日本人が日常的に使っているファッション用語の多くは、実は英語本来の発音とは大きく異なることをご存知でしょうか。
カタカナ表記で親しんでいる言葉の中には、海外で通じないものや、まったく違う意味になってしまうものが数多く存在します。
今回は、そんな「実は英語っぽくない」ファッションとアクセサリーの発音について、英語初学者の方にもわかりやすく解説していきます。
基本的な服の名前で間違いやすい発音

服の基本的な名前から、すでに多くの発音の違いが見られます。私たちが当たり前のように使っている「クローズ」という発音は、実は正しくありません。
clothes(服)の正しい発音
日本人の約9割が間違えて発音していると言われる「clothes」は、「クローズィズ」ではなく「クロウズ」が正しい発音です。これは「close(閉じる)」と全く同じ発音になります。
多くの人が「cloth(布)」の複数形だと勘違いしていますが、「clothes」は独立した単語で、発音も全く異なります。
実際のところ、この発音の間違いは学校の先生や塾の講師でも犯していることが多く、間違った発音が広まってしまった典型例と言えるでしょう。正しい発音を身につけるためには、「close the door」の「close」と同じ音だと覚えておくことが重要です。
fashion(ファッション)の発音のポイント
「ファッション」という言葉も、実は日本語の発音とは微妙に異なります。英語では「ˈfæʃən」となり、最初の「f」の音がポイントになります。
上の歯を下唇に軽く当てながら息を出す音で、日本語の「ファ」よりも強い摩擦音になります。また、「shion」の部分は「ション」ではなく「シャン」に近い音になります。
カタカナ英語になってしまった衣類の名前
日本独自の呼び方になってしまった衣類の名前は、海外では全く通じないことがあります。
これらの正しい表現を知っておくことで、海外でのショッピングや会話がスムーズになります。
ワンピース→dress
日本でいう「ワンピース」は、英語では「dress」と呼ばれます。「one-piece」という表現もないわけではありませんが、これは水着を指すことが多く、一般的な女性用の服は「dress」が適切です。
「dress」というと日本では華やかなパーティードレスを想像しがちですが、英語圏では日常着のワンピースも含めて幅広く使われる言葉です。
トレーナー→sweatshirt
「トレーナー」は日本独自の呼び方で、英語では「sweatshirt」または「sweats」と呼ばれます。実は「trainer」という単語は存在しますが、これはスポーツコーチや動物の調教師を意味します。
イギリスでは「trainer」はスニーカーを指すこともあり、混乱の原因となります。この呼び方は、日本のアパレルブランド「VAN」の創業者が、スポーツトレーナーが着ていたスウェットシャツにちなんで命名したのが始まりとされています。
パーカー→hoodie
日本でいう「パーカー」は、英語では「hoodie」または「hooded sweatshirt」と呼ばれます。英語の「parka」は防水性のある本格的なアウトドア用ジャケットを指すため、全く違う意味になってしまいます。
フード付きのカジュアルなスウェットを指したい場合は、必ず「hoodie」を使いましょう。
Yシャツ→dress shirt
「Yシャツ」は完全な和製英語で、英語の「white shirt(ホワイトシャツ)」を日本人が「ワイシャツ」と聞き間違えたことが語源とされています。
英語では「dress shirt」「business shirt」または単に「shirt」と呼ばれます。白いシャツなら「white shirt」、色付きなら「blue shirt」のように色を明記します。
アクセサリーの正しい英語発音
アクセサリー関連の用語も、日本語の発音と英語の発音に大きな違いがあります。
特に耳につけるアクセサリーについては、日本と海外で呼び方が逆転している興味深い現象が見られます。
accessory(アクセサリー)の発音
「アクセサリー」の英語発音は「əkˈses.ər.i」となり、アクセントは2番目の「ses」の部分に置かれます。
日本語のように平坦に「アクセサリー」と発音するのではなく、「アクセ́サリ」のように強弱をつけることが重要です。
ピアス→earrings
日本でいう「ピアス」は、英語では「earrings」と呼ばれます。「pierce」は「穴を開ける」という動詞なので、「ピアス」と言っても通じません。穴を開けるタイプを明確にしたい場合は「pierced earrings」と言いますが、一般的には「earrings」で十分です。
逆に、日本でいう「イヤリング」(クリップ式)は英語では「clip-on earrings」と呼ばれます。つまり、日本と英語圏では呼び方が逆になっているのです。
earringsは必ず複数形
「earrings」は左右2つで1セットなので、必ず複数形で使われます。1つだけの場合は「an earring」となりますが、通常は「a pair of earrings」という表現が使われます。
この点は日本人が見落としがちなポイントです。
靴とサイズ表記の英語
足元のファッションアイテムにも、日本独特の表現や間違いやすい発音があります。
特にサイズ表記については、海外でのショッピング時に知っておくと非常に便利です。
スニーカーの呼び方
「スニーカー」は英語でも「sneakers」として通じますが、必ず複数形で「スニーカーズ」と発音されます。イギリスでは「trainers」と呼ばれることもありますが、これは日本の「トレーナー」とは全く別の意味です。
また、俗語では「kicks」という呼び方もあります。
パンプスとハイヒールの違い
「パンプス」は英語でも「pumps」として通じますが、「ハイヒール」は「high-heeled shoes」または単に「heels」と呼ばれます。
3センチ以下の低いヒールは「low heels」と呼ばれ、用途に応じて使い分けられています。
フリーサイズの正しい表現
日本でよく使われる「フリーサイズ」は和製英語で、英語では「one-size-fits-all」と表現されます。最近では「one-size-fits-most」という、より現実的な表現も使われるようになっています。
海外のオンラインショッピングでは「OSFA」「OSFM」という略語が使われることもあります。
柄とパターンの英語表現
ファッションアイテムの柄やパターンを表す言葉にも、日本独特の表現があります。
これらの正しい英語表現を知っておくことで、海外でのショッピング時により具体的に希望を伝えることができます。
ボーダー柄→striped pattern
日本でいう「ボーダー柄」(横縞)は、英語では縦縞と区別せずに「striped pattern」と呼ばれます。
横縞を明確にしたい場合は「horizontal stripes」、縦縞なら「vertical stripes」と表現します。「border」という単語は「境界」を意味するため、柄の名前としては使われません。
その他の柄の英語表現
- 無地「solid color」
- 花柄「floral print」または「floral pattern」
- 水玉模様「polka dots」
- チェック柄「checkered pattern」または「plaid」
これらの表現を覚えておくことで、海外でのショッピング時に具体的な希望を伝えやすくなります。
ズボンとボトムスの英語
下半身に着用する衣類についても、地域による違いや和製英語が多く見られます。
特にアメリカ英語とイギリス英語での違いは顕著です。
ズボンの地域による違い
「ズボン」は実は日本語で、英語ではアメリカで「pants」、イギリスで「trousers」と呼ばれます。
ただし、イギリスで「pants」と言うと下着を意味するので注意が必要です。
レギンス・スパッツの正しい表現
日本でいう「レギンス」「スパッツ」は、どちらも英語では「leggings」と呼ばれます。「spats」という単語も存在しますが、これは靴のカバー(泥よけ)を意味する全く別の物です。
スポーツ用の短いタイプは「compression shorts」と呼ばれることもあります。
ハーフパンツとショートパンツ
「ハーフパンツ」は和製英語で、英語では「shorts」または「short pants」と呼ばれます。
長さによる詳細な分類もあり、膝上の短いものは「short shorts」、膝下まであるものは「knee-length shorts」などと表現されます。
海外ブランド名の発音違い
国際的なファッションブランドの名前も、日本と本国では発音が大きく異なる場合があります。
これらの正しい発音を知っておくことで、海外での会話がより円滑になります。
よく間違われるブランド名
- IKEA「イケア」→ 英語圏では「アイキーア」
- NIKE「ナイキー」→ アメリカでは「ナイキー」、イギリスでは「ナイク」
- adidas「アディダス」→ 英語では「アディダス」だが、「ダ」の部分により強いアクセント
- ASICS「アシックス」→ 英語では「エイシックス」(Aをアルファベット読み)
これらの違いは、各国の言語的特徴や文化的背景に基づいています。
コスメとビューティー用語
美容関連の用語にも、日本独特の表現や発音の違いが見られます。
特に最近人気の韓国コスメや海外コスメを購入する際には、これらの知識が役立ちます。
コスメ→makeup
「コスメ」は「cosmetics」の略語として日本で生まれた言葉で、英語圏では通じません。一般的には「makeup」が使われ、化粧品店は「makeup store」と呼ばれます。
「cosmetics」という単語も存在しますが、やや専門的な響きがあります。
ネイル関連の用語
- マニキュア「manicure」(手の爪の手入れ)
- ペディキュア「pedicure」(足の爪の手入れ)
これらは英語でもそのまま通じますが、発音は「マニキュア」「ペディキュア」となり、アクセントの位置に注意が必要です。
インテリアと家具の英語
ファッション以外でも、インテリア関連の用語には注意が必要です。
これらの正しい表現を知っておくことで、海外での住居探しや家具購入時に役立ちます。
インテリア→interior decoration
日本でいう「インテリア」は、英語では「interior decoration」または「interior design」と呼ばれます。
「interior」だけでは「内側」という意味で、室内装飾を指すには不十分です。
家具→furniture
「家具」は英語で「furniture」となり、基本的に不可算名詞として扱われます。
発音は「ファニチャー」で、日本語の「ファニチュア」とは異なります。
ファッション英語発音のよくある間違いと注意点
ファッション関連の英語発音で日本人が犯しやすい間違いには、いくつかの共通パターンがあります。
これらのパターンを理解することで、より正確な発音に近づくことができます。
カタカナ読みの落とし穴
日本語のカタカナ表記をそのまま英語として使ってしまうのが、最も多い間違いです。カタカナは日本語の音韻体系に基づいているため、英語本来の音を正確に表現できません。
例えば、「ファッション」の「ション」は実際には「シャン」に近い音ですし、「アクセサリー」のアクセント位置も日本語とは異なります。
複数形の概念の不理解
英語では左右一対になるものや、複数の部品からなるものは複数形になります。
「shoes」「earrings」「pants」「glasses」などは常に複数形で使われますが、日本人はこの概念を見落としがちです。
アクセント位置の間違い
英語の単語には必ずアクセント(強勢)があり、このアクセント位置を間違えると通じにくくなります。
「accessory」は「アクセ́サリ」、「comfortable」は「カンファタブル」のように、日本語とは異なる位置にアクセントが置かれます。
地域による表現の違いの無視
アメリカ英語とイギリス英語では、同じ物でも呼び方が異なることがあります。「pants/trousers」「sneakers/trainers」「purse/handbag」などがその例です。
どちらの英語圏に行くかによって、適切な表現を選ぶ必要があります。
和製英語の多用
日本で作られた英語風の表現をそのまま使ってしまう間違いも多く見られます。
「ワンピース」「トレーナー」「パーカー」「フリーサイズ」などは典型的な和製英語で、海外では通じません。
「ファッション英語発音」に関するよくある質問
- なぜ日本のファッション用語は英語と違うのか
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日本にファッション文化が入ってきた時代背景や、日本語の音韻体系の制約が主な理由です。明治時代から昭和初期にかけて西洋文化が流入した際、正確な発音情報が十分に伝わらなかったことも影響しています。また、日本独自のファッション文化が発達する過程で、独特の表現が生まれたことも要因の一つです。
- 海外で買い物する時に最低限覚えておくべき表現は何か
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基本的な衣類の名前(shirt, pants, dress, shoes)と、サイズ表記(small, medium, large, one-size-fits-all)、そして試着に関する表現(try on, fitting room)は必須です。また、色や柄を表す基本的な単語も覚えておくと便利です。
- アメリカ英語とイギリス英語、どちらを学ぶべきか
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行き先や学習目的によって決めることが重要です。アメリカに行く予定があるならアメリカ英語、イギリスならイギリス英語を優先的に学びましょう。ただし、両方の違いを理解しておくことで、どちらの地域でもコミュニケーションが取りやすくなります。
- 発音が間違っていても通じるのか
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文脈があれば通じることも多いですが、正確な発音を心がけることで、よりスムーズなコミュニケーションが可能になります。特に、ショッピングなど具体的な物を探している場面では、正確な発音や表現が重要になります。
- オンラインで発音を学ぶ良い方法はあるか
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発音辞書サイトや動画サイトの発音動画が有効です。また、音声認識機能付きの語学アプリを使って、自分の発音をチェックすることも可能です。ネイティブスピーカーの発音を真似して繰り返し練習することが最も効果的です。
まとめ

この記事では、日本人が間違いやすいファッションとアクセサリーの英語発音について詳しく解説してきました。
私たちが普段当たり前のように使っているカタカナ語の多くが、実は英語本来の発音や意味とは大きく異なることがおわかりいただけたでしょう。
重要なポイント
- clothesは「クローズィズ」ではなく「クロウズ」と発音する
- ワンピース、トレーナー、パーカーなどは完全な和製英語で海外では通じない
- ピアスとイヤリングの呼び方が日本と英語圏では逆になっている
- フリーサイズは英語では「one-size-fits-all」と表現する
- ボーダー柄は英語では「striped pattern」と呼ばれる
- アメリカ英語とイギリス英語で表現が異なる単語が多数存在する
- アクセント位置と複数形の概念を正しく理解することが重要
- 海外ブランド名も本国と日本では発音が大きく異なることがある
- コスメ関連用語にも日本独特の表現が多い
- 地域による違いを理解して適切な表現を選ぶ必要がある
これらの知識を身につけることで、海外でのショッピングがより楽しく、そして効率的になることでしょう。正しい発音と表現を覚えて、自信を持って英語でファッションについて話せるようになりましょう。
継続的な練習と実践を通じて、より自然な英語コミュニケーションを目指してください。

