「可能」という概念は、日々の英会話でも頻繁に使われる重要な表現です。何かが「できる」「実現できる」「起こりうる」など、様々なニュアンスを持つ「可能性」を英語で適切に表現するためには、状況や文脈に応じた単語の選択が必要になります。
本記事では、「可能」を表す様々な英単語について、それぞれの意味や使い分け、実際の例文などを詳しく解説していきます。英語初学者の方でも理解しやすいように、基本的な使い方から実践的な活用方法まで幅広く紹介していきますので、ぜひ最後までお読みください。
「可能」を表す英単語

「可能」を表す英単語には様々なものがありますが、主なものとして以下の単語が挙げられます。それぞれ微妙にニュアンスが異なりますので、使い分けることが重要です。
「可能」を表す英単語
- possible(可能な、あり得る)
- feasible(実現可能な、実行可能な)
- achievable(達成可能な)
- realizable(実現可能な)
- viable(実行可能な、生存可能な)
- doable(できる、実行可能な)
- practicable(実用的な、実行可能な)
- probable(ありそうな、起こりそうな)
- likely(ありそうな、起こりそうな)
- potential(潜在的な、可能性のある)
また、助動詞や構文でも「可能」を表現できます。
- can / could(~できる)
- may / might(~かもしれない)
- be able to(~することができる)
さらに、「可能性」を表す副詞も重要です。
- maybe(たぶん、もしかすると)
- probably(おそらく、たぶん)
- perhaps(ひょっとすると、もしかすると)
- possibly(ひょっとすると、~かもしれない)
- likely(おそらく)
- most likely(ほぼ確実に)
英語ではこれらの単語や表現を状況や確信度に応じて使い分けることで、より正確に「可能」の概念を伝えることができます。
「可能」を表す英単語の発音・意味・特徴と使い分け【例文あり】
ここからは、「可能」を表す英単語の発音、意味、使い方について詳しく解説していきます。また、それぞれの単語の特徴と使い分けのポイントをわかりやすく説明し、実際の例文も紹介します。
possible(パシブル)
意味と特徴
「possible」は最も基本的な「可能」を表す形容詞で、何かが「起こりうる」「あり得る」という意味を持ちます。理論的・物理的に可能であることを示し、幅広い状況で使用できる汎用性の高い単語です。「It is possible to…(〜することは可能だ)」という構文でよく使われます。
使い分けのポイント
「possible」は理論上の可能性を表すときに適しており、実現の難易度や実行可能性についてはあまり言及しません。単に「あり得る」という可能性を示す場合に使用します。
例文
- It is possible to learn English by yourself.(一人で英語を学ぶことは可能です。)
- Is it possible for you to come to my house tomorrow?(明日私の家に来ることは可能ですか。)
- Everything is possible if you try hard.(一生懸命頑張ればすべてが可能です。)
feasible(フィージブル)
意味と特徴
「feasible」は「実行可能な」「実現可能な」という意味を持ち、特に計画やプロジェクトなどが現実的に実行できるかどうかを評価する際に使われます。時間、予算、技術などの制約の中で実現できるかどうかという観点で使用されることが多い単語です。
使い分けのポイント
「feasible」は単なる可能性ではなく、「現実的に実行可能かどうか」という視点が含まれています。ビジネスシーンでよく使われ、プロジェクトの実現可能性を評価する際に適しています。
例文
- This project is feasible within our budget.(このプロジェクトは私たちの予算内で実現可能です。)
- Is it feasible to finish this work by tomorrow?(明日までにこの仕事を終わらせることは実行可能ですか。)
- The plan sounds good, but I’m not sure if it’s feasible.(その計画は良さそうですが、実現可能かどうかわかりません。)
achievable(アチーバブル)
意味と特徴
「achievable」は「達成可能な」という意味で、特に目標や目的が努力によって達成できることを表します。「possible」よりも具体的で、目標達成の文脈でよく使われます。
使い分けのポイント
目標や夢が現実的に達成できるかを表現する際に適しています。「possible」が単なる可能性を示すのに対し、「achievable」は努力や行動によって実現できることを含意しています。
例文
- This goal is achievable if we work together.(みんなで協力すれば、この目標は達成可能です。)
- She set an achievable target for this month.(彼女は今月の達成可能な目標を設定しました。)
- Learning 10 new words a day is easily achievable.(1日10個の新しい単語を覚えることは簡単に達成可能です。)
realizable(リアライザブル)
意味と特徴
「realizable」は「実現可能な」という意味で、アイデアや計画が現実のものになる可能性を表します。「実現させることができる」という意味合いが強く、抽象的なアイデアが具体的な形になることを示唆します。
使い分けのポイント
特に夢やビジョンが具体的な形になるかどうかを表現する際に適しています。「feasible」が現実的な制約の中での実行可能性を表すのに対し、「realizable」はより広い意味で実現の可能性を表現します。
例文
- Her dream of becoming a doctor is realizable with hard work.(彼女の医者になるという夢は、努力すれば実現可能です。)
- This idea is realizable within the next few years.(このアイデアは数年以内に実現可能です。)
- Are these plans realizable with our current resources?(現在のリソースでこれらの計画は実現可能ですか。)
viable(バイアブル)
意味と特徴
「viable」は「実行可能な」「存続可能な」という意味を持ち、特にビジネスや計画が長期的に持続できるかどうかを表します。経済的・実務的に成功する可能性があるという意味合いが含まれています。
使い分けのポイント
長期的な成功や持続可能性という観点で使用されることが多く、ビジネスや組織の文脈でよく使われます。単なる短期的な実現可能性ではなく、長期的に機能するかどうかを評価する際に適しています。
例文
- This business model is not viable in today’s market.(このビジネスモデルは今日の市場では存続可能ではありません。)
- We need to find a viable solution to this problem.(この問題に対して実行可能な解決策を見つける必要があります。)
- Is this a viable option for our company?(これは私たちの会社にとって実行可能な選択肢ですか。)
doable(ドゥアブル)
意味と特徴
「doable」は「できる」「実行可能な」という意味のカジュアルな表現です。「possible」や「feasible」よりもくだけた言い方で、日常会話でよく使われます。比較的簡単に実行できることを示唆することが多いです。
使い分けのポイント
カジュアルな会話で、特に難しくなく実行できることを表現する際に適しています。ビジネス文書や正式な場面よりも、友人との会話や日常的な状況で使われることが多いです。
例文
- Don’t worry, this task is totally doable.(心配しないで、このタスクは間違いなくできますよ。)
- Is it doable to meet at 3 o’clock?(3時に会うことはできますか。)
- Learning basic English is doable for anyone.(基本的な英語を学ぶことは誰にでもできます。)
practicable(プラクティカブル)
意味と特徴
「practicable」は「実用的な」「実行可能な」という意味で、特に方法や計画が実際に実行できるかどうかという観点で使われます。理論だけでなく実践できるという意味合いが強いです。
使い分けのポイント
理論と実践のギャップを埋めるような文脈で使用されることが多く、特に実用性や実践性を強調したい場合に適しています。「feasible」が技術的・経済的な実現可能性を表すのに対し、「practicable」は実際の状況での実行可能性に焦点を当てています。
例文
- This method is practicable in most situations.(この方法はほとんどの状況で実行可能です。)
- We need a practicable solution, not just a theoretical one.(理論的なものだけでなく、実用的な解決策が必要です。)
- Is it practicable to implement this system now?(このシステムを今実施することは実行可能ですか。)
probable(プロバブル)
意味と特徴
「probable」は「ありそうな」「起こりそうな」という意味の形容詞で、何かが起こる可能性が高いことを示します。「可能性」というよりも「蓋然性(確率が高い)」を表現する単語です。
使い分けのポイント
単なる可能性ではなく、かなりの確率で起こりそうなことを表現する際に使います。「possible」が「あり得る」という程度なのに対し、「probable」は「よりありそうな」という程度を表します。
例文
- It is probable that it will rain tomorrow.(明日は雨が降る可能性が高いです。)
- The probable cause of the accident was driver error.(事故の原因はおそらく運転ミスでしょう。)
- It is probable that she will pass the exam.(彼女が試験に合格する可能性は高いです。)
likely(ライクリー)
意味と特徴
「likely」も「probable」と同様に「ありそうな」「起こりそうな」という意味を持ちますが、より一般的に使われる表現です。何かが起こる見込みが高いことを示します。
使い分けのポイント
「probable」と似ていますが、より日常的な表現として使われます。また、副詞としても「likely」(おそらく)という形で使うことができます。
例文
- It is likely that we will finish the project on time.(私たちが予定通りプロジェクトを終える可能性は高いです。)
- She is likely to come to the party.(彼女はそのパーティーに来る可能性が高いです。)
- What is the most likely outcome of this situation?(この状況で最も起こりそうな結果は何ですか。)
potential(ポテンシャル)
意味と特徴
「potential」は「潜在的な」「可能性のある」という意味の形容詞で、現在は実現していないが将来的に発展する可能性がある状態を表します。名詞としても「potential」(可能性、潜在能力)という形で使われます。
使い分けのポイント
現在は顕在化していない能力や可能性を表現する際に適しています。特に人の才能や状況の発展性について述べる場合によく使われます。
例文
- He has potential to become a great leader.(彼は素晴らしいリーダーになる可能性を持っています。)
- There is potential for growth in this market.(この市場には成長の可能性があります。)
- We should be aware of potential problems.(私たちは起こり得る問題に注意すべきです。)
可能性を表す副詞の比較
可能性を表す副詞(maybe, probably, perhaps など)も「可能」の概念を表現する重要な要素です。これらは確信度の違いによって使い分けられます。
maybe(メイビー)
意味と特徴
「maybe」は「たぶん」「もしかすると」という意味の副詞で、確信度は40〜50%程度です。可能性があるが確実ではないことを表現します。
使い分けのポイント
カジュアルな会話でよく使われ、文頭や文末に置かれることが多いです。比較的自由に使える表現ですが、多用すると優柔不断な印象を与えることもあります。
例文
- Maybe we can go to the park tomorrow.(たぶん明日は公園に行けるでしょう。)
- She will maybe come to the party.(彼女はたぶんパーティーに来るでしょう。)
- Can you help me? — Maybe.(手伝ってくれる? — たぶんね。)
probably(プロバブリー)
意味と特徴
「probably」は「おそらく」「たぶん」という意味の副詞で、確信度は80〜90%程度と高めです。かなりの確率で起こりそうなことを表現します。
使い分けのポイント
「maybe」よりも確信度が高い場合に使用します。動詞の前に置かれることが多く、話し言葉だけでなく書き言葉でもよく使われます。
例文
- I will probably be there by 5 o’clock.(おそらく5時までにはそこに着くでしょう。)
- She probably knows the answer.(彼女はおそらく答えを知っているでしょう。)
- This is probably the best solution.(これはおそらく最良の解決策です。)
perhaps(パハップス)
意味と特徴
「perhaps」は「ひょっとすると」「もしかすると」という意味の副詞で、「maybe」と同程度の確信度(30〜40%程度)を持ちますが、やや硬い表現です。
使い分けのポイント
「maybe」よりもフォーマルな場面や書き言葉で使われることが多いです。文書や公式な場面での発言に適しています。
例文
- Perhaps we should reconsider our strategy.(おそらく私たちは戦略を再考すべきでしょう。)
- The situation is, perhaps, not as bad as it seems.(状況は、おそらく見た目ほど悪くないでしょう。)
- Perhaps you could explain it again.(もう一度説明していただけるかもしれませんね。)
「可能」を表す英単語の比較表
以下の表は、「可能」を表す主な英単語の特徴と使い分けをまとめたものです。状況に応じて適切な単語を選ぶ際の参考にしてください。
英単語 | 意味 | 確信度 | 使用文脈 | フォーマル度 |
---|---|---|---|---|
possible | 可能な、あり得る | 低〜中 | 一般的な可能性 | 中 |
feasible | 実行可能な | 中 | プロジェクト・計画 | 高 |
achievable | 達成可能な | 中〜高 | 目標・目的 | 中〜高 |
realizable | 実現可能な | 中 | アイデア・夢 | 中〜高 |
viable | 存続可能な | 中〜高 | ビジネス・長期計画 | 高 |
doable | できる | 中〜高 | 日常的なタスク | 低 |
practicable | 実用的な | 中 | 方法・解決策 | 高 |
probable | ありそうな | 高 | 予測・推測 | 中〜高 |
likely | 起こりそうな | 高 | 予測・見込み | 中 |
potential | 潜在的な | 低〜中 | 将来性・可能性 | 中〜高 |
maybe | たぶん | 40〜50% | 日常会話 | 低 |
probably | おそらく | 80〜90% | 一般的な予測 | 中 |
perhaps | ひょっとすると | 30〜40% | フォーマルな文脈 | 高 |
「可能」を表す英単語の使い分け練習問題
以下に「可能」を表す英単語の使い分けを練習するための問題を20問用意しました。最適な単語を選んで文を完成させましょう。
- Is it __ to finish this project by Friday?
- This business plan seems __ in the current market.
- Learning a new language is __ for anyone with dedication.
- The goals we set are challenging but __.
- It will __ rain tomorrow, so take an umbrella.
- __ we can meet next week to discuss this further.
- This solution is theoretically __, but practically difficult.
- Her dream of becoming a doctor is __ with hard work.
- We need to find a __ alternative to this method.
- It is __ that she will win the competition.
- The new system is __ within our current budget.
- This task is easily __ if we work together.
- __ she already knows about the surprise party.
- There is __ for significant growth in this industry.
- Is this approach __ in a classroom setting?
- The project seems __, but we need more resources.
- It’s __ she’ll arrive late due to the traffic.
- This goal is definitely __ within the next year.
- __ we should consider a different strategy.
- The plan is technically __, but financially challenging.
「可能」を表す英単語に関するよくある質問
- 「possible」と「probable」の違いは何ですか?
-
「possible」は「可能性がある」「あり得る」という意味で、何かが理論的に起こり得ることを表します。一方、「probable」は「ありそうな」「起こりそうな」という意味で、単に可能性があるだけでなく、確率が高いことを示します。例えば、「It’s possible to win the lottery.(宝くじに当たることは可能だ)」は理論的な可能性を述べているのに対し、「It’s probable that it will rain tomorrow.(明日は雨が降る可能性が高い)」は高い確率で起こることを示しています。
- 「maybe」と「perhaps」はどう使い分ければよいですか?
-
「maybe」と「perhaps」はどちらも「たぶん」「もしかすると」という意味ですが、「maybe」はよりカジュアルで日常会話でよく使われます。一方、「perhaps」はやや硬い表現で、フォーマルな場面や書き言葉で使われることが多いです。例えば、友人との会話では「Maybe we can go to the movies tonight.(たぶん今夜映画に行けるよ)」のように「maybe」を使い、ビジネスの場では「Perhaps we should reconsider our approach.(おそらく我々のアプローチを再考すべきでしょう)」のように「perhaps」を使うことが適切です。
- 「feasible」と「viable」の違いは何ですか?
-
「feasible」は「実行可能な」「実現可能な」という意味で、特に計画やプロジェクトが技術的・経済的に実行できるかどうかを評価する際に使います。一方、「viable」は「存続可能な」「生存可能な」という意味で、長期的に持続できるかどうかという観点が含まれます。例えば、「This project is feasible with our current resources.(このプロジェクトは現在のリソースで実行可能だ)」は短期的な実現可能性を示し、「This business model is viable in today’s market.(このビジネスモデルは今日の市場で存続可能だ)」は長期的な成功の可能性を示しています。
- 「achievable」と「realizable」の使い分けはどうすればよいですか?
-
「achievable」は「達成可能な」という意味で、特に目標や目的が努力によって達成できることを表します。一方、「realizable」は「実現可能な」という意味で、アイデアや夢が現実のものになる可能性を示します。「achievable」は具体的な目標に、「realizable」はより抽象的なビジョンや夢に使われることが多いです。例えば、「This sales target is achievable this month.(この販売目標は今月達成可能だ)」と「Her dream of opening a restaurant is realizable within a few years.(彼女のレストランを開くという夢は数年以内に実現可能だ)」のように使い分けられます。
- 可能性を表す英語表現で確信度が最も高いのはどれですか?
-
可能性を表す英語表現の中で確信度が最も高いのは「most likely」(ほぼ確実に)で、90%以上の確信度を示します。次いで「probably」(おそらく)が80〜90%程度、「likely」(ありそうな)が50%以上となります。「maybe」や「perhaps」は30〜50%程度、「possibly」は10%程度とされています。確信度が最も低いのは「possibly」で、「ひょっとしたら」程度の可能性を示します。
- 形容詞と副詞の「可能」表現はどう使い分けますか?
-
形容詞の「可能」表現(possible, feasible, achievable など)は通常、名詞を修飾したり、be動詞の後に来て状態を表現します。例えば、「It is possible.(それは可能だ)」「a feasible plan(実行可能な計画)」のように使います。一方、副詞の「可能」表現(maybe, probably, perhaps など)は文全体や動詞を修飾し、話し手の確信度を示します。例えば、「Maybe he will come.(たぶん彼は来るだろう)」「She will probably agree.(彼女はおそらく同意するだろう)」のように使います。状況に応じて適切な品詞を選ぶことが重要です。
まとめ

「可能」を表す英単語は多岐にわたり、それぞれ微妙なニュアンスの違いがあります。「possible」のような基本的な表現から、「feasible」「viable」のようなビジネスシーンでよく使われる表現、「doable」のような日常会話で使われるカジュアルな表現まで、状況や文脈に応じて適切な単語を選ぶことが重要です。
また、「maybe」「probably」「perhaps」などの副詞は、話し手の確信度によって使い分けられます。これらを適切に使い分けることで、より正確に自分の考えや見通しを伝えることができます。
英語の「可能」表現を適切に使いこなすことで、コミュニケーションの幅が広がります。初心者の方は、まず基本的な表現から使い始め、徐々に状況に応じた使い分けができるようになると良いでしょう。
日常会話や文章の中で積極的に使ってみて、実践的に身につけていくことをおすすめします。