英語を学んでいると、時々矛盾しているように見える表現に出会うことがあります。「quite a few」はまさにそんな表現の一つです。「few」という単語は「少ない」という意味なのに、「quite a few」になると「かなり多くの」という意味になるからです。これは英語初学者にとって混乱しやすいポイントです。
この記事では、「quite a few」の意味や使い方について、わかりやすく解説していきます。例文も多数紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
「quite a few」の基本的な意味

「quite a few」は「かなり多くの」「相当数の」という意味を持つ英語表現です。日常会話でよく使われ、特に口語表現として親しまれています。
例文
- Quite a few students came to the party.(かなり多くの学生がパーティーに来ました)
- I have quite a few books about animals.(動物についての本をかなり多く持っています)
「few」が「少ない」という意味なのに、なぜ「quite a few」で「多い」という意味になるのでしょうか?この不思議な現象を理解するために、まずは「few」と「a few」の違いを見ていきましょう。
「few」と「a few」の違い
「few」と「a few」は似ているようで、実はまったく異なる意味を持っています。
「few」は「ほとんど〜ない」という否定的なニュアンスを持つ表現です。
例文
- Few students understood the math problem.(その数学の問題を理解した生徒はほとんどいなかった)
- There are few apples in the basket.(かごにはりんごがほとんどない)
一方、「a few」は「少しはある」「いくつかの」という肯定的なニュアンスを持ちます。
例文
- A few students raised their hands.(数人の生徒が手を挙げた)
- I have a few questions.(いくつか質問があります)
つまり、同じ3人の学生を表す場合でも、「few students」と言えば「学生はほとんどいない(たくさんいると期待していたのに、わずか3人しかいない)」というネガティブな評価になります。「a few students」と言えば「何人かの学生がいる(少なくても確かに存在している)」というポジティブな評価になるのです。
「quite a few」が「多い」を意味する理由
「a few」は「少しはある」という肯定的な表現です。そこに「quite(かなり、相当)」という強調の言葉が加わると、「少しどころではなく、かなり多くある」という意味になります。
- few:ほとんどない(否定的)
- a few:少しはある(肯定的)
- quite a few:かなり多くある(より肯定的)
例文
- I have quite a few friends in Tokyo.(東京にはかなり多くの友達がいます)
- There are quite a few parks in this city.(この街にはかなり多くの公園があります)
「quite a few」の正しい使い方
「quite a few」を正しく使うには、いくつかのルールを覚えておく必要があります。
「quite a few」と一緒に使える名詞
「quite a few」は必ず「可算名詞(数えられる名詞)の複数形」と一緒に使います。「不可算名詞(数えられない名詞)」とは使えません。
正しい例
- Quite a few students(かなり多くの学生たち)
- Quite a few books(かなり多くの本)
- Quite a few dogs(かなり多くの犬)
間違った例
- Quite a few water(×)→ Quite a lot of water(○)
- Quite a few money(×)→ Quite a lot of money(○)
また、「quite a few」の後に「of」を使って「Quite a few of the students」(その学生たちのかなり多く)のように使うこともできます。
例文
- Quite a few of my classmates play soccer.(クラスメイトのかなり多くがサッカーをします)
- I’ve read quite a few of these books.(これらの本のかなり多くを読みました)
「quite a few」を使った便利な表現
「quite a few」を含むよく使われる表現をいくつか紹介します。
例文
- Quite a few of them:彼らのかなり多く
例:Quite a few of them like music.(彼らのかなり多くが音楽を好みます) - Quite a few times:かなり何度も
例:I’ve been to Kyoto quite a few times.(京都にはかなり何度も行ったことがあります) - Quite a few years ago:かなり何年も前に
例:I visited Okinawa quite a few years ago.(かなり何年も前に沖縄を訪れました)
「quite a few」と似た表現の違い
「quite a few」に似た表現がいくつかあります。それぞれの違いを見ていきましょう。
「quite a little」との違い
「quite a little」は「quite a few」と似ていますが、使う名詞が異なります。「quite a little」は「不可算名詞」と一緒に使い、「かなりの量の」という意味になります。
例文
- He has quite a little money.(彼はかなりのお金を持っています)
- We need quite a little time to finish this.(これを終えるにはかなりの時間が必要です)
つまり、
- quite a few + 可算名詞の複数形:かなり多くの(数)
- quite a little + 不可算名詞:かなりの量の
「quite a lot」との違い
「quite a lot」(または「quite a lot of」)は、「quite a few」よりも強い表現で、「非常に多くの」「大量の」という意味です。また、「quite a lot」は可算名詞にも不可算名詞にも使えます。
例文
- There were quite a lot of people at the station.(駅にはかなり多くの人がいました)
- I have quite a lot of homework today.(今日はかなり多くの宿題があります)
「quite a bit」との違い
「quite a bit」(または「quite a bit of」)は「かなりの量の」という意味で、主に不可算名詞と一緒に使います。
例文
- I need quite a bit of help with this math problem.(この数学の問題にはかなりの助けが必要です)
- There’s quite a bit of snow outside.(外にはかなりの量の雪があります)
「quite a few」を使った例文
「quite a few」の使い方をさらに理解するために、いくつか例文を見てみましょう。これらはすべて中学英語レベルの簡単な例文です。
例文
- My brother has quite a few games on his computer.
(兄はコンピューターにかなり多くのゲームを持っています) - Quite a few birds come to our garden every morning.
(毎朝、かなり多くの鳥が私たちの庭に来ます) - Our teacher knows quite a few English songs.
(私たちの先生はかなり多くの英語の歌を知っています) - I met quite a few interesting people at the party.
(パーティーでかなり多くの面白い人々に会いました) - Quite a few students in our class like science.
(私たちのクラスではかなり多くの生徒が科学を好きです) - My grandmother has quite a few beautiful flowers in her garden.
(祖母の庭にはかなり多くの美しい花があります) - There are quite a few good restaurants in this area.
(この地域にはかなり多くのおいしいレストランがあります) - We saw quite a few stars in the night sky.
(夜空にかなり多くの星を見ました) - I have quite a few cousins in Osaka.
(大阪にはかなり多くのいとこがいます) - Quite a few of my friends play the piano.
(私の友達のかなり多くがピアノを弾きます)
これらの例文を通して、「quite a few」が日常会話でどのように使われるかがわかると思います。「かなり多くの」という意味で、肯定的な文脈で使われることが多いです。
「quite a few」に関するよくある質問
「quite a few」について、よくある質問に答えていきます。
- 「quite a few」と「many」はどう違いますか?
-
「quite a few」と「many」はどちらも「多くの」という意味ですが、ニュアンスが少し異なります。「many」は直接的に「多い」と言っているのに対し、「quite a few」は少し控えめな言い方で「少なくはない」と遠回しに表現しています。
- Many students came to the party.(多くの学生がパーティーに来ました)- 直接的
- Quite a few students came to the party.(かなり多くの学生がパーティーに来ました)- 少し控えめ
- 「quite a few」と「very few」はどう違いますか?
-
この二つは全く反対の意味です。「quite a few」は「かなり多くの」という肯定的な意味ですが、「very few」は「ごくわずかしかない」という否定的な意味です。
- Quite a few students passed the test.(かなり多くの学生がテストに合格しました)- 肯定的
- Very few students passed the test.(テストに合格した学生はごくわずかでした)- 否定的
- 「quite a few」を使うときのよくある間違いは何ですか?
-
「quite a few」を使うときのよくある間違いには次のようなものがあります。
- 不可算名詞と使う
× Quite a few water
○ Quite a lot of water - 単数形の名詞と使う
× Quite a few student
○ Quite a few students - 「of」がない場合に特定の名詞を指す
× Quite a few students in my class are tall.(特定のクラスを指す場合)
○ Quite a few of the students in my class are tall.
- 不可算名詞と使う
- 「quite a few」はどんな状況で使うのが適切ですか?
-
「quite a few」は主に日常会話や友達との会話など、カジュアルな状況で使われることが多いです。公式な文書や学術論文では、より正確な表現(例:「many」「numerous」「several」など)が好まれる傾向があります。
まとめ

この記事では「quite a few」の意味と使い方について詳しく解説しました。主なポイントをまとめると、
- 「quite a few」は「かなり多くの」「相当数の」という意味を持つ
- 「few」は「ほとんどない」という否定的な意味だが、「a few」になると「少しはある」という肯定的な意味になる
- 「quite a few」は「a few(少しはある)」を「quite(かなり)」で強調した表現
- 「quite a few」は必ず可算名詞の複数形と一緒に使う
- 不可算名詞には「quite a lot of」や「quite a bit of」を使う
- 「quite a few」は「many」よりも少し控えめな言い方
- 「quite a few」と「very few」は全く反対の意味を持つ
- 「quite a few」は日常会話でよく使われる表現
「quite a few」は日常会話でよく使われる便利な表現です。最初は「few」が「少ない」なのに「quite a few」が「多い」という矛盾に混乱するかもしれませんが、「a few」が肯定的な表現であることを理解すれば納得できるはずです。
英語の表現には単なる意味だけでなく、話者の態度や意図が反映されることがあります。「quite a few」は、直接的に「多い」と言わずに、婉曲的に「少なくはない」と言うことで、謙虚さや控えめな態度を示す効果もあるのです。
この記事を参考に、ぜひ日常会話で「quite a few」を使ってみてください。英語の表現力が豊かになり、より自然な英語が話せるようになるでしょう。
英語学習の旅は長いですが、一つひとつの表現を理解していくことで、確実に上達していきます。これからも「quite a few」のような便利な表現をたくさん学んで、英語力を高めていきましょう!