英語を勉強していると「概要」を表す単語としてoutline、overview、summaryをよく目にします。どれも日本語では「概要」や「要約」と訳されることが多いのですが、実はそれぞれ微妙に使い方やニュアンスが異なります。
この記事では、英語初学者の方に向けて、これら3つの単語の違いと正しい使い分け方を詳しく解説します。中学英語レベルの例文も多数紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
outline・overview・summaryの基本的な違い

これら3つの単語はすべて「概要」という意味を持ちますが、それぞれ重点を置く部分が異なります。簡単に言うと以下のような違いがあります。
outlineは「輪郭」という元の意味から来ており、物事の主要な点を順序立てて箇条書きにしたものです。文章やスピーチの骨組みや構成を示す場合に使います。動詞としても使うことができ、「概要を示す」という意味になります。
overviewは「上から見渡す」という意味合いがあり、広い範囲の事柄について全体像を把握するための概観を指します。詳細よりも全体的な流れや特徴を伝えたい時に使います。通常、動詞としては使いません。
summaryは「要約」や「まとめ」という意味合いが強く、長い文章や議論の主な内容を短くまとめたものです。元の内容から重要な点を抜き出して簡潔に表現したものというイメージです。動詞形はsummarizeで「要約する」という意味です。
それでは、それぞれの単語についてより詳しく見ていきましょう。
outlineの意味と使い方
outlineは「外側のライン」つまり「輪郭」を意味する単語です。そこから派生して、文章やスピーチなどの構成や骨組みを示す「概要」という意味で使われるようになりました。
outlineの特徴は、文章の構造や主要な点を順序立てて箇条書きにすることです。例えば、レポートを書く前に主な論点を順番に並べたり、プレゼンテーションの流れを簡単に示したりする場合に使います。
outlineの名詞としての使い方
outlineは名詞として「概要」「要点」「骨子」などの意味で使われます。
例文
- This is an outline of my speech.(これは私のスピーチの概要です。)
- The teacher asked us to make an outline before writing the essay.(先生はエッセイを書く前に概要を作るよう指示しました。)
- I wrote an outline for our group project.(私たちのグループプロジェクトの概要を書きました。)
outlineの動詞としての使い方
outlineは動詞としても使え、「概要を述べる」「要点を示す」という意味になります。
例文
- She outlined her plan for the school festival.(彼女は学校祭の計画の概要を説明しました。)
- Please outline your idea in three minutes.(あなたのアイデアを3分で概説してください。)
- The teacher outlined what we should study for the test.(先生はテストのために私たちが勉強すべきことの概要を説明しました。)
overviewの意味と使い方
overviewは「over(上から)」と「view(見る)」の組み合わせで、上から全体を見渡すイメージを持ちます。広い範囲の物事について全体像を把握するための「概観」を意味します。
overviewの特徴は、細かい部分よりも全体の流れや特徴を大まかに伝えることを重視する点です。例えば、複雑なトピックや広範囲に及ぶ内容について、細部を省いて主な要素だけを説明する場合に使います。
overviewの名詞としての使い方
overviewは名詞として「概観」「全体像」「大まかな説明」などの意味で使われます。
例文
- The book gives an overview of Japanese culture.(その本は日本文化の概観を示しています。)
- The teacher gave us an overview of the school year.(先生は学年の概観を私たちに示しました。)
- Can you give me an overview of what happened at the party?(パーティーで何があったのか概観を教えてくれませんか?)
overviewの使用上の注意点
overviewは通常、動詞としては使われません。「概観する」という意味を表したい場合は、”give an overview of”や”provide an overview of”などの表現を使います。
例文
- He gave an overview of the company’s history.(彼は会社の歴史の概観を述べました。)
- The guide provided an overview of the museum.(ガイドはその博物館の概観を提供しました。)
summaryの意味と使い方
summaryは「要約」や「まとめ」を意味する単語です。長い文章や議論、会議などの主な内容を短くまとめたものを指します。
summaryの特徴は、元の内容から重要な点を抜き出して簡潔にまとめることです。例えば、長い記事の要点をまとめたり、会議の内容を短く報告したりする場合に使います。
summaryの名詞としての使い方
summaryは名詞として「要約」「まとめ」「概要」などの意味で使われます。
例文
- Please read the summary of the book.(その本の要約を読んでください。)
- I wrote a summary of the meeting.(私は会議の要約を書きました。)
- The summary is at the end of each chapter.(要約は各章の最後にあります。)
summarizeの動詞としての使い方
summaryの動詞形はsummarizeで、「要約する」「まとめる」という意味になります。
例文
- Can you summarize the story for me?(その話を私のために要約してくれませんか?)
- She summarized the main points of the movie.(彼女は映画の要点を要約しました。)
- The teacher asked us to summarize the article in 50 words.(先生は私たちにその記事を50語で要約するよう求めました。)
outline・overview・summaryに関連する表現
「概要」や「要約」を表す表現には、outline、overview、summary以外にもいくつかあります。状況に応じて適切に使い分けることが大切です。
abstract(抄録、要旨)
abstractは主に学術論文などで使われる「抄録」や「要旨」を意味します。論文の内容を簡潔にまとめたもので、読者が論文全体を読むかどうかを判断する助けになります。
例文
- The abstract of the paper was very clear.(その論文の抄録はとても明確でした。)
- You should read the abstract first.(最初に抄録を読むべきです。)
digest(ダイジェスト)
digestは重要な部分や面白い部分だけを集めた「ダイジェスト」を意味します。情報を理解しやすいように要点をまとめたものです。
例文
- I read the news digest every morning.(私は毎朝ニュースダイジェストを読みます。)
- The magazine has a digest of the best stories.(その雑誌には最高の物語のダイジェストがあります。)
synopsis(あらすじ)
synopsisは主に小説や映画などの「あらすじ」や「筋書き」を意味します。物語の主な要素や展開を簡潔に述べたものです。
例文
- The synopsis of the movie sounded interesting.(その映画のあらすじは面白そうでした。)
- I read the synopsis before watching the film.(映画を見る前にあらすじを読みました。)
outline・overview・summaryの使い分け
では、outline、overview、summaryをどのように使い分ければよいのでしょうか。場面や目的に応じた適切な使い分け方を見ていきましょう。
文書作成時の使い分け
文書を作成する際には、それぞれ異なる段階や目的で使うことができます。
- outline: 文書を書き始める前に、構成や主な点を順序立てて箇条書きにしたもの。計画段階で使用します。
- overview: 文書の始めなどで、内容全体の大まかな流れや特徴を示すもの。読者に全体像を把握してもらうために使用します。
- summary: 文書の最後などで、内容の重要な点を簡潔にまとめたもの。要点を振り返るために使用します。
ビジネスシーンでの使い分け
ビジネスシーンでも、状況に応じて適切に使い分けることが重要です。
- outline: プロジェクトの計画段階で、主なステップや目標を順序立てて示すときに使います。
- overview: 新しいプロジェクトや複雑な概念について、チームメンバーに全体像を把握してもらうときに使います。
- summary: 会議や議論の後に、重要な点や決定事項をまとめるときに使います。
「outline」と「overview」と「summary」の使い分け練習問題
ここでは、outline、overview、summaryの適切な使い分けを練習するための問題を20問用意しました。それぞれの状況で最も適切な単語を選んでみましょう。
- Before writing an essay, it’s helpful to create a(n) ________ of your main points.
- The professor gave a(n) ________ of the course content on the first day.
- At the end of the meeting, the secretary presented a(n) ________ of what was discussed.
- The book begins with a(n) ________ of world history from ancient times to the present.
- The student was asked to ________ his research project in three minutes.
- The manager asked for a(n) ________ of the report, not the full details.
- The news article provided a(n) ________ of the president’s speech.
- The author ________ the plot of the novel in the introduction.
- I need a(n) ________ of your business plan with the main points in bullet format.
- The teacher asked the students to write a(n) ________ of the story they read.
- The website offers a(n) ________ of the company’s services and products.
- The researcher provided a(n) ________ of his findings at the conference.
- The documentary begins with a(n) ________ of the historical events that led to the war.
- Before the presentation, I prepared a(n) ________ with the key points I wanted to cover.
- After reading the long article, I wrote a(n) ________ to help me remember the main ideas.
- The textbook includes a(n) ________ at the beginning of each chapter to introduce the topics.
- The newspaper published a(n) ________ of the day’s most important stories.
- The coach ________ the game strategy for the team.
- The manual starts with a(n) ________ of how the machine works.
- The committee chair provided a(n) ________ of last week’s discussions.
outline・overview・summaryに関するよくある質問
ここでは、outline、overview、summaryに関してよく寄せられる質問にお答えします。
- outlineとoverviewはどう違いますか?
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outlineは要点を順序立てて箇条書きにした概要を指し、文書やスピーチの構成や主要なポイントを簡潔に示したものです。一方、overviewは広範囲にわたる事柄の全体像を把握するための概観を指し、詳細よりも全体の大きな流れや特徴を伝えることを重視します。outlineが構造や順序を強調するのに対し、overviewは全体像や大局的な視点を強調します。
- summaryとabstractの違いは何ですか?
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summaryは一般的に「要約」や「まとめ」を意味し、長い文章や議論の主要な内容を簡潔にまとめたものを指します。abstractは主に学術論文などで使われる「抄録」や「要旨」を意味し、研究の目的、方法、結果、結論などを簡潔にまとめたものです。abstractはより専門的・学術的な文脈で使用される傾向があります。
- outlineは動詞として使えますか?
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はい、outlineは動詞としても使えます。「概要を述べる」「要点を示す」という意味になります。例えば、”He outlined his plans for the project.”(彼はプロジェクトの計画の概要を述べました)のように使います。
- overviewを動詞として使うことはできますか?
-
通常、overviewは動詞としては使用しません。「概観する」という意味を表したい場合は、”give an overview of”や”provide an overview of”などの表現を使います。例えば、”She gave an overview of the situation.”(彼女は状況の概観を示しました)のように使います。
- 会議の後にまとめるのはsummaryですか、それともoutlineですか?
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会議の後にまとめるのは通常summaryです。summaryは会議で議論された内容や決定事項を簡潔にまとめたものを指します。outlineは主に計画段階で使用され、会議の議題や進行順序を箇条書きにしたものを指すことが多いです。
- 英語のエッセイを書く前に作成するのは何ですか?
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英語のエッセイを書く前に作成するのは通常outlineです。outlineはエッセイの構成や主要な論点を順序立てて箇条書きにしたもので、文書作成の計画段階で役立ちます。
- ビジネスプレゼンテーションの冒頭で全体像を説明する場合、どの単語が適切ですか?
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ビジネスプレゼンテーションの冒頭で全体像を説明する場合は、overviewが最も適切です。overviewはプレゼンテーション全体の流れや主要なポイントを大まかに示すものです。「Today, I’d like to give you an overview of our new project.」(今日は、新しいプロジェクトの概観をお話ししたいと思います)のように使います。
まとめ

本記事では、outline、overview、summaryの意味の違いと適切な使い分け方について解説しました。これらの単語は日本語ではいずれも「概要」や「まとめ」と訳されることが多いですが、それぞれ微妙にニュアンスや使い方が異なります。
要点をまとめると以下のようになります。
- outlineは要点を順序立てて箇条書きにした概要を指し、文書やスピーチの構成や主要なポイントを簡潔に示したものです。
- overviewは広範囲にわたる事柄の全体像を把握するための概観を指し、詳細よりも全体の大きな流れや特徴を伝えることを重視します。
- summaryは長い文章や議論の主要な内容を簡潔にまとめたものを指し、元の内容から重要なポイントを抽出して短くまとめたものです。
- outlineは動詞としても使え、「概要を述べる」という意味があります。
- summaryの動詞形はsummarizeで、「要約する」という意味です。
- overviewは通常、動詞としては使用しません。
- その他の関連表現としては、abstract(抄録、要旨)、digest(ダイジェスト)、synopsis(あらすじ)などがあります。
状況や目的に応じて適切な単語を選ぶことで、より正確で効果的なコミュニケーションが可能になります。本記事の内容を参考に、outline、overview、summaryを適切に使い分けられるようになりましょう。
練習問題も取り組んでみることで、理解をさらに深めることができます。英語学習の過程で疑問や質問があれば、「よくある質問」のセクションも参考にしてみてください。