英語での表現の幅が広がります。この記事で紹介した例文やパターンを参考にして、ぜひ日常会話や文章の中でneitherを積極的に使ってみてください。
繰り返し使ううちに自然と身につき、より豊かな英語表現ができるようになるでしょう。