「poor」は英語の形容詞として主に使われる単語で、「貧しい」「乏しい」「哀れな」などの意味を持っています。時に名詞として「貧しい人々」を表すこともあり、日常会話から文学まで幅広く使われる重要な単語です。
この記事では、「poor」の意味や使い方を、わかりやすい例文とともに詳しく解説していきます。英語初学者の方でも理解しやすいように、基本的な用法から応用まで段階的に説明していきますので、ぜひ最後までお読みください。
「poor」とは?基本的な意味と使い方

「poor」は主に形容詞として使われる単語で、複数の意味を持っています。最も基本的な意味は「お金や資源が少ない・貧しい」という経済的な状態を表すものですが、その他にも「質が悪い」「不十分な」「同情すべき・かわいそうな」といった意味でも使われます。
「poor」の発音は「プア」または「プアー」に近く、アメリカ英語では「プア」とやや短めに、イギリス英語では「プアー」と少し長めに発音される傾向があります。形容詞の比較級は「poorer」(より貧しい)、最上級は「poorest」(最も貧しい)となります。
「poor」は文中では他の形容詞と同様に、名詞の前に置かれて修飾する用法(限定用法)と、be動詞の後ろに置かれる用法(叙述用法)の両方があります。以下で具体的な例文を見ていきましょう。
「poor」の経済的な貧困を表す使い方
「poor」の最も一般的な意味は「お金がない・貧しい」という経済的な状態を表すものです。個人、家族、地域、国など様々なレベルで使うことができます。
例文
- He comes from a poor family. (彼は貧しい家庭の出身です。)
- Many poor countries need economic support. (多くの貧しい国々は経済的支援を必要としています。)
- They are too poor to buy a new car. (彼らは新しい車を買うには貧し過ぎます。)
- She became poor after losing her job. (彼女は仕事を失った後、貧しくなりました。)
- The poor people in this area need help. (この地域の貧しい人々は助けを必要としています。)
「poor」の質や状態の悪さを表す使い方
「poor」は物事の質や状態が良くないことを示す際にも使われます。この場合、必ずしも経済的な貧しさとは関係なく、「劣った」「不十分な」「質の悪い」といった意味になります。
例文
- He got poor grades on his test. (彼はテストで悪い成績を取りました。)
- The food at that restaurant was very poor. (あのレストランの食事はとても質が悪かったです。)
- She has poor eyesight and needs glasses. (彼女は視力が悪く、眼鏡が必要です。)
- Due to poor weather, the game was canceled. (悪天候のため、試合は中止になりました。)
- This report shows poor understanding of the topic. (このレポートはトピックに対する理解が不十分です。)
「poor」の同情や哀れみを表す使い方
「poor」は誰かや何かに対して同情や哀れみの気持ちを表す際にも使われます。この用法では「かわいそうな」「気の毒な」という意味になります。
例文
- Poor Mary lost her cat yesterday. (かわいそうなメアリーは昨日猫を失くしました。)
- The poor child was crying all day. (かわいそうな子供は一日中泣いていました。)
- Poor you! Did you hurt yourself? (かわいそうに!怪我したの?)
- Look at that poor dog in the rain. (雨の中のあの気の毒な犬を見てください。)
- His poor health prevents him from working. (彼の悪い健康状態が仕事をすることを妨げています。)
「poor」を使った慣用表現とフレーズ
「poor」は様々な前置詞や他の単語と組み合わせて、特定の意味を持つ表現を作ります。ここでは英語学習者にとって覚えておくと便利な「poor」を含む慣用表現を紹介します。
「poor」を含む慣用表現は日常会話でよく使われるため、これらを知っておくと英語でのコミュニケーション能力が大きく向上します。基本的な表現から順に見ていきましょう。
「poor in」の使い方
「poor in 〜」は「〜が乏しい・欠けている」という意味で使われます。特定の資源や能力、要素が不足していることを表します。
例文
- This soil is poor in nutrients. (この土壌は栄養分が乏しいです。)
- He is poor in math but good at English. (彼は数学は苦手ですが、英語は得意です。)
- The area is poor in natural resources. (その地域は天然資源に乏しいです。)
- Her speech was poor in content. (彼女のスピーチは内容に乏しいものでした。)
「poor at」の使い方
「poor at 〜」は「〜が下手・苦手である」という意味で使われます。特にスキルや活動に関して使うことが多いです。
例文
- I am poor at cooking but I try my best. (私は料理が下手ですが、最善を尽くしています。)
- He is poor at sports but studies hard. (彼はスポーツは苦手ですが、勉強は熱心にします。)
- She is poor at remembering names. (彼女は名前を覚えるのが苦手です。)
- They are poor at managing time. (彼らは時間管理が下手です。)
その他の「poor」を含む表現
「poor」を含むその他の慣用表現やフレーズも数多くあります。以下にいくつか紹介します。
例文
- Poor me! I lost my wallet again. (かわいそうな私!また財布をなくしました。)
- The poor man’s version (貧乏人バージョン・安価な代替品)
- In poor taste (趣味が悪い・不適切な)
- Poor excuse (言い訳にならない言い訳)
- Poor health (健康状態が悪い)
以下の表は「poor」を含む主な表現をまとめたものです。
表現 | 意味 | 例文 |
---|---|---|
poor in 〜 | 〜が乏しい・欠けている | This area is poor in water resources. (この地域は水資源に乏しい。) |
poor at 〜 | 〜が下手・苦手である | I am poor at singing. (私は歌が下手です。) |
poor health | 健康状態が悪い | He is in poor health now. (彼は今健康状態が悪いです。) |
poor quality | 質が悪い | These are poor quality shoes. (これらは質の悪い靴です。) |
poor excuse | 言い訳にならない言い訳 | That’s a poor excuse for being late. (それは遅刻の言い訳にはなりません。) |
「poor」と似た意味を持つ単語との違い
英語には「poor」と似た意味を持つ単語がいくつかあります。これらの違いを理解することで、より正確に状況に応じた表現ができるようになります。ここでは「poor」と意味の似た単語との違いを解説します。
類義語との違いを知ることで語彙力が広がり、より適切な状況で適切な単語を選べるようになります。日本語で「貧しい」と一言で表現しても、英語ではニュアンスの違いで様々な表現があるのです。
「poor」と「broke」の違い
「poor」は一般的に長期的な経済状態を表すのに対し、「broke」は一時的にお金がない状態を表します。「broke」はよりカジュアルな表現で、「今は財布に金がない」というような意味合いになります。
例文
- I’m broke until payday. (給料日まで無一文です。)
- She comes from a poor family but works hard. (彼女は貧しい家庭の出身ですが、一生懸命働いています。)
「poor」と「needy」の違い
「poor」が経済的な貧困を幅広く表すのに対し、「needy」は「援助や支援を必要としている」という意味合いが強くなります。「needy」はより困窮している状態や支援を求めている状態を表します。
例文
- The charity helps needy children in the area. (そのチャリティは地域の困窮している子供たちを支援しています。)
- Many poor countries are developing rapidly. (多くの貧しい国々は急速に発展しています。)
「poor」と「insufficient」の違い
「poor」が質や状態の悪さを表す場合、「insufficient」は「不十分な・足りない」という量や程度の不足を表す表現です。「insufficient」はより客観的な評価を含む傾向があります。
例文
- There was insufficient evidence to convict him. (彼を有罪にするには証拠が不十分でした。)
- He wrote a poor essay with many mistakes. (彼は多くの間違いを含む質の悪いエッセイを書きました。)
「poor」のよくある間違いと注意点
英語を学ぶ日本人にとって、「poor」の使い方で混乱しやすいポイントがいくつかあります。ここでは「poor」を使う際によくある間違いと注意点を解説します。
これらの間違いを知っておくことで、より自然な英語表現ができるようになります。特に日本語の感覚で英語を使うと誤用になりやすいポイントを押さえておきましょう。
「poor」と「poverty」の混同
「poor」は形容詞ですが、「poverty」は名詞で「貧困」を意味します。これらを混同して使うことがあります。
誤:The country has a serious poor problem.
正:The country has a serious poverty problem. (その国は深刻な貧困問題を抱えています。
「poor」の名詞的用法の注意点
「the poor」という形で「貧しい人々」を表す集合名詞として使うことができますが、この場合は常に定冠詞「the」と共に複数の意味で使います。
誤:Poor need our help.
正:The poor need our help. (貧しい人々は私たちの助けを必要としています。)
「poor」の比較級・最上級の形
「poor」の比較級は「poorer」、最上級は「poorest」ですが、「more poor」「most poor」という形も状況によっては使われます。特に、長い表現の一部として使われる場合などです。
例文
- This country is poorer than that one. (この国はあの国よりも貧しいです。)
- This is the poorest region in the country. (これはその国で最も貧しい地域です。)
「poor」の否定的なニュアンスに注意
「poor」は基本的に否定的なニュアンスを持つ単語です。特に人を直接「poor」と表現する場合は配慮が必要で、場合によっては失礼に当たることもあります。
代わりに「financially challenged」「of limited means」などの婉曲表現を使うことがあります。
「poor」の発音の注意点
日本人学習者は「poor」を「プーア」と発音しがちですが、正しくは「プア」または「プアー」に近い発音です。
特に「oo」の部分は日本語の「ウー」のような音ではなく、より短い「ウ」に近い音になります。
「poor」に関する問題
このセクションでは、英単語「poor」に関する問題を出題します。「poor」は「貧しい」「質が悪い」「かわいそうな」など、様々な意味を持つ形容詞です。英語の文脈によって適切な意味や単語を選ぶことが重要です。
ここでは、「poor」だけでなく、他の単語も選択肢に含めて理解を深める問題を用意しました。問題を通じて語彙力や文脈判断力を高めましょう。
- She grew up in a ____ family and had to work from a young age.
- The soup tasted ____ because it was too salty.
- After hearing the sad story, everyone felt ____ for the little boy.
- His ____ performance in the test disappointed his parents.
- The ____ weather ruined our picnic plans.
- He is a very ____ student and always gets the highest grades.
- The hotel room was ____ and not very clean.
- She made a ____ decision that helped her succeed.
- The ____ dog wandered the streets looking for food.
- The ____ service at the restaurant made us leave early.
この問題を通じて、「poor」の使い方や、似た意味や対義語の単語も一緒に学ぶことができます。
「poor」に関するよくある質問
- 「poor」はどのような状況で使われますか?
-
「poor」は主に三つの状況で使われます。一つ目は経済的に「貧しい」という意味で、二つ目は質や状態が「劣っている・悪い」という意味、三つ目は「かわいそうな・気の毒な」という同情や哀れみを表す意味です。それぞれの状況に応じて適切に使い分けることが大切です。
- 「poor」と「rich」は反意語ですか?
-
はい、「poor」(貧しい)と「rich」(豊か、裕福な)は経済的な意味では反意語の関係にあります。「poor country」(貧しい国)の反対は「rich country」(豊かな国)です。ただし、「poor」が質や状態の悪さを表す場合は、「good」「excellent」などが反意語となることもあります。
- 「poor」を使った慣用表現にはどのようなものがありますか?
-
「poor in 〜」(〜が乏しい)、「poor at 〜」(〜が下手)、「in poor health」(健康状態が悪い)、「poor excuse」(言い訳にならない言い訳)などの表現があります。これらの慣用表現は日常会話でよく使われますので、覚えておくと便利です。
- 「the poor」とは何を意味しますか?
-
「the poor」は「貧しい人々」を意味する集合名詞です。定冠詞「the」と共に使われ、複数形の意味を持ちます。例えば「The poor need our help.」(貧しい人々は私たちの助けを必要としています)のように使います。
- 「poor」は常に否定的な意味を持ちますか?
-
基本的に「poor」は否定的な意味を持ちますが、文脈によっては単に状態や事実を客観的に述べているだけの場合もあります。特に人に対して直接使う場合は配慮が必要で、場合によっては失礼になることもあるため注意が必要です。
まとめ

この記事では「poor」の基本的な意味から様々な使い方、類義語との違い、注意点まで幅広く解説してきました。「poor」は英語の重要な基本単語の一つで、様々な状況で使われるため、その意味と用法をしっかり理解しておくことが英語学習において非常に大切です。
以下に、この記事の主なポイントをまとめます。
- 「poor」は主に形容詞として使われ、「貧しい」「質が悪い」「かわいそうな」などの意味がある
- 「poor」の基本的な用法としては、経済的な貧困、質や状態の悪さ、同情や哀れみを表す使い方がある
- 「poor in 〜」「poor at 〜」など、様々な前置詞と組み合わせて特定の意味を表す
- 「poor」と似た意味の「broke」「needy」「insufficient」などの単語とは、微妙なニュアンスの違いがある
- 「the poor」という形で「貧しい人々」を表す集合名詞として使うこともある
- 「poor」の比較級は「poorer」、最上級は「poorest」である
英語の語彙力を高めるためには、このような基本単語の様々な使い方を理解し、実際の会話や文章で使いこなすことが重要です。「poor」の理解を深めることで、より自然で正確な英語表現ができるようになるでしょう。
ぜひ、この記事で学んだことを実際の英語学習に活かしてみてください。