英検のライティングテストは、多くの受験者にとって最も得点を稼ぎやすいセクションです。しかし、十分な知識がないまま臨むと、思わぬミスで減点される可能性があります。
英検は減点方式の採点方法を採用しており、誤った表現や文法エラーが積み重なると、合格ラインを下回る結果になってしまうことも少なくありません。
この記事では、英検初心者の方に向けて、ライティングで絶対に避けるべき減点対象をわかりやすく解説します。チェックリストを活用することで、試験本番での失敗を大幅に減らすことができます。
英検ライティングの採点基準:4つの観点から徹底理解

英検ライティングの採点は、「内容」「構成」「語彙」「文法」の4つの観点から総合的に評価されます。
この基本知識は、効率的な対策とスコアアップに不可欠です。
全レベル共通の評価方法
| 級 | 採点観点 | 満点(合計) | 特徴 |
| 英検3級・英検準2級 | 各観点4点満点 | 16点 | 各観点がバランス良く評価される |
| 英検2級〜英検1級 | 級が上がるごとに配点が増加 | 非公開 | より高度な英語力・論理性が求められる |
すべての級で基本的な評価基準は共通です。4つの観点すべてでバランス良く加点を得ることが、高得点への鍵となります。
一つの観点で大きく失敗すると、全体のスコアが大幅に下がる可能性があります。
4つの採点観点と評価のポイント
採点官が具体的にどのような点を見ているかを理解し、減点を避けるための対策をしましょう。
内容:課題に対する適切な回答
- 評価されること
- 出題されたQUESTIONに対し、求められている内容を正しく含んでいるか(お題にちゃんと答えているか)。
- 3級・準2級:自分の意見とそれを支える理由を2つ以上述べているか。
- 2級以上:より複雑な議論や多角的な視点を含めているか。
- 注意点(減点対象)
- お題と無関係な内容を述べる(例:「カジュアル服装の是非」で「ジーンズの歴史」を語る)。
- 意見と矛盾する理由を述べる(その理由はカウントされない)。
構成:論理的でわかりやすい流れ
- 評価されること
- 英文全体が論理的かつ分かりやすく構成されているか。
- 基本的な型(意見表明→理由①→補足→理由②→補足→結論)に沿っているか。
- 推奨される基本的な流れ
- 意見や立場の表明
- 理由①の説明と補足
- 理由②の説明と補足
- 結論(もう一度意見を表明)
- 注意点(減点対象)
- 同じ表現の繰り返しが多い。
- 関係のない内容が含まれている(指定語数を埋めるための無関係な話)。
- 論理が飛躍しており、流れが不安定。
語彙:課題に適切な単語を正しく使用
- 評価されること
- 選んだ単語が文脈に適切であり、正確に使用できているか。
- 確実に使える基本的な単語を適切に使い分けられているか。
- 注意点(減点対象)
- スペルミス。
- 文脈に合わない単語の選択。
- 同じ単語ばかり繰り返し使う。
- 小さな文法エラー(例:不可算名詞に「s」を付ける、冠詞「a/an/the」の誤用)。
文法:文法的に正しい英文の構成
- 評価されること
- 文法的に正しい英文が書けているか。
- (高い級では)文法のバリエーションが豊富であるか。
- 3級:シンプルな文法ミスを避けることが最優先。
- 注意点(減点対象)
- 明らかな文法誤り。
- 複数の小さな文法エラー(積み重なると大きな減点になる)。
英検ライティングで絶対に減点される必須チェックポイント
英検ライティングの採点は、減点方式です。
満点からエラーが見つかるたびに点数が引かれていくため、事前に減点対象を知り、ミスを減らすことが合格への鍵となります。
質問と全く関係のない内容を書く
これは最も重大なミスです。
- 影響
- 内容観点で大幅に減点、場合によっては0点の可能性もあります。
- 具体例
- 「オンライン授業は学生に有益か?」という問いに、「私は旅行が好きです」と答える。
- 対策
- 質問を必ず2回読む習慣をつける。
- 解答を書き終えた後、自分の答えが質問に対して的確かどうか確認する時間を取る。
自分の意見と矛盾する理由や説明を書く
論理展開の矛盾は、採点官に容易に見抜かれます。
- 影響
- 意見を支える理由としてカウントされず、減点対象となる。
- 具体例
- 「テレワークは導入すべきです。なぜなら、従業員は怠けになり、同僚とのコミュニケーションが減ってしまうからです」と答える。
- 対策
- 解答を決める前に、アイデアを整理する(賛成なら賛成の理由を3つ以上列挙するなど)。
- 最も説得力のある2つの理由を選んで説明する。
個人的な経験のみで理由を述べている
「私がそう思うから」といった個人的な感情や経験のみの理由は、説得力に欠けます。
- 影響
- 一般的な社会的な観点に基づいていないため、評価されず減点対象となる。
- 具体例
- 「テレワークは導入すべき。なぜなら、私は朝早く起きたくないから」という回答。
- 対策
- 他の多くの人にも当てはまるような普遍的な利点や欠点(社会的な観点)を述べる。
- 個人的な経験を述べる場合でも、広く適用できる一般的な問題と結びつける。
指定語数を大きく下回る
ライティングには「50語以上」などの最小語数が指定されています。
- 影響
- 内容や構成での減点に加え、さらなる減点が科される可能性がある。語数不足は、理由や説明が不十分と判断されることにつながる。
- 注意点
- 質の高い文章を短くまとめることと、単に語数が不足していることは異なります。
これらのポイントを試験本番で常に意識することで、記述ミスを大幅に減らし、安定して高得点を狙うことができます。
文法エラーで最も多い減点パターン:初心者が陥りやすいワナ
英検などのライティング試験において、文法観点での減点は、細かいエラーの積み重ねが原因で大きくなる傾向があります。
初心者がよく犯す典型的な文法エラーのパターンを理解し、効率的な試験対策に役立てましょう。
三単現のSの付け忘れ
ルール
主語が「3人称単数」(he, she, it, 単数名詞)で、文が現在形の場合、動詞の末尾に「-s」を付けます。
見落としやすいケース
- 主語と動詞の間に単語が多く入る場合
- 例:She plays tennis.
- 関係代名詞の中の動詞
- 例:I have a friend who plays tennis.
- 受験者は、関係代名詞(who, whichなど)の後の動詞に「-s」を付け忘れることが非常に多いです。
対策
ライティングのチェックリストに「全ての3人称単数の動詞にSが付いているか」という項目を加えましょう。
不可算名詞を複数形にしてしまうミス
ルール
「不可算名詞」は数えられない名詞であり、複数形の「-s」を付けません。
- 誤り:informations, moneys, traffics
- 正解:information, money, traffic
ライティングでよく使う不可算名詞の例
- information(情報)
- advice(アドバイス)
- money(お金)
- transportation(交通手段)
- training(訓練)
- support(サポート)
be動詞の使用にも注意
不可算名詞が主語の場合、be動詞も単数形(is)を使用します。
- 正解:A lot of information is important.(「are」は誤り)
「人が増える」の不正確な表現
ルール
「外国に行く人が増える」といった表現をしたい場合、「people increase」という直接的な表現は文法的に誤りです。
「人の数が増える」という概念で表現するのが正しいです。
- 誤り:people increase.
- 正解:the number of people increases.(人の数が増える)
be動詞の使用にも注意
この文の主語は「people」ではなく「the number」(単数)なので、be動詞は単数形(is)を使用します。
- 誤り:The number of people are increasing.
- 正解:The number of people is increasing.
接続副詞の不適切な使用(however / therefore)
ルール
「however」(しかし)や「therefore」(したがって)のような接続副詞は、2つの完全な文(主語と動詞を持つ文)を直接つなぐことはできません。
誤った使い方
I like studying English, however I don’t like grammar.
正しい使い方
文を区切るか、セミコロンでつなぐ必要があります。
- 文を分ける:I like studying English. However, I don’t like grammar.
- セミコロンでつなぐ:I like studying English; however, I don’t like grammar.
混同しやすい接続詞
「although」や「though」は従属接続詞であり、文を直接つなぎ、完全な文を作ることができます。
- 正解:Although I like studying English, I don’t like grammar.
これらの主要な文法エラーパターンを意識することで、ライティングの得点アップにつながります。
スペルミス・文法ミスを徹底回避!ライティング試験対策チェックリスト活用術
ライティング試験、特に手書きでの答案提出が求められる場合、AI採点支援や複数の採点官による評価において、スペルミスや文法ミスによる減点を防ぐための対策は非常に重要です。
「読める文字」を書く重要性:AIと採点官への配慮
減点リスク
読みにくい「汚い文字」や「判読が難しい文字」は、AIによる自動採点支援システムや採点官によって「スペルミス」と誤判定され、減点される可能性があります。
具体的な対策
- 丁寧に書く
- 採点者が一目で判読できるような丁寧な文字で書くことを心がけましょう。
- 誤認しやすい文字に注意
- 特に形が似ていて誤認識されやすい文字の書き分けに注意してください。
- 数字の「1」と小文字の「l」(エル)
- 数字の「0」と大文字の「O」
- 数字の「2」と大文字の「Z」
- 特に形が似ていて誤認識されやすい文字の書き分けに注意してください。
消し忘れ・書き直しの注意点
- 完全な消去
- 消しゴムで文字を消す際は、消し残しや消しくずが残らないよう完全に消去してください。これらが採点の妨げになることがあります。
- 判読が最終基準
- 複数回消したり書き直したりしても、最終的に判読できる状態であれば問題ありません。
ケアレスミスを防ぐ!スペル・句読点チェック
多くの受験者が、意図的ではないケアレスミスによって減点されています。
| 間違いやすい単語 | 正しいスペル | 間違い例 |
| 受け取る | receive | recieve (ei/ieの間違い) |
| 信じる | believe | beleive |
| 分離する | separate | sepalate |
必須の句読点・構成チェック
- ピリオド(.)の確認
- すべての文がピリオドで適切に終わっているか、見落としがないか最後に必ず確認してください。
- 段落構成
- 英作文特有のパラグラフ構成(トピックセンテンス、裏付け、結論など)が適切になされているかも評価対象です。
【最終確認】提出直前のチェックリスト
ライティングを書き終えたら、以下の項目を一つずつ指差し確認しながらチェックしましょう。
- [ ] すべての文字が丁寧に、判読可能な状態で書かれているか。
- [ ] 誤認されやすい文字(例:1とl、0とO)の書き分けができているか。
- [ ] 消し残し、消しくずは完全に取り除かれているか。
- [ ] 自分が間違えやすい単語のスペルはすべて正しいか。
- [ ] すべての文末にピリオド(.)が打たれているか。
このチェックリストを活用することで、知識不足ではなく不注意による減点を最小限に抑えることができます。
ライティングに関するよくある間違い: 実例から学ぶ合格へのヒント
英検ライティング試験では、採点基準上のミスだけでなく、試験中の心理的な要因(忙しさや焦り)から生じるヒューマンエラーも多く見られます。
ここでは、多くの受験者が実際に犯してしまう間違いを、具体的な実例とともに解説し、対策を提案します。
文頭を小文字で書いてしまう
英文の最も基本的なルールとして、文の最初の文字は必ず大文字で始めなければなりません。
- 間違いの例: i think online classes are useful
- 正しい表現: I think online classes are useful
このような初歩的なミスは、採点官に「基本的な英文法の理解不足」という悪い印象を与え、全体の評価に悪影響を及ぼす可能性があります。
1つの文が長すぎて意味が不明瞭になる
複雑なアイデアを一つの文に詰め込もうとすると、文が異常に長くなり、結果として言いたいこと(意図)が伝わりにくくなります。
間違いの例:(長すぎて一読で意味を把握しづらい)
Because studying English from a young age for developing future career possibilities and also for improving communication skills with people around the world, I think it is important to start learning English in elementary school.
より良い表現:(複数の短い文に分けることで、意図が正確かつ明確に伝わる)
I think it is important to start learning English in elementary school. First, it helps develop future career possibilities. Second, it improves communication skills with people around the world.
意見文で主語が抜けている
英語では、日本語のように主語の省略はできません。
特に「I think」という表現で主語の「I」を抜かしてしまう受験者がいます。
- 間違いの例: Think that online classes are useful
- 正しい表現: I think that online classes are useful
これは明らかな文法ミスとして減点対象になります。文の最初に動詞(think)を置く場合に主語を忘れやすい傾向があります。
和文直訳による不自然な語順・表現
日本語の思考をそのまま英語に直訳しようとすると、不自然な語順やネイティブが使わない表現になってしまうことがあります。
- 間違いの例:I have a experience
- 正しい表現: I have an experience (experienceは可算・不可算で注意が必要)
- 不自然な直訳の例:I go to school on a bicycle
- 自然な英表現: I go to school by bicycle (交通手段は通常 by を使う)
「I think」を多用しすぎる
「I think」は手軽で便利な表現ですが、多用しすぎると語彙の表現が単調になり、語彙観点での減点対象になる可能性があります。
| 表現が単調になる原因 | 代替表現の例 |
| 「I think」の繰り返しを避ける | I believe, In my opinion, It seems to me, From my perspective, Personally, I feel that… |
これらの間違いを意識して最終チェックを行うことで、英検ライティングでのスコアアップが期待できます。
英検ライティングに関するよくある質問と解決策 〜初心者の疑問を解消〜
英検ライティングに初めて挑戦する方が抱く疑問には、いくつか共通したパターンがあります。
ここでは、特に多く寄せられる質問に対し、評価のポイントと合わせてわかりやすく解説します。
- 何文字くらい書けばいいですか?
-
最小語数以上であれば問題ありません。
無理に長くして内容が散漫になるよりも、指定語数の範囲内で、論理的かつ説得力のある文章を書くことの方が高い評価につながります。「質と量のバランス」が最も重要です。
- 難しい単語をたくさん使った方が加点されますか?
-
答えは「いいえ」です。確実に使える単語を正確に使用することが最も重要です。
難しい単語を使ってスペルミスや文法エラーが増えるより、基本的な単語を完璧に使いこなす方が高得点につながります。
- 同じ段落内で同じ表現を繰り返してしまった場合、減点されますか?
-
減点される可能性があります。
同義表現を使い分けることで、語彙の多様性という観点からより高い評価が得られます。
- 冠詞(a、an、the)をうっかり忘れた場合、大幅に減点されますか?
-
一般的に、意味が理解できるレベルの冠詞エラーは寛容に扱われることが多いです。
ただし、複数の冠詞エラーがある場合は、累積して減点される可能性があります。
- 与えられたトピックについて知識がない場合はどうすればいいですか?
-
英検ライティングでは、事実の正確性よりも、論理的に説得力のある理由を述べることが重要です。
知識がない場合でも、一般的な観点から論理的に考えた理由であれば、適切に評価されます。
- 間違えた時は修正液を使ってもいいですか?
-
試験要項を必ず確認してください。
一般的には、修正液の使用は推奨されていません。きれいに消して書き直すか、または最初から書き直す方が無難で安全です。
まとめ

英検ライティング試験で高得点を獲得するためには、採点基準を理解し、採点官が何を評価しているかを知ることが不可欠です。
この記事で解説した内容を実践することで、試験本番での減点を大幅に減らすことができます。最後に、試験前に必ず確認すべき重要なポイントをリストアップしました。
英検ライティング対策を効率的に進めるためには、単に練習量を増やすだけでなく、採点基準を理解した上で、自分が何を改善すべきかを認識することが重要です。
このチェックリストを活用することで、試験本番での自信につながり、結果として合格に近づくことができます。
ライティング試験で減点されないための重要なチェックリスト:
- QUESTIONを正確に理解し、的確に答えているか
- 自分の意見と理由が矛盾していないか
- 個人的な経験のみでなく、一般的な視点から理由を述べているか
- すべての文が指定語数以上であるか
- 文頭の文字が大文字で始まっているか
- すべての文がピリオドで終わっているか
- 3人称単数の動詞に「s」が付いているか
- 不可算名詞に複数形の「s」を付けていないか
- 冠詞(a、an、the)が正確に使用されているか
- スペルミスや読みにくい文字がないか
- 1つの文が長すぎて意味不明になっていないか
- however と therefore の使用方法が正確か
- 同じ表現ばかり繰り返されていないか
- 内容が結論へ向けて論理的に展開されているか
このチェックリストを試験前に印刷して、解答を作成する際の指針にすることをお勧めします。
最初は時間がかかるかもしれませんが、繰り返し使用することで、チェックの内容が自動的に身に付き、より効率的にライティングを進めることができるようになります。
英検ライティング試験で減点されないための基本を抑えることは、最終的な合格を左右する重要な要素です。
このガイドで学んだ知識を活用して、試験本番での成功を目指してください。

