「on behalf of」は英語でよく使われる表現ですが、日本語に訳すと「〜を代表して」「〜の代わりに」「〜の代理として」など複数の意味があります。ビジネスシーンから日常会話まで幅広く使われるこの表現を、初心者の方にもわかりやすく解説します。
この記事を読めば、「on behalf of」をマスターし、英語表現の幅を広げることができるでしょう。
「on behalf of」の基本的な意味

「on behalf of」は英語の複合前置詞で、主に「誰かの代わりに何かをする」という状況で使われます。この表現は、自分以外の誰か(個人や団体)の代理として行動する場合や発言する場合に適しています。
「behalf」という単語自体には「誰かの代理として」という意味がありますが、単独で使われることは少なく、通常は「on behalf of」というフレーズの形で使われます。「behalf」は「be(〜になる)」と「half(もう半分、代理)」が組み合わさってできた言葉とも考えられます。
「on behalf of」には主に以下の3つの意味があります。
- 〜を代表して
- 〜の代わりに、〜の代理として
- 〜のために
それぞれの意味と使い方について詳しく見ていきましょう。
「〜を代表して」の意味と使い方
「〜を代表して」は、自分が所属するグループや組織などを代表して何かを行う場合に使います。例えば、クラスや会社、チームなどを代表してスピーチをする場合などがこれにあたります。
この場合の「on behalf of」は、多くの場合「〜を代表して」と訳されます。複数の人の総意や気持ちを代表して発言したり行動したりする場面で使用されます。
例文
- I want to thank you on behalf of our class.
(私たちのクラスを代表してお礼を言いたいと思います。) - He gave a speech on behalf of the soccer team.
(彼はサッカーチームを代表してスピーチをしました。) - On behalf of my family, I thank you for your help.
(家族を代表して、あなたの助けに感謝します。)
「〜の代わりに、〜の代理として」の意味と使い方
「〜の代わりに、〜の代理として」は、本来そこにいるべき人や、何かをするべき人の代わりに自分が行動する場合に使います。例えば、友達が来られない時に代わりに参加する場合などがこれにあたります。
この使い方では、主に個人の代理として何かを行う場合に使われることが多く、「代わりに」というニュアンスが強くなります。
例文
- I will go to the meeting on behalf of my mother.
(私は母の代わりに会議に行きます。) - She received the prize on behalf of her brother.
(彼女は兄の代わりに賞を受け取りました。) - Can you sign this paper on behalf of your father?
(あなたはお父さんの代わりにこの書類にサインできますか?)
「〜のために」の意味と使い方
「〜のために」という意味でも「on behalf of」は使われることがあります。これは特に支援や援助が必要な人々のために行動する場合などに使用されます。
例文
- We are collecting money on behalf of poor children.
(私たちは貧しい子どもたちのためにお金を集めています。) - She spoke on behalf of people who cannot speak for themselves.
(彼女は自分で話すことができない人々のために話しました。) - The group works on behalf of homeless people.
(そのグループはホームレスの人々のために活動しています。)
「on behalf of」の発音
「on behalf of」の発音は初心者にとって少し難しいかもしれません。以下のように発音します。
- on: /ɔn/ または /ɑn/(オン)
- behalf: /bɪˈhæf/(ビハーフ)
- of: /əv/ または /ʌv/(アヴ)
全体では「オン・ビハーフ・オヴ」と発音します。「behalf」の部分にアクセントがあり、強く発音するとよいでしょう。実際のネイティブスピーカーの発音を聴くことも上達の助けになります。
「on behalf of」を使った例文
「on behalf of」の使い方をより理解するために、さまざまな場面での例文を見てみましょう。ここでは中学英語レベルの簡単な例文を紹介します。
ビジネスシーンでの例文
ビジネスシーンでは、「on behalf of」は特によく使われる表現です。会社や部署を代表して話す場合や、上司の代理として何かを行う場合などに使います。
例文
- I am sending this email on behalf of my boss.
(私は上司の代わりにこのメールを送っています。) - On behalf of our company, I welcome you to our office.
(私たちの会社を代表して、あなたを私たちのオフィスへ歓迎します。) - She made a call on behalf of the sales team.
(彼女は営業チームを代表して電話をしました。) - I would like to apologize on behalf of our store.
(私たちの店を代表してお詫び申し上げます。) - Our manager will sign the contract on behalf of our department.
(私たちのマネージャーは部署を代表して契約書に署名します。)
日常会話での例文
日常生活でも「on behalf of」は使われることがあります。友人や家族の代わりに何かを行う場合などに使います。
例文
- I bought this gift on behalf of my sister.
(私は妹の代わりにこのプレゼントを買いました。) - She thanked the teacher on behalf of all students.
(彼女は全生徒を代表して先生に感謝しました。) - Can you speak on behalf of me at the party?
(パーティーで私の代わりに話してくれますか?) - They sent flowers on behalf of our whole neighborhood.
(彼らは私たちの近所全体を代表して花を送りました。) - On behalf of my parents, I thank you for your invitation.
(両親を代表して、あなたの招待に感謝します。)
「on behalf of」の言い換え表現と違い
「on behalf of」と似た意味を持つ英語表現はいくつかあります。それぞれの違いを理解することで、より正確に使い分けることができるようになります。
「on behalf of」と「instead of」の違い
「instead of」も「〜の代わりに」という意味を持ちますが、「on behalf of」とは使い方が異なります。
「instead of」は「AではなくB」という選択や置き換えを表します。一方、「on behalf of」は「誰かの代理として」という意味です。
例文比較
- I went to the meeting instead of my brother.
(私は兄ではなく、私が会議に行きました。) - I went to the meeting on behalf of my brother.
(私は兄の代理として会議に行きました。)
最初の例文では「兄が行くはずだったが、兄ではなく私が行った」というニュアンスです。二つ目の例文では「私は兄の代理として、兄のために会議に行った」というニュアンスになります。
また、「instead of」は人だけでなく物事にも使えますが、「on behalf of」は基本的に人や組織に対して使います。
例文
- We used apples instead of oranges.
(私たちはオレンジの代わりにリンゴを使いました。)
「on behalf of」と「in behalf of」の違い
「in behalf of」も「on behalf of」と似た表現ですが、微妙に意味が異なります。現代英語、特にアメリカ英語では両者を区別せずに使うことも多いですが、伝統的には違いがあります。
- 「on behalf of」:「〜を代表して」「〜の代理として」
- 「in behalf of」:「〜のために」「〜の利益のために」
例文比較
- I am speaking on behalf of the president.
(私は社長の代理として話しています。) - I am speaking in behalf of the children’s welfare.
(私は子どもたちの福祉のために話しています。)
ただし、現代英語では「on behalf of」のほうが圧倒的に使用頻度が高く、「in behalf of」の使用は少なくなっています。初学者の方は「on behalf of」を覚えておけば十分でしょう。
その他の類似表現
「on behalf of」の意味に近い他の表現もいくつかあります。ここでは主なものを紹介します。
例文
- in place of:「〜の代わりに」
- I will attend the ceremony in place of my father.
(私は父の代わりに式典に出席します。)
- I will attend the ceremony in place of my father.
- representing:「〜を代表して」
- He is representing our school at the contest.
(彼は私たちの学校を代表してコンテストに参加しています。)
- He is representing our school at the contest.
- on one’s behalf:「誰かの代わりに」(所有格を使った形)
- She acted on my behalf when I was sick.
(私が病気の時、彼女は私の代わりに行動しました。)
- She acted on my behalf when I was sick.
- for the benefit of:「〜のために」(利益を強調)
- We organized this event for the benefit of the community.
(私たちはコミュニティのためにこのイベントを開催しました。)
- We organized this event for the benefit of the community.
これらの表現はそれぞれ微妙にニュアンスが異なりますが、状況に応じて適切に使い分けることで、より豊かな表現ができるようになります。
「on behalf of」に関するよくある質問
- 「on behalf of」は文のどこに置くことができますか?
-
「on behalf of」は文頭、文中、文末のどこにでも置くことができます。ただし、置く場所によって強調される部分が変わることがあります。
- 文頭の例
On behalf of our team, I would like to thank you.
(私たちのチームを代表して、あなたに感謝したいと思います。) - 文中の例
I am writing this letter on behalf of my teacher.
(私は先生の代わりにこの手紙を書いています。) - 文末の例
The award was accepted on behalf of the whole group.
(その賞はグループ全体を代表して受け取られました。)
- 文頭の例
- 「on behalf of」と「on someone’s behalf」の違いは何ですか?
-
基本的な意味は同じですが、形が異なります。「on behalf of」の後には名詞や名前が続きますが、「on someone’s behalf」では所有格(my, your, his, her など)が使われます。
- On behalf of John, I would like to apologize.
(ジョンの代わりに、お詫び申し上げます。) - On my behalf, please thank your parents.
(私の代わりに、あなたの両親に感謝してください。)
- On behalf of John, I would like to apologize.
- ビジネスメールで「on behalf of」を使う時の注意点はありますか?
-
ビジネスメールで「on behalf of」を使う場合は、正式な代理権限があることを確認してから使うことが重要です。また、メールの冒頭で「I am writing on behalf of [person/organization]」(私は[人/組織]の代理としてこのメールを書いています)と明確に伝えると良いでしょう。
- 「on behalf of」は口語でもよく使われますか?
-
「on behalf of」はやや形式的な表現ですが、口語でも使われます。特に公式な場面や、誰かを代表して話す場合などに適しています。ただし、日常の友達同士の会話では、もっとカジュアルな表現(”for”など)が使われることもあります。
- 「on behalf of」の代わりに使える簡単な表現はありますか?
-
初学者には「for」や「for the sake of」などの簡単な表現も使えますが、ニュアンスが若干異なることに注意が必要です。例えば「I’m doing this for him」(彼のためにこれをしている)は「on behalf of」のニュアンスを完全には捉えていませんが、シンプルな状況では通じることもあります。
まとめ

「on behalf of」は英語でよく使われる重要な表現です。この記事のポイントを以下にまとめます。
- 「on behalf of」の主な意味は「〜を代表して」「〜の代わりに、〜の代理として」「〜のために」の3つ
- 発音は「オン・ビハーフ・オヴ」で、「behalf」部分にアクセントを置く
- ビジネスシーンでは特に頻繁に使われる表現
- 「instead of」は「AではなくB」という選択を表すのに対し、「on behalf of」は「誰かの代理として」という意味
- 「in behalf of」は伝統的には「〜のために、〜の利益のために」という意味だが、現代では「on behalf of」の方が一般的
- 他の類似表現には「in place of」「representing」「on one’s behalf」「for the benefit of」などがある
- 文頭、文中、文末のどの位置にも置くことができる
- 「on behalf of」の後には名詞や名前、「on someone’s behalf」では所有格が続く
- ビジネスメールでは代理権限を明確にして使用することが重要
- やや形式的な表現だが口語でも使用される
「on behalf of」をマスターすることで、より正確に「誰かの代わりに」「代表して」という概念を英語で表現できるようになります。日常会話からビジネスシーンまで、幅広く使える便利な表現ですので、ぜひ積極的に使ってみてください。
本記事で紹介した例文やニュアンスの違いを意識しながら練習することで、自然な英語表現ができるようになるでしょう。また、実際のネイティブスピーカーの使い方を観察することも上達の近道です。英語のニュースやスピーチなどでこの表現が使われているのを見つけたら、どのような文脈で使われているかを確認してみましょう。
英語学習は少しずつ積み重ねていくことが大切です。「on behalf of」のような表現を一つひとつ丁寧に理解していけば、あなたの英語力は確実に向上します。頑張ってください!