「past」は英語で「過去」や「通り過ぎる」を表す単語で、文中では名詞、形容詞、副詞、前置詞として機能します。日常会話からビジネス英語まで幅広く使われる重要な単語です。
この記事では「past」の意味と様々な使い方を例文とともに初学者向けに詳しく解説します。
pastとは?過去と通過を表す万能な英単語

pastは英語において非常に汎用性の高い単語です。主に「過去の時間」や「通り過ぎる」という意味を持ち、文中での役割によって品詞が変わります。名詞としては「過去」、形容詞としては「過ぎ去った」、副詞や前置詞としては「通り過ぎて」などの意味で使われます。
英語を学ぶ際に避けて通れない重要な単語の一つであり、特に時制や位置関係を説明する際に頻繁に登場します。pastの様々な使い方をマスターすることで、より自然な英語表現が可能になります。
pastの品詞ごとの意味と使い方
pastは文中での役割によって様々な品詞として機能します。それぞれの品詞における意味と使い方を見ていきましょう。
名詞としてのpast
名詞として使われるpastは「過去」「昔」という意味を持ちます。過去の時間や歴史的な出来事を指します。
例文
- I don’t want to talk about the past.(過去について話したくありません。)
- We can learn a lot from the past.(私たちは過去から多くのことを学ぶことができます。)
- The past of this city is very interesting.(この都市の過去はとても興味深いです。)
名詞としてのpastは通常「the past」という形で使われることが多く、特定の過去の時間や歴史を指します。
形容詞としてのpast
形容詞として使われるpastは「過ぎ去った」「以前の」という意味を持ち、時間や役職などを修飾します。
例文
- He visited us in the past week.(彼は先週私たちを訪問しました。)
- She is a past champion of this tournament.(彼女はこのトーナメントの元チャンピオンです。)
- The past events changed our lives.(過去の出来事は私たちの人生を変えました。)
形容詞としてのpastは通常、名詞の前に置かれて、その名詞が過去のものであることを示します。
副詞としてのpast
副詞としてのpastは「通り過ぎて」という意味を持ち、動きの方向を表します。
例文
- The car drove past without stopping.(車は止まらずに通り過ぎました。)
- Time flew past quickly.(時間はあっという間に過ぎ去りました。)
- I walked past the school on my way home.(帰り道で学校の前を通り過ぎました。)
副詞としてのpastは、通常は動詞の後ろに置かれ、その動作が何かを通り過ぎることを示します。
前置詞としてのpast
前置詞としてのpastは「~を過ぎて」「~を通り過ぎて」という意味を持ち、場所や時間の関係を表します。
例文
- It’s ten minutes past eight.(8時10分過ぎです。)
- Their house is just past the bridge.(彼らの家は橋を少し過ぎたところにあります。)
- The meeting continued past midnight.(会議は真夜中を過ぎても続きました。)
前置詞としてのpastは、位置関係や時間を示す際によく使われます。特に時間表現では「half past」(30分過ぎ)などの表現でよく使われます。
pastを使った時制表現
英語の時制表現において、pastは重要な役割を果たします。過去の出来事を表す様々な時制について見ていきましょう。
単純過去形(Simple Past)
単純過去形は過去の一時点で完了した行動や状態を表します。規則動詞は「動詞+ed」、不規則動詞は変化形を使います。
例文
- I walked to school yesterday.(昨日私は学校に歩いて行きました。)
- She bought a new book last week.(彼女は先週新しい本を買いました。)
- We played soccer in the park.(私たちは公園でサッカーをしました。)
単純過去形は「昨日」「先週」「先月」などの過去を表す時間表現とともによく使われます。
過去進行形(Past Continuous)
過去進行形は過去のある時点で進行中だった行動を表します。「was/were + 動詞ing」の形で作ります。
例文
- I was studying when she called me.(彼女が電話してきたとき、私は勉強していました。)
- They were playing tennis at 3 pm yesterday.(彼らは昨日午後3時にテニスをしていました。)
- What were you doing last night?(昨夜何をしていましたか?)
過去進行形は、過去の特定の時点で行われていた継続的な行動を強調したい場合に使います。
過去完了形(Past Perfect)
過去完了形は過去のある時点よりも前に完了した行動を表します。「had + 過去分詞」の形で作ります。
例文
- I had finished my homework before dinner.(夕食前に宿題を終えていました。)
- She had never seen such a beautiful sunset.(彼女はそのような美しい夕日を見たことがありませんでした。)
- After he had cleaned his room, he went out to play.(部屋を掃除した後、彼は遊びに出かけました。)
過去完了形は、過去の出来事の順序を明確にしたい場合に役立ちます。
過去完了進行形(Past Perfect Continuous)
過去完了進行形は過去のある時点までずっと続いていた行動を表します。「had been + 動詞ing」の形で作ります。
例文
- I had been waiting for two hours when she finally arrived.(彼女がついに到着したとき、私は2時間待っていました。)
- They had been studying English for three years before they moved to America.(彼らはアメリカに引っ越す前に3年間英語を勉強していました。)
- How long had you been living in Tokyo before you moved to Osaka?(大阪に引っ越す前、どれくらいの間東京に住んでいましたか?)
過去完了進行形は、過去のある時点までの継続的な行動の期間や努力を強調したい場合に使います。
pastを含む重要フレーズと表現
pastを含む様々な表現を知ることで、より自然な英語が使えるようになります。よく使われる表現を見ていきましょう。
in the past
「in the past」は「過去に」「かつて」という意味で、不特定の過去の時間を指します。
例文
- In the past, people wrote letters instead of emails.(過去には、人々はメールの代わりに手紙を書いていました。)
- I have visited Kyoto in the past.(過去に京都を訪れたことがあります。)
- Things were different in the past.(物事は過去とは違っていました。)
for the past
「for the past」は「この~の間ずっと」という意味で、過去から現在まで続いている期間を表します。
例文
- I have been studying English for the past five years.(この5年間ずっと英語を勉強しています。)
- It has been raining for the past three days.(この3日間ずっと雨が降っています。)
- She has lived in this town for the past ten years.(彼女はこの10年間ずっとこの町に住んでいます。)
over the past
「over the past」も「この~の間に」という意味ですが、その期間内の変化や発展に焦点を当てる場合に使われます。
例文
- The number of students has increased over the past decade.(この10年間で学生の数が増加しました。)
- My English has improved over the past six months.(この6ヶ月間で私の英語は上達しました。)
- Many things have changed over the past few years.(この数年で多くのことが変わりました。)
half past
「half past」は時刻表現で「~時半」を意味します。
例文
- Let’s meet at half past six.(6時半に会いましょう。)
- The train leaves at half past seven.(電車は7時半に出発します。)
- I wake up at half past five every morning.(私は毎朝5時半に起きます。)
walk/go/drive past
「walk/go/drive past」は「~を通り過ぎる」という意味で、移動の動詞とpastを組み合わせた表現です。
例文
- I walked past the library on my way home.(帰り道で図書館の前を通り過ぎました。)
- The bus goes past my house.(バスは私の家の前を通ります。)
- She drove past without seeing me.(彼女は私に気づかずに車で通り過ぎました。)
pastのよくある間違いと注意点
pastの使用で特に日本人学習者がよく間違えるポイントを紹介します。
pastとpassedの混同
最も多い間違いは「past」と「passed」の混同です。「passed」は動詞「pass」(通過する)の過去形・過去分詞形であり、「past」とは品詞が異なります。
誤:I walked passed the store.(私は店の前を歩いて通り過ぎました。)
正:I walked past the store.
誤:The time passed quickly in the passed.(時間は過去にすぐに過ぎ去りました。)
正:The time passed quickly in the past.
「passed」は動詞、「past」は名詞・形容詞・副詞・前置詞として使われることを覚えておきましょう。
時制の誤用
pastに関連する時制表現で間違いやすいのは、複数の時制の使い分けです。特に過去完了形は初学者には難しく感じられます。
誤:When I arrived, he left already.(私が到着したとき、彼はすでに出発していました。)
正:When I arrived, he had left already.
誤:I was studying English since I was ten.(10歳の頃から英語を勉強していました。)
正:I had been studying English since I was ten.
時系列をしっかり考え、適切な時制を選びましょう。
前置詞としてのpastの使い方
前置詞としてのpastの使い方も間違いやすいポイントです。
誤:The library is past from the station.(図書館は駅から通り過ぎたところにあります。)
正:The library is past the station.
誤:It’s 20 past of 7.(7時20分過ぎです。)
正:It’s 20 past 7.
pastは前置詞として使う場合、fromや他の前置詞と一緒に使わないことに注意しましょう。
名詞としてのpastの冠詞
名詞としてのpastには通常、定冠詞「the」をつけます。
誤:We can learn from past.(私たちは過去から学ぶことができます。)
正:We can learn from the past.
誤:In past, people didn’t have smartphones.(過去には、人々はスマートフォンを持っていませんでした。)
正:In the past, people didn’t have smartphones.
名詞としてのpastには「the」をつけることを忘れないようにしましょう。
pastに関する問題
ここでは「past」に関する知識を試す問題を10問用意しました。それぞれの問題を解いて、pastの理解度を確認しましょう。問題を解いた後、解答と解説を確認してください。
- 空欄に適切な単語を入れてください:The bus went _ my house without stopping.
- 「過去5年間ずっと東京に住んでいます」を英語で表すと?
- 「彼女は昨夜8時半に帰宅しました」という文で「8時半」を英語で表すと?
- He is a ( ) president of the company. 空欄に適切な単語を入れてください。
- 「昨日まで3日間雨が降っていました」を英語で表すと?
- We should learn from ( ) mistakes. 空欄に適切な単語を入れてください。
- 「過去には人々は手紙を書いていました」を英語で表すと?
- 「彼女が電話した時、私はちょうど宿題を終えたところでした」を英語で表すと?
- The shop is just ( ) the traffic lights. 空欄に適切な単語を入れてください。
- 「過去10年間で技術は大きく進歩しました」を英語で表すと?
「past」に関するよくある質問
- pastとpassedの違いは何ですか?
-
pastは名詞(過去)、形容詞(過ぎ去った)、副詞(通り過ぎて)、前置詞(~を過ぎて)として機能する単語です。一方、passedは動詞「pass」(通過する)の過去形・過去分詞形です。
例えば「I walked past the station.」(私は駅の前を通り過ぎました)では、pastは前置詞として使われています。「Time passed quickly.」(時間はあっという間に過ぎました)では、passedは動詞「pass」の過去形として使われています。
- 「half past eight」と「eight thirty」の違いは何ですか?
-
どちらも「8時30分」を意味しますが、「half past eight」はより伝統的な言い方で、特にイギリス英語でよく使われます。「eight thirty」はよりシンプルで、特にアメリカ英語で一般的です。意味に違いはなく、好みや状況によって使い分けられています。
- 過去形と過去完了形の違いは何ですか?
-
過去形(Simple Past)は過去の一時点で完了した行動を表します。例:「I watched TV last night.」(昨夜テレビを見ました)
過去完了形(Past Perfect)は過去の特定の時点よりも前に完了した行動を表します。例:「I had finished my homework before dinner.」(夕食前に宿題を終えていました)
過去完了形は「過去の過去」を表現するときに使います。
- 「for the past」と「over the past」の違いは何ですか?
-
「for the past」は「この~の間ずっと」という意味で、過去から現在まで継続している状況を強調します。例:「I have been sick for the past three days.」(この3日間ずっと病気です)
「over the past」も同様の意味ですが、その期間内での変化や発展に焦点を当てる場合に使われます。例:「The population has increased over the past decade.」(この10年間で人口が増加しました)
- 「in the past」と「in past years」の違いは何ですか?
-
「in the past」は一般的な過去を指し、「かつて」「昔」という意味です。例:「In the past, we didn’t have the internet.」(昔はインターネットがありませんでした)
「in past years」は「過去の数年間に」という、より具体的な過去の期間を指します。例:「In past years, the festival was held outdoors.」(過去の数年間、そのフェスティバルは屋外で開催されていました)
- pastを使った時刻の言い方には他にどのようなものがありますか?
-
「past」を使った時刻表現には以下のようなものがあります。
- Five past eight(8時5分)
- Ten past nine(9時10分)
- Quarter past seven(7時15分)
- Twenty past six(6時20分)
- Twenty-five past four(4時25分)
これらはすべて「~時の~分過ぎ」という意味です。
まとめ

この記事では、英語における「past」の様々な使い方と意味について詳しく解説しました。pastは非常に汎用性の高い単語で、品詞によって異なる役割を果たします。
ここで学んだ内容を簡潔にまとめておきましょう。
- pastは名詞、形容詞、副詞、前置詞として使われる
- 名詞としてのpastは「過去」「昔」を意味する
- 形容詞としてのpastは「過ぎ去った」「以前の」を意味する
- 副詞としてのpastは「通り過ぎて」を意味する
- 前置詞としてのpastは「~を過ぎて」を意味する
- pastと関連する時制表現には、単純過去形、過去進行形、過去完了形、過去完了進行形がある
- よく使われる表現として「in the past」「for the past」「over the past」「half past」などがある
- 「past」と「passed」の混同に注意する
pastの様々な使い方をマスターすることで、より自然で正確な英語表現が可能になります。日常会話からビジネス英語まで、幅広いシーンで活用できる重要な単語であることを忘れないでください。
継続的な学習と実践を通じて、pastの使い方を完全に身につけましょう。