「occupy」は英語の他動詞(目的語を必要とする動詞)で、「占める」「使用する」「住む」「占領する」など多様な意味を持っています。日常会話から公式な文書まで幅広く使われる単語で、場所や時間、地位などを表現する際に活用できます。
この記事では、初学者の方でも理解しやすいように「occupy」の意味と使い方を例文とともに詳しく解説していきます。
「occupy」とは?基本的な意味と用法

「occupy」は、基本的に「空間や場所を占める・使用する」という意味を持つ他動詞です。物理的な空間を占めることから、抽象的な概念(時間や注意など)を占めるまで、幅広い場面で使われます。
「occupy」の主な意味は以下のとおりです。
- 場所や空間を占める、ふさぐ
- 住む、居住する、使用する
- 占領する、占拠する(特に軍事的な文脈で)
- 地位や役職に就く、占める
- 時間を費やす、要する
- 注意や心を引く、満たす
- 自分自身を何かに従事させる、忙しくさせる
これらの意味を詳しく見ていきましょう。
場所や空間を占める
最も基本的な用法は、物理的な空間や場所を占めるという意味です。
例文
- Books occupy most of my room. (本が私の部屋の大部分を占めています。)
- A large couch occupies most of the space in the living room. (大きなソファがリビングルームのスペースの大部分を占めています。)
- All physical objects occupy space. (すべての物理的な物体は空間を占めます。)
住む・居住する
建物や部屋などに住む、使用するという意味でも使われます。
例文
- They occupy a house in the city. (彼らは市内の家に住んでいます。)
- Our company occupies the fifth floor of this building. (私たちの会社はこのビルの5階を使用しています。)
- The old castle is now occupied by a museum. (その古い城は現在、博物館によって使用されています。)
占領する・占拠する
軍事的な文脈では、領土や建物などを占領する、占拠するという意味で使われます。
例文
- The army occupied the town. (軍隊がその町を占領しました。)
- The students occupied the building to protest. (学生たちは抗議のためにその建物を占拠しました。)
- The protesters occupied the square overnight. (抗議者たちは一晩中広場を占拠しました。)
地位や役職を占める
社会的な地位や役職に就く、占めるという意味でも使われます。
例文
- She occupies an important position in the company. (彼女は会社で重要な地位を占めています。)
- He occupies the role of team leader. (彼はチームリーダーの役割を担っています。)
- They occupy a special place in my heart. (彼らは私の心の中で特別な場所を占めています。)
時間や心を占める
時間を費やす、または心や注意を占めるという意味でも使われます。
例文
- This task will occupy all my time today. (この仕事は今日の私の時間をすべて占めるでしょう。)
- Thoughts of the exam occupied her mind all week. (試験のことが一週間彼女の心を占めていました。)
- The baby seems to occupy all our time. (赤ちゃんは私たちの時間をすべて占めているようです。)
「occupy」の活用形と発音
英語の動詞を正しく使うためには、その活用形を知ることが大切です。また、発音も重要なポイントです。
活用形
「occupy」の活用形は以下のとおりです。
形式 | 活用形 | 発音 |
---|---|---|
原形 | occupy | ˈɒkjʊpaɪ(英)/ ˈɑːkjʊpaɪ(米) |
三人称単数現在形 | occupies | ˈɒkjʊpaɪz(英)/ ˈɑːkjʊpaɪz(米) |
過去形 | occupied | ˈɒkjʊpaɪd(英)/ ˈɑːkjʊpaɪd(米) |
過去分詞 | occupied | ˈɒkjʊpaɪd(英)/ ˈɑːkjʊpaɪd(米) |
現在分詞 | occupying | ˈɒkjʊpaɪɪŋ(英)/ ˈɑːkjʊpaɪɪŋ(米) |
例文
- He occupies the corner seat in the library. (彼は図書館の角の席を使用しています。)
- She occupied the room for three years. (彼女はその部屋に3年間住んでいました。)
- The building has been occupied since last month. (そのビルは先月から使用されています。)
- They are occupying the conference room until noon. (彼らは正午までその会議室を使用しています。)
発音のコツ
「occupy」の発音は少し難しいかもしれませんが、以下のポイントを意識すると良いでしょう。
- 最初の「o」は短く発音します:「オ」
- 次の「ccu」は「キュ」と発音します
- 最後の「py」は「パイ」と発音します
全体では「オキュパイ」と発音します。何度も繰り返し練習することで自然に発音できるようになります。
「occupy」の類義語と使い分け
「occupy」に似た意味を持つ単語はいくつかありますが、ニュアンスや使い方に違いがあります。主な類義語とその違いを見ていきましょう。
fill との違い
「fill」(満たす)と「occupy」(占める)はどちらも空間に関する単語ですが、使い方に違いがあります。
- 「fill」:容器やスペースを中身でいっぱいにすることを強調します。
- 「occupy」:場所や位置を取ることを強調し、必ずしも完全に満たしているわけではありません。
例文
- Water fills the glass. (水がグラスを満たしています。)
- The desk occupies the corner of the room. (机が部屋の隅を占めています。)
inhabit との違い
「inhabit」(居住する)と「occupy」(住む・使用する)も似ていますが、以下のような違いがあります。
- 「inhabit」:主に生物が住むことを意味し、長期的な居住を表します。
- 「occupy」:生物・非生物を問わず、空間を使用することを表し、一時的か永続的かを問いません。
例文
- Birds inhabit this forest. (鳥がこの森に住んでいます。)
- Students occupy this dormitory during the school year. (学生たちは学期中この寮に住んでいます。)
take up との違い
「take up」(場所を取る)と「occupy」(占める)も類似していますが、ニュアンスが異なります。
- 「take up」:空間を使うことに焦点を当て、しばしば「どれくらいの量」を強調します。
- 「occupy」:場所を所有または使用することを強調します。
例文
- This sofa takes up too much space. (このソファは場所を取りすぎています。)
- The sofa occupies the center of the living room. (そのソファはリビングルームの中央を占めています。)
「occupy」を含む熟語表現
「occupy」は様々な表現で使われます。主な熟語表現とその意味を見ていきましょう。
occupy oneself with ~
「〜に従事する」「〜に専念する」という意味で使われる表現です。
例文
- He occupied himself with reading books. (彼は読書に没頭しました。)
- She occupies herself with gardening on weekends. (彼女は週末に園芸に時間を費やしています。)
- They occupied themselves with cleaning the house. (彼らは家の掃除に取り組みました。)
be occupied with ~
「〜で忙しい」「〜に取り組んでいる」という意味の表現です。受け身の形で使われます。
例文
- I am occupied with my homework now. (私は今宿題で忙しいです。)
- She was occupied with cooking all afternoon. (彼女は午後ずっと料理に取り組んでいました。)
- They are occupied with the new project. (彼らは新しいプロジェクトに忙しく取り組んでいます。)
be fully occupied
「完全に忙しい」「全面的に使用されている」という意味の表現です。
例文
- The hotel is fully occupied during summer. (そのホテルは夏の間は満室です。)
- My time is fully occupied with work these days. (最近私の時間は仕事でいっぱいです。)
- His mind was fully occupied with thoughts of the exam. (彼の心は試験のことでいっぱいでした。)
「occupy」のよくある間違いと注意点
英語学習者が「occupy」を使う際によく見られる間違いや注意点をいくつか挙げてみましょう。
スペルの間違い
「occupy」のスペルは間違えやすいものの一つです。特に「c」が2つあることと、「y」で終わることに注意しましょう。
よくある間違い
ocupy→ occupy(正)occupie→ occupy(正)ocuppy→ occupy(正)
前置詞の使い方
「occupy」を使う際に、どの前置詞と組み合わせるかも重要なポイントです。
- occupy + 場所(前置詞なし):場所を占める、住む
例:They occupy a large house.(彼らは大きな家に住んでいます。) - occupy oneself with + 名詞/動名詞:〜に従事する
例:She occupies herself with reading.(彼女は読書に没頭しています。) - be occupied with + 名詞/動名詞:〜で忙しい
例:He is occupied with his studies.(彼は勉強で忙しいです。) - be occupied by + 名詞:〜によって占められている
例:The room is occupied by students.(その部屋は学生によって使用されています。)
他の混同しやすい単語
「occupy」と混同しやすい単語もいくつかあります。
- 「preoccupy」:「心を奪う」「先に占める」という意味で、精神的な面を強調します。
例:His mind was preoccupied with worry.(彼の心は心配でいっぱいでした。) - 「possess」:「所有する」という意味で、所有権や権利の保持を示します。
例:She possesses many books.(彼女はたくさんの本を所有しています。)
また、「occupy」の名詞形は「occupation」ですが、これは「職業」という意味も持ちます。
occupation(名詞):占領、占有、職業
- Teaching is her occupation.(教えることが彼女の職業です。)
- The military occupation lasted for years.(軍事占領は何年も続きました。
「occupy」に関する問題
「occupy」の理解度を確認するために、いくつかの問題に挑戦してみましょう。ここでは、「occupy」の様々な用法や意味を問う問題を10問用意しました。
- The students __ the classroom before the teacher arrived.
- The army was sent to __ the border region.
- She likes to __ her free time with painting.
- The conference room is __ at the moment.
- The sofa __ too much space in the living room.
- He was __ with work and couldn’t attend the meeting.
- The protesters decided to __ the main square.
- The hotel rooms are fully __ during the holiday season.
- The children __ themselves by playing games.
- The building has been __ by the company for over ten years.
「occupy」に関するよくある質問
「occupy」について初学者がよく抱く疑問とその回答をまとめました。
- 「occupy」と「use」の違いは何ですか?
-
「occupy」は空間や場所を物理的に占めることを強調し、「use」はより一般的に物や場所を利用することを意味します。例えば、「The desk occupies the corner of the room.」(机が部屋の隅を占めています)は机が物理的にその場所にあることを表しますが、「I use this desk for studying.」(私はこの机を勉強のために使用しています)は机の用途を示しています。
- 「occupied」と「busy」はどう違いますか?
-
「occupied」は何かに取り組んでいる、使用中である状態を表し、「busy」は一般的に忙しい状態を表します。例えば、「The bathroom is occupied.」(トイレは使用中です)は誰かが使っていることを示しますが、「I am busy now.」(私は今忙しいです)は全般的に時間がないことを示します。
- 「occupation」にはどんな意味がありますか?
-
「occupation」には主に2つの意味があります。1つは「職業、仕事」という意味で、「What is your occupation?」(あなたの職業は何ですか?)のように使います。もう1つは「占領、占有」という意味で、「The military occupation lasted five years.」(軍事占領は5年続きました)のように使います。
- 「occupy oneself」はどのように使いますか?
-
「occupy oneself with」は「〜に自分自身を従事させる、没頭する」という意味で使います。例えば、「He occupied himself with reading while waiting.」(彼は待っている間、読書に没頭しました)のように使います。自分が積極的に何かをすることを表現する表現です。
- 「occupy」の反対語は何ですか?
-
「occupy」の反対語としては、状況によって異なりますが、「vacate」(退去する)、「empty」(空にする)、「abandon」(放棄する)などが挙げられます。例えば、「They occupied the house for years before vacating it.」(彼らはその家を何年も使用した後、退去しました)のように使います。
まとめ

この記事では、英語の他動詞「occupy」の意味と使い方について詳しく解説しました。場所や空間を占めるという基本的な意味から、住む、占領する、地位を占める、心や時間を占めるなど、様々な用法があることを学びました。
以下に、記事の重要なポイントをまとめます。
- 「occupy」は主に「場所や空間を占める」「住む」「占領する」「地位を占める」「時間や心を占める」という意味を持つ他動詞
- 活用形は occupy(原形)、occupies(三人称単数現在形)、occupied(過去形・過去分詞)、occupying(現在分詞)
- 「occupy oneself with ~」で「〜に従事する、専念する」、「be occupied with ~」で「〜で忙しい」という表現がある
- 類義語には「fill」「inhabit」「take up」などがあるが、それぞれニュアンスが異なる
- 「occupation」は「職業」「占領」などの意味を持つ名詞
- 「occupied」は「使用中」「忙しい」という意味で形容詞としても使われる
「occupy」は日常会話から公式な文書まで幅広く使われる便利な単語です。この記事で学んだ知識を活かして、様々な状況で適切に「occupy」を使ってみてください。
正しい使い方を身につけることで、より豊かな英語表現ができるようになるでしょう。