「owing」は英語で複数の役割を持つ言葉です。主に動詞「owe(借りている、負っている)」の現在分詞形として使われるほか、前置詞としても頻繁に用いられます。特に「owing to」という形で「〜のために、〜のせいで」という意味を表現する際によく登場します。
この記事では、英語初学者の方でも理解しやすいように「owing」の意味や使い方を詳しく解説していきます。
「owing」とは?基本的な意味と品詞について

「owing」は基本的に「owe(借りている、負っている)」という動詞の現在分詞形です。そのため、進行形の一部として使われたり、形容詞として「未払いの」「支払うべき」という意味で使われたりします。また、「owing to」という形で前置詞句として「〜のために」「〜のせいで」という理由や原因を表す表現としても頻繁に使われます。
英語学習の初期段階では特に「owing to」という表現を覚えておくと、「because of(〜のために)」や「due to(〜のせいで)」などと同様に、理由や原因を説明する際の表現の幅が広がります。日常会話からビジネス英語まで幅広く使われるため、基本的な使い方をマスターしておくと便利です。
「owing」の品詞と基本的な意味
「owing」は主に以下の品詞として使われます。
- 動詞の現在分詞:「owe」の現在分詞形
- 形容詞:「未払いの」「支払うべき」という意味
- 前置詞句の一部:「owing to」で「〜のために、〜のせいで」という意味
それぞれの使い方によって意味合いが異なりますので、文脈に応じた適切な解釈が重要です。
「owing」の主な使い方と例文
「owing」は主に3つの使い方があります。ここでは、それぞれの使い方について例文を交えながら説明していきます。
動詞「owe」の現在分詞形としての使い方
この用法では、「借りている」「負っている」という意味の動詞「owe」の進行形として使われます。
例文
- He is owing me 500 yen.(彼は私に500円借りています。)
- I am owing a lot to my parents for their support.(私は両親のサポートに多くを負っています。)
※ただし、このような進行形での使用は文法的に厳密には推奨されず、通常は単純形の「owe」を使うことが多いです。
形容詞としての使い方
「owing」は形容詞として「未払いの」「支払うべき」という意味で使われることがあります。
例文
- The money owing to me is 1,000 yen.(私に支払われるべきお金は1,000円です。)
- There is still some money owing on the car.(その車にはまだ支払うべき金額が残っています。)
「owing to」という前置詞句としての使い方
最もよく使われるのがこの用法です。「〜のために」「〜のせいで」という意味で、理由や原因を説明するときに使われます。
例文
- The game was canceled owing to rain.(試合は雨のために中止になりました。)
- Owing to his hard work, he passed the test.(彼の努力のおかげで、テストに合格しました。)
- We couldn’t go out owing to the bad weather.(悪天候のため、外出できませんでした。)
「owing to」の使い方と例文
「owing to」は「because of(〜のために)」や「due to(〜のせいで)」と同じような意味で使われる表現です。主に理由や原因を説明する際によく使われます。
フォーマルな文章や会話でよく見られる表現です。
「owing to」の基本的な意味
「owing to」は「〜のために」「〜のせいで」「〜のおかげで」という意味を表します。ある出来事や状況の原因や理由を説明するときに使われます。
「owing to」を使った例文
例文
- Owing to the heavy traffic, I was late for school.(ひどい渋滞のため、学校に遅刻しました。)
- The project was successful owing to everyone’s cooperation.(皆の協力のおかげで、プロジェクトは成功しました。)
- We had to stay at home owing to the storm.(嵐のため、家にいなければなりませんでした。)
- Owing to his illness, he couldn’t attend the meeting.(彼の病気のため、会議に出席できませんでした。)
- The crops failed owing to the drought.(干ばつのため、作物は不作でした。)
「owing to」と「because of」、「due to」の違い
これらの表現はどれも理由や原因を表しますが、使用される文脈や文体に若干の違いがあります。以下に比較表を示します。
表現 | 使用レベル | ニュアンス | 一般的な使用場面 |
---|---|---|---|
owing to | やや形式的 | 原因・理由(中立的) | 公式文書、学術論文、ビジネス文書 |
because of | 一般的 | 原因・理由(直接的) | 日常会話、カジュアルな文章 |
due to | やや形式的 | 原因・理由(直接的) | ビジネス文書、フォーマルな状況 |
「owing」を含むフレーズと表現
「owing」を含むフレーズや表現にはいくつかのパターンがあります。ここでは、よく使われるフレーズとその使い方について解説します。
「money owing」(未払いのお金)
例文
- This is a list of money owing to our company.(これは私たちの会社に支払われるべきお金のリストです。)
- The total money owing is 10,000 yen.(未払い金の合計は10,000円です。)
「owing from」(〜から借りている)
例文
- The amount owing from my friend is 5,000 yen.(友達から借りている金額は5,000円です。)
「owing for」(〜に対して支払うべき)
例文
- The money owing for the services is due next week.(そのサービスに対して支払うべきお金は来週が期限です。)
「owing in part to」(一部〜のおかげで/せいで)
例文
- His success was owing in part to his teacher’s guidance.(彼の成功は一部は先生の指導のおかげでした。)
- The delay was owing in part to the weather conditions.(その遅延は一部は天候状態のせいでした。)
「owing」のよくある間違いと注意点
「owing」を使う際によくある間違いや注意すべき点をいくつか紹介します。これらに気をつけることで、より自然な英語表現が可能になります。
「owe」と「owing」の混同
「owe」は現在形の動詞、「owing」はその現在分詞形です。それぞれ使われる状況が異なります。
【正】 I owe you 1,000 yen.(私はあなたに1,000円借りています。)
【誤】 I owing you 1,000 yen.
「owing to」と「due to」の違いを意識する
両者は似た意味を持ちますが、使い方に微妙な違いがあります。「owing to」は節の始めに来ることが多いのに対し、「due to」は「be動詞」の後によく使われます。
例文
- Owing to the rain, the game was canceled.(雨のため、試合は中止になりました。)
- The cancellation was due to the rain.(中止は雨が原因でした。)
「owing」の進行形としての使用制限
「owe」は状態動詞の側面があるため、特に英米では進行形であまり使われません。
【一般的】 I owe you a favor.(私はあなたに恩があります。)
【あまり一般的でない】 I am owing you a favor.
「owing to」の後ろには名詞または動名詞が来る
「owing to」の後には名詞または動名詞(〜ing形)が続きます。that節などが直接続くことはありません。
【正】 Owing to his studying hard, he passed the exam.(彼が一生懸命勉強したおかげで、試験に合格しました。)
【誤】 Owing to that he studied hard, he passed the exam.
フォーマルな表現であることを意識する
「owing to」は「because」や「because of」に比べて、より形式的な表現です。カジュアルな会話よりも、ビジネスの場や論文などのフォーマルな場面で使われることが多い点に注意しましょう。
「owing」に関する問題
「owing」は英語で「〜が原因で」「〜のために」といった意味で使われる前置詞や形容詞です。特にフォーマルな文脈や書き言葉でよく使われますが、似た意味を持つ「due to」「because of」などと使い分ける必要があります。
以下の問題では、「owing」やその類義語の使い方を問います。選択肢から最も適切な語を選んでください。
- The flight was delayed ___ heavy fog.
- Owing ___ his hard work, he passed the exam.
- The match was canceled ___ the rain.
- She succeeded ___ her determination.
- The road was closed ___ an accident.
- ___ to the traffic, I arrived late.
- Owing ___ his illness, he couldn’t attend the meeting.
- The shop was closed ___ a holiday.
- Many schools were closed ___ the storm.
- Owing ___ her advice, I made the right decision.
「owing」に関するよくある質問
- 「owing to」と「due to」はどう違いますか?
-
両者は似た意味を持ちますが、「owing to」は文頭や節の始めに来ることが多いのに対し、「due to」は「be動詞」の後に来ることが多いという違いがあります。意味はどちらも「〜のために、〜のせいで」となりますが、「due to」の方がより原因と結果の直接的な関係を示す傾向があります。
- 「owing」は進行形で使えますか?
-
厳密には「owe」は状態動詞の側面があるため、特に英米の英語では進行形であまり使われません。「He owes me money.」のような現在形を使うのが一般的です。ただし、一部の英語の変種では「He is owing me money.」のように使われることもあります。
- 「owing to」の後にはどのような言葉が続きますか?
-
「owing to」の後には名詞または動名詞(〜ing形)が続きます。「Owing to the rain」(雨のために)や「Owing to his studying hard」(彼が一生懸命勉強したおかげで)のような形になります。
- 「owing to」は日常会話でもよく使われますか?
-
「owing to」はやや形式的な表現で、日常のカジュアルな会話では「because」や「because of」の方がよく使われます。ビジネスの場や論文、フォーマルなスピーチなどで「owing to」が使われることが多いです。
- 「owing」を使った他の表現はありますか?
-
「owing in part to〜」(一部〜のおかげで/せいで)という表現があります。また、「money owing」(未払いのお金)、「owing from」(〜から借りている)、「owing for」(〜に対して支払うべき)などの表現もあります。
まとめ

この記事では「owing」の意味と使い方について詳しく解説してきました。「owing」は動詞「owe」の現在分詞形として、また前置詞句「owing to」の一部として使われる重要な単語です。
英語初学者でも理解しやすいよう、基本的な使い方から応用まで丁寧に説明しました。以下に重要なポイントをまとめます。
- 「owing」の主な用法
- 動詞「owe」の現在分詞形
- 形容詞として「未払いの」「支払うべき」の意味
- 前置詞句「owing to」で「〜のために」「〜のせいで」の意味
- 「owing to」の使い方
- 理由や原因を説明する際に使用
- 文頭や節の始めによく置かれる
- やや形式的な表現でフォーマルな場面で使われる
- 注意点
- 「owe」の進行形はあまり使われない
- 「owing to」の後には名詞または動名詞が続く
- 「due to」と使い分けることで表現の幅が広がる
「owing」は特に「owing to」という形で使われることが多い表現ですが、適切に使いこなせるようになれば、英語での表現の幅が広がります。この記事で学んだことを活かして、ぜひ実際の会話や文章で使ってみてください。
ただし、カジュアルな場面では「because」や「because of」を使う方が自然な場合が多いことも覚えておきましょう。