「onto」は英語の前置詞で、主に物や人が何かの上に移動する様子を表現するときに使われる単語です。日常英会話でもよく使われる表現ですが、似た言葉との区別が難しい場合もあります。
この記事では、英語初学者の方でも理解できるよう、「onto」の基本的な意味から応用的な使い方まで、豊富な例文を使って詳しく解説していきます。
ontoとは?前置詞としての基本的な意味

「onto」は、何かが他の物体や場所の上に移動する様子を表す前置詞です。「on(~の上に)」と「to(~へ)」が組み合わさったものと考えると理解しやすいでしょう。基本的に、何かが元々あった場所から別の場所の表面に移動する動きを示します。
例えば、猫がテーブルの上に飛び乗る様子を表現したい場合、「The cat jumped onto the table.(猫はテーブルの上に飛び乗った)」と言います。ここでは猫が床などの場所からテーブルの表面へと移動した動作を「onto」を使って表現しています。
「onto」は特に移動を伴う動作を表す動詞(jump、climb、fall、moveなど)とともによく使われる前置詞です。日常会話でも頻繁に使われるので、しっかりとマスターしておきましょう。
ontoの基本的な使い方
「onto」の基本的な使い方は、何かが別の物の表面に移動することを表現することです。以下、いくつかの基本的な例文を見てみましょう。
例文
- The boy jumped onto the bed.(その少年はベッドの上に飛び乗った)
- She put the book onto the shelf.(彼女は本を棚の上に置いた)
- The cat climbed onto the roof.(猫は屋根の上に登った)
- We got onto the bus.(私たちはバスに乗った)
これらの例文では、全て何かが別の場所の表面に移動する動きがあります。「onto」は、この「表面への移動」を強調する働きをしています。
移動を表すontoの使い方
「onto」は特に移動の動きを明確に示したい場合に使われます。以下の例文で具体的に見てみましょう。
例文
- The leaves fell onto the ground.(葉っぱが地面に落ちた)
- He stepped onto the stage.(彼はステージに上がった)
- I climbed onto my bicycle.(私は自転車に乗った)
- The dog jumped onto the sofa.(犬はソファに飛び乗った)
これらの例では、全て最初はある場所にあったものが、別の場所の表面に移動しています。「onto」を使うことで、その移動の様子がより明確に伝わります。
位置関係を表すontoの使い方
「onto」は位置関係を表す場合にも使われます。特に、何かが何かの上に付着している状態や、向きを示す場合に使用されることがあります。
例文
- The picture is glued onto the wall.(その絵は壁に貼り付けられている)
- The door opens onto a garden.(そのドアは庭に面している)
- The window looks onto the sea.(その窓は海に面している)
これらの例では、物の位置関係や方向性を「onto」を使って表現しています。日本語では「~に面している」という訳し方になることが多いです。
ontoの様々な意味と用法
「onto」には基本的な「上へ移動する」という意味以外にも、いくつかの使い方があります。ここでは、「onto」の様々な意味と用法について見ていきましょう。
物理的な移動を表すonto
最も一般的な「onto」の使い方は、物理的な移動を表す場合です。これは前述した基本的な使い方に該当します。
例文
- She dropped her keys onto the floor.(彼女は鍵を床に落とした)
- The children ran onto the playground.(子どもたちは遊び場に走って行った)
- He poured water onto the plants.(彼は植物に水をかけた)
これらの例では、物が他の場所の表面に移動する物理的な動きを表しています。この用法が最も一般的で、中学英語レベルでもよく登場します。
気づきを表すonto
「onto」には、「~に気づく」「~を見抜く」といったニュアンスの意味もあります。主に会話表現で使われることが多いです。
例文
- The police are onto the criminal.(警察はその犯人の手がかりを掴んでいる)
- I think I’m onto something important.(重要なことに気づいたと思う)
- She is onto your plan.(彼女はあなたの計画に気づいている)
これらの例では、何かを発見したり、何かに気づいたりする様子を「onto」を使って表現しています。この用法は日常会話でよく使われる表現です。
話題の移行を表すonto
「onto」は、話題やテーマの移行を表すこともあります。
例文
- Let’s move onto the next topic.(次の話題に移りましょう)
- After math, we will go onto science.(数学の後は、科学に進みます)
- The teacher moved onto a different subject.(先生は違う科目に移った)
これらの例では、ある話題や科目から別の話題や科目への移行を「onto」を使って表現しています。
ただし、この場合、厳密には「on to」が正しい表記であることが多いです(後述します)。
ontoとonの違い
「onto」と「on」は似ていますが、使い方に違いがあります。「on」は単に「~の上に(ある状態)」を表すのに対し、「onto」は「~の上へ(移動する動き)」を表します。
- The book is on the table.(本はテーブルの上にある)- 状態
- I put the book onto the table.(私は本をテーブルの上に置いた)- 移動
- The cat is sitting on the roof.(猫は屋根の上に座っている)- 状態
- The cat climbed onto the roof.(猫は屋根の上に登った)- 移動
このように、「on」は静的な状態を表し、「onto」は動的な移動を表します。ただし、「get on」と「get onto」のように、どちらも使える場合もあります。
例文
- We got on the train.(私たちは電車に乗った)
- We got onto the train.(私たちは電車に乗った)
これらは両方とも正しい表現ですが、「onto」の方が移動の動きをより強調しています。
英語初学者は、移動を伴う場合は「onto」、単に上にある状態を表す場合は「on」と覚えておくとよいでしょう。
ontoとintoの違い
「onto」と「into」は、どちらも移動を表す前置詞ですが、使い方に違いがあります。「onto」は表面への移動を表すのに対し、「into」は内部や中への移動を表します。
- The cat jumped onto the box.(猫は箱の上に飛び乗った)- 表面への移動
- The cat jumped into the box.(猫は箱の中に飛び込んだ)- 内部への移動
- She put the book onto the shelf.(彼女は本を棚の上に置いた)- 表面への移動
- She put the book into the bag.(彼女は本をバッグの中に入れた)- 内部への移動
- He climbed onto the roof.(彼は屋根の上に登った)- 表面への移動
- He went into the house.(彼は家の中に入った)- 内部への移動
このように、対象物の表面に向かうのか、それとも中に入るのかによって「onto」と「into」を使い分けます。
英語の前置詞は日本語にはない概念も多いので、例文とともに覚えるようにしましょう。
ontoを使った日常表現
「onto」を使った日常的によく使われる表現をいくつか見ていきましょう。これらの表現は慣用句として覚えておくと便利です。
「be onto something」の使い方
「be onto something」は「何か重要なことに気づく」「良いアイデアを思いつく」という意味の慣用表現です。
例文
- I think I’m onto something with this new recipe.(この新しいレシピで何かいいものを見つけたと思う)
- The detective is onto something important.(探偵は何か重要なことに気づいている)
- You’re onto something there!(あなたはいいところに気づいているね!)
この表現は、問題解決や新しい発見をした時によく使われます。
「move onto」の使い方
「move onto」は「次の段階や話題に進む」という意味でよく使われます。ただし、この場合は実際には「move on to」が文法的に正しいことが多いです。
例文
- Let’s move onto the next chapter.(次の章に進みましょう)
- After reviewing the basics, we can move onto more difficult problems.(基礎を復習した後、より難しい問題に進むことができます)
- Now I’ll move onto my second point.(次に、二つ目の点に移ります)
この表現は、プレゼンテーションや授業の中でよく使われます。
「get onto」の使い方
「get onto」には「~に乗る」という意味と、「~に連絡する」という意味があります。
例文
- We need to get onto the bus quickly.(私たちは素早くバスに乗る必要がある)
- I’ll get onto John about the meeting.(ミーティングについてジョンに連絡します)
- Get onto the customer service about this problem.(この問題についてカスタマーサービスに連絡してください)
特に「~に連絡する」という意味は日常会話でよく使われる表現です。
「hold onto」の使い方
「hold onto」は「~をしっかりつかむ」「~を手放さない」という意味で使われます。
例文
- Hold onto the railing when you go down the stairs.(階段を降りるときは手すりをしっかりつかんでください)
- She held onto her dream of becoming a doctor.(彼女は医者になるという夢を手放さなかった)
- Hold onto your ticket until the end of the journey.(旅の終わりまでチケットをなくさないでください)
この表現は物理的な「つかむ」という意味だけでなく、比喩的な「持ち続ける」という意味でも使われます。
ontoとon toの違い
「onto」と「on to」は見た目が似ていますが、使い方が異なります。「onto」は単一の前置詞であるのに対し、「on to」は副詞「on」と前置詞「to」の組み合わせです。
「on to」は主に、「on」が句動詞の一部である場合に使われます。例えば、「go on」「hold on」「move on」などの句動詞の後に「to」が続く場合です。
例文
- Let’s move on to the next topic.(次の話題に進みましょう)
– ここでの「on」は「move on」という句動詞の一部 - I’ll pass this message on to the manager.(このメッセージをマネージャーに伝えます)
– ここでの「on」は「pass on」という句動詞の一部 - He went on to become a famous actor.(彼はその後、有名な俳優になった)
– ここでの「on」は「go on」という句動詞の一部
対して、「onto」は単一の前置詞として、何かが別の場所の表面に移動することを表します。
例文
- The cat jumped onto the table.(猫はテーブルの上に飛び乗った)
- I put the book onto the shelf.(私は本を棚の上に置いた)
- The child climbed onto his father’s shoulders.(子どもは父親の肩の上に登った)
ただし、実際の使用では「onto」と「on to」が混同されることも多く、特に「Let’s move onto the next topic.」のように書かれることもありますが、厳密には「Let’s move on to the next topic.」が正しいです。
以下の表で「onto」と「on to」の違いを簡単にまとめました。
表記 | 種類 | 主な使い方 | 例文 |
---|---|---|---|
onto | 単一の前置詞 | 表面への移動を表す | The cat jumped onto the roof.(猫は屋根の上に飛び乗った) |
on to | 句動詞の「on」+前置詞「to」 | 句動詞の後に目的語が続く場合 | Let’s move on to the next topic.(次の話題に進みましょう) |
ontoのよくある間違いと注意点
「onto」を使う際によくある間違いや注意点をいくつか紹介します。英語学習者がつまずきやすいポイントなので、しっかり理解しておきましょう。
「on」と「onto」の混同
最も一般的な間違いは、移動を表す場合でも「onto」の代わりに「on」を使ってしまうことです。
誤: He jumped on the table.
正: He jumped onto the table.(彼はテーブルの上に飛び乗った)
ただし、「get on」のような定着した表現では、「get onto」と同じ意味で「get on」も使われます。
例文
- We got on the bus.(私たちはバスに乗った)
- We got onto the bus.(私たちはバスに乗った)
両方正しいですが、「onto」の方が移動の動きをより強調しています。
「onto」と「on to」の混同
先述のように、「onto」は単一の前置詞、「on to」は副詞「on」と前置詞「to」の組み合わせです。句動詞の一部として「on」が使われている場合は「on to」を使うべきです。
誤: Let’s move onto the next question.
正: Let’s move on to the next question.(次の質問に進みましょう)
この区別は英語のネイティブスピーカーでも混同することがあるほど紛らわしいものですが、正確に使い分けることで英語力の向上につながります。
不要な場所での「onto」の使用
全ての上への移動に「onto」が必要なわけではありません。特に熟語や慣用表現では、「onto」を使わない場合があります。
誤: She got onto her feet.
正: She got to her feet.(彼女は立ち上がった)
「get to one’s feet」は「立ち上がる」という意味の慣用表現で、「onto」は使いません。
「in」と「into」、「on」と「onto」の混同
「in/into」と「on/onto」の区別も重要です。「in/into」は内部や中への状態や移動を、「on/onto」は表面上の状態や移動を表します。
誤: She jumped onto the pool.
正: She jumped into the pool.(彼女はプールに飛び込んだ)
誤: He put the book into the table.
正: He put the book onto the table.(彼は本をテーブルの上に置いた)
プールは中に入るもの(内部)なので「into」を使い、テーブルは上に置くもの(表面)なので「onto」を使います。
ontoに関する問題
「onto」は英語で「〜の上に」や「〜に向かって」という意味を持つ前置詞です。主に動作や移動が特定の場所や対象に向かうことを表しますが、文脈によっては異なるニュアンスを持つこともあります。
この問題では、「onto」の使い方を中心に、関連する英語表現を学びながら解答していきます。ただし、すべての答えが「onto」になるわけではありません。文脈に合った適切な前置詞を選ぶことが求められます。
- She climbed _ the roof to fix the antenna.
- The cat jumped _ the table and started eating.
- He threw his jacket _ the chair after coming home.
- The kids ran _ the playground to join their friends.
- The book fell _ the floor when I accidentally hit the shelf.
- Please put these files _ my desk before you leave.
- The bird flew _ the branch and sat there quietly.
- They moved all their belongings _ the truck before heading to their new house.
- I spilled coffee _ my shirt during breakfast this morning.
- She leaned _ him for support while walking.
これらの問題を通じて、「onto」とその他の前置詞(例: on, into)の違いを理解し、適切な使い方を身につけることができます。「onto」は動作や移動が特定の場所へ向かうことを強調する際によく使われます。
一方、「on」は単純に「〜の上」という静的な状態を表し、「into」は「〜の中へ」という意味で使われます。
「onto」に関するよくある質問
ここでは、「onto」に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。英語学習者が疑問に思いやすいポイントを解説します。
- 「onto」と「on」はどう違いますか?
-
「onto」は移動を伴う動作(~の上へ移動する)を表し、「on」は静的な状態(~の上にある)を表します。例えば、「The cat jumped onto the table.(猫はテーブルの上に飛び乗った)」では移動があるので「onto」を使い、「The cat is on the table.(猫はテーブルの上にいる)」では静的な状態なので「on」を使います。
- 「onto」と「into」はどう違いますか?
-
「onto」は表面への移動を表し、「into」は内部や中への移動を表します。例えば、「He jumped onto the bed.(彼はベッドの上に飛び乗った)」では表面への移動なので「onto」を使い、「He jumped into the pool.(彼はプールに飛び込んだ)」では内部への移動なので「into」を使います。
- 「onto」と「on to」はどう使い分けますか?
-
「onto」は単一の前置詞で、主に物理的な移動を表します。「on to」は副詞「on」と前置詞「to」の組み合わせで、「on」が句動詞の一部である場合に使われます。例えば、「The cat jumped onto the table.(猫はテーブルの上に飛び乗った)」では物理的な移動を表す単一の前置詞として「onto」を使い、「Let’s move on to the next topic.(次の話題に進みましょう)」では「move on」という句動詞の後に「to」が続くので「on to」を使います。
- 「be onto something」とはどういう意味ですか?
-
「be onto something」は「何か重要なことに気づく」「良いアイデアを思いつく」という意味の慣用表現です。例えば、「I think I’m onto something with this new method.(この新しい方法で何か良いものを見つけたと思う)」という使い方をします。問題解決やアイデア発見の場面でよく使われます。
- 「get onto」にはどんな意味がありますか?
-
「get onto」には主に2つの意味があります。1つは「~に乗る」という意味で、例えば「We got onto the bus.(私たちはバスに乗った)」という使い方をします。もう1つは「~に連絡する」という意味で、例えば「I’ll get onto the supplier about the delayed order.(遅延している注文について供給業者に連絡します)」という使い方をします。
- 「onto」はいつ使うべきですか?
-
「onto」は主に何かが別の場所の表面に移動する動きを表現したい場合に使います。特に、jump、climb、fall、move、putなどの動詞と一緒によく使われます。また、「be onto」「get onto」などの慣用表現でも使われます。移動を伴う動作を表現する際に「onto」を使うことで、その動きがより明確に伝わります。
- 日本語でどう訳せばいいですか?
-
「onto」は主に「~の上へ」「~の方へ」と訳されますが、文脈によって訳し方が変わることがあります。例えば、「Jump onto the bed.(ベッドの上に飛び乗りなさい)」「The police are onto you.(警察はあなたの手がかりを掴んでいる)」のように、状況に応じた訳し方をする必要があります。慣用表現の場合は、直訳ではなく意訳することが多いです。
まとめ

この記事では、英語の前置詞「onto」の意味と使い方について、例文を使って詳しく解説しました。「onto」は主に何かが別の場所の表面に移動する動きを表す前置詞で、様々な場面で使われることを学びました。
「onto」の重要なポイントをまとめると以下のようになります。
- 「onto」は主に「~の上へ」「~の方へ」という意味の前置詞である
- 主に物の表面への移動を表す
- 「on」が静的な状態を表すのに対し、「onto」は動的な移動を表す
- 「into」が内部への移動を表すのに対し、「onto」は表面への移動を表す
- 「be onto something」「move onto」「get onto」などの慣用表現がある
- 「onto」と「on to」は異なり、「on to」は「on」が句動詞の一部である場合に使う
- 移動を伴う場合は「onto」、静的な状態を表す場合は「on」を使う
- 「onto」の発音は「アーントゥ」
英語の前置詞は日本語に直訳しづらく、使い分けが難しいものですが、例文と一緒に覚えることで適切に使えるようになります。この記事が「onto」の理解の助けになれば幸いです。
英語学習の過程で、ぜひ「onto」を積極的に使ってみてください。