英語を学び始めると必ず出会うのが「過去形」です。「昨日何をしましたか?」という質問に答えるとき、「私は公園に行きました」「映画を見ました」など、過去の出来事を話すときに必要な表現です。
日本語では文末に「〜した」「〜でした」と付けるだけですが、英語では動詞の形を変える必要があります。
この記事では、英語初学者の方向けに、過去形の基本から応用まで、わかりやすい例文を交えて詳しく解説します。英語の文法で重要な過去形をマスターして、過去の出来事をスムーズに表現できるようになりましょう。
英語の過去形とは?基本概念を理解しよう

過去形とは、過去に起こった出来事や状態を表す時制です。「〜した」「〜だった」と訳すことが多く、すでに終わった行動や過去の状態を表現するときに使います。英語では、動詞の形を変えることで過去形を表現します。
過去形の特徴として重要なのは、「過去のある時点での出来事や状態」を表すということです。現在の状況とは切り離された、過去の事実を述べるための表現方法です。
- I play soccer.(私はサッカーをします)→ 現在の習慣
- I played soccer.(私はサッカーをしました)→ 過去の出来事
また、過去形は主語が何であっても動詞の形は変わりません。
現在形では「he plays」のように三人称単数の場合に「s」が付きますが、過去形では主語に関わらず同じ形を使います。
例文
- I played tennis.(私はテニスをしました)
- He played tennis.(彼はテニスをしました)
過去形は主に以下の3種類に分けることができます。
- be動詞の過去形(was/were)
- 規則動詞の過去形(動詞+ed)
- 不規則動詞の過去形(go→went など特有の形)
これから、それぞれの作り方と使い方を詳しく見ていきましょう。
be動詞の過去形の作り方と使い方
be動詞(am/is/are)は、英語の最も基本的な動詞の一つです。
be動詞の過去形は比較的シンプルで、「am/is」の過去形は「was」、「are」の過去形は「were」になります。
be動詞「am/is」と「are」の過去形
be動詞の過去形は以下のようになります。
現在形 | 過去形 |
---|---|
I am | I was |
You are | You were |
He/She/It is | He/She/It was |
We are | We were |
They are | They were |
be動詞の過去形を使った例文
- I was a student last year.(私は去年、学生でした)
- She was happy on her birthday.(彼女は誕生日に幸せでした)
- We were at the park yesterday.(私たちは昨日、公園にいました)
- They were busy last weekend.(彼らは先週末、忙しかったです)
be動詞の過去形の否定文と疑問文
be動詞の過去形の否定文は、be動詞の後に「not」を置くだけで作ることができます。
例文
- I was not (wasn’t) at school yesterday.(私は昨日、学校にいませんでした)
- She was not (wasn’t) happy about the news.(彼女はそのニュースを喜んでいませんでした)
- They were not (weren’t) at home.(彼らは家にいませんでした)
be動詞の過去形の疑問文は、be動詞を文頭に持ってくるだけで作ることができます。
例文
- Were you at the party last night?(あなたは昨夜、パーティーにいましたか?)
- Was she your teacher?(彼女はあなたの先生でしたか?)
- Were they late for school?(彼らは学校に遅刻しましたか?)
一般動詞の過去形:規則動詞の場合
一般動詞の多くは「規則動詞」と呼ばれ、過去形は動詞の原形に「-ed」を付けることで作ります。
ただし、動詞の語尾によって少し変化のルールが異なります。
規則動詞の基本ルール
規則動詞の過去形の基本的な作り方は、動詞の原形の語尾に「-ed」を付けることです。
- play → played(遊ぶ → 遊んだ)
- work → worked(働く → 働いた)
- talk → talked(話す → 話した)
- watch → watched(見る → 見た)
例文
- I played baseball with my friends.(私は友達と野球をしました)
- She worked in a hospital for three years.(彼女は3年間、病院で働きました)
- We talked about our summer plans.(私たちは夏の計画について話しました)
- They watched a movie last night.(彼らは昨夜、映画を見ました)
語尾が「e」で終わる動詞の過去形
語尾が「e」で終わる動詞の場合は、「e」の後に「d」だけを加えます。
- like → liked(好む → 好んだ)
- live → lived(住む → 住んだ)
- move → moved(動く → 動いた)
- dance → danced(踊る → 踊った)
例文
- I liked the new restaurant.(私はその新しいレストランが気に入りました)
- She lived in Tokyo for five years.(彼女は5年間、東京に住んでいました)
- We moved to a new house last month.(私たちは先月、新しい家に引っ越しました)
- They danced at the party.(彼らはパーティーで踊りました)
語尾が「子音字+y」で終わる動詞の過去形
語尾が「子音字+y」(consonant + y)で終わる動詞の場合は、「y」を「i」に変えて「-ed」を付けます。
ただし、「母音+y」で終わる場合は通常通り「-ed」を付けます。
- study → studied(勉強する → 勉強した)
- cry → cried(泣く → 泣いた)
- try → tried(試す → 試した)
- carry → carried(運ぶ → 運んだ)
ただし、「母音+y」で終わる動詞は以下のようになります。
- play → played(遊ぶ → 遊んだ)
- stay → stayed(滞在する → 滞在した)
例文
- I studied English yesterday.(私は昨日、英語を勉強しました)
- The baby cried all night.(赤ちゃんは一晩中泣いていました)
- She tried to solve the problem.(彼女はその問題を解こうとしました)
- We played games at the party.(私たちはパーティーでゲームをしました)
語尾が「短母音+子音字」で終わる動詞の過去形
語尾が「短母音+子音字」で終わる一音節の動詞の場合は、最後の子音を重ねて「-ed」を付けます。
- stop → stopped(止まる → 止まった)
- plan → planned(計画する → 計画した)
- drop → dropped(落とす → 落とした)
- rob → robbed(奪う → 奪った)
例文
- The car stopped suddenly.(その車は突然止まりました)
- We planned our trip carefully.(私たちは旅行を慎重に計画しました)
- He dropped his phone and broke it.(彼は電話を落として壊しました)
不規則動詞の過去形:覚え方とコツ
不規則動詞とは、過去形が「-ed」を付けるという規則に従わない動詞のことです。残念ながら、英語で頻繁に使われる基本的な動詞の多くが不規則動詞です。
これらは個別に覚える必要がありますが、パターンを理解すると覚えやすくなります。
不規則動詞の4つのパターン
不規則動詞は、原形・過去形・過去分詞の変化のパターンによって4つのタイプに分類できます。
ここでは過去形を中心に見ていきますが、参考までに過去分詞も紹介します。
- A-B-C型: 原形、過去形、過去分詞がすべて異なる
- go → went → gone(行く)
- see → saw → seen(見る)
- write → wrote → written(書く)
- A-B-B型: 過去形と過去分詞が同じ
- buy → bought → bought(買う)
- tell → told → told(話す)
- find → found → found(見つける)
- A-B-A型: 原形と過去分詞が同じ
- come → came → come(来る)
- run → ran → run(走る)
- become → became → become(〜になる)
- A-A-A型: 原形、過去形、過去分詞がすべて同じ
- cut → cut → cut(切る)
- put → put → put(置く)
- hit → hit → hit(打つ)
よく使う不規則動詞一覧
以下に、中学英語でよく使われる不規則動詞の一覧表を示します。
原形 | 過去形 | 意味 |
---|---|---|
go | went | 行く |
come | came | 来る |
eat | ate | 食べる |
drink | drank | 飲む |
see | saw | 見る |
hear | heard | 聞く |
speak | spoke | 話す |
write | wrote | 書く |
read | read (発音は”レッド”) | 読む |
give | gave | 与える |
take | took | 取る |
make | made | 作る |
buy | bought | 買う |
bring | brought | 持ってくる |
teach | taught | 教える |
think | thought | 考える |
know | knew | 知る |
have | had | 持つ |
do | did | する |
get | got | 得る、なる |
例文
- I went to the park yesterday.(私は昨日公園に行きました)
- She came to my house last Sunday.(彼女は先週の日曜日に私の家に来ました)
- We ate lunch at a new restaurant.(私たちは新しいレストランで昼食を食べました)
- He saw a movie with his friend.(彼は友達と映画を見ました)
- They brought some gifts for us.(彼らは私たちにいくつかの贈り物を持ってきました)
過去形の否定文の作り方
過去形の否定文は、be動詞の場合と一般動詞の場合で作り方が異なります。
be動詞の否定文
be動詞の否定文は、be動詞の後に「not」を置きます。
例文
- I was not (wasn’t) at home.(私は家にいませんでした)
- She was not (wasn’t) happy.(彼女は幸せではありませんでした)
- They were not (weren’t) students.(彼らは学生ではありませんでした)
一般動詞の否定文
一般動詞の否定文は、「did not (didn’t) + 動詞の原形」という形になります。
過去形ではなく、動詞の原形を使う点に注意してください。
例文
- I did not (didn’t) go to school yesterday.(私は昨日学校に行きませんでした)
- She did not (didn’t) eat breakfast.(彼女は朝食を食べませんでした)
- They did not (didn’t) watch the movie.(彼らはその映画を見ませんでした)
- We did not (didn’t) play soccer last weekend.(私たちは先週末サッカーをしませんでした)
ポイント:否定文では、「did not」の後の動詞は必ず原形に戻します。「I didn’t went」ではなく「I didn’t go」が正しい形です。
過去形の疑問文の作り方
過去形の疑問文も、be動詞の場合と一般動詞の場合で作り方が異なります。
be動詞の疑問文
be動詞の疑問文は、be動詞を文頭に持ってきます。
例文
- Was she at school yesterday?(彼女は昨日学校にいましたか?)
- Were they happy about the news?(彼らはそのニュースを喜んでいましたか?)
- Was it difficult?(それは難しかったですか?)
一般動詞の疑問文
一般動詞の疑問文は、「Did + 主語 + 動詞の原形」という形になります。否定文と同様に、動詞は原形に戻します。
例文
- Did you go to the party?(あなたはパーティーに行きましたか?)
- Did she study English?(彼女は英語を勉強しましたか?)
- Did they play tennis yesterday?(彼らは昨日テニスをしましたか?)
- Did he read this book?(彼はこの本を読みましたか?)
疑問詞を使った疑問文
「When(いつ)」「Where(どこで)」「What(何を)」などの疑問詞を使う場合は、疑問詞を文頭に置きます。
例文
- When did you go to bed last night?(昨夜何時に寝ましたか?)
- Where did she buy that dress?(彼女はそのドレスをどこで買いましたか?)
- What did you eat for dinner?(夕食に何を食べましたか?)
- Why did he come late?(彼はなぜ遅れて来ましたか?)
- How did you go to school?(あなたはどうやって学校に行きましたか?)
過去形を使うタイミングと注意点
過去形は「過去の出来事や状態」を表現するために使いますが、いくつか重要な注意点があります。
過去形を使うタイミング
過去形は主に以下のような場合に使います。
- 過去の一時点で起こった出来事
- I watched TV last night.(昨夜テレビを見ました)
- She visited her grandmother last weekend.(彼女は先週末におばあさんを訪ねました)
- 過去のある期間続いた状態
- I lived in Osaka for three years.(私は3年間大阪に住んでいました)
- He studied English when he was a child.(彼は子供の頃英語を勉強していました)
- 過去の習慣
- We played baseball every Sunday.(私たちは毎週日曜日に野球をしていました)
- She walked to school every day.(彼女は毎日歩いて学校に通っていました)
過去形使用時の注意点
過去形を使う際に注意すべき点がいくつかあります。
- 現在形と過去形の混同を避ける
- 誤:I go to the park yesterday.
- 正:I went to the park yesterday.(私は昨日公園に行きました)
- 時制の一致
過去の出来事について話す場合は、文全体で過去形を使います。- 誤:When I was a child, I play soccer every day.
- 正:When I was a child, I played soccer every day.(子供の頃、私は毎日サッカーをしていました)
- 過去形と現在完了形の違い
過去形は「過去のある時点での出来事」、現在完了形は「過去から現在までの経験や結果」を表します。- I visited Tokyo last year.(昨年東京を訪れました)- いつ訪れたかが明確
- I have visited Tokyo.(東京を訪れたことがあります)- いつかは不明確だが、経験として持っている
- 過去進行形との使い分け
過去形は「出来事そのもの」、過去進行形は「その時進行中だった動作」を表します。- I ate dinner at 7 PM.(7時に夕食を食べました)
- I was eating dinner when she called.(彼女が電話したとき、私は夕食を食べているところでした)
英語の過去形に関する練習問題20選
以下の問題で過去形の理解度をチェックしてみましょう。
様々なタイプの問題を用意しましたので、しっかり復習してください。
- 次の動詞を過去形に変えなさい
play, study, walk, stop, make - 次の文を過去形に書き換えなさい
I eat breakfast every morning. - 次の不規則動詞の過去形を書きなさい
go, see, buy, have, take - 次の文の空欄に適切な過去形を入れなさい
She _____ (visit) her grandmother last Sunday. - 次の文を否定文に書き換えなさい
He played soccer yesterday. - 次の文を疑問文に書き換えなさい
They went to the park. - 次の文の空欄に適切な形の動詞を入れなさい
When I _____ (arrive) at the station, the train _____ (already / leave). - 次の文の誤りを訂正しなさい
I goed to school yesterday. - 次の2つの文を結合し、適切な接続詞を使いなさい
I was watching TV. The phone rang. - 次の文の空欄に適切な過去形を入れなさい
We _____ (be) very tired after the long walk. - 次の文を過去形に書き換えなさい
She does not understand the question. - 次の文を過去形の疑問文に書き換えなさい
You like that movie. - 次の動詞の過去形のつづりで正しいものを選びなさい
try (tryed / tried / tryd) - 次の文を完成させなさい
Yesterday, I _____ (see) a movie and then I _____ (go) to a restaurant. - 次の文の空欄に適切な過去形を入れなさい
It _____ (rain) heavily when I _____ (wake up) this morning. - be動詞の過去形を使って次の文を完成させなさい
I _____ at home yesterday, but my sister _____ at school. - 次の文を作るために語句を並べ替えなさい
yesterday / visited / museum / the / we - 次の文を過去進行形ではなく単純過去形を使って書き換えなさい
I was reading a book the whole evening. - 次の文の空欄に適切な過去形を入れなさい
When the teacher _____ (enter) the classroom, all students _____ (stand up). - 次の文の下線部を適切な過去形に直しなさい
Last week we go to the beach and swim in the ocean.
これらの練習問題を通して、過去形の基本的な使い方から応用まで幅広く学ぶことができます。
日常会話や文章でも積極的に過去形を使ってみてください。
過去形に関するよくある質問
- 「I did」と「I done」はどちらが正しいですか?
-
過去形としては「I did」が正しいです。「done」は「do」の過去分詞形で、単独で過去形として使うことはできません。「I have done」(現在完了形)のように使います。
- 「was」と「were」の使い分けはどうすればいいですか?
-
主語によって使い分けます。「I / he / she / it」には「was」を使い、「you / we / they」には「were」を使います。
- I was happy.(私は幸せでした)
- They were busy.(彼らは忙しかったです)
- 過去形の発音のコツはありますか?
-
規則動詞の過去形「-ed」の発音には3パターンあります:
- /t/の音:「p」「k」「s」「ch」「sh」「f」などの後(例:walked /wɔːkt/)
- /d/の音:「b」「g」「v」「m」「n」「l」「r」などの後や母音の後(例:played /pleɪd/)
- /ɪd/の音:「t」「d」の後(例:wanted /ˈwɒntɪd/)
- 不規則動詞の覚え方のコツはありますか?
-
不規則動詞を効果的に覚えるためのコツは以下の通りです。
- グループに分けて覚える(変化パターンや意味が似ているものをまとめる)
- フレーズや短い文で覚える(例:I went to bed.)
- よく使う動詞から優先的に覚える
- 定期的に復習する
- フラッシュカードなどを作って反復練習する
- 過去形と過去完了形の違いは何ですか?
-
過去形は「過去のある時点での出来事」を表します。一方、過去完了形(had + 過去分詞)は「過去のある時点よりもさらに前に起こった出来事」を表します。
- I arrived at the station at 9:00.(9時に駅に着きました)- 過去形
- The train had already left when I arrived at the station.(駅に着いたとき、電車はすでに出発していました)- 過去完了形
まとめ

英語の過去形は、過去に起こった出来事や状態を表現するために欠かせない文法要素です。
この記事では以下のポイントについて解説しました。
- 過去形の基本概念
- 過去に起こった出来事や状態を表す
- 「〜した」「〜だった」と訳される
- 主語が何であっても動詞の形は同じ
- be動詞の過去形
- am/is → was
- are → were
- 一般動詞の過去形
- 規則動詞:動詞 + ed(語尾によって変化あり)
- 不規則動詞:個別に覚える必要あり
- 否定文と疑問文
- be動詞:was not, were not / Was…?, Were…?
- 一般動詞:did not + 動詞の原形 / Did + 主語 + 動詞の原形…?
- 過去形を使うタイミングと注意点
- 過去の出来事、状態、習慣を表す
- 時制の一致に注意
- 他の時制(現在完了形、過去進行形など)との違いを理解する
過去形は英語学習の基礎となる重要な文法項目です。基本のルールをしっかり理解し、不規則動詞は少しずつ覚えていけば、過去の出来事を自然に表現できるようになります。
日常会話や文章の中で積極的に使って、着実に身につけていきましょう。