「Over the moon」は英語の慣用句で、「とても幸せである」「有頂天になる」「大喜びする」という意味を持つ表現です。直訳すると「月の上を越えて」となりますが、実際には喜びや興奮が非常に高まっている状態を表します。
この記事では、英語初学者の方向けに「Over the moon」の意味や使い方、例文を分かりやすく解説していきます。
「Over the moon」の基本的な意味

「Over the moon」は、何か良いことが起きた時や嬉しいニュースを聞いた時に感じる強い喜びを表現するイディオムです。日本語で言えば「有頂天になる」「雲の上を歩いているような気分」「舞い上がる」といった表現に近い意味を持っています。
この表現は英語圏では日常会話で頻繁に使われており、喜びの大きさを強調したい時に特に役立ちます。
「Over the moon」の直訳と本当の意味
この表現を単語ごとに分解すると「over(〜の上に)」と「the moon(月)」になりますが、イディオムの特徴として単語を直訳しても本当の意味は伝わりません。
この表現の背景には「月を飛び越えるほど高くジャンプする」ほど嬉しいという気持ちが込められており、そこから「非常に大きな喜び」を表すようになりました。
「Over the moon」の語源と由来
「Over the moon」という表現の起源は、イギリスの伝統的な童謡「Hey Diddle Diddle」にあると言われています。この童謡には「The cow jumped over the moon(牛が月を飛び越えた)」という一節があります。
この不可能な出来事が「非常に幸せで有頂天になる」ことの比喩として使われるようになったのです。
童謡との関連性
「Hey Diddle Diddle」の中で描かれる「牛が月を飛び越える」という通常ではありえない行為は、非常に高い喜びや興奮状態を象徴しています。現実には不可能なことが起きるほどの喜びを表現するために、「Over the moon」というフレーズが日常的に使われるようになりました。
今では童謡との関連を意識せずとも、単独で喜びを表す表現として定着しています。
「Over the moon」の使い方と例文
この表現は通常、「be over the moon」や「feel over the moon」のような形で使われます。何かについて非常に嬉しい時や喜んでいる時に使う表現です。
それでは、実際の使い方を中学英語レベルの例文で見ていきましょう。
日常会話での使い方
日常生活の中では、良いニュースを聞いた時や嬉しいことがあった時に「Over the moon」を使うことができます。
例文
- I was over the moon when I got a new bike for my birthday.(誕生日に新しい自転車をもらって大喜びだった。)
- She is over the moon because she passed the test.(彼女はテストに合格して大喜びしている。)
- My brother was over the moon when his team won the game.(兄は自分のチームが試合に勝って有頂天だった。)
- We are over the moon about going to the beach next weekend.(来週末に海に行くことになって私たちは大喜びだ。)
特別な場面での使い方
特別なイベントや重要な出来事に対する喜びを表現する時も、この表現はとても役立ちます。
例文
- The students were over the moon when they heard about the school trip.(修学旅行について聞いた時、生徒たちは有頂天になった。)
- I am over the moon that you can come to my party.(あなたが私のパーティーに来られることをとても嬉しく思う。)
- My parents were over the moon when I told them the good news.(良いニュースを伝えた時、両親はとても喜んだ。)
- He felt over the moon after winning first prize.(一等賞を獲得した後、彼は有頂天になった。)
「Over the moon」と似た表現
英語には「Over the moon」以外にも喜びや幸せを表す表現がたくさんあります。ここでは「Over the moon」と似た意味を持つ表現をいくつか紹介します。
「On cloud nine」との比較
「On cloud nine(第九の雲の上)」も「非常に幸せ」「有頂天」という意味のイディオムです。「Over the moon」とほぼ同じ意味で使われますが、起源が異なります。「On cloud nine」は気象学に関連していると言われています。
例文
- After winning the race, I was on cloud nine.(レースに勝った後、私は有頂天だった。)
- She has been on cloud nine since she got her new job.(彼女は新しい仕事を得てから有頂天になっている。)
「Walking on air」との比較
「Walking on air(空気の上を歩く)」も喜びや幸せを表すイディオムです。足が地面につかないほど嬉しいという状態を表現しています。
例文
- He was walking on air after she said yes to his date.(彼女がデートに誘いを受けた後、彼は舞い上がっていた。)
- I was walking on air when I got the good news.(良いニュースを聞いた時、私は舞い上がっていた。)
「Over the moon」に関するよくある質問
ここでは、「Over the moon」に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
- 「Over the moon」はどんな場面で使うのが適切ですか?
-
この表現は主に喜びや幸せを表す日常会話で使われます。友人や家族との会話、カジュアルな状況で使うのが最も適切です。ビジネスの場面でも使われることがありますが、とても正式な文書や場面では、より適切な表現(extremely pleased, delightedなど)を使った方が良いでしょう。
- 「Over the moon」の反対の意味を持つ表現はありますか?
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「Over the moon」の反対、つまり非常に悲しい・落ち込んでいる状態を表す表現としては、「down in the dumps(落ち込んでいる)」「feeling blue(憂鬱な)」「heartbroken(心が折れている)」などがあります。
- 「Over the moon」は全ての英語圏で使われていますか?
-
はい、この表現はイギリス英語に起源を持ちますが、現在ではアメリカ、カナダ、オーストラリアなど、英語圏全体で広く使われています。どの英語圏の国でも通じる表現なので、安心して使うことができます。
まとめ

「Over the moon」についてのポイントを以下にまとめます。
- 「Over the moon」は「非常に幸せである」「有頂天になる」という意味の慣用句である。
- 語源はイギリスの童謡「Hey Diddle Diddle」の「The cow jumped over the moon」から来ている。
- 主に「be over the moon」「feel over the moon」のような形で使われる。
- 日常会話で気軽に使える表現である。
- 類似表現に「on cloud nine」「walking on air」などがある。
- 日本語では「有頂天になる」「雲の上を歩いているよう」などに相当する。
- 英語圏全体で広く使われている表現である。
「Over the moon」を使うことで、英語での表現の幅が広がります。大きな喜びや幸せを表現したい時は、ぜひこのフレーズを使ってみてください。
英語の慣用句を覚えると、より自然な英語を話せるようになりますよ。