「notwithstanding」は、英語で「〜にもかかわらず」や「〜に関わらず」という意味を持つ単語で、前置詞、副詞、接続詞として使われます。フォーマルな文脈で特によく登場する表現ですが、実は使い方を理解すれば英語初学者でも活用できる便利な単語です。
本記事では、「notwithstanding」の意味や正しい使い方、そして実践的な例文を通して、この少し難しそうに見える単語を身近なものにしていきましょう。
notwithstandingとは?意味と基本的な使い方

「notwithstanding」は「〜にもかかわらず」「〜を考慮しないで」という意味を持つ語で、前置詞、副詞、そして接続詞として使用できる多機能な表現です。語源は「not(否定)」と「withstanding(耐える、抵抗する)」が組み合わさったもので、直訳すると「抵抗せずに」という意味になります。現代では主に「~にもかかわらず」という逆接の意味で使われています。
前置詞として使う場合は、名詞や代名詞の前や後ろに置きます。副詞として使う場合は、文の最初や最後に単独で使うことができます。また、接続詞としても機能し、「that」や「the fact that」と組み合わせて使われることもあります。
「notwithstanding」は、法律文書やビジネス文書、学術論文など、フォーマルな文脈でよく使われる表現です。日常会話ではあまり使われず、代わりに「despite」や「although」などの類義語が好まれる傾向にあります。
前置詞としての使い方
前置詞として使う場合、「notwithstanding」は名詞や名詞句の前または後に置くことができます。英語の多くの前置詞は名詞の前に来ますが、「notwithstanding」は珍しく後ろにも置けるという特徴があります。
- 名詞の前に置く場合:notwithstanding + 名詞/名詞句
- 名詞の後に置く場合:名詞/名詞句 + notwithstanding
副詞としての使い方
副詞として使う場合、「notwithstanding」は単独で文の最初や文末に置かれます。この用法では「それにもかかわらず」「それでも」という意味を表します。
接続詞としての使い方
接続詞として使う場合は、「notwithstanding that」または「notwithstanding the fact that」という形で使い、「〜という事実にもかかわらず」という意味を表します。
notwithstandingの前置詞としての例文
前置詞としての「notwithstanding」は、「〜にもかかわらず」という意味で、対比や譲歩の関係を表現します。以下に中学英語レベルの例文を紹介します。
例文
- Notwithstanding the rain, we played soccer outside.(雨にもかかわらず、私たちは外でサッカーをしました。)
- The party was fun, notwithstanding the small space.(スペースが狭かったにもかかわらず、パーティーは楽しかった。)
- Notwithstanding her young age, she is very wise.(彼女は若いにもかかわらず、とても賢明です。)
- The team won the game, notwithstanding many injuries.(多くの負傷者が出たにもかかわらず、チームは試合に勝ちました。)
- He continued to work, notwithstanding his illness.(彼は病気にもかかわらず、仕事を続けました。)
このように、前置詞としての「notwithstanding」は名詞や名詞句の前後どちらにも置くことができ、柔軟性があります。これは英語の前置詞としては珍しい特徴です。
名詞の前に置く用法
名詞の前に置く用法は最も一般的です。
例文
- Notwithstanding the difficulties, they completed the project on time.(困難にもかかわらず、彼らは予定通りにプロジェクトを完了しました。)
- Notwithstanding his strict parents, he went to the concert.(厳しい両親がいるにもかかわらず、彼はコンサートに行きました。)
名詞の後に置く用法
名詞の後に置く用法は少しフォーマルで古風な印象を与えますが、文学作品や法律文書でよく見られます。
例文
- Their objections notwithstanding, we decided to proceed with the plan.(彼らの反対にもかかわらず、私たちは計画を進めることにしました。)
- The high cost notwithstanding, the new computer system was necessary.(高額な費用にもかかわらず、新しいコンピューターシステムは必要でした。)
notwithstandingの副詞としての例文
副詞として使われる「notwithstanding」は、単独で使われ「それにもかかわらず」「それでも」という意味を表します。
例文
- The road was flooded. We continued our journey, notwithstanding.(道は冠水していました。それにもかかわらず、私たちは旅を続けました。)
- She didn’t have much experience; notwithstanding, she got the job.(彼女にはあまり経験がありませんでした。それにもかかわらず、彼女は仕事を得ました。)
- He was very tired. Notwithstanding, he helped his friend with homework.(彼はとても疲れていました。それにもかかわらず、彼は友達の宿題を手伝いました。)
- The movie received bad reviews; we enjoyed it, notwithstanding.(その映画は悪い評価を受けました。それにもかかわらず、私たちはそれを楽しみました。)
- It was raining heavily. Notwithstanding, the children wanted to play outside.(大雨が降っていました。それにもかかわらず、子供たちは外で遊びたがりました。)
副詞としての用法は、文の最初や最後に置かれることが多く、接続副詞のような役割を果たします。前の文脈と対比する内容を示す時に効果的です。
notwithstandingの接続詞としての例文
接続詞として使う場合は、「notwithstanding that」または「notwithstanding the fact that」という形で使います。「〜という事実にもかかわらず」という意味を表します。
例文
- Notwithstanding that he is young, he is very responsible.(彼が若いという事実にもかかわらず、彼はとても責任感があります。)
- Notwithstanding the fact that it was late, we decided to go out.(遅い時間だったという事実にもかかわらず、私たちは出かけることにしました。)
- She got the job, notwithstanding that she had little experience.(彼女はほとんど経験がなかったという事実にもかかわらず、その仕事を得ました。)
- We enjoyed the beach, notwithstanding that the weather was cloudy.(天気が曇っていたという事実にもかかわらず、私たちは浜辺を楽しみました。)
- They decided to hold the outdoor event, notwithstanding that rain was forecast.(雨が予報されていたという事実にもかかわらず、彼らは野外イベントを開催することにしました。)
接続詞としての用法は、やや堅い表現であり、日常会話ではあまり使われません。代わりに「although」や「even though」などのより一般的な接続詞が使われることが多いです。
notwithstandingと類義語の比較
「notwithstanding」には、「despite」「in spite of」「although」「even though」などの類義語があります。これらはすべて「〜にもかかわらず」という意味を持ちますが、使い方や適切な場面が少しずつ異なります。
以下の表で比較してみましょう。
表現 | 品詞 | フォーマル度 | 使用頻度 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
notwithstanding | 前置詞/副詞/接続詞 | 非常に高い | 低い | 法律文書、学術論文、ビジネス文書に多い |
despite | 前置詞 | 中〜高 | 中〜高 | 一般的な書き言葉、会話でも使用可 |
in spite of | 前置詞句 | 中 | 中 | despiteよりやや強調的 |
although | 接続詞 | 中 | 高 | 会話や一般的な文章で最も一般的 |
even though | 接続詞 | 中 | 高 | althoughより強調的 |
「notwithstanding」は他の類義語と比べて最もフォーマルで、使用頻度は低めです。特に法律文書や学術論文などで重宝されます。日常会話では「despite」「although」などの表現の方が自然です。
フォーマルさの違い
「notwithstanding」は非常にフォーマルな表現で、特に法律関係の文書や学術論文でよく使われます。初学者が日常会話で使うと不自然に聞こえることがあります。
一方、「although」や「even though」は日常会話でも頻繁に使われる表現です。
品詞の違い
「notwithstanding」は前置詞、副詞、接続詞として使える多機能な語です。「despite」と「in spite of」は前置詞(句)として使われ、「although」と「even though」は接続詞です。
使い分ける際は、文の構造に合わせて適切な表現を選ぶことが重要です。
notwithstandingのよくある間違いと注意点
「notwithstanding」を使う際によく見られる間違いと、注意すべきポイントをいくつか紹介します。
語順の間違い
前置詞として使う場合、名詞の前にも後ろにも置けるという特性があるため、誤った語順で使ってしまうことがあります。特に名詞の後に置く場合、文全体のバランスに注意が必要です。
誤った例: The project proceeded the difficulties notwithstanding.
正しい例: The project proceeded, the difficulties notwithstanding.(カンマを入れる)
不適切な文脈での使用
「notwithstanding」はフォーマルな表現であるため、カジュアルな会話や友達との軽いやり取りで使うと不自然に聞こえることがあります。状況に応じて適切な類義語を選びましょう。
不自然な例: Notwithstanding the rain, let’s go to the beach!(友達との会話)
自然な例: Despite the rain, let’s go to the beach!
過剰使用
一つの文章の中で「notwithstanding」を何度も使うと、文章が重くなり読みにくくなります。同じ意味を表す他の表現と組み合わせて使うことで、文章に変化をつけることができます。
冗長な例: Notwithstanding the rain, and notwithstanding the cold weather, and notwithstanding the late hour, we decided to go.
改善例: Notwithstanding the rain, despite the cold weather, and despite the late hour, we decided to go.
「notwithstanding that」と「notwithstanding the fact that」の混同
接続詞としての用法では、「notwithstanding that」と「notwithstanding the fact that」の両方の形が使えますが、初学者はこれらを混同しがちです。
どちらも正しい表現ですが、「the fact that」を含む方がより明示的で意味が明確になります。
句動詞との混同
「withstand」という動詞があり、「notwithstanding」と混同する人がいます。「withstand」は「耐える」という意味の動詞で、「notwithstanding」とは用法が全く異なります。
notwithstandingに関する問題
「notwithstanding」は英語で「〜にもかかわらず」という意味を持つ前置詞・接続詞・副詞です。文法的にはややフォーマルな表現ですが、書き言葉やスピーチなどでよく使われます。
この問題では、「notwithstanding」の使い方を中心に、似た意味や使い方を持つ他の表現(despite, although, nevertheless, in spite of など)も交えて、理解を深めることを目的としています。
- ________ his lack of experience, he was chosen as the team leader.
- She finished the marathon, ________ the heavy rain.
- The company made a profit last year, ________ the economic downturn.
- ________ her efforts, she did not win the competition.
- He accepted the job offer, ________ the low salary.
- The weather was terrible; ________, the event went ahead as planned.
- ________ the fact that he was tired, he continued working.
- She went to the party ________ feeling unwell.
- The project succeeded, ________ many challenges.
- He failed the test, ________ studying hard.
この問題を通して、「notwithstanding」だけでなく、同じような意味を持つ表現の使い分けも身につけましょう。
「notwithstanding」に関するよくある質問
- 「notwithstanding」とは何ですか?
-
「notwithstanding」は「〜にもかかわらず」「〜を考慮しないで」という意味を持つ英単語です。前置詞、副詞、接続詞として使うことができ、主にフォーマルな文脈で使われます。
- 「notwithstanding」はどんな品詞ですか?
-
「notwithstanding」は前置詞、副詞、接続詞として使うことができる多機能な単語です。前置詞として使う場合は名詞の前後に置き、副詞として使う場合は単独で文の始めや終わりに置きます。接続詞として使う場合は「notwithstanding that」という形になります。
- 「notwithstanding」と「despite」の違いは何ですか?
-
主な違いはフォーマルさのレベルです。「notwithstanding」は「despite」よりもフォーマルで、法律文書や学術論文などで使われることが多いです。また、「notwithstanding」は名詞の後にも置けるという特徴がありますが、「despite」は常に名詞の前に置きます。
- 「notwithstanding」は日常会話で使えますか?
-
「notwithstanding」は非常にフォーマルな表現なので、日常会話ではあまり使われません。カジュアルな会話では「despite」「although」「even though」などの表現の方が自然です。
- 「notwithstanding」を名詞の後に置くときのルールはありますか?
-
名詞の後に置く場合は、通常カンマで区切ります。例:His age notwithstanding, he ran the marathon.(彼の年齢にもかかわらず、彼はマラソンを走りました。)
- 「notwithstanding」の発音のコツはありますか?
-
「notwithstanding」は「not-with-STAND-ing」と発音します。アクセントは「STAND」の部分に置かれます。
- 「notwithstanding」の語源は何ですか?
-
「notwithstanding」は「not(否定)」と「withstanding(耐える、抵抗する)」が組み合わさった語で、直訳すると「抵抗せずに」という意味になります。現代では主に「〜にもかかわらず」という意味で使われています。
- 「notwithstanding」を使った慣用表現はありますか?
-
法律文書などでは「anything herein to the contrary notwithstanding」(本文書の他の条項と矛盾する内容にもかかわらず)という慣用表現がよく使われます。
まとめ

本記事では、「notwithstanding」という英単語の意味と使い方について詳しく解説しました。この単語は前置詞、副詞、接続詞として使えるフォーマルな表現で、「〜にもかかわらず」という逆接の意味を持っています。
英語学習者にとって馴染みの薄い表現かもしれませんが、正しく使いこなせれば表現の幅が広がります。この記事で学んだ主なポイントは以下の通りです。
- 「notwithstanding」は「〜にもかかわらず」「〜に関わらず」という意味を持つ
- 前置詞、副詞、接続詞として使うことができる多機能な表現である
- 前置詞として使う場合、名詞の前にも後ろにも置くことができる
- 副詞として使う場合は単独で使い、文の最初や最後に置く
- 接続詞として使う場合は「notwithstanding that」または「notwithstanding the fact that」の形になる
- 「despite」「in spite of」「although」など、似た意味を持つ他の表現より正式でフォーマルな表現である
- 主に法律文書、学術論文、ビジネス文書など、フォーマルな文脈で使われる
- 日常会話では「despite」や「although」などの類義語の方が自然である
「notwithstanding」は初学者にとっては少し難しい表現かもしれませんが、フォーマルな文章を書く際に知っておくと役立つ便利な単語です。
この記事で紹介した例文や練習問題を通して、使い方を身につけていただければ幸いです。