英語学習において、「速い」や「早い」を表現する方法は様々あります。日本語では「速い」と「早い」を使い分けますが、英語ではfast、quick、rapid、swiftなど複数の単語があり、それぞれニュアンスが異なります。
本記事では、「速い・早い」を表す英単語の違いや使い分けについて、例文とともに詳しく解説します。状況に応じた適切な表現を身につけて、より豊かな英語表現を目指しましょう。
「速い・早い」を表す英単語

英語には「速い・早い」を表す単語が多数あります。以下に主な単語とその基本的な意味を紹介します。
「速い・早い」を表す英単語
- Fast(ファスト):高速で動く、すばやい
- Quick(クイック):短時間で行われる、即座の
- Rapid(ラピッド):急速な、短期間での変化
- Swift(スウィフト):素早い動き、即座の反応
- Speedy(スピーディー):迅速な、時間がかからない
- Fleet(フリート):動きが敏捷な、足の速い
- Prompt(プロンプト):遅滞なく行われる、即時の
- Expeditious(エクスペディシャス):効率的かつ迅速な
- Hasty(ヘイスティー):急いで行われる、性急な
- Brisk(ブリスク):活発で素早い、てきぱきとした
これらの単語には微妙なニュアンスの違いがあり、状況に応じて適切に使い分けることが重要です。続いて、それぞれの単語の詳細な意味と使い方について説明していきます。
「速い・早い」を表す英単語の発音・意味・特徴と使い分け【例文あり】
ここでは、主要な「速い・早い」を表す英単語について、その発音、意味、特徴、使い分けのポイント、そして実際の例文を紹介します。それぞれの単語の特徴を理解して、適切な状況で使えるようにしましょう。
Fast(ファスト)
「Fast」は最も一般的に使われる「速い」を表す単語です。動きの速さや時間の経過の速さを表現する際に使われます。
意味と特徴
Fastは主に物理的な速さを表します。車や走者などの移動速度や、時間の経過の速さに使われます。形容詞としても副詞としても使うことができ、「fastly」という形はありません。また「しっかりと固定された」という意味も持ちます。
使い分けのポイント
物や人の移動速度を表現する際に最適です。また、時計が実際の時間より進んでいる場合にも使われます。「fast food(ファストフード)」のように短時間で調理・提供される食べ物を表す複合語にも使われます。
例文
- He can run very fast.(彼はとても速く走ることができます。)
- This train is faster than the bus.(この電車はバスより速いです。)
- Time goes fast when you’re having fun.(楽しい時は時間が速く過ぎます。)
Quick(クイック)
「Quick」は短時間で行われることや、即座の反応を表す単語です。時間の短さに焦点を当てています。
意味と特徴
Quickは主に行動や反応が短時間で行われることを表します。形容詞として使われ、副詞形は「quickly」です。何かが予想より短い時間で起こることや、遅延なく行われることを示します。
使い分けのポイント
時間の短さを強調したい場合に使用します。「a quick reply(素早い返事)」「a quick meal(手早い食事)」など、短時間で完了する行動を表現するのに適しています。非常にカジュアルな会話では副詞としても使われることがありますが、正式には「quickly」を使います。
例文
- I need a quick answer.(早い答えが必要です。)
- She gave me a quick smile.(彼女は私に素早く微笑みかけました。)
- Let’s have a quick lunch before the meeting.(会議の前に手早く昼食を取りましょう。)
Rapid(ラピッド)
「Rapid」は特に変化や成長が急速に起こることを表現する際に使われます。より公式な場面で使用されることが多い単語です。
意味と特徴
Rapidは速度や変化の激しさを表し、特に短期間での顕著な変化や発展を描写するのに適しています。主に形容詞として使われ、副詞形は「rapidly」です。学術的な文脈でよく用いられます。
使い分けのポイント
「rapid growth(急速な成長)」「rapid change(急速な変化)」など、特に経済や科学の分野での急速な変化や発展を表現する際に使います。Fastより公式な印象を与えます。
例文
- The company has shown rapid growth this year.(その会社は今年、急速な成長を遂げました。)
- There has been a rapid increase in temperature.(気温が急激に上昇しています。)
- We need to make rapid progress on this project.(このプロジェクトで急速な進展を図る必要があります。)
Swift(スウィフト)
「Swift」は素早い動きや即座の反応を表し、特に優雅さや正確さを伴う速さを表現します。
意味と特徴
Swiftは高速での移動や行動を表しますが、単なる速さだけでなく、しばしば優雅さや効率性を含意します。形容詞として使われ、副詞形は「swiftly」です。素早く流れるような動きや、即座の反応を描写するのに適しています。
使い分けのポイント
「swift action(素早い行動)」「swift response(即座の反応)」など、迅速かつ効果的な行動を表現する際に使います。物理的な動きの速さだけでなく、意思決定や反応の速さにも使われます。
例文
- The teacher took swift action to help the student.(先生は生徒を助けるために素早く行動しました。)
- Birds fly swiftly across the sky.(鳥は空を素早く飛びます。)
- We need a swift solution to this problem.(この問題に対する迅速な解決策が必要です。)
Speedy(スピーディー)
「Speedy」は迅速に行われることや、時間がかからないことを強調する単語です。
意味と特徴
Speedyは時間の効率性と速さを組み合わせた概念を表します。何かが予想より早く完了する、または短時間で達成されることを示します。主に形容詞として使われます。
使い分けのポイント
「a speedy recovery(早い回復)」「a speedy resolution(迅速な解決)」など、特に望ましい結果が早く達成されることを表現する際に使います。プロセスや回復の速さを表すのに適しています。
例文
- I wish you a speedy recovery.(早く回復されることをお祈りします。)
- We need a speedy solution to this conflict.(この対立に対する迅速な解決策が必要です。)
- The mail service promises speedy delivery.(その郵便サービスは迅速な配達を約束しています。)
Fleet(フリート)
「Fleet」は特に身体的な動きの敏捷さを表現する際に使われる単語です。
意味と特徴
Fleetは主に動きの敏捷さや身軽さを表します。特に足の速さや素早い動きを描写するのに使われます。「fleet of foot(足が速い)」という表現もあります。詩的な表現や文学的な文脈でよく用いられます。
使い分けのポイント
人や動物の動きの敏捷さを表現する際に使います。日常会話ではあまり使われず、より洗練された文章や文学的な表現で使われることが多いです。
例文
- The deer is fleet and graceful.(その鹿は敏捷で優雅です。)
- He is fleet of foot and always wins races.(彼は足が速く、いつもレースで勝ちます。)
- The fleet runner crossed the finish line first.(その敏捷なランナーが最初にフィニッシュラインを越えました。)
Prompt(プロンプト)
「Prompt」は遅滞なく行われることや、即時の反応を表す単語です。
意味と特徴
Promptは主に時間通りに、または期待される時間内に何かが行われることを表します。遅れがないことや、即座に反応することを示します。形容詞として使われ、副詞形は「promptly」です。
使い分けのポイント
「a prompt reply(迅速な返事)」「prompt service(即座のサービス)」など、期待される時間内に対応することを表現する際に使います。ビジネスの文脈でよく使われます。
例文
- Thank you for your prompt reply.(迅速なご返信ありがとうございます。)
- The train always arrives prompt at 9:00.(その電車はいつも9時ちょうどに到着します。)
- We need a prompt decision on this matter.(この件について迅速な決断が必要です。)
Expeditious(エクスペディシャス)
「Expeditious」は効率的かつ迅速に行われることを表す、やや堅い表現の単語です。
意味と特徴
Expeditiousは効率性と速さを組み合わせた概念を表します。無駄なく迅速に物事を処理することを示します。形式的な文脈で使われ、副詞形は「expeditiously」です。
使い分けのポイント
「expeditious handling(迅速な処理)」「expeditious manner(効率的な方法)」など、特にビジネスや法律の文脈で使われます。日常会話ではあまり使われない、より公式な表現です。
例文
- The case was handled in an expeditious manner.(その事例は迅速に処理されました。)
- We need to find the most expeditious way to solve this problem.(この問題を解決する最も効率的な方法を見つける必要があります。)
- The committee worked expeditiously to meet the deadline.(委員会は期限に間に合うよう迅速に作業しました。)
Hasty(ヘイスティー)
「Hasty」は急いで行われることを表しますが、しばしば十分な考慮が欠けていることも含意します。
意味と特徴
Hastyは急速に行われる行動を表しますが、通常は十分な計画や考慮なく行われることを示唆します。形容詞として使われ、副詞形は「hastily」です。しばしばネガティブなニュアンスを持ちます。
使い分けのポイント
「a hasty decision(性急な決断)」「hasty conclusions(早急な結論)」など、速さが正確さや質を犠牲にしている場合に使います。警告やアドバイスの文脈でよく使われます。
例文
- Don’t make hasty decisions.(性急な決断をしないでください。)
- He left the room in a hasty manner.(彼は急いで部屋を出ました。)
- I apologize for my hasty words yesterday.(昨日の軽率な発言を謝ります。)
Brisk(ブリスク)
「Brisk」は活発で素早い、てきぱきとした様子を表す単語です。
意味と特徴
Briskは活気に満ちた速さを表します。効率的で元気のよい動きや活動を示します。形容詞として使われ、副詞形は「briskly」です。速さと同時に活力や効率性も含意します。
使い分けのポイント
「a brisk walk(てきぱきとした歩き)」「brisk business(活発な商売)」など、活力のある速い動きや活動を表現する際に使います。特に歩行や商業活動の描写によく使われます。
例文
- We took a brisk walk in the park.(私たちは公園でてきぱきと歩きました。)
- Business has been brisk this month.(今月は商売が活発です。)
- She cleaned the room at a brisk pace.(彼女はてきぱきとした速さで部屋を掃除しました。)
「速い・早い」を表す英単語の比較表
以下の表は、「速い・早い」を表す英単語の主な特徴と使用場面を比較したものです。
英単語 | 主な特徴 | 一般的な使用場面 | 公式度 |
---|---|---|---|
Fast | 物理的な速さ、時間の経過 | 日常会話、スポーツ、交通手段 | 低~中 |
Quick | 短時間での行動、即座の反応 | 日常会話、短時間の活動 | 低~中 |
Rapid | 急速な変化や発展 | ビジネス、科学、学術 | 中~高 |
Swift | 素早く優雅な動き、即座の反応 | 文学的表現、公式文書 | 中~高 |
Speedy | 迅速な完了、短期間での達成 | 回復や解決の文脈 | 中 |
Fleet | 敏捷な身体的動き | 文学的表現、詩 | 中~高 |
Prompt | 遅滞のない、期待通りの時間 | ビジネス文書、サービス業 | 中~高 |
Expeditious | 効率的かつ迅速 | 法律、ビジネス、公式文書 | 高 |
Hasty | 急ぎすぎた、十分な考慮なし | 警告、アドバイス | 中 |
Brisk | 活発でてきぱきとした | 歩行描写、商業活動 | 中 |
「速い・早い」を表す英単語の使い分け練習問題
以下の問題に最も適切な「速い・早い」を表す英単語を選んでください。正しい使い分けを身につけるための練習です。
- The car is very ( ). It can go up to 200 km/h.
- I need a ( ) answer. Can you tell me now?
- There has been ( ) economic growth in that country.
- The teacher took ( ) action to prevent an accident.
- We wish you a ( ) recovery from your illness.
- The deer is very ( ) and can escape from predators.
- Thank you for your ( ) reply to my email.
- The case was handled in an ( ) manner by the court.
- Don’t make ( ) decisions that you might regret later.
- We took a ( ) walk in the cold morning air.
- She runs ( ) than anyone else in her class.
- He responded ( ) to the emergency situation.
- The company has experienced ( ) expansion this year.
- The bird flew ( ) across the sky.
- The medical team worked ( ) to save the patient’s life.
- He is known for his ( ) reflexes in boxing.
- Please give me a ( ) update on the project status.
- The committee reached a decision in an ( ) way.
- His ( ) departure surprised everyone.
- The shopkeeper does ( ) business during the holiday season.
「速い・早い」を表す英単語に関するよくある質問
- 「Fast」と「Quick」の違いは何ですか?
-
Fastは主に物理的な速さや移動の速度を表し、Quickは短時間での行動や即座の反応を表します。Fastは「彼は速く走る(He runs fast)」のように物理的な速さに、Quickは「手早い食事(a quick meal)」のように時間の短さに焦点を当てます。また、Fastは形容詞と副詞の両方で同じ形を使いますが、Quickは副詞形としてquicklyを使います。
- 「Rapid」と「Swift」はどのように使い分ければよいですか?
-
Rapidはより公式な場面で使われ、特に変化や発展の速さを表現するのに適しています。「急速な成長(rapid growth)」のような表現でよく使われます。一方、Swiftは素早い動きや反応に使われ、しばしば優雅さや正確さを含意します。「素早い行動(swift action)」のように使われ、単なる速さだけでなく効果的な速さを表現します。
- 「Speedy」と「Prompt」の違いは何ですか?
-
Speedyは主に過程や回復の迅速さを表現するのに使われ、「早い回復(speedy recovery)」のような願望によく使われます。一方、Promptは期待される時間通りに、または遅延なく行われることを表し、「迅速な返信(prompt reply)」のようにビジネスの文脈でよく使われます。Speedyは速さそのものに、Promptは時間的な正確さに重点を置きます。
- 「Hasty」はネガティブな意味を持ちますか?
-
はい、Hastyはしばしばネガティブなニュアンスを持ちます。急いで行われることを表しますが、同時に十分な考慮や計画が欠けていることも示唆します。「性急な決断(hasty decision)」「早急な結論(hasty conclusion)」など、速さが正確さや質を犠牲にしている場合に使われることが多いです。警告やアドバイスの文脈でよく見られます。
- 日常会話で最もよく使われる「速い・早い」を表す英単語は何ですか?
-
日常会話では、FastとQuick(Quickly)が最も一般的に使われます。これらは簡単で万能な表現であり、多くの状況で適切に使えます。特に物理的な速さを表現する場合はFast、短時間での行動や反応を表現する場合はQuickやQuicklyを使うことが多いです。より公式な単語(Rapid、Swift、Expeditious)は日常会話ではあまり使われません。
まとめ

英語には「速い・早い」を表す様々な単語があり、それぞれ微妙なニュアンスの違いがあります。物理的な速さを表すFast、短時間での行動を表すQuick、急速な変化を表すRapid、素早い反応を表すSwiftなど、状況に応じて適切な単語を選ぶことで、より正確で豊かな表現が可能になります。
日常会話ではFastとQuickが最も一般的に使われますが、より公式な場面や特定の文脈では他の単語も重要です。特に英文を書く際には、これらの単語の微妙な違いを理解して適切に使い分けることで、表現の幅が広がります。
これらの単語の違いを理解し、適切に使い分けることで、英語表現の幅が広がります。状況や文脈に応じて最適な「速い・早い」を表す英単語を選べるようになれば、より自然で豊かな英語表現が可能になるでしょう。