英語学習でよく混乱する単語のペアとして「practice」と「practise」があります。スペルが非常に似ているこの二つの単語は、どのように違い、どう使い分ければよいのでしょうか。
本記事では、英語初学者に向けて「practice」と「practise」の意味の違いと正しい使い方について、分かりやすく解説します。英語の国による違いや実際の例文を通して、これらの単語を適切に使いこなせるようになりましょう。
「practice」と「practise」の基本的な違い

「practice」と「practise」の最も基本的な違いは、イギリス英語においては品詞の違いです。イギリス英語では「practice」は名詞として、「practise」は動詞として使われます。
一方、アメリカ英語では両方とも「practice」のスペルが使われ、名詞でも動詞でも「practice」と書きます。
両単語の発音は同じで「プラクティス」と発音されます。このため、会話では区別がつきませんが、書く際には特にイギリス英語では正しいスペルを選ぶ必要があります。
初学者が覚えやすいように簡単にまとめると、
- イギリス英語:practice(名詞)、practise(動詞)
- アメリカ英語:practice(名詞も動詞も)
これを理解した上で、それぞれの単語の詳しい意味と使い方を見ていきましょう。
「practice」の意味と使い方
「practice」は主に名詞として使われ、「練習」「実践」「習慣」などの意味を持っています。ここでは、代表的な意味と使い方を例文と共に解説します。
「practice」を名詞として使う場合、「〜の練習」「〜の実践」などと表現します。例えば「ピアノの練習」は「piano practice」、「英語の練習」は「English practice」となります。
「練習」としての「practice」
「practice」の最も一般的な意味は「練習」です。スポーツや楽器、語学など、スキルを向上させるために繰り返し行う活動を指します。
例文
- I have baseball practice every Monday.(私は毎週月曜日に野球の練習があります。)
- My sister needs more piano practice.(私の姉はもっとピアノの練習が必要です。)
- We have English practice in the classroom.(私たちは教室で英語の練習をします。)
- Daily practice is important for learning a language.(言語を学ぶには毎日の練習が重要です。)
これらの例文では、「practice」が「練習」という意味の名詞として使われています。この場合、「practice」の前に何の練習かを示す単語(baseball、piano、Englishなど)を置きます。
「実践」としての「practice」
「practice」は「理論ではなく実際に行うこと」という意味でも使われます。理論や知識を実際に応用することを指します。
例文
- We need to put this theory into practice.(この理論を実践に移す必要があります。)
- Practice is more important than theory.(理論よりも実践のほうが重要です。)
- This is good in theory, but difficult in practice.(これは理論上は良いですが、実践では難しいです。)
「put into practice」(実践に移す)という表現はよく使われるフレーズです。理論や計画を実際の行動に移すときに使います。
「習慣」としての「practice」
「practice」は「習慣」や「慣行」という意味も持ちます。特に繰り返し行われる行動や伝統的に行われていることを指します。
例文
- It is a common practice to take off shoes in Japanese homes.(日本の家では靴を脱ぐのが一般的な習慣です。)
- This is not a good practice for children.(これは子どもにとって良い習慣ではありません。)
- The practice of sending New Year cards is popular in Japan.(年賀状を送る習慣は日本で人気があります。)
「common practice」(一般的な習慣)、「good/bad practice」(良い/悪い習慣)などの表現でよく使われます。
「practise」の意味と使い方
「practise」はイギリス英語で使われる動詞形で、「練習する」「実践する」などの意味を持ちます。アメリカ英語では、これらの意味でも「practice」と書きます。
「練習する」としての「practise」
「practise」の主な意味は「スキルを向上させるために繰り返し行う」という意味です。
例文
- I practise the piano every day.(私は毎日ピアノを練習します。)※イギリス英語
- She practises speaking English with her friends.(彼女は友達と英語を話す練習をします。)※イギリス英語
- They practise soccer after school.(彼らは放課後にサッカーの練習をします。)※イギリス英語
アメリカ英語では、これらの文は以下のようになります。
例文
- I practice the piano every day.
- She practices speaking English with her friends.
- They practice soccer after school.
「practise」の後には直接目的語を置いて、何を練習するかを示します。
「実践する」としての「practise」
「practise」は「理論や知識を実際に応用する」という意味でも使われます。
例文
- Doctors practise medicine to help patients.(医師は患者を助けるために医療を実践します。)※イギリス英語
- You should practise what you preach.(あなたは自分が説くことを実践すべきです。)※イギリス英語
「practise what you preach」(自分が説くことを実践する)は、「言行一致」を意味する英語の慣用表現です。
イギリス英語とアメリカ英語での違い
イギリス英語とアメリカ英語での「practice」と「practise」の使い分けについて、もう少し詳しく見ていきましょう。
イギリス英語では、「c」と「s」の使い分けがはっきりしています。
- practice(名詞):「c」を使用
- practise(動詞):「s」を使用
一方、アメリカ英語では両方とも「practice」のスペルを使います。
- practice(名詞):「c」を使用
- practice(動詞):同じく「c」を使用
このスペルの違いは他の単語ペアにも見られます。例えば「licence/license」(イギリス英語)と「license/license」(アメリカ英語)、「advice/advise」(両方共通)などがあります。
英語を学ぶ際には、自分がどの英語(イギリス英語かアメリカ英語か)を主に使うかを決め、その規則に従うことが重要です。日本では主にアメリカ英語が教えられますが、両方の違いを知っておくと便利です。
「practice」と「practise」の類似表現との違い
「practice/practise」と混同されやすい類似表現についても見ていきましょう。
practice と training の違い
「practice」と「training」は両方とも「練習」という意味を持ちますが、使い方に若干の違いがあります。
- practice:特定のスキルを向上させるために繰り返し行う練習を指します。
- training:より体系的で、特定の目的のための訓練や教育を指します。
例文
- She has piano practice every Tuesday.(彼女は毎週火曜日にピアノの練習があります。)
- He is undergoing training to become a firefighter.(彼は消防士になるための訓練を受けています。)
practice と experience の違い
「practice」と「experience」も似た意味を持ちますが、以下のような違いがあります。
- practice:意図的に行われる練習や実践を指します。
- experience:実際に体験することで得られる知識や経験を指します。
例文
- Years of practice have made him a skilled pianist.(何年もの練習が彼を熟練したピアニストにしました。)
- She has five years of experience as a teacher.(彼女は教師としての5年の経験があります。)
practice と custom/habit の違い
「習慣」という意味では、「practice」「custom」「habit」が似た意味を持ちます。
- practice:特に社会的・文化的な慣行を指すことが多いです。
- custom:伝統的な習慣や風習を指します。
- habit:個人的な日常の習慣を指します。
例文
- It is a common practice in this company to have meetings on Monday.(この会社では月曜日に会議を行うのが一般的な慣行です。)
- Giving gifts at Christmas is a Western custom.(クリスマスにプレゼントを贈るのは西洋の風習です。)
- She has a habit of drinking coffee in the morning.(彼女は朝コーヒーを飲む習慣があります。)
「practice」と「practise」の使い分け練習問題
ここでは「practice」と「practise」の使い分けを練習するための問題を20問用意しました。イギリス英語の規則に基づいて、適切な方を選んでください。( )内に「practice」または「practise」を入れてください。
- I need to ( ) my English every day.
- Daily ( ) is important for learning a language.
- She ( ) the piano for two hours yesterday.
- The doctor has his own medical ( ).
- They ( ) basketball after school.
- It is a common ( ) in Japan to bow when greeting someone.
- You should ( ) what you preach.
- He needs more ( ) to improve his skills.
- The students ( ) their speech for the contest.
- This theory is difficult to put into ( ).
- It is good ( ) to wash your hands before eating.
- She ( ) yoga every morning.
- The team has ( ) three times a week.
- Doctors ( ) medicine to help people.
- I have piano ( ) after school today.
- We need to ( ) speaking English more often.
- This is a good ( ) example for the class.
- He ( ) driving every weekend.
- The ( ) of sending cards at Christmas is common in many countries.
- They need to ( ) more to win the next game.
※注意:これらはイギリス英語のルールに基づいています。アメリカ英語では、すべて「practice」になります。
「practice」と「practise」に関するよくある質問
ここでは「practice」と「practise」に関するよくある質問とその回答をまとめました。
- 「practice」と「practise」の発音は違いますか?
-
いいえ、発音は同じです。両方とも「プラクティス」と発音されます。そのため、会話の中では区別がつきません。違いは書き言葉のみです。
- 日本の英語教育ではどちらを使うべきですか?
-
日本の学校教育では主にアメリカ英語が教えられるため、両方とも「practice」を使うことが多いでしょう。
ただし、大学入試や英語検定試験などではイギリス英語の知識も問われることがあるため、両方の違いを知っておくことが役立ちます。
- 「practice」と「practise」の区別はなぜ存在するのですか?
-
この違いは歴史的な理由によるものです。イギリス英語では、フランス語からの影響で名詞と動詞で異なるスペルを使い分ける傾向があります。
アメリカ英語では、ノア・ウェブスターによる辞書編纂の際に、スペルが簡略化され、両方に「practice」が採用されました。
- ビジネス英語ではどちらを使うべきですか?
-
相手の国や会社の慣習に合わせるのが良いでしょう。イギリスの会社と取引がある場合はイギリス英語を、アメリカの会社と取引がある場合はアメリカ英語を使うことが丁寧です。
迷った場合は、アメリカ英語の「practice」を使うと間違いが少ないでしょう。
- 「practices」と「practises」の違いは何ですか?
-
「practices」はイギリス英語では名詞「practice」の複数形、またはアメリカ英語では名詞の複数形または動詞の三人称単数現在形です。
「practises」はイギリス英語での動詞「practise」の三人称単数現在形です。
- The company has good business practices.(その会社には良いビジネス慣行があります。)[名詞の複数形]
- She practices/practises piano every day.(彼女は毎日ピアノを練習します。)[動詞の三人称単数現在形]
- 他にもイギリス英語とアメリカ英語でスペルが異なる単語はありますか?
-
はい、多くあります。例えば、
- colour(イギリス)/ color(アメリカ)
- centre(イギリス)/ center(アメリカ)
- licence(名詞、イギリス)/ license(名詞、アメリカ)
- advise(動詞、両方共通)/ advice(名詞、両方共通)
まとめ

「practice」と「practise」の違いと使い分けについて、以下のポイントを押さえておきましょう。
- イギリス英語では「practice」は名詞、「practise」は動詞として使われます。
- アメリカ英語では名詞も動詞も「practice」のスペルを使います。
- 発音はどちらも同じで「プラクティス」です。
- 「practice」(名詞)は「練習」「実践」「習慣」などの意味があります。
- 「practise」(動詞)は「練習する」「実践する」などの意味があります。
- イギリス英語とアメリカ英語のどちらを使うかを決め、一貫して使うことが重要です。
- 「practice」と似た言葉には「training」「experience」「custom」「habit」などがあり、それぞれ微妙な意味の違いがあります。
英語を書く際には、イギリス英語かアメリカ英語かを意識して、それぞれの規則に従った正しいスペルを使いましょう。発音は同じなので、会話では区別がつきませんが、書き言葉ではこの違いに注意が必要です。
特に英語初学者の方は、まずはアメリカ英語の「practice」で統一して使うことから始め、徐々にイギリス英語の使い分けも覚えていくと良いでしょう。
日常的な練習と実践を通じて、これらの単語を適切に使いこなせるようになることを願っています。

