「qualm」は英語の名詞で、何かを行う際の不安や疑念、良心の呵責(かしゃく)を表す言葉です。特に道徳的または倫理的な観点から、自分の行動に対して感じる一時的な不安や迷いを意味します。
この記事では、「qualm」の意味や使い方、実際の例文などを初心者にもわかりやすく解説します。
qualmとは?意味と定義

「qualm」は、何かをしようとするときや何かをした後に感じる一時的な不安感や良心の呵責を表す名詞です。特に自分の行動が正しいかどうか疑問に思ったり、後ろめたさを感じたりする際に使われます。元々は病気や死を意味する古英語の「cwealm」に由来するとされていますが、16世紀には現在の意味で使われるようになりました。
「qualm」の主な意味は以下の通りです。
- 道徳的または倫理的な不安や疑念
- 良心の呵責や後ろめたさ
- (古い用法)吐き気や目まいなどの体調不良
現代では主に1番目と2番目の意味で使われることが多く、特に「have qualms about…(〜について不安がある)」や「without a qualm(何の躊躇もなく)」といった表現でよく使われます。
日本語での類似表現
日本語では、「qualm」に完全に一致する単語はありませんが、「良心の呵責」「気がとがめる」「後ろめたさ」「不安」「躊躇(ちゅうちょ)」などが近い意味になります。
qualmの発音と読み方
「qualm」の発音は少し特殊で、「l」の音は発音しません。英語の発音記号では /kwɑːm/(イギリス英語)または /kwɑm/(アメリカ英語)となります。カタカナで表すと「クワーム」または「クォーム」と表記されることが多いです。
英語の単語の中には「l」が発音されないものがいくつかありますが、「qualm」もそのひとつです。初めて見た人は「クァルム」と発音してしまいがちですが、正しくは「l」を発音せず「クワーム」です。
発音のコツ
「qualm」を発音する際のコツは、「kw」の音から始め、そのまま「アーム」と続けることです。「l」は完全に無視して発音します。
日本語の「クワーム」と発音すれば、ほぼ正確な発音になります。
qualmの使い方と例文
「qualm」は単独で使われることもありますが、多くの場合は複数形「qualms」で使われます。特に「have qualms about…(〜について不安がある)」という形でよく使われます。
また、「without a qualm(何の躊躇もなく)」「no qualms(何の不安もない)」といった表現もよく見られます。
以下に、中学英語レベルの簡単な例文をいくつか紹介します。
例文
- I have no qualms about telling the truth.(真実を話すことに何の躊躇もありません。)
- She had qualms about going to the party.(彼女はパーティーに行くことに不安を感じていました。)
- He ate the cake without a qualm.(彼は何の後ろめたさもなくケーキを食べました。)
- Do you have any qualms about this plan?(この計画について何か不安はありますか?)
- They showed no qualms about breaking the rules.(彼らはルールを破ることに何の良心の呵責も示しませんでした。)
よく使われる表現
「qualm」を含むよく使われる表現には以下のようなものがあります。
- have qualms about…(〜について不安や躊躇がある)
- without a qualm(何の躊躇もなく)
- no qualms(何の不安もない)
- feel qualms(不安を感じる)
- overcome one’s qualms(自分の不安を克服する)
qualmとよく使われる表現
「qualm」は特定の前置詞や動詞と組み合わせて使われることが多い単語です。ここでは、最もよく見られる表現とその使い方を詳しく説明します。
have qualms about…
最も一般的な表現は「have qualms about…」で、「〜について不安や躊躇がある」という意味です。
例文
- I have qualms about lying to my parents.(両親に嘘をつくことに後ろめたさを感じます。)
have no qualms about…
「have no qualms about…」は「〜について何の不安や躊躇もない」という意味で、ためらいなく何かをすることを表します。
例文
- She has no qualms about speaking in public.(彼女は人前で話すことに何の不安も感じていません。)
without a qualm
「without a qualm」は「何の躊躇もなく」「平気で」という意味で、良心の呵責を感じずに行動することを表します。
例文
- He told a lie without a qualm.(彼は何の後ろめたさもなく嘘をつきました。)
moral qualms
「moral qualms」は「道徳的な不安」や「倫理的な躊躇」を意味します。
例文
- Many people have moral qualms about genetic experiments.(多くの人は遺伝子実験に倫理的な不安を抱いています。)
qualmの類義語と対義語
「qualm」には似た意味を持つ単語がいくつかありますが、ニュアンスが少しずつ異なります。ここでは主な類義語と対義語を紹介します。
類義語
misgiving(不安、疑念)
- misgivingは「qualm」より長期的で深い不安を表すことが多いです。
doubt(疑い、疑念)
- 「doubt」は事実関係についての不確かさを強調します。
scruple(道徳的な躊躇)
- 「scruple」は特に道徳的な理由による躊躇を強調します。
unease(不安、落ち着かなさ)
- 「unease」は一般的な不快感や落ち着かなさを表します。
compunction(良心の呵責)
- 「compunction」は「qualm」よりも強い後悔や罪悪感を表します。
対義語
- confidence(自信)
- assurance(確信)
- certainty(確実さ)
「qualm」の反対は、不安や躊躇がなく、自信を持って行動できる状態を表す言葉になります。
qualmのよくある間違いと注意点
「qualm」を使う際によくある間違いや注意すべき点をいくつか紹介します。日本人英語学習者が特に注意すべきポイントも含めています。
単数形と複数形の使い分け
「qualm」は単数形でも使われますが、多くの場合は複数形「qualms」で使われます。特に「have qualms about…」という表現では、通常複数形が使われます。
× I have a qualm about this decision.
○ I have qualms about this decision.
(この決断について不安があります。)
ただし、「without a qualm」のように単数形が適切な場合もあります。
qualmとquandaryの違い
「qualm」と「quandary」は似た綴りを持ち、どちらも不安や困難を表す単語ですが、意味は異なります。
- qualm:道徳的・倫理的な不安や良心の呵責
- quandary:どうすればいいか分からない困った状況、ジレンマ
例文
- I had qualms about telling a lie.(嘘をつくことに後ろめたさを感じました。)
- I was in a quandary about which job to accept.(どの仕事を受けるべきか困っていました。)
発音の間違い
前述の通り、「qualm」の「l」は発音しません。「クァルム」ではなく「クワーム」が正しい発音です。
フォーマル度
「qualm」はやや formal(改まった)表現で、日常会話よりも書き言葉や改まった場面で使われることが多い単語です。
カジュアルな会話では、「worry」や「concern」などがより一般的に使われます。
慣用表現での使用
「qualm」は単独で使うよりも、「have no qualms about…」「without a qualm」などの慣用表現の一部として使われることが多いです。
これらの表現を丸ごと覚えると実用的です。
qualmに関する問題
ここでは「qualm」の理解度を確認するための問題を10問用意しました。これらの問題を解くことで、「qualm」の意味や使い方への理解を深めましょう。
- 「qualm」の最も近い意味を次の中から選びなさい。
a) 喜び b) 不安 c) 怒り d) 自信 - 次の文の空欄に入る最も適切な単語はどれですか?
She felt a sudden _______ about lying to her friend.
a) qualm b) thrill c) pride d) relief - 「qualm」の反意語として最も適切なものはどれですか?
a) doubt b) certainty c) regret d) hesitation - 次のうち、「qualm」が使われている正しい英文はどれですか?
a) He had no qualms about speaking in public.
b) She qualms every morning before breakfast.
c) The weather qualmed suddenly.
d) Qualm is a kind of fruit. - 「qualm」を使った例文として最も自然なものはどれですか?
a) I have a qualm about this decision.
b) I qualm my homework every day.
c) The qualm is blue.
d) She qualms quickly. - 「qualm」の語源はどの言語に由来しますか?
a) フランス語 b) ドイツ語 c) ラテン語 d) 英語(古英語) - 「qualm」の複数形はどれですか?
a) qualmes b) qualms c) qualmies d) qualming - 次のうち、「qualm」と意味が最も近い単語はどれですか?
a) hesitation b) excitement c) satisfaction d) confidence - 「qualm」を使って「私はその決断に少し不安があった」と英語で表現するとどうなりますか?
a) I had some qualms about the decision.
b) I qualmed the decision.
c) The decision was qualm.
d) I was qualming the decision. - 「qualm」を使って「彼女はその計画に疑念を抱いた」と英語で表現するとどうなりますか?
a) She had qualms about the plan.
b) She qualmed the plan.
c) The plan was qualm.
d) She is qualming the plan.
「qualm」に関するよくある質問
「qualm」という単語について、英語学習者からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
- 「qualm」は「doubt」とどう違いますか?
-
「qualm」は主に道徳的または倫理的な躊躇や不安を表し、良心に関わる場合が多いです。一方、「doubt」はより一般的な疑問や不確かさを表します。「qualm」は自分の行動や決断に対する不安であり、「doubt」は事実や情報に対する疑いであることが多いです。
- 「qualm」は複数形と単数形のどちらで使うべきですか?
-
「qualm」は文脈によって単数形と複数形の両方で使われます。「have qualms about…」のような表現では通常複数形が使われますが、「without a qualm」のような表現では単数形が一般的です。複数形の「qualms」は一般的な不安や懸念を表し、単数形の「qualm」は特定の一瞬の不安や躊躇を表すことが多いです。
- 「qualm」をカジュアルな会話で使っても良いですか?
-
「qualm」はやや formal(改まった)表現で、日常的なカジュアルな会話では「worry」「concern」「doubt」などの言葉の方がより一般的です。「qualm」は書き言葉や正式な場面で使われることが多いです。
- 「qualm」の反対語は何ですか?
-
「qualm」の直接的な反対語はありませんが、「confidence(自信)」「assurance(確信)」「certainty(確実さ)」などが反対の概念を表します。「without qualms(躊躇なく)」の反対は「with hesitation(躊躇して)」のような表現になります。
- 「qualm」と「misgiving」の違いは何ですか?
-
「qualm」と「misgiving」はどちらも不安や疑念を表しますが、「qualm」は主に道徳的・倫理的な観点からの一時的な不安を表すのに対し、「misgiving」はより長期的で深い不安や懸念を表すことが多いです。また、「qualm」は良心の呵責と関連することが多いですが、「misgiving」は必ずしも道徳的な問題に限られません。
- 「qualm」はどのような場面で使われることが多いですか?
-
「qualm」は倫理的な決断、道徳的なジレンマ、良心に関わる選択を描写する場面でよく使われます。また、ビジネスの決断、人間関係の選択、政治的な立場など、何らかの価値判断を伴う状況でも使われます。
- 「qualm」の語源は何ですか?
-
「qualm」は古英語の「cwealm」(死、病気、疫病)に由来するとされています。16世紀頃から現在の「良心の呵責」や「道徳的な不安」という意味で使われるようになりました。
- 「have no qualms about…」という表現はどのような意味ですか?
-
「have no qualms about…」は「〜について何の不安や躊躇もない」という意味で、道徳的・倫理的な観点から考えても全く問題ないと感じていることを表します。自信を持って何かをする際に使われる表現です。
- 「qualm」は形容詞形や動詞形がありますか?
-
「qualm」自体は名詞ですが、「qualmish」という形容詞形があります。これは「不安を感じている」「むかつきを感じる」という意味です。動詞形はありません。
- 「qualm」は日本語でどのように訳すのが最適ですか?
-
文脈によって異なりますが、「良心の呵責」「気がとがめる」「後ろめたさ」「道徳的な不安」「躊躇(ちゅうちょ)」などが適切な訳語となることが多いです。例えば「have qualms about…」は「〜について良心がとがめる」「〜に対して後ろめたさを感じる」などと訳せます。
まとめ

この記事では英単語「qualm」について詳しく解説しました。「qualm」は道徳的または倫理的な不安や良心の呵責を表す名詞で、何かをする前や後に感じる一時的な後ろめたさや躊躇を意味します。
英語学習者にとって、この単語を理解することは、より豊かな表現力を身につける上で役立ちます。以下に、この記事のポイントをまとめます。
- 「qualm」は道徳的・倫理的な不安や良心の呵責を表す名詞
- 発音は「クワーム」で、「l」は発音しない
- 複数形「qualms」で使われることが多い
- 「have qualms about…」「without a qualm」などの表現でよく使われる
- やや formal(改まった)表現で、書き言葉や正式な場面で多く使われる
- 類義語には「misgiving」「doubt」「scruple」「unease」などがある
- 「quandary(困った状況)」とは意味が異なるので注意が必要
- 単数形と複数形で使い分けることがある
「qualm」は単に「不安」というだけでなく、特に道徳的・倫理的な観点からの不安や躊躇を表す言葉です。この記事で紹介した用法や例文を参考に、実際の会話や文章で適切に使えるようになりましょう。
正しい意味と使い方を理解することで、英語でのコミュニケーション力がさらに向上するでしょう。